最終更新日:2023年2月10日
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久元市長:
今日は、2023年度当初予算がまとまりましたのでお話しを申し上げたいと思いますが、その前に、トルコ、シリアで発生をいたしました大地震について、少しお話をしたいと思います。
既に報道では、亡くなられた方が2万人を超えるということで、極めて甚大な被害が出ています。亡くなられた方に対しまして、哀悼の意を表したいと思います。同じ震災を経験した神戸の中から、市民の皆さんの中で、義援金を集めようという動きなど、支援の動きが広がっています。
もう1つ、神戸とトルコは、明治時代の話になりますが、特別の関係があります。それは、1890年の9月16日に、和歌山県の串本沖でトルコの軍艦エルトゥールル号が沈没をし、多くの犠牲者が出るわけですけれども、串本の人々が懸命の救出活動を行いまして、生存者への対応が行われました。そして、生存者の方々は日本海軍の軍艦で神戸に移されまして、当時の神戸市民、神戸市は生存者の方々に対して懸命の支援を行いました。
兵庫県立病院の医師が生存者の治療に当たる。神戸市民の間でも義援金を募る動きが広がる。神戸の洋服店が洋服を届ける。瓦せんべいを届けた方もいらっしゃいました。そういうことで、トルコのエルトゥールル号の生存者の方々は神戸で滞在をし、翌10月11日に神戸港から日本海軍の軍艦金剛と比叡に分乗して、本国に帰還をしたわけです。
そのときの模様は、6年前になりますが、神戸港が開港150年の記念をして編みました神戸の歴史、神戸市史の紀要に、当時の記録を基にその状況を整理して保存をするということにいたしました。そういうつながりがある神戸市といたしましては、全力で義援金を募り、お届けをしたいと思っております。
既に市役所と神戸の市内の区役所、支所に同じ募金箱を設けておりますし、また、神戸市の社会福祉協議会では直接振り込んでいただける口座も用意をいたしまして、募金も募ることにしております。
神戸市といたしましては、駐日トルコ共和国大使館、それから、国際団体日本赤十字社を通じまして、トルコ、シリア地震の被災者の救援に使っていただくための見舞金もお送りをすることといたしました。それぞれ100万円をお送りしております。
それから、現地に消防職員などを派遣する準備をしております。これは神戸市の判断だけでは派遣ができませんから、政府からの要請があれば、国際緊急援助隊に参加をすべく、いつでも派遣することができるように職員が待機をしているという状況です。こういう形で、トルコ、シリアへの地震への対応をしっかりと行っていきたいというふうに考えております。
久元市長:
それでは、当初予算につきまして御説明を申し上げます。
当初予算の規模は、一般会計が8,794億円など、特別会計、企業会計を合わせまして1兆8,881億円、前年比77億円ということになっております。予算編成に当たりまして、神戸市政の現状をどう捉えているのか、それに対して2023年度、どのように対応するのかということについてお話しを申し上げたいと思います。
コロナとの闘いが始まりまして3年になるわけですが、コロナが出現する以前に存在していた課題、これは引き続き存在しております。全国的に見て人口が減少している。神戸市も人口が減っている。そして少子・高齢化社会、また、この神戸は市民が助け合って町をよみがえらせてきましたけれども、しかし、そういう中でも人と人とのつながりが薄れ、孤立・孤独というような現象も見られるようになってきました。そういうような課題に対応していかなければなりません。そして、コロナの感染が続いています。さらに、ロシアのウクライナ侵攻に起因をする物価の高騰も存在をしている。そういう中で、今後を見据えれば、コロナ後の経済社会にどう対応するのかということが求められますし、また、このグローバル社会全体において、我が国の国内もそうですけれども、SDGs、持続可能な社会へ向かっていく必要性、価値観が広がっています。
そういう状況で考えれば、今、我々がやらなければいけないことは、やはり新型コロナに打ち克ち、物価高騰に対応するということで、感染拡大、医療提供体制を安定的に確保する。国の施策に呼応しながら、物価高騰対策を行っていくということが1つです。
そして、このSDGs、コロナ後の社会を見据えれば、自然との共生ということを考えたまちづくりということを行っていく。
そして、孤立・孤独ということがある中であっても、社会のために役に立ちたいというあらゆる世代の皆さんがいらっしゃいますから、そういう方々に参画をしていただく地域づくりということが必要です。
果敢な成長戦略によって都市の成長を促していく、好循環をつくっていくことが必要です。
そして、神戸空港の国際化に対応いたしまして、陸・海・空の交通の要衝としての効果を最大限発揮することができるような、そういう対策が求められております。
基本的にこういうような考え方に基づき、2023年度予算は神戸空港の国際化やコロナ後の社会を見据えた未来創造予算として編成をするということにいたしました。
当初予算の柱、7本の柱に沿って説明をさせていただきたいと思いますが、その前に、この神戸市の財政状況、財政構造について、どう現状を把握しているのかということをお話ししたいと思います。
一般会計の歳出ですけれども、これは性質別経費と言われている分類です。人件費、扶助費、投資的経費がどう推移してきたかということです。ピンク色の扶助費、これは一貫して、ここをずっと上昇してきております。生活保護や高齢者福祉、障害者福祉などの福祉関係の予算です。
それから、人件費です。人件費につきましては、県費負担教職員が移管された年から、神戸市の人件費は少しずつ下がってきています。1,900億から1,818億に、今は減ってきているというのが状況です。行財政改革を進めた結果です。
それから、投資的経費について言うと、震災の直後は、当然のことながら投資的経費は大変大きかったわけですけれども、これが減少いたしまして、行財政改革に伴って投資的経費の抑制をしてきましたが、ここのところ、まちづくりを積極的に進めるという観点から増加傾向にありまして、大体2010年あたりからは、大体600億から700億円程度で推移をしてきたものが、来年度予算では909億円という数字になっております。
市債残高につきましては、減少傾向にありましたけれども、2018年の6,120億円から、今、ここのところは増加傾向にありまして、2023年度の予算では7,240億円の市債残高になるということになります。これは、交付税に代わる赤字地方債である臨時財政対策債は除いた数字です。純粋の市債ということになります。
一方、市税収入はそんなに大きな変動はないわけですけれども、個人市民税がこの年に増えているのは、県費負担教職員が市に、県から市に移管され、それに伴う税の移譲が行われたことによるものですけれども、ここのところはほぼ横ばいにありましたが、来年度予算では、この市税全体で言いますと3,149億円ということで、過去最高ということになりました。基幹税目である固定資産税・都市計画税、それから個人市民税ともに、これが増加しているということです。
財政の健全性を測る指標といたしましては、実質公債費比率、横軸ですが、実質公債費比率、それから将来負担比率、これが全国共通の指標として用いられます。起債残高、債務ですよね。債務が標準的な財政規模に対してどれぐらいの割合なのかということ、上に行けば行くほど財政構造は悪いということになります。実質公債費比率は毎年償還する起債の償還費ですけれども、これも右に行けば右に行くほど、財政状況は悪いということになります。神戸市は2007年から、この緑色のポイントが神戸市の指標ですけれども、ずっと改善をしてきておりまして、来年度、現時点での指標は、将来負担比率が56.4、実質公債費比率が4.4ということになっております。ここよりも中にある市が神戸市よりも財政構造が良好な市ですけれども、札幌と相模原と大阪、3市が神戸市よりもよいということで、神戸市の財政構造は20の政令指定都市の中でも上位にあると、これは、そういう状況は変わらないということが言えようかというふうに思います。
