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司会:
それでは、ただいまより、教育長会見を始めさせていただきます。
教育長、よろしくお願いいたします。
長田教育長:
教育長の長田です。よろしくお願いいたします。
本日は2点ございます。
まず、1点目は、校則(学校生活のルールや決まり)の見直しについてです。
まず、校則の意義ですが、校則等は、学校運営の責任者である校長が定めるというものでありまして、児童生徒が健全な学校生活を営み、そしてよりよく成長していくための行動の指針のことで、教育的意義を有するというふうにされております。具体的には、小学校では、遊具の使い方や持ち物に関するルールなど、また、中学校、高等学校では、服装や髪型に関するルールといったようなことが挙げられます。
昨今、合理的な説明が難しい校則が、社会的な課題となっています。そこで、本市におきましては、社会通念上合理的な説明ができるように、令和3年6月に校則などの「学校生活のルールや決まりに関するガイドライン」を策定をいたしました。
このガイドラインの概要ですが、基本的な方針といたしまして、校則は、社会通念に照らして、合理的と見られる範囲内で、学校や地域の実態に応じて適切に定めること、また、児童生徒の体力面や健康状態など個々の状況を踏まえ、画一的なものとしないこと、そして、学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に対応するため、内容について、絶えず見直す機会を設定することというふうなことを、基本的な方針としております。
そして、次に、各学校における見直しの手順ということですが、見直しに当たりましては、子供の権利についての意識を高めるために、教職員に研修を行うとともに、児童生徒におきましても、学級活動や児童会、また生徒会活動などの特別活動等において、子供の権利について学習をいたします。その上で、児童生徒が、校則や決まりの意義を理解をし、児童生徒自らが、校則や決まりを守り、行動するという自立性を育むために、児童・生徒が話し合う機会をつくります。そして、児童生徒だけではなく、保護者や地域の方の意見が反映されるように、学校運営協議会、または学校評議員を通して、その内容についての協議を行います。見直した内容につきましては、速やかに保護者にお知らせをし、学校ホームページに掲載をし、周知を行うということとしております。
次に、令和3年度の見直しの状況についてです。市立中学校・高等学校におきましては、中学校82校、高校8校、全校において、学校生活のルールや決まりなどの、この校則等の見直しに取り組みました。そして、ほぼ全ての学校で改訂が行われております。
具体的な見直しの状況ということです。例えば、中学校における肌着を白一色とするという校則に関してでは、令和3年度当初に、62校で校則に定めがあり、令和3年度中に49校で改訂が行われました。残り13校につきましては、令和4年度以降、引き続き検討をしていくこととなっています。そのほか、中学校における靴や靴下を白一色とする、こういう校則については、半数以上の学校で、改訂がありました。また、女子生徒の靴下を三つ折りとするという校則については、ほとんどの学校で改訂が行われました。ツーブロック禁止に関しましても、高校においては、全校で改訂がされております。
見直しの取組の事例というものを、2点ほどご紹介します。
A中学校においては、主に靴、靴下、頭髪、それから肌着の見直しに取り組みまして、このように制限内容を改訂をしています。生徒会や職員会議、またPTA、学校評議員でも協議を重ねまして、靴、靴下、肌着の色、頭髪などについて、決まりを変更し、ご覧のように保護者宛てにお知らせをしております。
次に、B中学校の事例ですが、靴、靴下について、全校生徒にアンケートを実施した結果、現行の白のままでよいという意見が過半数でありましたので、現行どおりといたしました。自由化やあるいは黒や紺色、ワンポイントなども認めてよいのではないかというような意見もあったようですが、今後も引き続き検討を続けていくということとなっております。また、頭髪につきましては、議論がまだ不十分であることから、今後も継続して検討していくということとなっております。
これは、B中学校で見直した結果について、中学校の生徒が自らまとめた上で、イラストも加えて、学校のホームページに掲載をしているという事例です。
今後の進め方ですが、児童生徒が自由に自己の意見を表明をして、そして当事者意識をもって見直しに取り組むことができるように、子供の権利について、引き続き児童生徒の学習、また教職員の研修を行っていきます。
