ホーム > 市政情報 > 記者発表資料 > 記者発表2024年9月 > 一般社団法人めぐみ会に対する行政処分(改善措置命令)の実施

一般社団法人めぐみ会に対する行政処分(改善措置命令)の実施

ここから本文です。

記者資料提供(2024年9月19日)
健康局保健所医務薬務課
 美滴+クリニック(ビテキプラスクリニック)(以下、「本件施設」という。)は、2023年10月1日に個人診療所(開設者:医師 山田 慶貴、診療科目:美容皮膚科)として開設されましたが、開設後まもなく、保健所へ「医師不在で、無資格者による診療、点滴指示が行われている」との通報がありました。保健所の立入検査等による調査の結果、
 ①カルテ記載不備などの法令違反が確認され
 ②当該医師による名義貸しが疑われたことから
 管理者(山田医師)及び実質的な経営者と疑われる株式会社KUON.s international(代表取締役 古川きらら)及び古川めぐみに対して、管理運営体制等を是正するよう、行政指導を行っていましたが、指導中の2024年4月30日に診療所廃止届が提出されました。
 しかし、その後、古川めぐみは、一般社団法人めぐみ会(代表理事 古川めぐみ)(以下、めぐみ会とする)を設立し、
 ①自由診療の訪問看護ステーション及びエステ店として、「美滴+クリニック」の名称を使用したまま営業を継続しています。
 ②本件施設は、医療法上の診療所ではないにも関わらず、無許可での医療行為(点滴注射)を継続しています。
 ③本件施設は、医療法上の診療所ではないにも関わらず、「クリニック」を標ぼうしており、これは医療法上の虚偽広告に該当します。
 このような無許可での医療行為は、市民への健康被害が発生する危険性があることから、保健所では、直ちに是正するよう、立入検査及び文書により、繰り返し、指導を行ってきましたが、めぐみ会は、「提携しているクリニックの医師がオンライン診療しており違法ではない。」と申し立て、全く是正に応じようとしません。
 このため、医療法に違反の上、その運営が著しく適正を欠いていると判断し、本日、めぐみ会に対して、医療法(以下、法とする)第24条の2第1項に基づく行政処分(改善措置命令)を行いました。

1.施設の概要

(1)代表者 一般社団法人めぐみ会 代表理事 古川めぐみ
(2)施設名 美滴+クリニック(ビテキプラスクリニック)
(3)所在地 神戸市中央区元町通一丁目13番13号 ナポリ元町ビル7階

2.処分に至るまでの経緯

2023年10月1日  美滴+クリニック(個人診療所)の開設
2023年10月12日 保健所あて、当該診療所について「医師不在で、無資格者による診察、点滴指示」が行われているとの通報あり。
2023年10月25日 医療法に基づく立入検査。カルテ記載不備(医師の点滴指示記録なし)等を確認。是正を指導。
2024年1月12日、26日  医療法に基づく立入検査。指導に対する改善見られず。
2024年2月5日   文書による行政指導
2024年4月26日  医療法に基づく立入検査。医師不在での医療行為(点滴注射)を確認。直ちに中止するよう指導。
2024年4月30日  診療所廃止届が提出される。
2024年5月13日  医療法に基づく立入検査。医師不在での医療行為(点滴注射)を確認。直ちに中止するよう指導。
2024年5月27日  文書による行政指導(医療行為(点滴注射)の中止、虚偽広告(クリニック)の中止)
2024年7月5日   医療法に基づく立入検査。医薬品の陳列、点滴ボトル・点滴ルートが廃棄されていることを確認。医療行為(点滴注射)の中止、虚偽広告(クリニック)の中止を再度指導。
2024年9月19日  改善措置命令の実施

3.違反内容及び根拠法令

(1)無許可診療所開設(医療法第7条第1項違反)
診療所の開設許可を受けることなく、医療法第1条の2第2項に規定する「医療提供施設」に該当しない施設で、繰り返し、医療行為(点滴注射)を行っている。
(2)虚偽広告(医療法第6条の5第1項違反)
ウェブサイトにおいて、診療メニューや診療時間等を掲載し、あたかも許可を受けた診療所であると誤認させるような広告をし、また本件施設ウェブサイトで診療予約が出来る状態にして患者を誘引している。
(3)名称使用制限違反(医療法第3条第1項違反)
診療所の開設許可を受けていないにもかかわらず、看板やウェブサイトにおいて、「診療所」を表す「クリニック」の名称を使用している。

【根拠法令】
○医療法
・第1条の2(医療提供の理念)
1(略)
2 医療は、国民自らの健康の保持増進のための努力を基礎として、医療を受ける者の意向を十分に尊重し、病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院、調剤を実施する薬局その他の医療を提供する施設(以下「医療提供施設」という。)、医療を受ける者の居宅等(居宅その他厚生労働省令で定める場所をいう。以下同じ。)において、医療提供施設の機能に応じ効率的に、かつ、福祉サービスその他の関連するサービスとの有機的な連携を図りつつ提供されなければならない。

・第3条第1項(類似名称の使用制限)
疾病の治療(助産を含む。)をなす場所であつて、病院又は診療所でないものは、これに病院、病院分院、産院、療養所、診療所、診察所、医院その他病院又は診療所に紛らわしい名称を附けてはならない。

・第6条の5第1項(医業等に関する広告の制限)
何人も、医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関して、文書その他いかなる方法によるを問わず、広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示(以下この節において単に「広告」という。)をする場合には、虚偽の広告をしてはならない。

・第7条第1項(開設許可)(抜粋)
病院を開設しようとするとき、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十六条の六第一項の規定による登録を受けた者及び歯科医師法(昭和二十三年法律第二百二号)第十六条の四第一項の規定による登録を受けた者でない者が診療所を開設しようとするとき、又は助産師でない者が助産所を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事(診療所又は助産所にあつては、その開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長。第八条から第九条まで、第十二条、第十五条、第十八条、第二十四条、第二十四条の二、第二十七条及び第二十八条から第三十条までの規定において同じ。)の許可を受けなければならない。

・第24条の2(改善措置命令)
都道府県知事は、病院、診療所若しくは助産所の業務が法令若しくは法令に基づく処分に違反し、又はその運営が著しく適正を欠くと認めるとき(第二十三条の二又は前条第一項に規定する場合を除く。)は、この法律の施行に必要な限度において、当該病院、診療所又は助産所の開設者に対し、期限を定めて、必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2 前項の開設者が同項の規定による命令に従わないときは、都道府県知事は、当該開設者に対し、期間を定めて、その開設する病院、診療所又は助産所の業務の全部又は一部の停止を命ずることができる。

・第87条(罰則)
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第六条の五第一項、第六条の六第四項、第六条の七第一項又は第七条第一項の 規定に違反した者

〇医療法施行規則
・第1条
医療法(昭和二十三年法律第二百五号。以下「法」という。)第一条の二第二項の厚生労働省令で定める場所は、次のとおりとする。
一 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第二十条の四に規定する養護老人ホーム(第九条第三項第三号において同じ。)
二 老人福祉法第二十条の五に規定する特別養護老人ホーム(第九条第三項第四号において同じ。)
三 老人福祉法第二十条の六に規定する軽費老人ホーム(第九条第三項第五号において同じ。)
四 有料老人ホーム
五 前各号に掲げる場所のほか、医療を受ける者が療養生活を営むことができる場所であつて、法第一条の二第二項に規定する医療提供施設(以下単に「医療提供施設」という。)以外の場所