最終更新日:2022年11月11日
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市長会見の模様をお届けします。
・新型コロナウイルス感染症対策
①新型コロナ・インフルエンザの同時流行に備えた抗原定性検査キットの中学・高校生への無償配布
・海外出張報告
①久元市長・安井議長の海外出張(米国)報告
②姉妹都市提携65 周年・姉妹港提携55 周年記念 シアトル市訪問団の来神について
・墓園のあり方を検討する有識者会議の開催
①神戸市立墓園のあり方を検討する有識者会議の開催
会見資料はこちら(PDF:3,594KB)
・新型コロナウイルス感染症対策
・海外出張報告
・墓園のあり方を検討する有識者会議の開催
・質疑応答(発表項目)
・質疑応答(発表項目外)
司会:
それでは、11月、1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。
市長、よろしくお願いいたします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。今日、私がお話を申し上げたい案件は3件です。
最初に新型コロナウイルスへの対応です。感染が増加傾向にあります。今日の神戸市内の感染件数が537件で、前の週よりも増えています。昨日もそうですね。今週の累計が3,180件ということで、前の週が2,649件、その前が2,082件ですから、増加傾向にあるというふうに言えます。これまでの最多の1日の感染者数が、8月10日が3,990件でしたから、それまでにはまだ及ばないですけども、感染が増加傾向にあるということは間違いありません。
現在の確保病床が398床ですが、32%の使用率となっています。重症者病床の使用率は45床あって7床、16%ということで、重症者の方は1人しかおられませんから、感染者は非常に増えているけれども、重症者の数は極めて少ないという、こういう全体の傾向は変わってはおりません。
こういうような状況の中で、今、我々は何をすべきかということですが、当然のことながら感染の拡大を抑えていく必要があります。そしてインフルエンザの流行が既に始まっていますから、コロナとインフルエンザの同時流行に備える対応が必要です。感染をどう抑えるのか、そのためには、後でまた申し上げますが、ワクチン接種を進めていくということが重要ですし、同時にインフルエンザとコロナが同時に流行しているということを考えれば、発熱外来など、医療機関の逼迫を抑えて、医療提供体制をしっかりと確保するということが重要です。
そういうことを考えたときに、焦点を当てる対象というのが、これは中で随分議論したんですけれども、これは中学生と高校生にスポットを当てて対応をする必要があるのではないかということです。感染が確認をされれば、高齢者、それから持病を抱えている方など、重症化リスクの高い方については、これは医療機関で診察をしていただくということですが、それ以外の方については、これは自宅療養を基本にして、自宅療養をされている方に対してしっかりとフォローをしていくという、自宅療養フォローアップセンターをつくって対応を行ってきました。
このことは、高齢者以外の世代の方については共通ではあるわけですが、中学生と高校生については、学校で集団生活を送っています。そして部活動も大変盛んです。そういうことを考えれば、この集団感染のリスクというのが、この中学生と高校生については、ほかの世代に比べて高いということが言えるのではないかというふうに思います。したがって、中学生と高校生の皆さんは、風邪の症状などが出て、感染のリスクが疑われる場合にはいち早く感染の有無を確認していただくということが必要ではないか、そして感染が確認をされれば、登校せずに自宅療養の体制に入っていただいて、しっかりと療養する。そして自宅療養フォローアップセンターからの指示に基づいて、必要な薬剤を服用すると、こういうような対応が必要なのではないか。そのためには、コロナ検査キットを配布して、持っておいていただくということが重要ではないかというふうに、考えが至りました。
そこで、これは神戸市独自の対応といたしまして、こういう対応を行っているところはほとんどない、我々が知る限りはないというふうに思うんですけれども、神戸市独自の対応といたしまして、中学校、高校、市内の中学校、高校に通う生徒の皆さんを対象に、コロナ検査キットを無償で配布、1回ですけれども、1人当たり2キットを無償で配布するということにいたしました。そしてこれは、中学生は11月16日から、高校生は11月18日から受付をスタートいたします。
e-KOBEで、ウェブで申し込んでいただいて、4,5日で届きます。そして症状が出たら検査をしていただいて、陰性の場合には医療機関を受診していただいて、インフルエンザの可能性も強いですから、確認をしていただく。陽性の場合には、これは保健所の医師が確定診断をいたしまして、そして自宅療養に入っていただき、フォローアップセンターからの連絡で必要な対応をしていただくと、こういうような対応をしたいというふうに考えております。11月16日から12月20日までの約1か月間ですね、こういう対応をして、コロナ検査キットで感染の確認をしていただくという対応をしたいと思っております。