校則の内容や必要性について、やはり児童生徒、保護者との間に共通理解を持つということが重要でありまして、児童生徒だけでなく、保護者や地域の方の意見を聞きながら引き続き取り組んでいくこととしております。こういったことに留意をして、令和4年度以降も引き続き各校で議論をし、見直しを行ってまいります。
以上が、校則等に関してでございます。
続きまして、2点目の、今後の不登校支援のあり方についてです。
本市の不登校児童生徒の推移状況です。このグラフは、青が小学校、そして緑が中学校で、平成28年度から令和2年度までの不登校児童生徒数の推移を示しています。小学校、中学校ともに、不登校児童生徒は、年々増加をしているという状況です。
このグラフは、1,000人当たりの不登校児童生徒数の推移で、左が小学校、右が中学校です。それぞれオレンジ色の折れ線が全国、そして緑色の折れ線が兵庫県、青色の折れ線が神戸市を示しています。本市は、小学校、中学校ともに、全国、また兵庫県を上回っているという状況にあります。
このグラフは、令和2年度の不登校児童生徒数を学年別に示したものになります。前年度からの継続がオレンジ、令和2年度新たに不登校になった児童生徒を青で示しています。小中合わせての全ての不登校児童生徒数、全数が2,734人ということですが、このうち新たに不登校となった児童生徒数は1,410人で、約半数以上が新たに不登校になった児童生徒ということになっております。
これまでの不登校支援では、既に不登校状態にある児童生徒への支援に重点を置いて支援を行ってまいりましたが、一方で、やはり登校しづらくならないように、学校づくり、学級づくり、学年づくり、ひいてはこの魅力ある学校づくりということが、一層重要になってくるというふうに考えています。
本市のこれまでの不登校児童生徒への主な取組ということですが、くすのき教室、いわゆる教育支援センターを設置をしまして、学習指導や体験を通した指導等を行っております。そして、心の専門家でありますスクールカウンセラーを配置をして、児童生徒や保護者の相談に当たっております。また、福祉の専門家でありますスクールソーシャルワーカーを配置をいたしまして、関係機関等と学校とのネットワークを築いて、児童生徒を取り巻く環境をいろいろと調整をしております。そして、不登校担当コーディネーターを配置をしまして、フリースクール等の関係機関との連携の窓口となって、支援を行っていると、こういうことを主な取組としてやってきております。
また、それぞれの、この学校における不登校支援ということで、家庭訪問による支援でありますとか、学校内の別室における個別の指導支援、そして、フリースクールとの連携ということで、フリースクールに通われる児童生徒の出席認定、またフリースクール関係者との連絡会の開催、こういった取組を行ってまいりました。
ただ、今日、申し上げましたような昨今の状況を踏まえまして、本市における不登校児童生徒に対する支援の現状と課題を検証するということとともに、今後の不登校対策の総合的かつ体系的な支援のあり方について検討を行っていくということを目的として、このたび、今後の不登校支援のあり方に関する検討委員会を設置をすることといたしました。
この検討委員会では、1つは、登校しやすい環境整備と不登校の早期支援、そして、不登校児童生徒への支援の充実、また保護者サポートと民間施設との連携推進、主にこういった3つの事項を中心に、検討を進めることとしております。
これは、委員の予定者ですが、9名で構成をいたします。学識経験者3名、弁護士が1名、フリースクール関係者1名、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーそれぞれ1名、あとは学校現場の代表2名ということになっております。
今後のスケジュールとしましては、第1回検討委員会を7月上旬に開催をしまして、その後、4、5回議論をし、12月までに報告書をまとめていただく予定となっております。今後は、この検討委員会でいただいた報告書をもとに、具体的な施策につなげることで、子供たちへの支援の充実を図っていきたいというふうに考えています。
私からの説明は以上です。
記者:
1点目のほうで、何点かお伺いしたいんですけれども、これは確か国のほうでの動きもあったと思うんですが、ガイドラインの策定は、全国一斉に去年やるようにというように何か通知があったんでしょうか。
長田教育長:
いや、ガイドラインの策定までは、特段通知はきておりません。
あの文科省からも通知が、私どものガイドラインの策定のころぐらいに通知がきたと思うんですが、確か。今、全国的に私どもが知っている限り、ガイドライン、幾つかの自治体では策定されておりますが、多くの自治体ではガイドラインは策定されていないと思います。
