神戸発「生きる力」を育む防災教育の推進
概要
1995年3月、「神戸の教育再生緊急提言会議」を開催し「震災を負の遺産として子供に残すのではなく、これを乗り越えて、未来に力強く生きていく子供の育成に努めなければならない」ことをはじめとする緊急提言をまとめました。
その提言等を踏まえ、本市の学校園全体で、「生きる力」を育むことを大切にした「新たな神戸の防災教育」の充実に、継続的に取り組んできました。
現在においても、「震災体験から学んだ教訓を生かす」「防災・減災」「思いの共有化」の3つの視点を大切に、震災の風化を防ぐとともに、震災で得た教訓を継承しながら、防災教育を推進しています。
防災教育リーフレット(PDF:2,254KB)
具体的な内容
震災30年「ともしびプロジェクト」(2024年度)
2025年1月17日、阪神・淡路大震災から30年をむかえます。
2024年度は、「いつもこころにともしびを」を合言葉に”ともしびプロジェクト”として、1年間を通して、震災を振り返り、防災意識を高める活動を推進していきます。
震災30年ともしびプロジェクトについて
神戸市防災教育副読本「しあわせはこぼう(幸せ運ぼう)」の活用
1995年11月、地域における被害の多少に関わらず共に学び合い、未来の神戸でたくましく生きていく礎とするため、神戸市防災教育副読本「しあわせはこぼう(中学校は「幸せ運ぼう」)」を発行し、これまで活用してきました。
2012年度には、東日本大震災後、津波被害への対応や防災教育の見直しを図るため、仙台市と連携し大改訂を行いました。
現在でも、震災から学んだ教訓を風化させることなく、小・中学校ほぼ全ての学校がこの副読本を活用し、防災教育を実践しています。
神戸市防災教育副読本「しあわせはこぼう(幸せ運ぼう)」
実践研究
2013年度から文部科学省と「学校安全総合支援事業」の委託契約を結んで、毎年、防災教育推進校園を選定して実践研究を行っています。
2023年度の推進校園の取組はこちらをご覧ください。
R5_防災教育推進校の取組内容(PDF:6,315KB)
「防災教育カリキュラム」に基づいた教科横断的な授業実践
学習指導要領総則には、教科横断的に防災教育を行うことが明記されています。神戸市では、1月17日など特別な日だけではなく、年間を通して防災の視点も取り入れた授業を実践するように、全学校園に「防災教育カリキュラム」の作成を義務付けています。また各学校園のカリキュラム内容について、教育委員会から必要に応じて指導・助言を行っています。
保護者や地域、専門機関と連携した取組
- 防災福祉コミュニティをはじめとした地域団体や消防署などの専門機関と連携して、防災訓練や防災学習を行っている学校園がたくさんあります。
- 幼稚園と小学校を中心に保護者との引渡し訓練を積極的に行っています
- 中学校や高等学校の中には、消防局と連携した防災ジュニアリーダーの育成や、生徒会を中心としたボランティア活動など、次世代の防災を担う人材育成に力を入れている学校もあります。
- 震災の体験や教訓を語り継ぐ取り組みのひとつとして、たくさんの学校園が語り部から直接、話を聞く機会を設けています。
- 校外学習で「人と防災未来センター」や「北淡震災記念公園」を訪れ、当時の様子をより詳細に学んでいます。
(2020年度、2021年度は新型コロナウィルス感染拡大の防止の観点から中止にした教育活動もあります。)
※左上「起震車体験学習」、右上「北淡震災記念公園見学」、左下「煙体験訓練」右下「消防局との合同訓練」の様子
2つめの神戸市歌「しあわせ運べるように」
神戸市の教員であった臼井真氏が作詞・作曲した「しあわせ運べるように」が2021年1月に2つめの神戸市歌となりました。震災当時の思いを歌い継ぐため、毎年震災追悼行事などで、学校園をはじめ多くの場所で歌われています。また「復興の歌」「心の歌」として神戸市だけに限らず、日本・世界各地の被災地でも歌われています。(下の関連リンクもご参照ください)
(PDF:415KB)
学校防災アドバイザー
2013年度より毎年、大学教授・人と防災未来センター研究員・気象庁職員・危機管理室職員など、防災の専門家に学校防災アドバイザーを委嘱し、授業づくりや訓練方法などについて指導助言をいただいたり、職員研修用動画を作成に協力していただいたりしています。
学校防災マニュアル作成指針の改訂など、学校園全体に関する防災上の取組についても助言をいただいています。
R6_学校防災アドバイザー(PDF:123KB)