それで、やはり感染を予防していただくためには、このワクチン接種が必要です。神戸市では現在BA.4、BA.5への対応のワクチンの接種を今進めています。このオミクロン対応型のワクチンを接種していただいて、感染予防に努めていただきたいと考えております。
現在、4回目の接種は、65歳以上の方については75%のところまできました。あと、年齢が若くなるにしたがって接種率が落ちるというのは従来からの傾向です。オミクロン対応ワクチンの接種実績については、12万5,000人あまりの方が受けていただいておりまして、市全体で言いますと8.3%程度の接種率となっております。
このように、年末に向けて、さらにコロナ感染が増加する傾向にありますので、早めのワクチン接種を御検討いただければと思います。コロナ対応は、取りあえず以上のようなところです。
先般、アメリカ西海岸、シアトル市、ポートランド市に出張いたしましたので、概要を御説明申し上げます。
神戸市会からは安井俊彦議長をはじめ、議員各位が参加をされました。そして今回の西海岸の市出張の特徴は、民間企業、団体の皆さんが積極的に参加をされたということです。11団体、企業、21名の皆さんが参加をされまして、いわば官民合同の訪問団を構成いたしました。
まず、訪れましたのがシアトル市でして、シアトル港湾局も訪問いたしました。このシアトルとは、これは神戸市が一番早く姉妹都市提携をしたのがシアトル市でして、今年が65年ということになります。それからシアトル港とも、港湾局が連携をしておりまして、今年で55周年ということになります。
シアトル港では、脱炭素、再生可能エネルギー、水素エネルギーの開発、利活用の状況につきまして、お話をお聞きすることができました。これは両港とも積極的に取り組んでいるところですから、これからも連携し、相互に、お互いに学べるところは学び合って、この港湾の脱炭素化などに資する取組をしていきたいと考えております。
今回のシアトルの訪問では、IT企業に訪問いたしまして、そして市内の民間企業の皆さんにも当然ここに参加していただいて、この様々なアメリカのIT企業の取組を学ぶ、あるいは連携することができないかということを模索するということです。
まず訪れたのはマイクロソフト社です。マイクロソフト社をぜひ訪れたいという、そういう企業の皆さんが参加されました。このマイクロソフト社には、AI & IoT Insider Labs(エーアイ・アンド・アイオーティー・インサイダー・ラボ)という、そういう施設がありまして、これは研究開発部門です。
このAI、その他のIT技術を活用して、具体的に解決したい事業課題というものを設定し、それに対してどういうような解決方法があるのかということを、実際に機器を動かしながらデモンストレーションも見せていただきました。そして企業の皆さんとの間でも、非常に有益なディスカッションなども行われました。
このAI & IoT Insider Labs(エーアイ・アンド・アイオーティー・インサイダー・ラボ)というのは、マイクロソフト社のIT技術者や専門家が、依頼先の企業との間で、技術者との間でディスカッションを行いながら、必要なハードウエアやソフトウエアを開発していくという、そういう研究開発施設です。世界中から、たくさんの企業から、いろいろな依頼を受けられていまして、大企業もあればスタートアップもあるということで、いろんな企業との協業が盛んに行われている、そのような様子を実際に学ぶことができました。
今後、神戸の企業とマイクロソフト社との間のビジネス連携ということも、これによって進む可能性があるのではないかというふうに考えております。
もう1社を訪れましたのが、シアトルに本社を構えるスラロム社です。スラロム社はDXコンサルタント企業で、顧客企業の業務依頼に対しまして、単にソリューションを提供するだけではなくて、その顧客の企業、クライアント企業のデジタルエンジニアを育成していく、その人材育成のためのトレーニングワークショップを実施したり、クライアントの企業のエンジニアと、このスラロム社のエンジニアが一緒に、様々なソリューションを共同開発すると、こういう手法によりまして、これはクライアント企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するというような取組が行われております。
印象的でしたのは、このスラロム社にとって、スラロム社の社員の皆さんが経営資源だという、そういう意識のもとに、この社員の皆さんが能力を発揮することができるような環境が整えられていると。私も、このスラロム社の社員の皆さんと、何人かと意見交換をすることができて、非常にクリエーティブな雰囲気に感銘を覚えました。民間企業の皆さんとの間でも活発な議論が行われておりました。
それからポートランドに参りまして、まず、着きましたのがポートランド国際空港です。ポートランド国際空港は、ポートランド市から独立をした団体が管理をしておりまして、この団体は港湾と、それから空港を管理しているという意味で、神戸市の港湾局は神戸市の中の組織ですけれども、独立しているかどうかという違いがありますが、港湾と空港を一緒に管理しているという面では共通点があります。
