最終更新日:2024年7月9日

会見2022年10月26日

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教育長会見の模様をお届けします。

・部活動の地域移行に向けて
・体力向上に向けた新たな取り組み

会見資料はこちら(PDF:582KB)

部活動の地域移行に向けて

司会:

それでは、ただいまより、部活動地域移行に向けて及び体力向上に向けた新たな取り組みにつきまして、教育長会見を始めさせていただきます。

教育長、よろしくお願いいたします。

長田教育長:

どうぞ、よろしくお願いいたします。

それでは、まず初めに部活動の地域移行に向けてについて説明をいたします。

現在、本市の部活動におきましては、82校で981部、約3万人の生徒が活動しています。全国的に少子化が進行しておりまして、生徒数の減少また学校の小規模化が進んでおりまして、これは本市におきましても同様でございまして、こちらの折れ線グラフに示しておりますように、本市の中学校の生徒数は減少をしておりまして、棒グラフ、これは部活動数ですが、これについても減少傾向にあります。生徒数の減少によりまして、部活動の小規模化が進んでおります。部員が集まらない、あるいは大会に出場できない、日頃の練習すらままならない状況が、まま見られるようになってきております。このままでは学校での部活動の運営維持が将来困難な状況にあるということが予想されます。

一方で、教員の側から見てみますと、これは昨年11月に本市で実施をした部活動顧問向けのアンケートの結果ですが、運動部、左側、右側が文化部。これともに約半数の顧問が競技経験、指導経験がない、そういう部活動を担当しているという状況です。このことは、生徒個々のニーズに応じた指導が困難な状況にあって、教員にとっても大きな負担となっているということが言えようかと思います。

続いて、国の、文部科学省の方針ということですが、今申し上げましたような部活動の現状や課題を踏まえまして、スポーツ庁が運動部活動の地域移行に関する検討会議を設置し、また文化庁が文化部活動の地域移行に関する検討会議を設置をして、御承知のとおり提言が取りまとめられました。その内容は、令和5年度から休日の部活動を段階的に地域移行するということ。そして、令和7年度中に全ての都道府県で達成を目指すということが示されました。また、この提言の中では、移行先については多様なスポーツ団体、総合型地域スポーツクラブ、プロスポーツチーム、競技団体などの団体や文化芸術団体などとされておりまして、休日の移行達成後は平日の移行も進めるということを想定をするというふうにされています。

本市のこれまでの取り組みということですが、教員の負担軽減と、指導経験がない教員に代わって専門的な指導ができる部活動指導員という者を平成10年度から取り入れておりまして、これまで部活動の質の向上を図ってまいりました。この部活動指導員には、学校の平日・休日に関わらずに顧問教員に代わって技術指導を含む部活動運営全般を行うことができるという外部顧問と、もう1つは学校の平日は単独で、休日については顧問教員と一緒に協働で指導を行うという外部支援員という2つの者があります。昨年度からは、部活動指導を単独で担える外部顧問の配置を拡充してまいりました。これによって、教員の負担軽減に効果があったという、これは学校の管理職を対象にしたアンケート結果ですが、そういうふうな評価がされております。

また、本市においては平成30年にガイドラインを策定いたしました。部活動の意義や目的、これを実現させるための体制の整備、指導のあり方、休養日の設定等を盛り込んだものでございます。現在は、このガイドラインに則った活動を行っております。もう少し具体的に言いますと、このガイドラインでは、部活動指導員の活用など適切な運営のための体制の整備であるとか、指導力向上のための講習会の実施、また週当たり2日以上の休養日を設けるということ。そして、休日は3時間まで、平日は2時間というような1日の活動時間などを設定をしています。

さらに、これまで拠点校部活動と合同部活動というような取り組みも行ってまいりました。まず1つは、拠点校部活動ですが、これはこれまで例えば小学校から続けてきた活動が中学校に上がって、その学校にないというような生徒が、指定をする学校の部活動に参加ができる拠点校部活動というものを平成14年度から実施をしております。またそのほか、学校単独でチーム編成ができない場合に、複数の学校で合同チームを編成して大会に参加することができる合同部活動。こういうふうなものを実施をしています。