これから積極的に投資を行っていかなければいけない、そして、この財政構造の健全性を維持していかなければいけない、どうすればいいのかということです。これは、やはり今、少子・高齢社会で、社会保障費というのは増え続けていきます。先ほどで言うと、この扶助費は増え続けていくわけで、公債費の水準というのは、発行する起債の水準によって決まりますが、これは先ほども申し上げましたように、積極的な投資を行っていけば、この公債費が若干増えていくということ、これはやむを得ないことだと思います。しかし、それでも今現在、財政構造が、20の政令指定都市の中でも上位グループにありますから、これは若干、これは右方向に移動していくことにはなりますけれども、これがどう推移するのかということを考えながら、投資的経費の規模を決め、そして起債発行残高も決めますから、慎重な対応を行っていきます。
そうすると、将来的な財政構造の健全性を維持していくためには、やはり人件費を減らしていくということが不可欠です。これまでも、震災の後、危機的な財政状況に陥ったことがあり、現在、北海道の夕張市が1市だけ、財政健全化団体ということで国の管理に置かれているわけですが、一時は神戸市がそうなるということが懸念されました。それを回避するために、震災後の神戸市政は徹底的な行財政改革を行う、その中心が職員の削減であったわけです。
この1995年から2020年度の25年間のうちに、神戸市の職員は36%減らしました。これは全自治体、全地方公務員の平均削減率が16%ですから、2倍を超えるスピードで職員を減らしていったということになります。大変これは、職員の皆さんには苦労をかける面はありますけれども、これを続けていく必要があるというふうに考えております。引き続き、この職員の削減は続けていきます。
一方で、コロナで対応が必要となる職員は、これはしっかり確保しなければいけない。コロナ禍の3年間、2021年度から2023年度までに保健師は100人増員をいたしましたが、その他の職員は320人減をして、職員の減を確保しております。これは今後も続けていきたいというふうに考えております。2022年度の職員数、県費負担教職員、つまり学校の先生を除いた職員数は1万3,824人ということで、今後とも、引き続き職員の削減を行っていきたいと考えております。こういう形で積極的な投資を行いながら、財政構造の健全性を維持して、財政の持続可能性というものをしっかりと確保していきたいと考えております。
それでは、7本のうちの最初の柱は、コロナに打ち克ち、物価高騰に対応する。新型コロナウイルスの感染症対策ですけれども、これは今の国の考え方に沿った対策を、半年間用意しております。これは暫定的なものです。それ以外にこの予算の組みようはありませんので、現時点の考え方に基づいた対応を行っております。
そして、物価高騰などへの対応といたしまして、やはりコロナと物価高騰の中で厳しい状況に置かれている市民の皆さんが増えています。生活に困窮をされている方に対する支援として、くらし相談支援窓口への相談員の増員、あるいは生活に困窮する若者の相談を伺うNPOへの支援を行います。
さらに、物価高騰は幅広く市民に影響を受けているわけですけれども、特に、数は少ないわけですけれども、自宅に風呂がない方、それから、ひとり暮らしのお年寄りが増えていまして、そういう方は1人でゆっくり湯船につかるのがもったいないので、使わないという方もいらっしゃいます。また、外国人の方も増えているという中で、銭湯の社会的役割というものは、やはりかなり大きくなっているのではないか。そういう中で、県のほうはこの銭湯、銭湯は物価統制令の対象になっているわけですけれども、その統制料金が450円から490円に上がることになりました。これは全国的に上がるわけですが、神戸市はやはりこれは適切ではないだろう、神戸市がこの差額を補塡いたしまして、維持するということにいたします。
それから、学校の給食費についても、食材費の高騰を市が補塡をいたしまして、給食代の値上げは行わないことといたします。
中小企業の経営に対する支援といたしまして、国の事業再構築補助金申請、これは非常に有利な制度ですから、これが受けられやすくするもの。それから、中小企業のDXがなかなか進まないということのためのお助け隊の拡充や、また、市内商業者に対する支援といたしまして、商店街、市場の商品券の発行を行います。
2番目の柱が、健康と安全です。市民の健康の重要な砦である西市民病院につきましては、新長田の若松公園に移転をすることといたしまして、必要な予算を計上し、2028年度の開院を目指します。
それから、71歳以上の方を対象といたしました転倒リスクチェックなどの対応、それからシニア健康相談、栄養相談などの電話窓口も引き続き設置いたします。
全体的に高齢社会の中で、国民年金だけではなかなか生活が難しいというような方に対する就労支援、それから、今まで培ってきた豊かな職業経験を生かして、第2、第3の職業人生を送りたいと、そういう方に対応するためのシニアキャリア相談、あるいは、シニアお仕事体験見本市、それから、高齢者の方々が職住近接で働くことができるようなシニア・ワークスペースの開設、それから、休耕田を活用して給食の食材を作っていただくような、こうべ給食ファーマー制度の創設などを行います。
それから、くらしの安全・安心を守っていくという見地から、防犯カメラを500台増設するとともに、地域団体の防犯カメラの補助制度も拡充をいたします。
重要インフラへのサイバー攻撃対策も強化をいたします。
災害に強い都市をつくるという意味では、これは前、御説明いたしましたけれども、北区に新しい建設事務所を設置する。
それから、高潮・津波・内水氾濫対策、着実に行ってきましたけれども、これもスピードを落とすことなく進めます。
災害対応力・消防力の向上ということから見れば、やはりプロの育成が必要です。新たに危機管理室に自衛隊の幹部職員のOBを、防災専門官として任用いたします。
それから、灘消防署の建て替えにも着手をいたします。
3番目の柱が、ぬくもりのある地域社会です。子育て世帯の経済的負担を軽減する見地から、こども医療費助成を拡充いたします。現在、入院につきましては、これは高校生まで無料になっているわけですが、外来につきましては逐次拡充いたしまして、現在は中学生まで、所得制限を設けることなく、1医療機関当たり1日400円の上限負担を設け、3回目からは無料という、そういう仕組みを取っております。ほぼ無料に近い対応と言ってもいいかもしれません。これを高校生まで拡充いたしまして、18歳まで同じ対応で、窓口負担が済むようにいたします。
それから、こどもの遊び場の整備、ちょうど今日新しいこべっこランドの開所式が行われました。こべっこランドの分園とも言える「こどもあそびひろば」を西区に増設いたします。それから、「おやこふらっとひろば」、乳幼児が屋内で安心して遊べるような場所、これを全区につくることにしておりますが、垂水区でこれが完了することになります。
それから、SNSを活用いたしました支援情報の提供なども行います。発達障害を訴える子どもさんが増えています。発達相談体制、大分拡充してきておるわけですけれども、待ち時間も大分長くなってきております。長いという傾向がずっと続いてきておりますので、これを改善するための専門チームをつくって、できるだけ早く相談ができるようにいたします。