記者:
この見直しについては、何度か確か通知みたいなのがあったように思うんですけれど。
長田教育長:
文科省から。
記者:
文科省。
長田教育長:
文科省からは、令和3年。
職員:
文科省からの通知が、令和3年6月8日に校則の見直し等に関する取組事例ということで、通知がきております。その中で特にそのガイドラインを作成しろというお話ではないんですけれども、この校則の見直しの実例というふうに上がっております。
我々は、それ以前からガイドラインの作成のほうは検討しておりまして、令和3年6月15日に、去年、発出をしております。
記者:
分かりました。この市で、じゃあ、独自にやることにした経緯というか理由というのは、どういうような。
長田教育長:
令和2年度の初めあたりから、これはもう私はじめ教育委員会において、やはり昨今のこの状況を踏まえて、やはり合理的な説明が難しい校則、どういうものがあるんだろう、まずは把握をしようということで、令和2年の初めあたりから、把握を事務局のほうでしてもらいました。そういったことを踏まえて、やはりガイドラインの策定して、見直しを図っていく必要があると、そういうことになってガイドラインを策定したということです。
記者:
ありがとうございます。あと、見直しの手順のところなんですけれども、この子供が話し合って決めたというより、子供がまず話し合って、それを何か先生がまとめて保護者や地域の人の意見を聞いてという流れになるんでしょうか。
長田教育長:
そうですね。やはり手順としましては、まずそのやはり校則なりその決まりの意義といいますか、そういうことと、それからやはり子供の権利、こういったことも十分勉強した上で、これは教職員も児童生徒もですね。その上で、我が校の校則はどうなのか。こういったことを、生徒会、あるいは生徒のほうで議論をしてもらって、そしてもちろん教職員の意見、それから保護者の意見、そして、学校運営協議会を既に設置しているところは学校運営協議会、まだのところは学校評議員、こういった地域の方の御意見も聞いて決めていくと、こういう流れになります。
記者:
生徒に関しては、学校の授業の時間を使ってとか、そういう、どういう時間を使って話したのですか。
長田教育長:
先ほども言いましたように、授業の時間といえば、主にやはり特別活動の時間を利用してというとこが多かったと思います。あるいは、生徒会活動の中でとか、そういったところで、時間を有効に活用して、生徒自身が議論をする。本当にこれでいいのかどうかというようなことからスタートをしています。
記者:
分かりました。あと、見直しの学校数で改訂をしなかったところが一つあると思うんですが、中学校で。ここは何か、どういう理由。
長田教育長:
そうですね。私もこれは非常に残念に思っています。少し状況を聞きますと、やはりこの令和3年度は、この事前の学習、さっき申し上げたような子供の権利であるとか、そういったところの学習に力を入れて、少しコロナ禍でもありましたので、なかなか時間、話し合いの時間が十分取れずに、改訂のほうは、今年度、令和4年度以降になっていると、計画をしているというふうに聞いています。
記者:
分かりました。その次のページの改訂したとこと、検討を継続中ってあるんですが、継続中のところは、時間が足りないというところが多いということなんですか。
長田教育長:
そうですね。子供の中で議論をする時間が足りなかったケース、これは学校によって違いますが、あとは、なかなかこの地域なり保護者の方との時間が取れなかった。こういったような、状況は少し学校によっては違いますけれども、そんな感じですね。
記者:
分かりました。改訂したところというのは、今年度から変わっているということなんですか。
長田教育長:
そうですね。今年度から校則を変えて、今年度の入学生に対しても、入学時に説明をしているということになります。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
あと、不登校のほうで、神戸市がその小中ともに全国とか兵庫県を上回っているというのは、この理由とかは、何か推測されるものがあるのでしょうか。
長田教育長:
そうですね。これ全国的に見ましても、その不登校の児童生徒数は増えているということにあります。そして、やはりこの都市部、特に大都市においては、多様なこの教育の機会というものが充実しているといいますか、選択肢が多くあるというようなこともあって、都市部においては、やはりこの児童生徒数が多いという傾向にあるということは、数字上、私どもも把握はしております。
