[2020年2月5日]Yahoo!JAPAN連載「データで探求!神戸ってどんな街?」
こんにちは、ヤフーデータソリューション神戸市担当チームです。
本シリーズでは、ビッグデータを使ったまちの可視化についてご紹介してきました(Yahoo! JAPAN連載データで探求!「神戸ってどんな街?)。
季節のイベントによりまちの風景が変わるのと同様、集まる人々も変わります。神戸市街地が1年で最もにぎわう日をご存じでしょうか?次の表は、ヤフー位置データを元にした2019年の神戸市中央区の来訪者数(指数)トップ10の日付です。
ご覧のとおり、冬場の金曜日が特ににぎわっていることがわかります。中でもルミナリエ開催期間は最も神戸に人が集まる時期です(2019年のルミナリエ開催期間:12月6日(金曜)〜12月15日(日曜))。
今回は、神戸の冬の風物詩、復興と希望のシンボルであるルミナリエをデータで振り返ってみます。
神戸ルミナリエホームページによると、2019年度の来場者数は累計3,469,000名と、前年をやや上回るにぎわいだったようです。
ではヤフーのビッグデータでも人流を確認してみましょう。なお、今回使うデータはすべてヤフーのデータソリューションが提供するデスクリサーチツールDS.INSIGHTに基づいています。
図2はヤフーの位置情報をもとに神戸市中央区の日別来訪者数を指数化したものです。枠線内がルミナリエ開催期間です。昨年度の実績(点線)は曜日を2019年のカレンダーに合わせています。ルミナリエ公式発表と同様、ビッグデータによる近隣の人出を見ても前年をやや上回っていたようです。わかりやすくするため週の平均値に集計したところ、ルミナリエ開催期間中の12月9日の週が来訪者数のピークとなっていました。
図2)神戸市中央区の来訪者数(指数)
資料:ヤフーDS.INSIGHT
次に、ルミナリエに対する関心度合いをヤフー検索データで調べてみます。比較のため「ルミナリエ」に加えて大阪など各地で催される「クリスマスマーケット」を対象ワードに設定してみましょう。
エリア別の特徴度を示したものが図3の左のマップです。「ルミナリエ」は近畿圏を中心に関心を集めています。
また、検索した人の性別と世代の分布を見たところ(図3右)、「クリスマスマーケット」が女性および20代寄りなのに比べ、「ルミナリエ」は属性の偏りが穏やかでより幅広い層が関心を寄せていたことが推測されます。
図4は時系列での検索数の推移です。「ルミナリエ」の検索は冬シーズンが本格化する11月あたりから徐々に盛り上がり、開催期間にピークを迎えます。なお「クリスマスマーケット」は12月以降継続的に検索数を維持し、クリスマス終了後に一気に収束します。
続いて「ルミナリエ」と一緒に検索された関連ワードを見てみます(図5)。円が大きいほどよく検索されたキーワードです。円をつなぐ線は関連度の強さを表しています。赤は女性が、青は男性がよく検索したことを意味します。赤が多い中で「駐車場」「デート」は青い円となっており、車でのデートを企画する男性の姿が見えるようです。
全体的には、開催期間・時間や、アクセスに関する調べ物が多いことがわかります。料金や屋台の有無など、イベント内容に関する調べ物も見られます。ハートフルデーや、今年で終わるのかどうかを検索されているかたも。毎年の楽しみにしてくださっている方々の姿が伺えます。
このように、ビッグデータはイベント時のにぎわいの可視化や人々の関心事を知ることにも活用できます。神戸のまちづくりや、より良いイベント作りのヒントが隠されているかもしれません。
ヤフーデータソリューションは、これからもデータを活用したまちづくり支援を行っていきます。どうぞよろしくお願いします。