こども家庭センターも大幅に拡充をいたしまして、2月6日にこうべっこランドと併設する形で移転したわけですが、面積も2,500平米から5,700平米の倍以上に大幅に拡充をいたしました。人的体制についても児童福祉司など11名を増員いたしました。非常にこれは難しい仕事ですけれども、職員の負担も軽減をさせていきたいと考えております。
それから、児童養護施設を退所した後の方々への支援も強化いたします。保育環境の充実には従来から力を入れてきました、保育人材の確保ですね。既に神戸市は待機児童ゼロを達成しておりますけれども、引き続き保育人材の確保、質の確保に全力で取り組んでいきます。医療的ケア児を受け入れる施設につきましては、北神、須磨区に増設をし、19か所といたします。
神戸市の子育て支援施策の特徴として、児童館が充実をしているということがあります。学童保育の場所につきましても7か所増設いたします。
中学校給食につきましては全員喫食を目指しまして、市内の2か所に給食センターをつくります。垂水区の給食センター、それから西区の給食センター、いずれも2025年あるいは2025年度中に供用開始ができるように進めます。
それから、様々な地域課題に対応していくためには、地域活動を行っているNPOやあるいは地域団体に対する支援、そして社会のために役に立ちたいと思っている方と、そういう人材を求めているような団体をいかにマッチングさせるのかということ、情報収集ももちろん必要ですし、そういう方々の意見をしっかりと聞いた上で施策を充実させていくということが重要です。
そういうことで新しく地域協働局を新設いたします。これは経緯としては、かつて市民参画推進局がありまして、市民参画推進局を文化スポーツ局に衣替えをする、教育委員会の文化・スポーツ部門を市長部局に持ってきたときに、市民参画推進局を文化スポーツ局に改組したわけですけれども、このとき市民参画の部分、ここを企画調整局に統合することにいたしました。しかし、どうしても仕事のボリュームから考えて、現状ではなかなか手が回らないということと、やはり地域活動支援ということを充実強化させていくためには、新たな局が必要と判断をいたしました。
同時に行財政改革という観点からは、局長級ポストをかなり削減することとしております。そして、地域活動の支援強化、様々なマッチングシステムなども行っていきますし、それ以外にも、今、仕事が非常に大変になっていて、なかなか成り手がいないということが全国的に言われております民生委員につきまして、実費弁償額を今の年間8万200円から、政令市トップの13万円余りに増額をいたしますし、欠員エリアをカバーする委員の実費弁償も支給することといたします。
昨日も神戸大学で大学発アーバンイノベーション神戸のシンポジウムがありまして、学長の藤澤先生や神戸大学の先生方と意見交換をしてきました。大学の力を地域に生かしていただくということが必要です。
また、大学同士が連携をして、大学に対する社会的ニーズに対応していくということも重要です。そのために大学都市KOBEの新たな競争基盤を整備いたします。大学の運営、あるいは大学のブランド力の強化、これを一緒にやっていこうと、そういう目的を持った法人を一般財団法人として設立をいたします。そのための必要な予算を計上しております。法人設立もにらみながら、活動の拠点、産学官交流の交流拠点も三宮に整備をいたします。
大学発アーバンイノベーション神戸、これは地域が抱える課題、行政が抱える課題に大学の先生方、研究者の皆さんに参画していただいて一緒に取り組んでいただくという取組みですが、この予算も8,200万円確保いたします。
神戸市立高等専門学校、かなりレベルの高い職業教育、また、実践的な高等教育を行っているわけですが、より柔軟な学校経営ができる、また、外部の意見も反映することができるように市立高等専門学校と、神戸市外国語大学を一体的に運営する独立行政法人を設置することといたしまして、これは4月からスタートさせることといたします。また、高専の設備機器の予算も飛躍的に充実をするということといたします。
子ども・子育ての支援ということから見ると、神戸市は女性が妊娠・出産をし、そして子どもが成長していく過程で、高校を卒業するくらいの間まで切れ目のない支援をしていくということを基本に考えてきました。そういうような考え方で、今後も子育て支援を行っていきたいと考えております。外国人住民の皆さん、そして女性が活躍していただけるような社会により一層していくための必要な施策も充実をさせます。
全国で初めてのこども・若者ケアラーへの支援をスタートさせましたが、引き続きこれを実施していくとともに、こどもの居場所づくりを全市展開する。全ての小学校区にこどもの居場所、こども食堂、学習支援をする拠点を2023年度中に整備を完了いたします。支援が必要な方々をつないでいくということが重要です。チャットボットを用いた24時間のひとり親家庭への支援、あるいは食品を確実に届けるための支援、学習支援事業の拡充なども行っていきます。
4番目の柱が、のびやかなくらしと環境を創るです。
王子公園の再整備をいよいよ本格化させます。王子公園の再整備の基本計画の策定、それから、大学の募集と大学の設置、運営事業者の選考に必要な予算を計上し、6月の優先交渉権者の決定に向けた作業を加速させていきます。
須磨エリアにつきましては、海浜水族園の工事が進んでおりますし、海づり公園につきましては再整備をすることといたします。
また、新長田南エリアの活性化といたしましては、これは駅前の広場は後で申し上げますけれども、再開発地区周辺の下町の雰囲気が残っているエリアについては、空き家、空き店舗を活用した、シタマチスタートアップの支援を行います。
神戸のまちを明るくしていこうと駅前のライトアップ、それから、まちの中の街灯の増設も行ってきましたけれども、改めてそういうところが明るくなっているということを見れば、三宮近辺、元町近辺がやっぱり暗いのではないかと感じます。そういう声もたくさん届いておりまして、都心部の上質で明るい夜間景観を形成するという取組みを行います。フラワーロード、三宮北交差点など10か所でライトアップを行います。
地下鉄の構内も大分改善してきましたけれども、まだやっぱり暗くて汚いという面もありますから、駅舎の特別清掃を行う、駅トイレを全面的に改修する、照明のLED化なども行います。
バス停につきましては、バス停の上屋、それからベンチも150基新設をいたします。
神戸のまちの再生ということを考えたときに、伝統的建造物の保存・活用が重要です。北野地区の伝統的建造物群の保存地区の活性化ということを進めます。高台にたたずむ旧山口邸につきましては、神戸市が取得して必要な補修を行った上で有効活用いたします。新長田開発地区の南にあります旧駒ヶ林公会堂につきましても、地域のコミュニティの場として生まれ変わるような耐震改修工事などを行います。
地域コミュニティの役割は非常に重要です。地域コミュニティ交通の導入エリアを10か所から16か所に拡大いたします。
空家空地対策は神戸市が力を入れてきた分野です。社会課題に対応した空き家の活用については、建築家の皆さんの参画を得てリニューアルする取組みを進めてきましたけれども、これをさらに活用いたしまして、上限が500万円のもの以外に、(建築家の参画によらずとも)社会貢献に資する場合には上限が200万円のメニューも新たにつくります。
老朽危険家屋の撤去のためには、全国で恐らくトップレベルの700戸の予算を2022年度は確保してきましたけれども、これが順調に使われておりまして、2023年度は700戸を1,000戸に拡大いたしまして、老朽危険家屋の撤去を行っていきます。
KOBE里山SDGs戦略を策定いたしました。これを着実に実行していくために、多井畑西地区における保全・活用のための予算、あるいは竹やぶの再生や耕作放棄地の再生といったような取組みを行っていきますし、この戦略の中でも取り上げた有害鳥獣、特に外来生物対策も強化いたします。そのために、こういうような用途に使うための、こうべSDGs市民債につきましても、引き続き発行をしていきたいと考えております。