このポートランド国際空港は非常に評価が高い空港でして、もう既に、空港の中の様々なサービス、非常に効率的に検査が受けられたり、様々な手続が受けられるようになっているのと、ターミナルの雰囲気が実に明るくて、カフェがあるし、ミュージシャンがギターで歌を、ジョン・デンバーのロッキー・マウンテン・ハイを歌っていたり、それからハリウッドの映画を無料で見られるシアターもあるというような、そんな雰囲気の空港です。
さらに今、これをリニューアルするという計画が進んでおりまして、どういう空港にするのかということが、いろいろなパネルや、あるいは動画や、あるいはキャッチコピーで示されているという、大変印象的でした。まるで森の中にいるような空港にしたいというようなコンセプトで、今リニューアルが進められているわけです。これは、これからターミナル整備を進める神戸空港も、同じことをやるということではなくて、このポートランド国際空港の現状と、これからリニューアルの方向性というものは、神戸空港のターミナル整備を行う上でも参考になるというふうに感じました。
ポートランド市とは、既に3年前にポートランドの市長、テッド・ウィラー市長が神戸に来られましてMOU(覚書)を締結しております。今回はこのMOUをさらに、分野を広げていこうと、食とかIT、物づくり、クリーンテクノロジー、まちづくり、こういうような点に広げて連携を強化していこうということで合意をし、MOU(覚書)を再締結いたしました。
ポートランドは、大変魅力的な町で、神戸からもたくさんの企業やお店の皆さんが参加されたわけですが、1つは「食」について、「食」を町の魅力とし、市民もこの「食」を楽しんでもらう。外からもたくさんの皆さんに来ていただいて、「食」をキーワードに、このまちづくりや交流人口の増加を図っていくと、こういうような共通の目標があります。
神戸市のファーマーズマーケットも、ポートランド市からかなりアドバイスもいただいてきました。そういうような取組を進めようということで、それでこのKOBE FOOD&SAKE GATHERINGという、こういうイベントをしたわけですが、ここには神戸からの食材、食品ですね、それからお酒が提供され、神戸のお店の方がここに参加されて、ポートランドの野菜などの食材を使って、そして神戸風の料理を作るということが行われまして、両方の、両市の関係の皆さんがたくさん参加されて、これからも交流を進めようということが確認をされました。
こういう形で、シアトルとポートランドの出張を終えたわけですけれども、シアトルからはこの11月16日から18日まで、今度はもうすぐに、そんなに間を置かずにシアトルからの訪問団が神戸に来られることになっています。ブルース・ハレル、シアトル市長、お会いしましたけれども、市長を団長といたしまして、シアトルの港湾局、民間企業ではマイクロソフト社、アマゾン、ボーイング社といった、こういう、アメリカを代表するというよりも、世界を代表すると言ってもいいかもしれませんが、そういう企業の関係者を含めて、約70名の皆さんが神戸を訪れていただくということになっています。こういう形で相互訪問、相互交流によって、このシアトルと神戸市との、特にこのビジネス連携、ビジネスマッチングを進めていきたいというふうに考えております。それから、3点目が、話はがらっと変わるわけですが、墓園のあり方を検討する有識者会議、これを設置したいというふうに考えています。これは紙の資料をお配りしておりますので、御覧をいただきたいと思いますが、やはりこの墓園、お墓に対するニーズというものがかなり変わってきています。その背景には、やはりこの家族観というもの、あるいは死生観というものが、この短期間のうちに相当変わってきているのではないかという、そういう背景があります。限られたデータですけれども、ネットモニターの皆さんにアンケートを行いました。紙の資料の裏側、1枚紙の資料です。1枚紙の資料の裏側を御覧いただきたいと思います。
1回目のアンケートが2015年、それから2回目のアンケートが今年2022年に実施をいたしました。この中で、「将来お墓を守っていこうと考えているのか」という質問に対して、2015年は6割以上の方が「そう考えている」と答えておられたんですね。ところがそれが2020年、今年には半分以下、28.2%になっています。
それから、「継承者がいないので墓じまいを考えている」、これが2015年には11.2%だったものが、17.6%に増えている。それから「分からない」と答えた方が大幅に増えているということで、墓の在り方について意識が変わっているということと、あとはいろいろと模索しておられるというような姿が、限られたデータからですけれども、浮き彫りになっているわけです。
