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教育長会見の模様をお届けします。
・学年(チーム)担任制について
・小学校における登下校時の持ち物の負担軽減について
会見資料はこちら(PDF:659KB)
司会:
それでは、ただいまより、教育長会見を始めさせていただきます。
長田教育長、よろしくお願いいたします。
長田教育長:
どうぞ、よろしくお願いいたします。
今日は2点ございます。
まず、1点目は、学年(チーム)担任制の取り組みについてです。
この学年担任制、チーム担任制といいますのは、学級担任を固定をせず、学級における児童生徒の指導等を、例えば授業はもちろんですけれども、学級活動全般また保護者対応、こういった業務を複数の教員がローテーションで担当するなどして、学級運営を行うという方法です。
通常の担任制といいますのは、それぞれの学級に担任がそれぞれ固定して配置をされる、そして学級に関する業務も、その一人の担任が固定して行うということに対しまして、学年担任制、チーム担任制といいますのは、例えばですけども、中学校において1年生のこの2学級に、2つの学級に3人の教員が週ごとに入れ替わりながら学級に関する業務を行う、こういうような形も考えられます。この場合、3人いる教員のうち1人は学級を担任しない日というのができてきます。その日はその教員は、例えば学年全体を見通すだとか、あるいは児童生徒や保護者への支援を行うといったようなことなど、より充実した対応が期待ができます。
さらに例の2としていますが、例えば小学校5年生、6年生、この高学年というのを1つのチームとして考えて、このように4つの学級を5人の教諭でローテーションして担当するというようなケースも考えられます。この場合においても、学級を担任しない日は、学級の支援あるいは他の学級を担当している教員の補助、他の教員の補助とか、チーム全体の業務に当たるというようなことなどを行って、役割を分担することが可能となります。教員の業務負担の平準化を図るということも期待ができます。
このチーム担任制の導入の目的についてですが、大きく3つあります。
1つ目は、教職員が多面的な視点で児童生徒と関わって、児童生徒の変化に気づく機会を増やすということ。そして2つ目は、多くの教職員との活動や会話を通じて、児童生徒の多様な能力の伸長を図り、健やかな成長につなげていくということ。3つ目は、教職員がお互いに連携・補完することによって、指導力の向上、また組織力の強化を図るというようなことを目的としています。
次に、想定される利点ということですが、これは1つは児童生徒の変化に気づく機会が増え、早期かつ丁寧な対応が期待できるということや、2つ目は、児童生徒・保護者にとって、相談できる教職員が増えますので、そういう意味で安心感が高まるということにつながるというふうに考えられます。また、3つ目として、この教育活動や指導の透明性を高めて、開かれた学校づくりにつながるということと、4つ目として、指導技術の継承と業務の平準化・標準化が図られることによって教職員の働き方改革につながると、こういう側面を期待をしています。
ただ一方で、想定される課題ということもございます。例えば課題としましては、固定した担任がこれまで担ってきたわけですが、この相談窓口としての役割が、学年なりチーム担任制ということでは不明瞭になりやすく、児童生徒・保護者が、どの教職員に相談すればいいのか、こういうことが分かりづらくなったり、児童生徒・保護者からの依頼や相談が、ある特定の教員に偏ったりするということが考えられます。3つ目は、学年担任制においても、相談窓口を明確に設定をすること。教員間での児童生徒の状況の共有や事務引継ぎなどを小まめに行うことなどが求められるというふうに考えます。
今申し上げた3つの課題という大きく課題はあるものの、利点の方も十分にあるというふうに考えられますので、本市の小中学校におきましても、この学年あるいはチーム担任制につきまして、このたび取り組みを始めることといたしました。
ただ、各学校、今置かれている状況は学校事情もいろいろあって様々ですので、いきなり市内の全ての小中学校で取り組むということではなく、まずは小学校2校、中学校2校をモデル実施校、モデル校として指定をしまして、来年度、令和5年度の4月から取り組みを進めていくことといたします。その上で検証・評価を行いまして、全市展開ということを検討をしていきたいと考えています。
学年(チーム)担任制の説明については以上です。
続いて、2点目の小学校における登下校時の持ち物の負担軽減について、いわゆる、世間では置き勉というふうに言われておりますが、この件について御説明をいたします。
登下校時の持ち物につきましては、これまでも持ち運ぶ教科書や学用品等の重さが児童に負担となっているという声がございます。さらに近年、学習用パソコン、1人1台の端末、このパソコンの持ち帰りが加わったことで、さらなる負担増が懸念をされています。
本市におきましては、平成30年以降、これまでの基本的に全て持ち帰るといった対応ではなく、学校に置いて帰ることができるものは、どんなものかということを検討した上で、使用状況に応じて教科書や学用品を置いて帰るなど、児童の負担を考慮した対応への一定の見直しというものを行ってまいりました。現在各校で、この見直し、いわゆる取り組みを進めているところですが、家庭学習でよく使用する国語・算数、これらと学習用パソコンを持ち帰った場合、この表にありますように、大体4,500gの重さとなります。右側に書いてますように、小学校1年生の体重、これを見ますと大体20kgということですから、4.5kgの重さの荷物を持ち帰るということで、相当の負担ということが言えるかと思います。
見直しの状況についてですが、まず基本的に学校に置いて帰っている教科書類の割合、教科ごとに割合を示しております。御覧のように、基本的に家庭学習で使う国語と算数、この2教科以外の教科は置いて帰っているという学校がほとんどとなっています。保管方法は、それぞれのこの児童の机や手提げ袋に入れて置いて帰るというほかに、教室ロッカーの上に簡単な簡易本立てを設置するなどして、各学校で工夫をしているという状況です。