神戸の農業の活性化は、農業振興と農村集落の活性化を連携しながら併せて行う必要があります。そのために必要な視点がやはりSDGsです。こうべ再生リンを活用した資源循環を促進するとともに、市内産堆肥のペレット化、あるいは市内産の飼料、稲わら・牧草などの生産拡大などを行います。担い手を確保するためのネクストファーマー制度も引き続き実施いたします。
六甲山はスマートシティ構想などの推進によりまして大分変わってきました。六甲山・摩耶山全体を活性化していくために、グリーンスローモビリティによる社会実験や掬星台の駐車場の整備なども行います。
それから、カーボンニュートラルの推進といたしましては、ゼロカーボンに取り組む企業を支援する、こういう新たな補助制度を新設いたします。水素エネルギーの利用促進につきましては、これはプロジェクトの内容が固まってきておりますので、引き続き推進を行います。
カーボンニュートラルポート、港湾の脱炭素化につきましては、陸上電力供給設備の導入を進めるとともに、民間事業者の取組みを支援する実証フィールドができないか、そういう検討も進めていきます。
文化・スポーツの関係では、神戸ジャズ100周年の記念事業の開催、それから、まちなかのにぎわいをつくっていくためのストリートパフォーマンスの推進や、ライブハウスと連携したにぎわいの創出などを行っていきます。
世界パラ陸上選手権大会が2024年に迫ってきました。代替施設の改修などは終わっておりますので、2023年度は準備を本格化させます。
5本目の柱が神戸経済です。
市内事業者がSDGsに取り組んでいただけるような開発研究支援、また、水素関連製品の研究開発実証実験を支援するという新規事業を新設いたします。
大学の知見をいただきながら、新たなサービスや商品を開発することができないか、そういうコラボによる取組みも新しく行います。
企業誘致という観点から言いますと、西神戸ゴルフ場を新たな産業団地として造成をすることは既に決定しております。この調査設計に本格的に入っていきますとともに、周辺道路の整備も引き続き行っていきます。新たな産業団地については、できるだけSDGsの観点を入れたスマート産業団地にしていきたい、そのための検討も本格化させていきます。
神戸市民の健康づくり、それから観光施策という両方の目的を持つ神戸登山プロジェクト、これも具体的な施策の展開に入っていくことといたしまして、登山道の整備、それから老朽危険家屋の撤去、登山客向けの拠点となる施設整備、あるいは登山サポート店の募集と、こういうような対応を行っていきます。
神戸観光といたしましては、やはり、利便性、回遊性ということが神戸の場合には非常に重要ですので、鉄道事業者、また、神戸市交通局、それから市内の観光施設等との連携によるMaaSの構築などを行っていきます。神戸の夜をより楽しくしていくためのナイトタイムエコノミーの推進として、夜市の定期開催などを行いますし、花火をコロナへの対応を考えて分散花火にしたのがかなり効果がありまして、花火を短時間楽しんだ後にまちに繰り出して夜を楽しむという動きが広がっています。分散型花火でいこうというようなコンセンサスができつつありますので、2023年度も分散型花火で開催をいたします。
それから、スタートアップ支援、革新的医療技術の創出・事業化促進につきましても引き続き行っていきます。
やはり神戸は国際都市ですから、外資系企業の誘致、そして神戸の市内企業が海外に展開をしていく、そういう取組みが重要です。新たにパリに欧州ビジネスオフィスを開設いたします。兵庫県のパリ事務所の中に開設をいたしまして、情報収集を行い、欧州企業の神戸への展開を模索し、実現をしていきたいと思います。
アフリカとの連携といたしましては、10月にアフリカ月間としてアフリカ関連のスタートアップを招聘したり、ビジネスマッチングの機会をつくっていきます。
神戸医療産業都市につきましては、国の指定を受けている神戸未来医療構想を引き続き推進いたします。
6番目の柱が、神戸の街づくりです。
空港の国際化への対応といたしましては、やはり空港の機能を強化していくための予算です。空港島の将来ビジョンを策定するとともに、エプロンの西側への拡張、サブターミナルの整備のための予算を計上してスピード感を持って進めていきます。
交通アクセスにつきましては、新神戸トンネルの南伸化について事業化の検討を引き続き行いますとともに、神戸空港連絡橋の4車線化、これがいよいよ来年の3月に完成を目指して工事を進めます。新交通の三宮駅のホーム拡張も行います。
三宮の再整備、それから、三宮を含む神戸の都心の再生をするという構想を発表いたしましたのは、私が市長になりまして翌年のことだったと思います。計画は大体確定をいたしまして、これをいよいよ実施実現する段階となってきました。神戸の都心三宮・ウォーターフロントで様々なプロジェクト事業が進行をしつつあります。
まず、三宮の周辺エリアにつきましては、新たなバスターミナルの整備といたしまして、1期の事業を着実に進める。バスターミナルの中に入る新しい三宮の図書館の整備、それから神戸文化ホールの整備、ここに向かう歩行者デッキの整備、これらの事業を行いますとともに、JRの新しいビルの建設に伴う周辺の再整備につきましても、2023年度から着手いたします。
三ノ宮の駅前の通過交通を排除して、歩行者優先、それから公共交通優先の駅前にする三宮クロススクエア構想を実現するために、幾つかの交差点の改良工事にも着手をいたします。
地下空間についても、地下駅の東コンコース、さんちか、それから、地下鉄の三宮駅とさんちか1番街を結ぶ通路、これの工事に、あるいは設計に入っていきます。
市役所の2号館の構想も発表いたしました。2号館は2023年度から設計に入り、2028年度の完成を目指して進めていきます。
地下通路のリニューアルにも着手をいたします。
ウォーターフロントのリニューアルも着実に進んでいます。ポートタワーにつきましては、2024年春のリニューアル、完成を目指して改修工事を進めます。第1突堤、第2突堤間の水域活用、親水エリアの整備もスタートさせます。
ウォーターフロントの回遊性の向上といたしまして、ポートループのバス停の待合環境の整備なども行いますし、ハーバーランドの東側のデッキ、これは国道2号をまたぐアクセスルートですけれども、このデッキも延伸をするということにいたします。
駅前のリノベーションを強力に進めてきました。かなり形が現れつつあります。
さらに加えまして、駅前の駐輪場を、全く新しい観点を入れて整備をする地下タワー駐輪場の構想を先般発表いたしましたけれども、神戸駅、それから六甲道駅、それから兵庫駅にこれをつくっていく設計に入っていきます。新長田については、これは既に地下空間がありますから、これを活用した地下の駐輪場の整備手法を選択いたします。
駅前の整備、新神戸駅、2025年度の完成を目指します。名谷駅につきましては、着実に工事が進んでおりますし、西神中央も大分姿が見えてきました。垂水駅も図書館の整備を進めていきます。新たに山陽電車の霞ヶ丘駅については、ここは五色塚古墳の最寄り駅になるわけですけれども、ここについても、山陽電鉄沿線としては初めて駅舎の整備への助成、周辺整備などに取り組んでいきます。
神戸電鉄沿線につきましては、花山と大池については来月整備が完了いたします。さらに西鈴蘭台、鈴蘭台、山の街、山の街も新たに整備をスタートさせます。谷上、唐櫃台、岡場、有馬温泉、有馬口駅、これらの駅とその周辺についての整備を進めていきます。
ポートアイランドにつきましてはリボーンプロジェクト、これは学識経験者の方からの提案もいただいていますので、これを神戸市の施策としてどう取り入れていくのかという検討を進め、リボーンプロジェクトのプランの作成に入っていきます。