ただ、しかしながら、拠点校部活動においては、一部の集団の種目で県大会以上の大会に出場できないといった参加制限がある場合があることや、合同部活動も同様ですが、他の学校に行くための移動時間についての課題ということが見られるということでございます。

本市における地域移行を見据えた課題、取り組みということにつきましては、さらに令和3年度から、昨年度から文部科学省の地域運動部活動推進事業、これを活用した実践研究を実施をしております。令和3年度、昨年度は中学校の5校4種目の競技を対象としまして、休日の部活動について民間事業者に委託をして課題を検証してまいりました。地域指導員の募集や採用から部活動運営までを委託しまして、地域人材及び運営団体の確保のための仕組みや、あるいは平日と休日の一体的な指導のための連携体制、協力体制の構築、こういった課題を検証いたしました。

結果といたしましては、指導員の指導方法や技術力に満足をしたというような生徒、あるいは負担が軽減されたと感じたという顧問教員が多くいたということでございます。その一方で、平日の指導者と休日の指導者との間での連携にやや課題があったと、こういうふうな意見もありました。

今年度は、拠点校の部活動3種目において、この事業者に委託をする実践研究を行います。この10月から実施をしておりまして、バスケットボールはプロバスケットボールチームのストークス、そして硬式テニスは株式会社ITC、水泳はコナミスポーツ株式会社に運営を委託をして実証事業を行います。

以上が、これまで本市が行ってきた取り組みということになりますが、これまで部活動がどういう役割を担ってきたか。意義、役割ということについてですが、やはり豊かな学校生活を実現するということで、学校教育上これまで大きな役割を担ってまいりました。例えば部活動に参加する生徒にとっては、スポーツ・文化芸術等の幅広い活動機会が得られる、体力や技能の向上に資するというだけではなくて、教科学習とは異なる集団での活動を通じて、例えば連帯感の涵養とか、自主性の育成、また自己肯定感の向上や一体感の醸成など人間形成の機会ということでもありました。また、多様な生徒が活躍できる場でありまして、教員にとりましても部活動はその活動を通じて生徒の多面性をより深く知る機会ということでやってまいりました。

そういう役割があるということを念頭に置きつつ、この地域移行の実現ための大きな課題ということになりますが、率直に申し上げて多くの課題があります。まずは、やはり受け皿の問題です。生徒が安心してスポーツ活動、文化活動を行っていく。その環境を整えるためには、単に部活動を学校から切り離すということではなくて、子供たちの望ましい成長が保障できるように多様なスポーツ環境・文化芸術環境を整備をしなければいけません。地域全体で子供たちの多様なそういう体験の機会を確保していくということが重要であると考えます。そういう意味で、それらを実現するためには、1つは受け皿。そしてもう1つ、2つ目には、指導者。そして、3つ目には、保護者の経済的負担。これが主に一番の課題ではないか。一番下に大会の参加資格ということも書いておりますが、これについては全国的な観点で見直しの方向に進んでいるというふうに聞いております。

続いて、そういう大きな課題があるということを前提としながら、本市においてもこれまでの取り組みを検証するとともに、今後の部活動の地域移行のあり方について、先ほど申し上げましたように、大きな課題について、どのように対応し、どうすれば地域移行が実現できるのかということについて検討するために、今回、部活動の地域移行のあり方検討会を設置することといたしました。検討委員会におきましては、生徒のニーズに応じたスポーツ・文化芸術活動の受け皿、指導者確保のあり方、そして経済的負担のあり方、また平日の活動と移行後の休日の活動との連携や調整のあり方、こういった事項を中心に検討を進める予定としております。

検討委員会の委員については、御覧のとおり10名を予定しております。学識経験者、あるいはスポーツ協会、スポーツや芸術文化の関係団体、また事業者等から御参画いただくこととなっております。

来月11月10日に第1回検討委員会を開催しまして、今年度は年間4回程度開催をする予定です。国のいう改革集中期間である令和7年度までは、継続して開催をする予定としております。今後、この検討委員会での意見も踏まえまして、教育委員会でワーキンググループを立ち上げて、このワーキンググループを中心に関係団体と連携を図っていくということとしております。協議・調整を図っていき、具体化を進めてまいります。