そういうことから、神戸市の墓園、今、4つの墓園があるわけですけれども、この4つの墓園の在り方をどうしていくのか。もう既に神戸市は鵯越墓園に合葬墓をつくっておりまして、これも拡張をいたしました。この合葬墓、それから個別安置施設も造っておりまして、かなりの方々が利用していただいております。そういう取組を既に始めているわけですが、将来的に墓園の在り方をどう考えるのかということで、有識者会議を設置して12月からスタートをしたいと思っております。
大体今年度中ぐらいには方向性を出して、神戸市の墓地、墓園の在り方を考えていく、そういう取組に資する検討を行っていただきたいと考えております。
専門家の方々は人間の死生観に関する研究をされている方、あるいは先祖を祭るということも含めた、亡くなった方を弔う方法に関する、墓地を含めて、そういうような専門家、それから墓地の在り方に関する専門家の方々など、6名の方々から成る有識者会議を設置いたしまして、墓園の在り方を検討したいと思っております。
私からは以上です。記者:
コロナについて伺います。増加傾向にあると思うんですけども、第7波の当初と比べて増加スピードというのはどのようにお感じでしょうか。
久元市長:
これはなかなか難しいですね、物すごく増えたと思ったら、そんなにも増えていないという、ちょっと数字を御覧いただければ、全体的に言うと、もうちょっと前のデータと比べればと思うんですけれども、爆発的に増えているとも言えないですね。しかし、着実に増えているということで、微増というよりは増え方は少し大きいですから、今までのところ、これは着実に増加傾向にあると言えようかと思います。
一部の専門家の方とか、あるいは知事の中には第8波に既に入っているとおっしゃっている方もいますけれども、その辺のところは必ずしもよく分かりません。まず、確実に増加しているということは言えようかと思います。
記者:
今、第8波というお言葉もありましたけども、久元市長として神戸市内の感染状況、第8波に入ったとはまだ言えないというようなお考えでしょうか。
久元市長:
第8波ということによって、どういう意味があるのかということですね。今までは第1波、第2波、特に第3波、第4波、第5波、それぞれ変異株の種類も違っていたので、そして感染の広がり方、それから重症者の方の割合、あるいはクラスターの発生状況ということがそれぞれ違っていました。しかし、第7波に入ってから新たな変異株の発生につきましては、健康科学研究所が丹念にゲノム解析を行っていて、その都度新たな変異株が発見されたら発表していますけれども、そのことによって、感染重症者がすごく増えたというわけでもありませんし、感染のスピードがこれによって加速されたということもありませんし、第8波ということを呼ぶとするならば、第7波と異なる要素があるのかどうかということについてはよく分からないですね。そんなに傾向は変わっていないかもしれません。
そういうことであれば、改めて第7波と区別して、第8波が到来するということの意味がどれほどあるのかというのは、そこは判断しかねるというのが正直なところです。
記者:
抗原検査のキットの件でお伺いします。これは、中高生は症状が出る前に申し込むというのを想定されているのでしょうか。
久元市長:
そうです。備蓄していただくということです。
記者:
じゃ、日頃から持っていて、症状が出始めたときに使っていただけるように。
久元市長:
そうです。早めの対応をするということです。
記者:
小学生も集団生活をしているような状況ですけれども、これは基本的にはお医者さんに行ってほしいというお考えなのでしょうか。
久元市長:
そうです。ここは大分議論しましたけれども、小学生の皆さんは症状が出て、コロナかインフルエンザかよく分からないですよね。そのときに、やはりお医者さんに行っていただいて、インフルエンザかコロナかということを確認して、そして、中学生未満、小学生以下の子どもたちはインフルエンザにかかって入院するリスクというのが大人に比べて高いです。ですから、この検査キットを配って陽性を確認するというよりは、症状が出たら発熱外来なりクリニックに行っていただいて、確認をしていただくということのほうがいいのではないかという判断をしています。
記者:
コロナと関連してなんですけど、第7波の際、夏頃ですか、医療とか救急体制が逼迫して自宅療養中の高齢者が亡くなるという事案が2件あったかと思うんですが、この点今、第8波の話もありましたけど、また、感染がちょっと拡大してきつつある中で、自宅療養中の死亡という同様の事態を防ぐ対策についてお伺いしたいです。
久元市長:
これは基本的には従来から65歳以上の高齢者の方、それから重症化リスクのある方については、しっかりと感染の確認を行って発生届も出して、そして受診をしていただくということを基本にしておりまして、これは変わってはおりません。
それから、自宅で亡くなった2人の方、2人とも90代の方でして、これはなかなか即断はできませんが相当御高齢、90代の方ですから、やはり自宅で十分な手当てができなかったために亡くなられたかどうかということについては、そこはそう決めつけるということもできないかなと思います。
いずれにしても、第7波に入ってからの対応方針は神戸市としては確立しているつもりですから、この対応をしっかりと確実に行っていくということが重要だと思っています。
記者:
亡くなった事案の説明の際に、医療機関に余裕があれば受入れができたというような説明を市のほうでされていたかと思うんですけど、そのあたり、克服というか、どうされる御予定でしょうか。
久元市長:
現時点では先ほどの病床使用率を見ても32%ということで、ちょっと上昇傾向にありますが、今現在、医療提供体制が不足している、逼迫している状況ではないと思います。しかし、今後、感染がずっと増えれば、今、病床数は398床ですけれども、これをさらに増やすことは可能ですし、さらに増えた場合には通常医療を制限するということに踏み切らざるを得ないかもしれませんが、そういう形で病床数を増加させていくということも必要になるかもしれません。
いずれにしても、感染の拡大の状況に応じて、柔軟かつ迅速に対応していくということが重要だと思います。
記者:
墓園のことでお尋ねしたいんですけれども、今、市の4つある墓園については、かなりニーズが高まって空きがないようになっているとか、そういう声があって今回の検討ということなのでしょうか。
久元市長:
墓園の在り方をやはり考えなければいけないのではないか。つまり端的に言うと、墓園はこれから増やしていく必要があるのかないのか、墓園の形態をどうするのか、墓園の主流は区画型なんですよね。一定の区画を神戸市がお貸しして、借りていただいてお墓として使っていただくというものが主流だったわけですが、しかし、もう既に区画型よりも合葬型、合葬墓というものに対するニーズが高まってきているということが分かってきましたので、何年か前に鵯越墓園に合葬墓、それから個別安置施設というのを造って、そこに骨壷を入れていただくというような対応をしてきました。こういうような対応をもっと進めるべきなのか、どうなのかということも含めて議論をするということです。
区画型の墓地については、少なくとも不足をしているということはないと思います。一方で、合葬墓に対するニーズというのはやはり高いのではないかと思いますし、そもそもその背景にある人のお墓に対する意識というものを、きちんと専門家の方から、これは行政の関係者がなかなか分かりにくい面もありますから、その背景にある人の意識がどうなのかということも専門の方々からお話を聞いた上で、そして墓園の在り方を考えようということです。
記者:
ありがとうございます。ほかの自治体でもこういう検討が今進んでいる状況なのでしょうか。
久元市長:
進んでいるかどうか分かりませんが、検討している自治体はそんなに数は多くないかもしれませんがあると聞いています。
記者:
中高生のコロナの抗原検査キットの無料配付についてなんですが、実際の生徒さんへの呼びかけというのは学校を通じてになるのか、どういう方法で周知される予定でしょうか。
職員:
基本的に市のほうからホームページ等で呼びかけをしていきたいと思っておりますが、教育委員会とも相談をしながら進めていきたいと考えてございます。
記者:
改めて市長からお言葉をいただきたいんですけど、学生さんに向けて、冒頭にも申し上げておりましたが、教室とか部活動での集団感染とか、集団生活をされるので感染リスクが高いということで、改めてどういうことを呼びかけたいとお考えでしょうか。
久元市長:
やはり中学生や高校生の皆さんは集団生活をしている、それから部活も盛んに行われているということを考えれば、誰かが感染をしたら、これが友達に広がる、教室の中に広がる、それぞれの部活動のメンバーの中に広がるという、そういうリスクがほかの世代に比べて高いと思いますから、感染の有無をできるだけ早く確認して、チェックしていただいて、そして感染が確認されたら、迅速に自宅療養に入っていただいて、自宅フォローアップセンターの指示に基づいて、適切な対応をしていただくということをぜひお願いしたいと思います。
記者:
1つは、まずコロナの件で感染が増えている中で、ワクチンの4回目接種がなかなか進んでいないのかなというところも、対象者もあるだろうと思うんですが、これから感染が増えれば増える可能性もあると思うんですけど、なかなか進まない、少し接種を控えている方もまだいらっしゃるのかなという印象なんですけど、このあたり、何か要因みたいなところで、どう見ておられるのでしょうか。
久元市長:
65歳以上の方はかなり進みました。それから、オミクロン対応ワクチンの接種も進めておりまして、これは前回の接種を受けてから3か月たった方から順次送っておりまして、予約は大規模接種会場を見ても11月中ぐらいまではかなり予約が埋まっています。
ですから、これから順次オミクロン対応ワクチンの接種も進んでいくのではないかと思います。ただ、若年層、それから小児、5歳から11歳までの接種率が相当低いです。これは全国平均に比べても半分以下で、これは神戸だけではなくて大阪や京都など関西が低いと。関西はもともと予防接種の接種率が以前から低いんですよね。これはなぜなのかちょっとよく分からないんですけれども、そういうような背景もあるのではないかと思います。
記者:
分かりました。
それと抗原検査キットなんですけども、対象者は何名ぐらいになるのでしょうか。
職員:
大体8万人ぐらい見込んでございます。
記者:
市内在住の中、高、特別支援学校全て含めて約8万人。
職員:
そうです。
記者:
キットはもう既に確保済みなのでしょうかね。
職員:
もともとオンライン確認センターのほうで在庫がございますので。
記者:
それから、先ほどポートランド国際空港のお話があったかと思います。具体的に、そのままそっくりというわけではないというお話でしたけども、見られて、神戸空港にこういうところを反映して、活かしてみたいな、お考えがありましたら教えてください。
久元市長:
全体的にやはり明るい雰囲気の空港にしたいということはまず思いました。これはアメリカ、あるいはヨーロッパの空港で特に手荷物検査のときに物すごく、何と表現したらいいのか分かりませんが、すごい緊張感があるというか、何か物腰がつっけんどんで、緊張する雰囲気。手荷物検査はそんなものですよね、セキュリティー上非常にきちんと不審人物や不審物を発見しないといけないので。どうしてもそういう雰囲気になるのはそうなんですけど、ポートランドの場合にはきちんとしているんですけれども、すごく物腰が柔らかくて、冗談も言ってくれたり、全体的に職員の皆さんがすごくフレンドリーでした。
そういうところはやっぱり見習っていかなければいけないということと、デザインが、これは将来の姿なんですけれど、さっきも申し上げましたように、もう繰り返しませんが、すごく楽しい、明るい、開かれた雰囲気の空港に既になっていましたね。さらにこれを進化させていく、木をふんだんに使う、森の中にいるような空港にしたいということで、このコンセプト、決してそれをまねするわけということではなくて、神戸は神戸で海上空港という特性もポートランドとは違いますから、神戸の特性を生かしながら、やはり明るくて楽しい雰囲気のターミナルができればと思っています。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
あと1点だけ、墓園の話で、先ほどの話にもあったと思うんですけど、合葬が増えているということで、現状、区画墓の空きが増えてきているとか、そういう状況ではないということなんでしょうか。
職員:
区画墓でございますけれども、以前よりはちょっと減ってきているといいますか、新たに借りられる方よりも、お墓をしまわれる方のほうが多くなっているような傾向がございます。
記者:
現状として歯抜け地になりつつあるといいますか、要するにそういった現状も、市としては、収支的なところもあると思うんですけど、そういったところも改善していきたいというか、そういう狙いもあるんでしょうか。
職員:
そうですね、収支という意味でも、使っていただけるような施設を整備していかないといけないのかなと思っております。
記者:
すみません、もう1個お伺いしたいんですけれども、海外視察の関係で、ポートランドとシアトルは人口増加率が高いというふうに書いてあるんですけれども、今回発表いただいたテクノロジーとか産業面以外にも、いろいろ町を見たりする中で、その町のどういうところに人口増加のポイントがあるのかとか、神戸に活かせそうなところとか、もしお感じになったところがあれば伺ってもよろしいでしょうか。
久元市長:
シアトルの場合には、やはりマイクロソフト社、それから、先ほど御紹介したスラロム社とか、あるいはアマゾンとか、そういう世界を代表するIT企業、もちろんそういう超ビッグなIT企業に関連するようなIT企業、スタートアップもかなり集積しているということで、かなり所得階層が高い人たちが集まってきているということがあると思いますし、それから、やはりこれは神戸も似ているところがありますが、ロケーション、海があって、坂道があって、周りの自然環境に非常に恵まれているということで、そういうところに着目して人々が集まってきているということがあると思います。
それから、ポートランドについては、海に面した町ではなくて、2つの大きな川が合流するところに発達した、ここは港湾があるわけですけれども、港湾の規模は神戸に比べればかなり小さいですし、あと、シアトルともかなり違います。ここはやはり、食の魅力、自然環境を活かしたまちづくり、それから、まちのデザインという意味で非常に学ぶべきところはたくさんありました。魅力あるまちづくりをしているというふうに感じました。
ただ、これは、ポートランド、シアトルだけではなくてアメリカに共通する話だと思いますが、やはり町の中にホームレスの姿がかなりありました。シアトルやポートランドは比較的もうほとんどいないのかなと思っていたんですけど、予想以上にホームレスの姿があって、やはり、ビジネスの傾向に乗ることができる人たちと、そこから取り残されている人たちとがやはり存在する。もちろん両市ともこの問題は非常に強く意識されていて、必要な住宅の提供とか様々な、そういう低所得者、困窮者に対するケアは相当一生懸命されていると思いましたし、シアトルの図書館に行きましても、図書館の中にもそういうハンディーを抱えた人たちが来て、就職の履歴書などを書くことができるようなスペースや、あるいは、それを応援するサービスなどが行われていましたから、そういう面でも参考になりましたが、両市ともというか、アメリカの社会全体がそうだとは思うんですけれども、やはり格差と貧困問題というものがかなり存在していることも事実だと感じます。