さらに、六甲アイランドの活性化の検討にも取り組んでいきたいと思います。
神戸が発展をしてきたのは交通の要衝であったからです。神戸空港の国際化によって、これが加速化されることになります。神戸港の活性化、国際コンテナ戦略港湾の整備を引き続き行いますし、大阪湾岸道路の西伸部の事業もいよいよ本格化をいたします。
国道175号神戸西バイパスの整備などにも取り組んでいきます。
7番目の柱、DXの活用による市民参加ですけれども、市民向けのポータルサイトのリニューアル、スマートこうべのリニューアルを行ったり、e-KOBEの対象事務を大幅に増やしていくことや、マイナンバーカードの普及・利活用の促進にも努めます。
行政施設の機能強化といたしましては、北須磨支所を移転いたしまして、2024年度に供用開始いたします。西区役所が既に西神中央駅前に移転をしておりまして、それ以前の区役所は玉津支所として再整備をいたします。神戸には本格的な公文書館がありませんでしたけれども、岡方倶楽部を改修するとともに、隣に新たな建物を建築いたしまして、一体となった歴史公文書館の整備を進め、2025年度の供用を開始するというふうにいたします。
こういう形で今、目の前の課題に対応するとともに、将来を見据えたまちづくりをしっかりと行っていく。これをしっかりと支える神戸市役所の組織を、これを活性化させて、職員の皆さんがいきいきと仕事ができるように、そして、費用対効果の高い行政サービスが提供できるように、パフォーマンスを高めていくことができるように、職員一丸となって取り組んでいきたいと考えております。
私からは以上です。
記者:
今回の予算編成で、物価高騰対策として、特に影響を受けているとされる中の子育て世帯の子どもへの支援というのが、非常に新しい政策もあって、重要な政策があったと思います。市長としては、その予算編成、そこへの思いというのを教えていただけますか。
久元市長:
これは全ての市民がやはり影響を受けていると思うんです。どうすればいいのかということは、これは行政としてしっかり考えなければいけません。しかし、それが、全ての市民がそのメリットを受け、そして、目に見える形で今の苦しい状況が改善されるためには、巨額の経費が要ります。あるいは幅広い施策も要ると思います。ここはやはり国が中心になってやっていただきたいと思うんですけれども、やはり国の施策を補完するということが視点の1つ。それから、神戸市として、特に影響を受けている市民の皆さんや、企業の皆さんや、あるいは団体の皆さん等を対象とする施策ということがやはり求められているのではないだろうかということと、行政が現金を配るというやり方ではなくて、そういうような厳しい状況に置かれている方々に対する支援としては、そういう支援を行っているNPOや地域団体の皆さんが神戸の場合にはたくさんおられますから、そのような方々の力をお借りする。そういう方々により力を発揮していただくようなサポートをすることによって、隅々にまで行政の施策が行き届くようにしていくということが重要ではないだろうかと。
大きく言いまして、そういうような観点から、これで決して十分ではあるとは思いませんけれども、そして今、目の前で苦しんでおられる方が、このことによって大きくその苦しみが和らげられるとは思わないわけですけれども、少しでも状況が改善できるような、そういう思いで必要な施策を選択し、予算として編成をいたしました。
記者:
すみません、続けてなんですけれども、こども医療費の助成の拡大ですとか、新しい施策でいうと、いわゆるケアリーバーの方々が退所した後に公営住宅、市営の住宅に入れていくといった、かなり進んだ政策も今回見られました。そこへの思いというのも教えていただけますか。
久元市長:
やはりこども医療費については、高校生を持つ世帯の経済的負担というのが、やっぱり子育てにはこどもが産まれてからずっとお金がかかるわけですけれども、高校生の親の世代というのは相対的に、これは神戸だけではありませんけれども、少し薄いのではないかというふうに従来から思っておりまして、そういう思いでこの高校生の通院助成を思い切って拡大する、実質的には新設ということになるわけですけども、そういうふうにいたしました。
あとは、繰り返しになりますけれども、やはり厳しい状況に置かれている方々にしっかり届くような施策というものを、一番現実が分かっているはずの自治体が、基礎自治体ですから、基礎自治体として、できるだけきめ細かな対応をして、施策が行き届くような、そういう思いで幾つかの事業を立案したということです。
記者:
あと、最後になんですけども、昨年、市長が高校生など市民と語る会をされたと思います。そこで出たお話、若者の方々と直接語り合える場をつくりたいということで、今回の予算でも、中学生を対象にオンラインで市役所の職員と語り合える場がありました。そういった若者の声が今回、施策に実現したということについては、市長、どういうふうに考えていらっしゃいますか。
久元市長:
全面的に実現したとは思わないんですけれども、やはり高校生への医療助成は、実際に高校生の皆さんと議論したときに、ぜひこれをやってくださいという声がありましたので、これはもともと私の3期目の選挙の公約でもありましたが、やはりそういう声をいただいたことも今回これを盛り込んだ1つの理由です。
私の任期はまだあるわけですけれども、2023年度予算の中で取り組むのがタイミング的には適切ではないかというふうに考えましたけれども、それは最近、直接そういう声を聞いたということも1つの理由だというふうに思います。
記者:
そうすると、市長、市民の声、そして若者の声も今後もつぶさに聞いていって予算化をしていく、実現をできる限りしていくという姿勢を貫いていくという印象を受けたんですが、そういうことでよろしいんでしょうか。
久元市長:
やはり中学生、高校生、それから短大や高専も含む大学生の皆さんの意見をぜひ聞きたいと思います。
この前、二十歳の集い、神戸市での実質的な成人式ですけれども、11名だったと思いますが、ほとんど大学生の皆さんでしたけど、意見交換をしましたが、物すごく地域の問題に対する関心があり、神戸市がやっていることについてもいろんな意見を持っておられるということが分かりました。あのときに参加していただいた方々も含めた大学生の皆さんとの意見交換会というのを、ちょっと年度内は無理かもしれませんが、ぜひやりたいというふうに思っておりますし、私は大学に出向いて、講義と言ったらちょっとおこがましいんですけれども、お話をするときには大体90分が多いんですが、大体半分、40分強ぐらいお話をして、残りの半分くらいを意見交換、質問の時間に充てています。これも大学生や若い世代の皆さんの意見を聞く貴重な機会になっていますから、こういうような機会もできるだけ増やしていきたいというふうに思います。
記者:
1月の兵庫区での住宅火災を受けて、市長がその後の会見で、高齢の困窮者の支援に取り組むというお話をされていたかと思うんですが、今回の当初予算案において反映された箇所がありましたら教えてください。
久元市長:
まず、あの後、被害を受けられた方々へのフォローは、火災への対応はもちろん消防局がやって、原因の究明なども消防が中心になってやっていますが、その後のフォローは福祉局や兵庫区がやっておりまして、これは必要な対応ができているというふうに思います。
あのときに、やはり生活保護を受給していたり、あるいは生活保護を受給していないけれども非常に厳しい生活水準にあるシニア世代の皆さんがおられる。これ、従来から分かっていたことですけれども、そのことをやはり目の当たりにしたという思いがいたしました。