以上が、部活動の地域移行についてです。

体力向上に向けた新たな取り組み

続いて、2つ目の体力向上に向けた新たな取り組みについて紹介をいたします。

まず初めに、本市の児童生徒の体力・運動能力の現状についてです。これは毎年、全国体力・運動能力等調査というものが実施されておりますが、それにおける本市の結果ということにつきましては、残念ながら小中学校また男女ともに実技の結果が全国平均を下回るという状況が続いておりまして、体力向上は重要な課題と考えています。

ただ一方で、同じ調査の中で児童生徒に尋ねる質問紙調査というのがありますが、この中では運動・スポーツをすることは好きか、あるいは体育の授業は楽しいか、こういう質問があって、それに対して肯定的に回答した児童生徒の割合は、小中学校ともに全国平均を上回っている。これは例年の傾向ですが、そういう状況になっています。児童生徒の運動意欲の高さを大切にしながら、どのように体力向上につなげていくのかという、そういう取り組みが必要だと考えています。

続いて、体力向上に向けた取り組みの方向性についてです。本市の運動の実技の結果が全国平均より低いと、こういう状況、現状を踏まえて、大きく3つの視点のもとに取り組みを進めております。1つは、運動内容の改善。2つ目に、運動意欲の向上。そして3つ目に、運動機会の確保ということです。

この取り組みの推進に当たっては、1人1台に配布をしております学習用パソコンを効果的に活用するということ。また、民間事業者や外部人材との連携など様々な工夫が必要であると考えています。

そういうことで、このたび新たな取り組みを2つ開始をいたします。まず1つ目は、学習用パソコンを活用したGIGAスクール構想×SPORTS、略してギガスポと呼んでいます。そして2つ目は、大学生の参加・協力による放課後運動遊び推進事業ということです。

まず、GIGAスポについてですが、これはICT事業者との連携によって学習用パソコンを活用して、日常的に自分が取り組んだ運動内容や記録を入力したものが見える化される、そういうシステムを導入をいたします。このシステムは、本市が実施をしておりますアーバンイノベーション神戸、民間事業者との共同によって行政課題の解決を図るという事業ですが、これを活用して東京の事業者と共同開発をいたしました。

目的としましては、児童の運動意欲を一層高めるということとともに、やはり運動の習慣化につなげていくということとを目的としております。まずは、小学校5校でモデル的に実施をします。4、5年生約1,200人を対象に11月から試行実施をいたします。

システムの機能、少し実際の画面を御覧いただけたらということで、御紹介をいたします。

職員:

左側の画面を御覧ください。

1つ目は、体力テストの結果を記録する機能です。体力テストの記録を入力すると、画面のようにレーダーチャートで現れるので、自分は何が得意で、どの種目に課題があるのかなどが、この画面を見て確認できます。また、握力、反復横跳びなど各種目の改善に向けたアドバイスも表示されるようになっています。そのアドバイスをより具体的に生かせるように、動画を視聴できる機能も備えています。

2つ目の運動日記機能では、学校や家庭において取り組んだ運動内容や時間を記録すると、運動内容に応じた消費カロリーが運動ポイントとして付与されます。運動日記を記録し続けていくと、1週間の運動内容やポイントがグラフで表示されたり、日記を始めた日からの合計も表示されるので、自分がどんな運動を行っているのか、何曜日によく運動をしているのかなども確かめることができます。この運動日記については、神戸市独自のシステムとなっています。

以上です。

長田教育長:

それでは、以上がGIGAスポです。

続いて、2つ目の放課後運動遊び推進事業についてです。これは放課後の運動場等において大学生の運動遊びサポーターを配置することで、運動機会の確保なり拡充を図っていこうとするものです。サポーターの配置の調整が完了した学校から、順次始めてまいります。1校目として、10月27日に垂水区の千代が丘小学校から実施をする予定です。今年度は、40校程度で実施をすることとしておりまして、大学生2名をサポーターとなってもらって、週1回、放課後の1時間程度、配置をし、実施をしてまいります。

サポーターの役割としては、サポーターには運動場などで児童と一緒に鬼ごっこやドッジボールをしたり、あるいは新たな運動遊びを一緒に考える、考案したりする。そういうことを通して、活動事例に書いてありますように楽しく遊びながら運動に親しめるようサポーターに促してもらいます。今年度のこの学校での実施状況を把握をしながら、他校に拡大をしていけないか検討をしていきたいというふうに考えております。