ただ、これ、神戸の場合が特にこの増え方が特に小学校において、非常に残念ながら増えているというようなこと、また中学校においても、兵庫県、全国よりも少し高い値になっている。こういったことについては、よく、今後の検討委員会でも分析をして、対策、支援のあり方ということを考えていかなければいけないと思っています。
記者:
都市部は選択肢がたくさんあるというのは、フリースクールとか、そういうことですかね。
長田教育長:
そうですね。はい、これはもうフリースクールは、どういいますか、私どもでも十分、神戸市内に幾つあるかというのは、実は把握はできていない。出席認定をしているところについては、当然把握をしておりますが、出席認定をしているフリースクールでも、神戸市外に勝手に通っている子供たちもたくさんおりますので、そういう意味で、学校以外のそういった多様な教育の機会、教育機会確保法でいうところの、そういった趣旨、あれに沿ったような機会が、やはり大都市においては確保しやすいということが、やっぱり影響しているのではないかと思います。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
記者:
まずは、校則のほうで、今日はAでBで、A中学校とB中学校の事例がありますけれども、ごめんなさい、こちらでですね、実際に生徒が議論したとか、もう少しその議論の経過のところを、最初どんなふうに生徒がして、その学校運営協議会のほうで話をしてみたいな、そういう具体例を教えていただければと思います。
長田教育長:
まず、A中学校においては、一番最初に、当然、職員が研修、勉強をしまして、そして、生徒会での議論、また全ての生徒、全生徒にアンケートを行ったというふうなことです。それから、PTAとも意見交換会を行っています。その後、地域代表の方々とも、そういう場を設けて、随時、これは随時ということですが、並行して、子供の権利について、生徒の学習を行っております。最終的には、学校評議員において、議題として挙げて、そこで協議をして承認をしたということです。
で、B中学校のほうですが、ここは、「校則を考える会」というものをつくりまして、まず、校則の意義と、その目的をお互いに共通理解を図るということから始めております。そして、その中で、この校則を考える会の中で、この学校生活における課題、これを皆で出し合って意見交換をしたということ。それから、ここもアンケートもやっておりまして、そのアンケートの内容についての意見交換も行っています。その後、学校運営協議会でも意見交換をしながら、PTAとも情報交換会をもちながら、全校アンケートを全校生徒へのアンケートを実施し、その結果を踏まえて、全校協議会ということもやっております。そして、PTAともまた意見交換を踏まえて、最終的に学校運営協議会で決めたと、こういうことで、かなり特にこのB中学校のほうは、学校を挙げて非常にこの取組といいますか、なかなか私から見てもすばらしい取組ではないかというふうに感じています。
記者:
ありがとうございます。例えば、じゃあ、割と何というかな。確かに校長が決めるということで、まあでも学校主導的な感じもしてですね、何となく理想的には、生徒のほうが、自分たちで先生を動かしたみたいなんがあればですね、こう非常に面白いなとは思うんですけれども、なかなかそこまでこう、本当に生徒が動かしていったみたいな、そこまではなかなかやっぱり難しいでしょうかね。なかったですかね。
長田教育長:
いや、ですから、さっきのB中学校のほうは、「校則を考える会」というのをつくってやっていますから、別に生徒だけで動かしたということではありませんけど、生徒中心に議論をして、皆、見直しにつなげていったという、私は好事例ではないかというふうに思います。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
では、とりあえず結構です。ありがとうございました。
記者:
1校を除き、ほぼ全ての学校で改訂が行われたということで、去年度中に見直しを求めてたと思うんですけれども、今のこの成果というか、結果を、教育長としては、どうお考えでしょうか。
長田教育長:
これはまあ、個々の学校でいろいろ状況、事情はあるんですけれども、何とか私自身としては及第点かなと。ただ、やはり、若干、不満な点も正直あります。コロナ禍であったとはいえ、なかなかそういう議論をする場が、特にこの地域の方々、保護者の方々との間で、十分持てなかったというのは理解するところもありますけれども、やはりもっともっとこの校則の意義とか、あるいは、本当に、この対外的に合理的な説明ができるのかどうか。あるいは子供の権利を十分理解した上で、そういうのを決めているのかどうか。