そこで、シニア世代の皆さんに対する就労支援です。1つは、これは生活困窮者の方だけではないんですけれども、とにかくシニアの皆さんが働きやすい、あるいは働く機会につながるようなオンライン相談ですとか、あるいは各区で巡回相談を行って、実際の具体的な就職につなげていく。これ、今、シルバー人材センターがあるんです。この神戸のシルバー人材センターはかなり使われてはいるんですけれども、やはりもっと仕事の範囲を広げられることができないかということ。
それから、今までシニアの皆さんがあまり入っていなかった業界、典型的には福祉の世界ですけれども、そこで実際に介護の仕事というのが、施設の中でどんな仕事しているのかということが分かるような体験をすることができる説明会。一種のマッチングですけれども、そういうところにシニアの皆さんに入っていっていただけないか。
あるいは、郊外を中心に面接会を行う。特に西神・山手線の沿線などですね。交通費がかかると、それがやはり負担になるわけですから、シニア世代が住んでおられるようなところのすぐ近くで仕事ができれば交通費も助かるわけですから、そういうところでの説明会も実施をする。これがシニア・ワークスペースもそういう発想ですよね。これも1つつくっていくと。
それから、シニア世代の中には土いじりとか、野菜を育てたり、果物を育てたり、そういうことが好きな人たちも結構多いですから、そういうような人たちが、神戸の子ども
たちの給食の食材を耕作放棄地で作る。こんなイメージですけどね。そんなことが1つです。
もう1つは、神戸市内に更生センターというところがあって、これ、もともとホームレスを減らしていくための施設として存在していて、一時的にそこに入っていただく施設なんですけれどもね。ここは本来、一時的な施設なんですけど、かなり長くそこにおられる方もいらっしゃいます。ここの更生センターが、もう1つは生活保護の方向けの施設としての性格も併せて持っているんですけれども、生活保護を受けている方だけではなくて、若い世代も含めて、なかなか決まった住居を持つことが難しいような人たち、例えばネットカフェ難民と言われているような人にはそういう人たちもいらっしゃるので、シニア世代の方も中心にして、また若い世代も含めて、そういう方々がユニット型の個室のようなイメージで、そこで一時的に滞在するような、そういう施設内容にリニューアルすることにしておりまして、そういうものも入れております。
記者:
あと、銭湯支援についてなんですけど、物価高騰の中であらゆる施設がその影響というのは受けていると思うんですが、特に神戸市においてこの銭湯というものの支援に力を入れる理由というか、市長の思いをお聞かせください。
久元市長:
先ほども少しお話ししましたけれども、自分でお風呂を持っている世帯が大部分なので、銭湯の役割が低下したという見方があるんですけど、私はそう思わないんですよ。少数でもバスタブで手足を伸ばすことができない人たちがおられるということは、やっぱり考えないといけないのではないかということと、これも繰り返しになりますが、ひとり暮らしの方で、わざわざ自分1人のためにお風呂にお湯を張りませんよという人たちもかなりいらっしゃるんですよね。それから、やはりお風呂に入るというのは体にいい。冬場にお風呂に急に入って事故が起きるということはあるんですけれども、全体として見たら、お風呂にゆっくり入るというのは健康にいいということは、大体これは専門家の間でも大体了解されていることなので、健康増進ということでもお風呂に入るということはすごくいいことです。
それから、やっぱりお風呂に行くということは、そこで触れ合いができるし、ずっと家の中に閉じ籠もっているのではなくて、特に元気なシニアの方は、銭湯に入って、帰りに居酒屋でも、飲みすぎたらいけないと思いますけど、軽くビールを飲んで帰って、また居酒屋で友達ができるとか、そういういろんな意味で大事なことではないかな。外国人の方も、外国人の方の中に、一部には非常に狭いところに住んでいて、シャワーぐらいしか浴びられないような方もいらっしゃるわけですよね。そういう方も入っていただいたらどうかと思うし、一言で言うと、銭湯の社会的必要性というのが上がっているのではないか。コロナ、物価騰貴、そして格差の拡大ということの中で、銭湯の社会的必要性というものが大きくなっているのではないだろうか。そういうことを考えたときに、やっぱり今の段階でこれが値上げをするというのは、よいことではないのではないかと。率直に言いますと、そんな思いからです。
記者:
あともう1点、分散型花火イベントの実施についてなんですけど、従来のみなとこうべ海上花火大会をそういった分散型の花火イベントに移行していく方針ということなんですが、従来のみなとこうべの花火大会というのは大きな規模で、神戸の夏の風物詩でもあったのかなと思うんですが、やはりそれが見られなくなると、寂しいなと思われる市民の方もいると思いますが、市長はどうお考えでしょうか。
久元市長:
そこは、そういう意見があるのではないかというふうに私も想像しておりました。実際に港湾局の幹部などから聞いたら、そういう声はあるけれども、やはり分散型でやったほうがよかったという声のほうが、圧倒的にというふうにおっしゃったかどうか忘れましたけど、かなり多いということは事実のようなんですよね。
これも繰り返しになりますが、分散型花火が複数回やっているわけです。これも期間ももっと長くしたいと思っているんですよ。具体的な検討はこれからですが、港湾局は腹案があるかもしれませんから、また取材していただければと思いますが、かなり複数回、期間を延ばして分散花火をやる。そうすると、花火を見に行く。花火を見に行った後に、家族で食事をしたり友達と飲みに行ったり買物に行ったり。そういうような夜のまちの回遊性、ナイトタイムエコノミーにもプラスになっているという面がかなりあるということです。
それから、韓国、ソウルでのハロウィンのときの、ああいう大混雑の中で雑踏の事故というのが起きると、やっぱり当然警備ももっと強化しないといけないですよね。そういうことを考えたときに、やはり1日に1点集中のイベントというのは、これから見直していかなければいけないのではないだろうか。1点集中型のイベントではなくて、分散型のイベントという視点を取り入れていくほうが、いろんな観点からいいのではないかというふうに考えているわけです。
ただ、これは、未来永劫そうするかというのは分かりません。2023年度やってみて、またいろんな御意見を聞いて考えればと思っています。
記者:
全体的なことで2つお伺いしたいと思います。1つは、未来創造予算というふうに冒頭お話しいただいたと思うんですが、去年も目の前の課題に取り組みつつ、ポストコロナの社会に向けて成長につながるような予算にしたというようなお話でした。ここから、去年と今年の違いというと、神戸空港の国際化があると思うんですけれども、より未来に向けて一歩進んだという感じなのかなという印象を受けまして、そのあたり、もし補足で説明がありましたらお願いしてもよろしいでしょうか。
久元市長:
去年から今年にかけて変わったことは、一番大きなのは神戸空港の国際化が決まったということで、神戸空港の国際化は2030年がターゲットですね。2030年に神戸空港が国際空港になる。あと7年の間にこれを急ピッチでやっていく。しかし、2030年は到達点ではなくて、2030年から始まるわけです。2030年に神戸空港が国際化されて、神戸は新たな国際都市になる。かつての国際都市とはまた全く違うありようでの国際都市というのはどういう姿なのかということをしっかり考えないといけない。これはまだ考えている途上だと思うんですよね。これで完全にイメージが固まったわけではありません。