私からの説明は、以上です。

質疑応答

記者:

地域移行の方で何点かお伺いしたいんですけれども、神戸市での場合は移行先は主に例えば地域スポーツクラブであるとか民間のクラブであるとか、主にどういうところにするかというのは何となく決まっていたりするんでしょうか。

長田教育長:

実際のところ、まだ主にこういうところというのは決まっておりません。もちろん国が掲げているような地域スポーツクラブなりスポーツ協会の競技団体とか、いろんな想像されるところはありますけれども、これは今、地域移行できるかっていうと絶対にできないと思います。まだまだそういう体制は整備されていませんから。まずどういった受け皿で、そこにどういった外部の経験のある指導員をどのように確保して入っていってもらうか、そういう検討から始めていく必要があると思います。まだ具体的にこのようなイメージがあるということではありません。

記者:

今おっしゃったようにスポーツクラブとかで決められるかというと、かなり難しいと以前取材したことがあるんですが、1つのクラブでもできる種目数が学校と同じようにはいかないですし、指導者の問題もあって。検討会は進めていって、結論としてできないみたいな、そういう結論になることもあり得るんでしょうか。

長田教育長:

これは国が一応そういう方向性を出しておりますから、我々の方としては、何とかできるような方向で考えていきたい。ただ一番、私自身、今難しいなと思ってますのは、国は令和7年度までの改革集中期間と言ってますが、5、6、7の3年間でできるのか。これはかなり厳しいと思います。特に一番難しいのは、やはり部活動やってますと、いろんな残念ながら事故が起こるケースもありますし、安全性の問題とか、学校が主体となっていれば、まだ事業を委託するということであれば、教育委員会なり学校がそういう責任体制をとれるわけですが、これは完全に地域移行となりますと結局、受け皿団体の方で全ての責任を負っていただくということになりますから、そこはまたもう1つハードルが高いといいますか、そういう感じがしておりますので、国の言われる改革集中期間を念頭に置きながらも、やはり今日、御説明申し上げた部活動の役割というものも、やはり守っていかなければならないものは守っていかなければならないですから、そういう意味でやっぱり子供たちのために、どういう格好で円滑に移行していくのか。こういうところを大事にしたいなというふうに思っています。

記者:

ありがとうございます。

もう1点だけ。神戸市ならではの事情とか、メリット・デメリット含めてなんですけど、課題とか、こういうところはやりやすいんじゃないかみたいなところがあれば教えてください。

長田教育長:

本市独自のというのは余りないのかも分かりませんが、1つは拠点校部活動は割と全国的に見てもかなり早くから進んできている自治体だと思います。そういう意味では、これをうまくベースにしながらできないかということがあるのと、もう1つは、これはよく言われてますのは、都市部においては事業者を確保しやすいが、地域によってはなかなか事業者が確保しにくい。ただ、神戸においても事業者がたくさんあるかというと、なかなかそういうところはありませんでして、昨年度、国の実証事業を実施しましたけど、ああいうところはリーフラス株式会社に請け負ってもらいましたが、こういった事業者が、もう少し経済界の中でもそういう事業者が増えていってくれればうれしいなというふうには思っています。

記者:

ありがとうございます。

もう1個の体力向上の方で1つだけなんですが、神戸市の子供たちが体力の平均値を下回る状況が続いてるというのは、何か理由があるんでしょうか。

長田教育長:

これは、おおむねの全国の状況を見ますと、やはり大都市、都市部においては、おおむね全国平均は下回っている。だから、そういう意味でやはり登下校の時間とか、あるいは地形にもよるかもわかりませんし、いろんな要素があるのかもわかりませんが、やはり、普段からの運動習慣、しかも小さい頃からの運動習慣というのが重要なんでないかなという気がしています。

記者:

以上です。ありがとうございます。

記者:

9ページ目の地域運動部活動推進事業の実施で、もう既に拠点校部活動の3種目においては委託事業者に頼んでやってると思いますが、これは今の時点で課題とか、まだですよね。

長田教育長:

10月に始まった、今月始まったところですから、まだそこまでは課題の検証まではできていないです。

記者:

これも、あり方検討委員会とかで検証していくんでしょうか。

長田教育長:

こういった昨年度の実証事業の結果とか今年度の結果についても、あり方検討委員会の方に提出をして、それをもとに御意見をいただこうと思っています。

記者:

拠点校部活動から事業者に委託し始めたのは、何か理由があるんでしょうか。

長田教育長:

これはまず実証事業ですので、昨年はいわゆる学校単位の部活動で5つの中学校で4種目で昨年度はやりましたので、今年度は2年目の実証事業ということで、やはり形を変えて、我々の特色の1つでもある拠点校部活動を対象にやってみようということにしたということです。

記者:

じゃあ、いろんな形で検証を重ねてっていう、どういう形がいいかを模索すると。

長田教育長:

そういう形の中でも、まだこれ実際には、先ほど大きな課題の中で出てまいりました保護者の経済的負担の問題、こういったところは、実は今年度の実証事業については、施設を利用するときに若干の経費がかかりますから少しはいただこうと思っているんですが、恐らく本来的に地域移行になったときには、全く額がもっと保護者の皆様に御負担いただく額が、高額とは言いませんが、もう少し額が上がると思う。それを特に経済的にお困りの方々には、それをどうしていくのか、子供たちが平等に参加できるようにするためには、どうすべきなのかというのが今後の大きな課題であると考えます。

記者:

あと、GIGAスクール構想のスポーツのGIGAスポなんですけれども、これは全国的にもやってるところが多いんでしょうか。

長田教育長:

どうですか。余り聞いたことはない。ただ、学習用パソコンをスポーツと結びつけて、何がしかのことをやっているという自治体はあるでしょうね。

記者:

これを始めたのは学校側からの要望とか、どういうのがあって、これに。

長田教育長:

いや、これ学校側からの要望があったわけではなくて、やはり我々教育委員会の方で、せっかく1人1台の端末を配布をしたことでもありますし、それを使いながら何とか子供たちが楽しく親しみながら運動習慣を身につけてもらえるかという中で、こういうことを切り口としてやったらどうかということで実施をしようとしたことです。

記者:

ありがとうございます。

記者:

部活動の外部顧問とか外部支援員がいらっしゃいますが、これって具体的には、どういう人をお願いしているんですか。

長田教育長:

これは、外部顧問、外部支援員、外部指導員ということになりますが、大体、地域の中で自営業の方が多いかもわかりませんね。とかいう方々とか、あるいはもう既に一線を退いた方、また教員のOBとか公務員のOBとか、あと学生さんです。そういう方々が多いというふうに思います。なかなか、これやはりある程度時間に余裕があって、しかも今、申し訳ないんですが余り報酬・謝礼というものが、どちらかというと少しお安いものですから、そういう意味で少しこれを生計として、生計を立てていくということはなかなか難しいということで、一定の別の仕事をお持ちだとか、既にリタイアされた方とか、そういう方が中心になってます。

記者:

先ほど教育長も言っておられたように地域移行ということは、事故とかの責任も地域が背負うということになるという考え方になるという、そういうことですか。

長田教育長:

そうですね。これまでの部活動は、これは学校が責任をもってやってきた。ただ、これ部活動というのは、教育課程外の活動なんです。だけれども、学校教育の一環だと非常に複雑なんですが、いずれにしても学校が責任をもって、これまで長年行ってきたものを地域に移行しよう。ただ、一口に地域といっても受け皿をどうするかということがあって、その受け皿の団体が休日の部活動については、地域の中で責任をもってやっていただくということですから、これは口で言うのはたやすいかも分かりませんが、なかなか簡単なことではないということです。

記者:

例えばリーフラスさんが休日されてますが、これは休日に起きたものは、リーフラスさんが責任をもって対応するということですか。

長田教育長:

私どもは、昨年度実施をしたこの実証事業は、あくまで委託でやっておりますから、実施主体は神戸市教育委員会なり学校ということになります。

記者:

これは、また形が違うということなんですね。

長田教育長:

そうですね。昨年度、今年度と実施している実証事業というのは、あくまで移行ではなくて、これは実施主体を私どもの方に置きながら、事業の内容をお願いして委託をしたということです。ですから、この休日の地域移行というのはそうではなくて、全て全般を、全部をお任せするということになりますので、これはかなりハードルが高いと思ってますから、そういう意味では先ほどもありましたように、これを円滑に進むのかどうか。要は子供たちにとって本当にいい活動になるのかということを一番の大事な部分として捉えて進めていきたいと思っています。