そういったことから、教職員自身が十分に理解をする。そして、生徒間で意見交換をしてもらう。こういった流れを、もっとつくっていかなければならない。そういう意味では、来年度、令和4年度の取組ということについて、期待をしているところです。
記者:
見直しのほうは、具体例として、こちらに、肌着を白一色にするだとか、ツーブロック不可とか、代表的なものが上がっていると思うんですけれども、大体予想されていたものが見直されているということなのかな。もしくは、もう少しちょっと足りていないだとかありますか。
長田教育長:
そうですね。私は逆に、この例えば靴、白一色、靴下、白一色みたいなところはですね、もっと見直すという結果が出てくるのかなと思っていましたが、ただいろいろ聞いておりますと、やはり学校の中で議論をする中で、これは生徒間の話の中で、やっぱり、ちょっと、まだもうちょっと話をしようとかいうようなことだったという学校もあったように聞いておりますので、そういう意味では、案外、生徒のほうも、やはりこう慎重なところもあるのかなと。やはり難しいところは、何色か選べるとかですね、華美なものはやめようということにするという手はあるわけですけれども、なかなかそうなったところで、今度は逆に、自分たちで決めたルールが、果たして本当にみんな守るのかどうか。そういったところに、少し不安を抱いているという、そういったケースがあるのかなというふうに見ております。
記者:
ありがとうございます。
記者:
校則のところで、これには入ってないんですけれども、もっと置き勉って、結構問題になっていると思うんですけれども、これについては、学校で見直しが行われたりとかいうのは、学校はどうなっているんでしょうね。
長田教育長:
置き勉についてはですね、私ども教育委員会のほうから学校現場のほうに、2年、3年前、コロナの以前ですね。既に柔軟に、子供たちのこのランドセルの重量、重くならないように、学校に置いていく教材、教科書はじめ教材、置いていくことを、柔軟に学校として対応してほしいという旨の通知をしておりまして、現実に、特に小学校においては、柔軟に各学校で、そういったことには、対応をしてもらっていると思っています。
記者:
これについては、じゃあ、見直しの対象とかには、校則的にはなってないということですか。
長田教育長:
あの、置き勉は、恐らく小学校は余りこの決まりの中でそこまで細かく決めてないですよね。決めてる学校少ないと思いますので、学校生活のルールとか、筆箱をどうしようとか、割と持ち物に関することとかが多いですけれども、あの置き勉、できるできないというのは、小学校において、そういった校則的なものでは、決めていないというふうに認識をしています。
記者:
中学校はどうですかね。
長田教育長:
中学校はそもそも置き勉とかいうの、ありますか。どうぞ。
職員:
以前は、置き勉については、持って帰るようにという指導を行っていましたけれども、健康面のことも考慮しまして、近年においては、置いて帰ることを推奨しておりますので、ほぼ全校、置き勉を認める、置き勉といいますか、教科書等を置いて帰ることを認めている学校がほとんどであるというふうに思います。
記者:
すみません、通知を出したのは3年ぐらい前なんですか。
長田教育長:
分かりますか。
職員:
これは小学校宛てなんですけど、平成30年9月10日に、登下校の持ち物の負担軽減ということで、いわゆる置き勉ので通知を出しております。
記者:
これは小学校ということですね。
職員:
はい、その通知は小学校宛てでございます。
記者:
中学校は特に出してないということですかね。
長田教育長:
中学校は、その前からある程度、柔軟にやっているということですよね。小学校は、それまでは、少しこう、柔軟な学校もあれば、少し厳しくやってた学校もあったということで、それは、やはり各校に対して柔軟にやってください。やはり必要のないものまで必ず家に持って帰る必要はないのではないかと。特に小学校の低学年の場合は、かなりランドセルの負担は重いと思いますので、そういうこともあって、平成30年に通知をしたということです。
記者:
分かりました。あと、不登校のところですけれども、この市の検討会、検討委員会というのは、スクールカウンセラーは初めてなのでしょうか。
長田教育長:
はい、初めてです。
記者:
教育機会確保法では、不登校については、無理に登校を求めてはならないという指導をしていると思うんですけれども、今、その学校の指導というのは、やっぱりそのとおりになっているんでしょうか。
長田教育長:
やはり教育機会確保法が、制定、施行されて以降ですね、これは全国的にそうだと思いますが、本市におきましても、やはり昔のように、とにかく学校に来て、来いと、指導すると、こういうことではなくて、やはりその児童生徒個々の状況に応じて、もちろん、登校しづらくなった児童生徒に対しては、家庭訪問もしますし、保護者の方ともお話し合いをしますし、そういったことで、個々の状況に応じて支援をしております。
また、先ほど少し触れましたけれども、フリースクールに通われている生徒の、そのフリースクールにも、適宜訪問するなり、いうこともしておりますし、積極的に出席認定をするように努めています。
記者:
ありがとうございました。それで、フリースクールについては、何十年か前に、兵庫県で風の子学園の事件があって、フリースクールの、何というんですかね、このちゃんとした団体であるとか、そういう確認というのはちゃんととってたりするんでしょうか。
長田教育長:
これは、どこのフリースクールに通われるかということもあると思いますが、私どもが出席認定するフリースクールにおいては、やはり、そちらでの教育内容というものもしっかり見ておりますから、そういったことは決してないという確認は、もちろんとっております。
記者:
ありがとうございます。
記者:
校則の見直しのほうで、何点かお伺いしたいんですけれども、まず最初に、先ほど置き勉の話もあったんですけど、この資料で触れているのが、その服装と髪型にジャンル分けされるのかなあと思うんですけど、これはその何ですか、例えばガイドラインで対象とするものの例として「服装と髪型を」って言ったからこうなったのか、それとも、特に何でもいいから校則について考えてくださいってやった結果、上がってきたのが、各校、大体、「服装と髪型に」っていうものになったのかっていう、どうしてこのジャンルになったのかっていうところを。
長田教育長:
もともと服装なり髪型というものを決めてた学校が多いわけですね。あのガイドラインをつくる前に、各校の状況をこちらも一定、把握をしておりますので、そういった中で、どういったジャンルの分野で、そういう定めがあるかということを見た上で、ガイドラインの中で例示をしております。例示したのが、文化や性の多様性の配慮がないもの。こういったところで、髪型とかもありますし、また服装とかも例示をしております。
あるいは、健康上の配慮がないもの。このあたりも、少しこうマフラー、タイツとかですね、服装に関することがあります。あとは、靴、靴下、肌着も例示をいたしました。そういう意味で、この以外で、なかなかこう、合理的な説明が難しいものということは、私どもが今、把握している限り、ほかには、ほぼないんではないかというふうに考えておりますね。
記者:
じゃあ、その生徒側たちも、その例示としてやっぱりあったから、まず、思い浮かべたのは、まあこれであっただろうという。
長田教育長:
そうですね。結果としてはそういうことになろうかと思います。
記者:
あと、A中学校のところなんですけど、ちょっと細かいんですけど、生徒会で議論をして、全校生徒にアンケートをしたって、これは、生徒会がアンケートをした、それとも先生たちがアンケートをした。
長田教育長:
生徒会ですね。生徒会としてアンケートをしてるんですね。
記者:
で、その後、PTAや地域代表の方と意見交換って、これは「誰が」ですか。
職員:
それは、教員と地域となっていると思います。
記者:
生徒さんが、PTAとか地域代表としたわけではない。
職員:
はい、そうですね。
記者:
分かりました。あと、最後に、これは、A中学校、B中学校、両方にかかわるんですけど、結局そのA中学校だったら、何でその靴や靴下を白じゃなくて指定なしにしたのかとか、B中学校だったら、何で靴は白で現行どおりとか、その細かい、本当に理由の部分なんですけど、この白である必要がないしとか、その先ほど言った性の多様化とかって、それぞれの理由の部分を知りたいんですけども。
長田教育長:
分かります、理由。
職員:
靴が白であるべきだという理由ですか。
記者:
それぞれなんですけど、例えばA中学校だったら、白じゃなくて何でもいいですってされた、その生徒からどういう意見が上がったから、そういう指定なしになったという理由の部分。で、B中学校だったら、白のままにするってなった理由。そういうことですね。
職員:
いや、それは、内容の詳しいところまでは把握はしていません。議論の内容の詳しいところですね。
長田教育長:
また、把握をして、あとで、あれでしょ。すぐ分かりますよね。
職員:
はい、問い合わせれば、可能だと思います。
記者:
だから、やっぱりそこが実際、その今の生徒さん、こういう意見をもっているからこう変わったんだというところだと思うので、ちょっとそこが知りたいなと思う。