そういう意味からいうと、この中には載せておりませんが、次期計画というものをつくっていかないといけないんですよね。それは、神戸市の議会の議決をいただく基本構想と基本計画とその下の計画と、3段階の計画というものを一気につくる。この一気につくるのが2023年度です。2023年度にこれをつくっていく。そこの中でより具体化していくことになりますが、現時点での考え方からいうと、去年から今年について変わったということは、やはりSDGsの考え方というものがより普遍的価値を獲得することになって、これを神戸に当てはめれば、このSDGsの考え方を港でも展開する、空港でも展開する、里山でも展開する、まちなかでも展開する。SDGsの考え方というものは、やはりこれは未来の私たちのグローバルな世界、極端なことを言うと、地球の全体像とそれぞれの地域の未来像を指し示していると思うんですよね。SDGsの考え方をしっかり取り入れた神戸の未来をつくっていかなければいけない。そういう考え方で、今日はこの限られた時間の説明になりましたが、持続可能性とかSDGsとかというふうに申し上げたのはそういう施策です。それは、そういう新しい観点も取り入れて、施策を具体化したというふうに考えています。
記者:
もう1点なんですけれども、全体的に見ると、やはり神戸空港の国際化もそうですし、三宮再整備など、投資に非常に力を入れているという印象を受けまして、その中で、子育て施策であったり物価高への対応と、いろいろ目配りしなければならないところがたくさんあって、予算の配分に当たって悩んだところとかがあれば、教えていただいてもよろしいでしょうか。
久元市長:
予算の配分に当たっては、一般財源をどう配分するのかということが非常に大事なんですね。一般財源をできるだけ有効に使っていくためには、国の支援制度、これをできるだけ有効に使うということと、それから、将来の、さっき冒頭御説明しました実質公債費負担率というものをできるだけ引き上げない、ある程度引き上がっていくというのはやむを得ないにしても、これができるだけ上昇しないような形での起債のレベルというものを決めていくと、その辺が重要で、できるだけ交付税措置のある地方債を活用するということ、それから、できるだけ国の支援を引き出していくということ。
これは今回の予算で決められたことではありませんが、例えば三宮のバスターミナル事業も、これは国の直轄事業として行われる。これは東京以外では初めてなんですけれども、これも相当国にお願いいたしまして、これが実現したわけですけれどもね。そういうような形での国の支援をできるだけ積極的に取り入れていくということ。
それから、これはもう工夫したというよりも、これは私の基本的な市政の基本方針なんですけど、ばらまきはしないということです。一律にお金を何千円か配るというものは、これは一過性のものでしかありません。そういうものではなくて、きちんと将来につながるような、一時だけ市民に喜んでいただく、何千円もらったと言って喜んでもらえるような施策ではなくて、それをやると莫大なお金が要るわけですから、そういう選択をしないと。しっかりとその効果が隅々にまで、いろんな人を介して隅々にまで行き渡るような予算として編成をしたと。その辺が一般財源の配分を行っていく上で心がけたところです。
記者:
先ほどの質問のときに花火大会の件がございましたが、最後に、今後どうしていくかいろんな意見を聞いていければというお話がありましたけれども、今後、分散型で秋に開催というのは、続けていくお考えなんでしょうか。
久元市長:
花火大会はやっぱり神戸の風物詩で、花火大会はいろんなところで行われていますけど、やはり港で行われる花火大会というのは、やっぱりこれは神戸の特徴であり、強みですよね。港で花火が上がって、それを、みんなでこれを楽しむというのは。ですから、何らかの形で花火大会は続けたいと思っています。
ただ、ずっと分散型でやるかどうかというのは、今年、秋にやってみて、それに対する効果、あるいは市民の皆さん、特にウォーターフロントに近いところで商売をされている皆さんにとってプラスだったかどうかと。そういうことも聞いた上で、来年どうするかということを考えたいと思います。
記者:
今後ずっと分散型にするというわけでは必ずしもないということですか。
久元市長:
そうです。いや、それはそうなるかどうかは、可能性としてはありますが、今年やってみたその状況を見て、来年考えようということです。
記者:
あと、伝統的建造物の保存・活用のところで、予算の1つ目のところで、旧ハンター邸、王子公園のところにあるものが、北野のほうに、北野の活性化のために移動するというお話がありましたけれども、王子公園の再整備で反対されている市民の方もいらっしゃって、あの建物が移動することに戸惑う方もいらっしゃると思いますけども、そこら辺はどのようにお考えでしょうか。
久元市長:
あまりいらっしゃらないんじゃないかと思いますが。もともとハンター邸は北野にあったわけですよね。それを無理やり持っていったわけで、やっぱりああいう異人館が北野に戻るというのは、大方の神戸のことをよく知っておられる市民ならば歓迎していただけるのではないかと思います。
記者:
カーボンニュートラル推進に関して、42、43ページですけども、水素エネルギーの実証の整備など具体的なところが進みつつあるのかなとは思いますけども、一方で、このカーボンニュートラルポートに関しては、まだ検討という文字が多くて、具体的なところはまだまだなところもあるのかなと思いますけども、全般的にカーボンニュートラル推進に関しての思いといいますか、そちらへの思いがあればお願いいたします。
久元市長:
カーボンニュートラルについては、まだ検討ということではなくて、既に新しいタイプのガントリークレーンも導入が進められていますし、これは、将来的には燃料電池を装着できるようになっていますし、カーボンニュートラルポートに向けて、大規模水素ステーションの計画も既に大体固まってきています。ここに、ポートアイランドの港湾地区に近いエリアに大規模ステーションができれば、まず国内から、国内での水素エネルギーがここに運ばれて、そして港でこれが使われるということが、すぐ目の前が港ですから、これができるようになります。
それから、陸電供給も、これもポートアイランドだけではなくて、中突堤などのウォーターフロントでも陸電供給を、これは具体化していますから、全体としてまだ検討段階にあるということではなくて、既にカーボンニュートラルについても実施段階にあるというふうに考えております。新たな検討もこれから進めて、これを進めていきたいと思っています。
これは国家プロジェクトとして国土交通省のほうも全面的に神戸のカーボンニュートラルポートの取組みを支援していただけるというふうに、私も何回もそういうお話を、大臣も含めて、局長からも聞いておりますから、これは確実に進むのではないかというふうに思います。
記者:
今回、神戸空港の予算、特別会計をつくったと思うんですけども、一般財源からも繰り入れたりしていますけども、その特別会計をつくった考え方、どういうことでこういうことをされたんでしょうか。
久元市長:
特別会計は何のためにあるのかというと、要するに、丼勘定ではなくて、特定の目的を持った事業を行うための収支を明らかにするということですね。そのために、ある事業が、どういう財源でこれを実施して、どういう使途にするのか、そして、そこの会計において収支がどうなるのか。絶対的に収支が均衡しなければいけないということではなくて、その収支を明らかにすると。明瞭性を確保ということになるわけですね。
空港については、当然のことながら、コンセッションが行われて、直接の運営については関西エアポート神戸株式会社が行うことになったわけですが、今回、神戸空港の国際化、あるいは国際化以前に発着枠の拡大など神戸空港の機能強化が行われるということであれば、新たなターミナルの整備なども行われることになりますから、そこの収支をより明確にしていくという必要性は飛躍的に高まるということなので、新たな会計をつくることにしたということです。
記者:
予算上は一般財源からも繰り出しをされていると思うんですけども、この考え方についてはどうですか。
久元市長:
ですから、空港特別会計の中に一般財源から、つまり、他会計から繰出金がどういう形で計上されるのかということも明らかになります。つまり、この空港会計と一般会計、それ以外の会計も含めて資金の流れが明確になる。また、一般財源がどれぐらい必要になるのかということも、これも明らかになっていくということですね。
その上で申し上げれば、空港本体と、それからターミナルの整備があるわけですが、一般財源については主として空港本体の整備に使われるというふうに想定しています。これは制度上そういうふうになっているからですね。空港本体の事業は公共事業です。公共事業ですから、国と地方の負担、国の支援もいただいて、設置自治体の一般財源、地方交付税も入ってきますし、航空機燃料譲与税も入ってきますし、そういう形で一般財源が投入される。これは制度上予定されているということです。
記者:
ありがとうございます。神戸空港は、国際化は確かにそうなんですけども、一方で、関空の補完という位置づけというのは変わらなくて、不安定な要素もあると思うんですけれども、そこら辺について、向き合い方というか、前のめりばかりでいいのかなというのもちょっとあるんですけども、そこら辺はどうなんですか。
久元市長:
ちょっと質問の意味が分からないんですが、何が不安定で何が前のめりなんですか。
記者:
関空の補完という位置づけは変わらないと思うんですけども、国際化に向けて不安定な要素というのはないんでしょうか。
久元市長:
不安定な要素はないと思います。関空を補完するというのは確固たる考え方です。これは3空港懇談会でも合意されていることで、神戸市もそのことを前提にして神戸空港の国際化のために必要な整備を進めていくということです。ですから、関空がハブ空港であり、基幹空港であり、神戸空港がこれを補完するということを前提にして国際化のための整備を進めていくということです。
記者:
あと、予算で、神戸の人口減少というのが課題の1つだと思うんですけども、予算の柱立てには人口減少対策というのは打ち出されてはないんですが、例えばどういう施策の中で人口減少対策というのを意識されているんでしょうか。
久元市長:
人口減少は、我が国全体が人口減少社会を迎えているわけですから、特定の自治体だけが、「日本全体が人口減少してるけど、うちだけは人口増加を目指す」という目標の設定が適切なのかどうかです。そこは、人口減少の幅をできるだけ減らさなければいけないということはそうだと思いますし、できることならばプラスにすることが求められるわけですけれども、それが政策目標として本当に正しいのかどうかというのは、正直、疑問に思います。
大事なことは、やはり我が国全体が人口減少に入っている中で、それぞれの自治体もそれぞれの特徴を発揮して、この人口減少をどう食い止めるのかということをみんなで考えて、みんなで連携をしながら知恵を出し、また政策の競争をしながら、我が国全体がこの人口減少を、できるだけその減少幅を食い止めるようにしていくということ、そして国もそういうような政策を打ち出して、これは自治体だけの力ではないかもしれないし、もちろん企業の努力も必要だと思いますけれども、そういうふうにつながっていくということで、少なくとも絶対にやってはいけないのは、自治体同士でばらまき合戦をして人口を奪い合うということはすべきではないと思います。
今の御質問について言えば、そういう基本的な考え方の下に神戸市のいろいろな施策を講じることによって、これはハード施策ですね、この全ての柱は、人口減少を食い止めるということにどうつなげるのかという視点を当然持っています。しかし、それぞれ1つだけが人口減少を食い止めるということに影響を与える度合いは非常に少ないでしょうね。
いかにいろいろな施策が組み合わさりながら人口減少の幅を食い止めていくかということが非常に大事ということと、もう1つは、目の前の数字だけを追い求めるべきではないということです。例えば、高層マンションをどんどん建てれば人口は増えるでしょう。しかし、それが本当に持続可能なのかどうかということについては、神戸市政は以前から繰り返し疑問を投げかけてきました。それが持続可能なのかということです。
やはり、まちづくりというのは、目の前の人口減少幅がどうだったとか人口増加がどうだったとかということではなくて、持続可能性ということも考えて、長い目で見て、本当に人口減少のペースをどうスローダウンさせ、そして市民生活のクオリティーを維持向上させるのかというような観点も入れながら施策を展開していくべきではないかと考えています。
記者:
ありがとうございます。3期目の就任の時に、たしか人口減少に力を入れたいと市長がおっしゃっていたのであえて質問したんですけども、それは、今の思いは変わらないということですか。
久元市長:
それは変わりません。それは変わりませんが、人口減少を食い止める手法とか、あるいは方向性とかについて言うと、私自身は今申し上げたような考え方で臨んでいるということです。
記者:
先ほどもあったお話と少し重複するんですけど、個別の事業でなく全体的なお話で、大きな流れで見て、ちょうど今というのはコロナも落ち着いてきたところで、先日、長田区の最後の復興事業も着工が始まって、神戸空港の国際化も決まって、ちょうど三宮の再整備の形も見えてきたタイミングなのかなと思いまして、そういった大きな視点の中で、来年度は神戸市にとってどういう位置づけとなる年かというのを改めて教えていただけますか。
久元市長:
来年度、つまり2023年度の年というのは、やはり、コロナが5月8日から2類から5類になり、もちろんコロナ対策というのはしっかりやっていかないといけないと思うんですけど、正常あるいは日常への回帰と経済活動の両立にシフトしていく年だと思います、目の前のことを言うとですね。引き続き緊張感を持ちながら、そういう方向で、物価高騰対策も考えながら、正常性への回帰、経済の活性化かじを切る年になるだろう。そういうことを見込んだ対策も、今日、説明をしたものを中心に展開していく。
あわせて、やはり長い目で見た持続可能性ということ、そして、やはり国際環境というものが相当厳しくなっていますから、我が国全体が非常に試練に直面している国際社会の中でしっかりと生き抜いていくことが求められる。そこはやはり、コロナ後の社会のありよう、あるいは、厳しい国際環境の中での我が国の立ち位置と国民生活の維持向上ということを考えた、より長期的視点に立つと同時に、そういう観点も加えながらの政策展開というのが、特にグローバル社会の中にある大都市としてはやはり求められるという年ではないかと思いますから、そういう国際環境をしっかり見て、将来にわたっての持続可能性を勘案して政策を展開しなければいけない年だろうと思います。
記者:
そこら辺が、最初、冒頭おっしゃっていた未来創造というところにつながるということですね。
久元市長:
はい、そうです。
記者:
コロナの関係で1点伺います。今日の午前中に岸田首相が表明された卒業式でのマスク、原則着用なしということについて、市長のお考えをお聞かせください。
久元市長:
岸田総理の発言内容そのものは直接承知はしておりませんが、恐らく、基本は卒業式に、3年間、こどもたちがいろんな意味で我慢を強いられてきたので、もうマスクを外して卒業式に臨んでもいいですよということと、それから、マスクを外したくないという子どもや保護者の意向にも配慮するという、要するに、個々の子どもや保護者の判断も尊重するという内容ではなかったかなと思うんですけれども、それは非常に常識的な対応で、それはそういう考え方で進めていっていただければ。教育委員会においても、岸田総理のそういう方針、それはより具体的に文部科学省からの通知なりで示されると思いますけれども、それは歓迎すべきことではないかと思います。このページは接続環境によって、映像・音声などがみだれたり、スムーズな視聴ができない場合があります。あらかじめご了承ください。