記者:

ありがとうございます。

あと、先ほど保護者の経済的負担ということを言われてましたけど、例えばリーフラスさんの事業とか、その下のストークスさんとかITCさんの事業、これについては保護者の負担というのはいくつか生じているということでいいんでしょうか。

長田教育長:

昨年度は保護者の方からは負担はいただいておりません。ただ、今年度につきましては、一部、例えばテニスであればテニスコートをお借りする場合とか、水泳であればプールをお借りする、そういったときに若干施設の使用料がいりますから、それの部分については一部、保護者の方に。例えば1回500円とか、そんな程度です。は、御負担をお願いしようかなと思っています。ただ、それが将来の地域移行のときには、そんな額では済まないと思います。

記者:

指導者に対する謝礼みたいなものの負担というのは、ないということですか。

長田教育長:

今回の地域運動部活動推進事業の場合は、あくまで事業者に対して委託費を払いますので、あとはそれがどういうふうに分配されるのかは事業者の方と裁量ということです。

記者:

地域移行になったら、その団体に保護者からお金が発生する、指導料とかでお金が発生する可能性もあるということですか。

長田教育長:

そうですね。このあたりがまた国の方でも、そういった仕組み、姿がはっきり示されておりませんけれども、当然、国なりあるいは我々自治体も入って、それから保護者の負担のもとで、どういうふうにこの地域移行のあり方を、制度を構築していくのかということが今後の課題です。

記者:

ありがとうございました。

記者:

1つは部活動の地域移行の方で、全体的な国の流れとしては、地域移行を目指していこうという、そういう流れがあると思うんですけど、今回、検討委員会を設置されて、この検証をいろいろされて、一定答えを出して、それを国へ何か提言するとか、もしくは神戸市として何か実施の仕方みたいな仕組みを構築して、それを実施するのか、何かその辺の結論的にどういうふうな流れになるんですか。

長田教育長:

先ほども申し上げたように、あくまでこの検討会は、どうすれば地域移行が実現できるか。いわば、前向きに議論検討していこうということです。ですから、課題をいくつか申し上げましたけど、そういう課題を中心に受け皿やあるいは指導者の確保、あるいは負担の問題、そういったことを中心に検討していきます。当然、検討委員会が決定するわけではなくて、検討委員会から意見を教育委員会の方にいただいて、そして私どもの方でそれを踏まえて、どういう制度の事業の構築をしていくのかを考えていくわけですが、その中でやはり国に提言なり要望を申し上げなければならないことが出てくれば、当然そういう動きをすることになろうかと思いますし、また指定都市の中でも意見交換をする機会もありますから、意見交換の上で指定都市の教育委員会の協議会の中で国に要望しようというふうになるかも分かりませんし、そのあたりは議論検討を経た上で必要な要望ということはしていく必要があるかなというふうには思っています。

記者:

よく分かりました。

あと、先ほど教育長おっしゃったように、いろんな課題があるというふうに思うんですけど、先ほどもちょっと話に出ていた部活動指導員、外部顧問が年々増えてきているとは思うんですけど、先ほどおっしゃったように自営業の方とか、ある程度時間に余裕があったりとか限定されるところもあると思うんですけど、外部顧問が入っていただくことによってのメリットはもちろんあると思うんですけど、逆に外部顧問だけではかなり課題があるという、そういうような現状にあるんでしょうか。

長田教育長:

外部顧問は一応部活動全般を担うことができますので、引率とかも全部やっていただけるわけです。ただ、外部支援員の場合には、これはあくまで技術指導に限ってますから、それ以外の部活動運営については顧問と一緒にやっていかなければいけない。そういう意味で、外部顧問が数が増えると、これはかなり助かります。ただ、今の非常に謝礼が少し、多く出せていないと、そういう中でなかなかそれをなりわいとすることができないということもありますし、今後どういう格好で地域に、まだ潜在的に埋もれた方といいますか、そういう技術、能力をお持ちの方いらっしゃるかもわかりませんので、そういった方をどのように掘り起こして、そして受け皿団体とどのようにつなげていって、どういう受け皿を指導員の方も入ってもらって作っていくのか。こういうことが一番のテーマになるんではないかと思います。