職員:
承知しました。
記者:
ちょっと補足で、今のとこと重なってしまうかもしれないんですが、例えばそのB中学校で、靴や靴下が現行どおりになったのは、その、さっき教育長は何か、「変えてもみんなが従ってくれるかどうかは不安があるかもしれない」とか何かおっしゃってたと思うんですけれども、何かその、それはちょっとよく分からないなと思って、今のままで別に問題がないと思っている人が多いとかなのかなって私は思ったんですけれども。
長田教育長:
私は、このB中学校のことをとらまえて申し上げたつもりはちょっとなかったんですが、もしも、B中学校のことであれば、白一色どおりに現行どおりにしようとなった理由というのは、把握できてる。できてたら言ってください。
職員:
B中学校なんですけど、これは、生徒にアンケートをとって、過半数だったから現行どおりとしたというふうに聞いております。ただ、先ほど教育長も言われましたように、自由化であるとか、黒、紺とか、ワンポイントとかそういういろいろな意見がありましたので、令和3年度は白のままですけど、今後も、令和4年度以降も検討は継続するというふうに聞いております。
記者:
その「白のままでいい」と答えた人が、なぜかは分からないですよね。
職員:
そうですね。すみません、ちょっと今、明確な理由は持ち合わせません。また、後ほど説明します。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
あと、すみません、これ小学校のルールについても、3ページには何か書いてあるんですけど、あくまでガイドラインで見直しの対象としたのは、中、高なんでしょうか。
長田教育長:
何のですか、中、高を対象としたというのは。
記者:
今回、その見直しをしたのが、中学と高校だったと思うのですが。
長田教育長:
小学校も対象にはしております。
記者:
ああそうですか。
長田教育長:
小、中、高と対象ですが、小学校の場合は、校則ということではなくって、ここにも3ページにも書いておりますように、いわゆる学校生活の決まりというようなことで、遊具の使い方とか持ち物に関するルールで、簡単に言いますと、そんなに校則をイメージするような定めというのはないもんですから、ですから、今日のこの説明の中においては、やはり一番分かりやすい中学校と高等学校を取り上げたということなんです。
記者:
小学校では何か、見直したものとかっていうのはあるんでしょうか。
長田教育長:
ありますか。
職員:
見直しを行っているものは、例えば、小学校の中では、赤鉛筆というふうな指定をしていたものを、赤ボールペンも可能であるというような、そういったところをですね、とか、気温の低い時間の服装なんですけども、そのときに、体育の学習のときに、上着の着用を認めるであったりとか、それから上靴の色が白だったものが、白を基調とした華美でないものというふうになったとかというようなところもあります。
記者:
それは、校則ではなく、学校ごとの何か慣例みたいなものっていうことですか。
職員:
校則の主なものというのは、非常に慣例で行われているものも多くあるとは思いますけれども、おっしゃるとおり、何か明文化されているようなものではない場合もあります。赤ボールペンであったりとか、そういうようなものですね。
記者:
ああ、赤鉛筆、ボールペンは駄目とか、その寒いときでも上着は駄目みたいな何か慣例があったっていうことですか。
職員:
そうですね。健康、まあいうたら、昔から小学校なんかというのは、健康増進のために余り厚着をしないというような、そういうルール、身体を鍛える意味も込めてですね、薄着を奨励していた時代もありましたので。
長田教育長:
ただ、それは、最近は、どっちかというと、もう上着も認めてて、実際の今の運用に、多分、その決まりそのものが変えれてなかったので、今の状態に合わせたということが多いんじゃないでしょうか。
職員:
そういうことです。失礼しました。
記者:
多分、だから、昔そうで、実態としては、多分、変わってきてたけども、ただ、何か学校の決まりというか、慣例としては残っていたということですか。
長田教育長:
そういうことでしょうね。恐らく慣例なり、何がしかのどこかに例えば、入学時にお配りするような配付する資料の中に、そういったことが残っていたとか。ただ、現実の実態の対応としては、もちろん、こういう御時世ですので、そういったことはなく認めていたと。恐らくは、「赤鉛筆でないといかん」なんていうことをずっと言い続けることはあり得ないので。もちろん、ボールペンも認めていたんだろうと推測をしますけど。
記者:
今までちょっと、実態とそういうのが乖離したのを、何ていうんでしょう、市教委として、赤ボールペンもいいですよとか、そういうふうにしたということですか。
長田教育長:
いや、市教委としてというか、我々のほうが、このたびのガイドラインを策定して、小学校のほうにも、こういった観点から見直してほしいということを依頼しましたので、そういったことを踏まえて、学校のほうで、その学校の決まりというのは、まだこういうのが残っているなと、これはもう変えとかないといけないなと、こういうことだろうと思います。そういう意味では、学校自身のその意識ですね。が、やはり、率直に申し上げて、時代に追いついていないということは、言わざるを得ないんではないかなという気はいたします。
記者:
ちょっと表現上は難しいですけど、一部そういうのが残っていて、それについて見直したみたいな感じでいいですかね。すみません、ありがとうございます。
記者:
改めて、今回のこの校則を改正した、これを通じて、神戸の学校というのをどう変えたいか。または神戸の教育というものをどうしていきたいか。その辺りの、教育長としての思いとかですね、そういうのを聞かせていただけたらと思います。
長田教育長:
やはり、先月も、この場で発表させていただいて、お話し申し上げましたけど、やはり、まずは開かれた学校にしないといけないということですね。やはり、この開かれた学校を、一つの目標のもとに、神戸市内の学校、どの学校においても、地域なりその学校の事情を踏まえながら、学校づくりの目標をきちんとつくってもらう。そして、先日申し上げたように、やはりみんなの学校ということを、学校づくりを目指していくと。
そういう中で、校則も、その一環と言えると思いますが、やはり、時代にふさわしくないもの、そして、合理的な説明ができないもの、こういったことについては、これは適宜といいますか、毎年度毎年度、継続して、そういう議論をする機会をつくっていく。
やはり大事なことは、子供たちが、自分たちで決めたルールを、しっかりと守っていく。もちろん、意見も出し合って、校則というものをつくっていくわけですが、それを共通理解して、それをルールを守っていく。そういうことが、ひいては社会性を養うということにつながっていくと思いますので、やはり社会に出て、この社会の一員となって支えていくと、そういう立場になってもらわないといけませんから、そういう意味で、この学校生活の中での、このルールづくりというのは、非常に私は重要ではないかというふうに思っています。
記者:
ありがとうございます。もしよろしければ、後の不登校のほうもですね、こちらも合わせて今回、検討委員会をつくっていって、支援をしていくと。こちらでも教育長の思いの部分ですね。今回、こうやってもう発表もされてですね、この不登校改革、神戸市として今後どうしていくぞというふうな、意気込みみたいなものがありましたら、お聞かせいただけたらと思います。
長田教育長:
これはなかなか、一言で言って、この不登校支援、どういうふうに今後、支援をしていくのか、あり方をどうするのか、非常に難しい問題、大事な課題ですけども、なかなか難しい問題だと思っています。
ただ、やはり大事なことは、その児童生徒、個々人のその状況が違いますので、その登校しづらくなった理由、要因というものも、なかなかこの一言では言えない、いろいろなこの複合的な要因が絡み合っているというふうなこともあると思いますから、そういったことを十分に把握をして、お互いに理解をした上で、どういったことがその不登校の原因になっているか。そして、どういうその多様な教育機会という意味で、どういう選択肢が一番その子供たちにとって望ましいのか。そういうことを踏まえた上で、今後のあり方を探っていかなければならないと思っています。
やはり、学校に通うということが全てではないと。教育機会確保法の趣旨も十分踏まえて、そういったことを念頭に置きながら、ただ、やはり何らかの格好で、やはり、さっきも申し上げたように、将来、社会の中で、立派に成長していってほしいと、社会の一員になってほしいと、そういう意味で、学校に通えなくても、立派な大人に成長していってもらうと、こういうことが、私は大事ではないか。そういう意味で、なかなか難しい問題ですけれども、いろいろと今、本市においても、これまでもやってきております、いわゆる教育支援センターの分室も、市内に7カ所設けたりしてやっておりますけれども、これまでのやり方で、少しまだ十分手が行き届いていないところ、あるいは保護者へのサポートとかですね、そういったことも含めて、総合的なこの不登校支援のあり方というものを、有識者の方々の意見を踏まえながら、しっかりと今後のあり方を考えていきたいというふうに考えています。
記者:
ありがとうございました。