記者:
墓園のほうでちょっと質問があるんですけれども、先ほどお話にありました、合葬墓のニーズが高まっていることと、区画型のニーズが減っているというところから、墓園の在り方の見直しが必要だというところで、今回、開催に至ったという経緯で間違いないでしょうか。
久元市長:
減少面ではそういうことで、そこは初めから分かっていたわけです。しかし、お墓というものは、やはり人々の思いが込められていますよね。先祖をお祭りしたいとか、亡くなった家族を悼むとか、そういう1つの場所であるわけです。この墓園の在り方を考えるときに、やはりそういう人々の意識の変化ということも、こういう分野は行政がなかなか分からない分野です。行政の中にはそういうことの専門家はいないので、そういうような人々の死生観とか意識というものをある程度踏まえたほうが、墓園の在り方を考える上で有益であり、そういうアプローチは必要なのではないだろうかということで、先ほど申し上げましたような分野の方々に入っていただいているということです。
結果として何をすべきなのかということは、その上で考えていきたいと思います。
記者:
今、この会の開催が決まった経緯というか要因って、何か特に出来事とかはあったりしますか。
久元市長:
もともと墓園をどう効率的に管理するのかということについては、民間能力の活用とかということが昨年度の終わりの段階では考えられていたわけですが、私自身はこの墓園の在り方を、民間委託がいいか、直営でいいか、区画がいいか、合葬墓がいいかということを考える前提として、繰り返し申し上げておりますけれども、お墓というのは、やはり人間、人が様々な思いを持ってそこに行く場所なので、そういう日本人の死生観というものや、あるいは、先祖を祭るという意識がどう変わってきたのかということも踏まえながら政策を立案していくことが必要ではないかと考えて、今年度、有識者会議をつくることにしていた、それを設置しようということです。
記者:
私も墓園についてなんですけれども、先ほどのお話で、死生観とかがここ最近変わってきたというお話がありましたが、これはコロナとかも関係あるとお考えなんでしょうか。
久元市長:
分からないです。そこは専門家の御意見も聞いてみたいと思います。
記者:
分かりました。あと、アンケート調査自体は2015年が1回目だと思うんですけれども、このときに何かがあってアンケート調査に至ったのか、その経緯とかが分かれば知りたいんですが。
職員:
経緯でございますけれども、鵯越に合葬墓を造るということを考え始めたときに、市民の皆様のニーズを確認したいということで、平成27年度にアンケートを取らせていただきました。
記者:
合葬墓のニーズが高まっているところを確かめようということで、アンケートを取られたんですか。
職員:
合葬墓も含めて市民の皆様の、お墓に対する考え方のところをお聞きいたしました。
記者:
そのときに、もう区画の墓は減少傾向というか、あまり使われていなくなってきていたんでしょうか、その時点で。
職員:
ちょっとニーズが変わり始めたというような認識はあったんですけれども、今ほどは顕著ではなかったのかなと思います。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
記者:
抗原検査キットですけども、対象が8万人ということですけど、これは全員分のキットがあるという理解でいいんでしょうか。
久元市長:
そうです。十分あります。
記者:
これ、申込制にせずに学校から通じて配布したら早いと思うんですけども、こういう方式にしたのは何か理由があるんでしょうか。
久元市長:
これはやはり、本当は全員に配るという方法はあるかもしれませんが、これも公費で負担しているわけですから、無駄にするわけにもいかないので、これは簡単にe-KOBEのシステムで申し込んでいただけますから、当然、保護者の皆さんは中学生や高校生の子どもさんの感染に対する意識というのもお持ちだと思いますから、これはこういう申込み制にしたわけです。
それから、学校から配布するというのは、これは何か、子どもたちに関することとか、あるいは関係しないことでも、すぐに学校から配るという話になるんです。これ、物すごい教育現場に対する負担になりますね。これも総合教育会議でさんざん議論していることなんですけど、いかに教育現場の負担を減らすのかということが今は非常に大事なことです。
これは賛否両論ありますが、私は市長部局から、学校に頼んで、教育委員会に頼んで、学校現場に何か配布するということはしないことに、これ、もう7、8年前から、5、6年前ですかね、そういうふうにいたしました。そういうことを思い切ってやらないと、学校から配ったら必ず保護者に届くんですよ。それを安易に使って、あれも学校、これも学校、学校から配ればいいと、これを改めないと、先生方の負担というのはなくならないですよ。
記者:
分かりました。ありがとうございました。
確認ですけど、これをやるのは全国でも初めてという認識でいいんでしょうか。
久元市長:
この質問は、ほかのところで絶対やっていないんですとは言い切れないんですけれども、聞いたことがないということと、それから、大阪府は9歳以下を対象に行っています。
これは、大阪府のお考えはそれなりにあろうかと思うんですけれども、中でさんざん議論いたしまして、小学生の皆さんは、この検査キットのやり方ではなくて、やっぱり受診していただくほうがいいのではないだろうかと。検査キットを配るなら、繰り返し何回も理由を申し上げていますが、中学生、高校生のほうがいいのではないかというのが、一応、これ、絶対正しいかどうか自信はありませんが、我々としてはそういう方向を選択したということです。記者:
東遊園地について伺います。この秋頃の完成予定とされていましたけども、現在の進捗状況はいかがなんでしょうか。
久元市長:
東遊園地の整備を進めておりまして、当初は、今年の秋に一部の施設をオープンすると、にぎわい拠点施設のような人々が集まるような施設をオープンして来年の春に全面オープンすることを目指していたんですけれども、これはあらゆることについて言えると思うんですが、必要とする建築資材がなかなか入荷しないということで、工事が遅れていると。それから、あそこは地下駐車場があるんですけど、地下埋設物との調整ということで施工方法を変更せざるを得なかったという、大きく言ってこの2つの理由で秋の一部オープンは見送って、北側園地を来年の春にオープンしようということで、ちょっとスケジュールを変更いたします。
記者:
東遊園地となりますと、1月17日には集いがありますよね。その集いについても、先日、ちょっと工事の進捗状況が心配だという声も上がっていました。市長はどのように考えていらっしゃいますか。
久元市長:
1月17日の集いは、これは、もう毎年続けられている非常に大事な行事ですから、これを支障なく開催していただきたいと思います。そこで、あの集いが開催される芝生の場所ですよね。今は芝生にはなっていませんが、あそこは動線もきちんと確保して使っていただけるようにしたいと思っておりまして、今、関係部局と主催者との間で調整をしているところです。
記者:
雑踏で、韓国でもいろいろな事故があったりとかしました。今回の工事で少し規模が狭まってしまうと、また人数がなかなか来れなかったりですとか、早朝のイベントとか行事なので、トイレとかそういう周辺の施設についても懸念が示されています。その辺、芝生以外のところも含めて、広々としっかりと集いを開催できるには、どういうふうにしていくおつもりでしょうか。
久元市長:
そこは、韓国の雑踏事故の話ももちろんそうですけれども、明石でもかなり大きな雑踏事故がありましたから、雑踏事故は絶対起きないようにしないといけないし、現に工事が行われているところを使っているわけですから、これは、やはり絶対そういうことが起きないようにしないといけません。
今、それを具体的にどういう対応を取るのかということについて、広脇公園担当局長からちょっと具体的に説明させていただきます。
広脇担当局長:
結局、今回、工事が延びた関係で、工事現場の中を使っていただくような形になりますので、まずはきっちりとした安全確保をして、要するに、ここからは入らないでください、ここまでで御利用くださいという区域をまず明確にしていきたいと思っております。その上で、警察などとももちろん協議もしながら雑踏に対する対策もきっちりと行って、マンパワーの部分で、ガードマン等によってきっちりと誘導していくようなことも必要だと思っておりますし、あくまでもこのイベントを開催する以上、安全にきっちりと開催できるように調整を進めていきたいと思っております。
記者:
すみません、安全確保はとても大事なお話ですけども、今年は、安全確保、そして工事の進捗状況で、規模を縮小して集いを開催せざるを得なかったということがありました。来年はそういう事態にはならないように努力していくとか、方針はありますか。
久元市長:
よく主催者の御意向をお伺いして、非常にこれは大事な集いですから、主催者のできるだけ御意向に沿うような形で、同時に多数の方が一時に殺到して不測の事態を招くことがないような調整を、これから年末にかけて関係者でしっかりと調整させていただきたいと思います。
記者:
市長、すみません、しつこいようで申し訳ないんですが、できるだけ規模を縮小しないような形で努力したいという認識でよろしいんでしょうか。
久元市長:
主催者の御意向をしっかりお伺いして、できるだけ御意向に沿うような形で開催させていただきたいと思います。
記者:
今の質問に関連してなんですが、ルミナリエの代替行事の際も同様の対応になるという理解でよろしいでしょうか。
広脇担当局長:
おっしゃるように、ルミナリエの代替行事についても、当初、東遊園地でと考えておられるということで、現在、どういう形で開催するかということを、安全面も含めて調整しているところでございます。
記者:
というわけで、要するに、一部開放といいますか、そういうことでよろしいですか。
広脇担当局長:
はい、そういったことで考えております。
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