記者:

うまくいけば、そういう地域に移行した上で、この外部顧問の方たちも一緒に入ってもらってやってもらうというのが理想の形ということですか。

長田教育長:

そういうことですね。

記者:

分かりました。

それともう1つの体力向上に向けたところで、先ほど特に神戸市が全国平均を下回ってる理由というのがちょっと分かりにくいというお話だったんですけど、これは結果を見たら分かるかもしれないんですけど、特に神戸市の子供たちで体力的に弱い部分とかあったりするものなんでしょうか。持久力とか、そういう。

長田教育長:

詳細に分析すると、一番うちが弱いところを、ちょっと補足して。

職員:

やはり種目でいいますと、傾向として持久力でありましたり、というところがなかなか弱いところがあるのかなと考えています。

長田教育長:

これは割と体力テストでやったら反復横跳びとか、何回か練習してコツをつかんだら、それなりに記録というのは上がるというのがあると思うんですが、そのあたりのコツというか技術というか、そういうこともなかなか習得できてないという面があるかも分かりません。

記者:

分かりました。

それと1つ、学習用パソコンを使って運動の見える化をしていくというお話。ちょっと聞き逃したのかもしれないですけど、このシステム自体は東京の事業者さんと神戸市の共同開発で、先例があるわけではないんでしょうか。これは独自のもの。

長田教育長:

これはあくまで独自に開発してますから、先例があるわけではありません。

記者:

分かりました。ありがとうございます。

記者:

1点だけ、令和3年に実施した推進事業のところで、課題に平日指導者と休日指導者の円滑な連携というのがあると思うんですけれども、平日は学校の先生で、休日は委託先となると接触する機会がなかったりすると思うんですけども、どういうふうにしていこうという考えなんでしょうか。

長田教育長:

今後ですか。

記者:

今後です。どういう方法が考えられるのかなと思って。

長田教育長:

普通は、一般的にそこの課題解消に一番いいのは、やはり受け皿の方と学校をつなぐコーディネーター的な方なり、受け皿の責任者で、例えばこの責任者はここの学校とここの学校とここの学校のいわゆるつなぎをする役割ですよというようなことがはっきりしていれば、一番うまくスムーズにいくのかなと。やはり、どうしても結構な連絡事項が多分あると思うんです。出てくると思うんです。休日の活動をしてましたら、例えば子供の状況も含めて安全性の点とか、そういったことでやはり連絡を要することがあると思いますから、やっぱりそういった連絡体制をしっかり決めておくということが重要だろうと思います。

記者:

間に入る人を、しっかりとしたポストをつくるという。ありがとうございます。

記者:

地域移行でお伺いしたいんですけども、課題の部分で保護者の経済負担だと思うんですけど、令和4年度の推進事業の実施では施設の利用とかで若干経費がかかって、地域に移行したら、完全に移行するともっとかかるというお話がさっきあったと思うんですけども、ある程度どういったものにかかって、少なくともいくら以上かかるとか、そういった試算とかってあるんですか。

長田教育長:

そのあたり私どもで試算をしたことがありません。ありませんが、私も報道等で少し拝見しただけですけども、例えば4、5,000円かかるとか、何がしかの試算が出てたと思います。それは大体は、やはり施設の使用料、あるいはやはり指導員の人件費です。その人件費も、これは普通に例えば総合型地域のスポーツクラブに加入したとしても会費というのはいるわけです。そうすると、中学生だけではなくて、ほかの市民の皆さんと一緒にクラブに入るわけですから、そうなったときに専門の指導員がそこに入りますと、みんなでその指導員の人件費を賄わないといけない。会費で賄わないといけない。それが一人一人の会費に跳ね返ってきて、中学生の活動費もこれぐらいの額になるとか、施設の使用料と人件費を含めるともう少しかかる。そういうようなことが考えられます。ただ、私どもはやはりできる限り、せっかくある学校の資産、運動場、グラウンドとか体育館を利用していただきたいと思っています。休日の活動の際には、原則はできれば学校を使っていただきたい。それであれば、施設の使用料は非常に低く抑えられますし、せっかくの皆さんの財産、みんなの学校ですので使っていただくというのが当然ではないかなというふうに思っています。

記者:

ありがとうございます。

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