こちらの方は、学校に置いて帰っている教科書以外の学用品の割合です。これらについても教室のロッカーの空きスペースなどを活用して、多くは学校に置いて帰っているという状況です。なお、この絵の具セットや、あるいは、その上にあります習字セット、この割合がほかに比べますと低いということですが、この原因、要因としましては、保管場所が限られていること、あるいは、この筆やパレット等を使いますので、これらを自宅で洗う、洗浄するために持ち帰っていると、こういうことが挙げられるかと思います。
続いて、学習用パソコンの持ち帰り状況です。1人1台配付しております、この学習用パソコン、週に1回以上持ち帰っている学校の割合を表に示しております。低学年で47.9%、中学年で76%、高学年で85.3%となってまして、高学年になるにつれて持ち帰る率が高くなっております。ちなみに高学年では、大体全ての学校の6割近くが毎日持ち帰っているという状況でございます。この週に1回持ち帰るという以外のその他の学校におきましても、必要に応じて持ち帰っているということでございます。発達段階に応じて、家庭学習での活用頻度も上がっているのではないかというふうに言えるのかと思います。
今後の対応ということになりますが、今申し上げましたような状況を踏まえまして、今後はさらにこの取り組みを進めていくため、基本的な考え方、これを転換をしたいと思っています。これまでは学校に置いて帰ることができる学用品、いわゆる「置き勉」と、こういうことから、家庭学習のために持って帰る学用品へ発想を転換をしたいと考えています。置いて帰るものを考えるということではなくて、持って帰るものを考えるように換えると、転換をするということです。この考え方を踏まえまして、児童の発達段階に応じて、全市で市全体として整合性の取れた対応となるように、より一層取り組みを進めてまいります。
このような発想の転換を図っていく中で、やはりこれまで言われておりますような置き勉、少しこうイメージ的なものもあろうかと思いますので、この置き勉に代わる新しいキャッチフレーズを私どもが考えるんではなくて、児童、子供たちに考えてもらいたいと思っています。キャッチフレーズを子供たちから募集をしまして、この取り組みにふさわしい言葉、キャッチフレーズで学校や児童に浸透を図って、取り組みの定着をさせていきたいと考えています。
いずれにしましても、家庭学習との両立を図りながら、引き続き、児童の健康あるいは安全というものを第一に考えた対応となるように努めてまいりたいと思っております。記者:
チーム担任制の方について数点伺います。
導入の目的が、いろいろと挙げていただいたんですけども、教職員さんの働き方改革だとか挙げていただいたんですが、導入に至る経緯として、どのような問題意識を教育委員会としてお持ちだったのかを教えていただきたいです。
長田教育長:
やはり、これは今に始まったことではないんですが、学校としては、いろんな事案に対応するために、やはりこのチーム学校ということがよく言われてきました。ただやはり、例えば、気になる児童生徒の変化を観察するといいますか、そういう状況を察する姿勢を持つということであったり、チームで手分けして、いろんな対応を行っていく。こういう重要性が過去から言われておりましたけれども、やはり、これまでも学校単位で、学校状況が難しくなったときなどに、例えば、クラスの落ち着きが少し失われているとかですね、そういうときに、このチームで担任制を作ってというような対応をやっておりましたけれども、やはり教育委員会として、今のこの学校を取り巻く状況を考えたときに、やはり組織として市全体として、このチーム担任制・学年担任制というものを取り入れていく。そして、今日申し上げたような利点、メリットの方がかなり大きいと思っていますので、そういうことを最大限に活かして、一番の最後の目的は、やはり学校としてのチーム力、組織力の強化、こういうことを図っていきたいというふうに考えて取り組みを始めることといたしました。
記者:
あと、今仰っていただいた利点のところで、一方で課題も挙げていただいたんですが、特定の教員の方に相談が偏るだとか、この現時点で想定されている課題に対しての、現時点での解決策というのは、どのようにお考えでしょうか。
長田教育長:
このモデル校で取り組みをやっていく中で、こういった課題にどう対応をするかということを走りながら考えていくということもあろうかと思いますが、やはり、課題に対する対応としては、一番大事なことは、やはりこのチームでやることによって、この無責任体制みたいなことにならないようにしなければいけない。当然チームとして取りまとめをするチーフといいますか主任的な職員を決めるということも大事ですし、チームとしてやるわけですけれども、その一定のこの責任が、それぞれが責任を負っていくということになるように、その分担の仕方ということについても一定のルール化をした上でやっていく。その上でやはり、小まめに情報交換、情報共有を行う。事務引継ぎということもそうですけれども、そういうことが必要ですので、やはりコミュニケーションを活性化していくことによって、いわゆる、漏れがないように抜けがないようにということをチームとしてやっていく。こういうことの一定の最初取り組みに当たってですね、ルール化を決めて、それでやってみて少しずつそれを修正していく、課題に対応していく、こういう考え方でやっていく必要があるんではないかと思います。
記者:
最後に1点、来年度から小学校2校、中学校2校でモデル実施ということなんですが、このモデル実施、期間というのは決められているんでしょうか。
長田教育長:
当面では令和5年度1年間というものを予定をしております。そしてその検証・評価をした上で、令和6年度、今の私どもとしては、拡大をしていくという方向で考えたいというふうに思っています。
記者:
では、この今回のモデル実施の計4校は、何も大きな問題がなければ、もう令和5年以降はチーム担任制を続けていくということですか。
長田教育長:
そうですね。同じ学校をモデル校としていくのか、あるいはその新しく新規の学校をモデル校になってもらうのか、その辺は少しその時点で考えないといけないかなというふうには思います。いずれにしてもやはり、対象というか取り組みをやってもらう学校を広げていくということが大事だと思いますので、今回も小学校2校、中学校2校をモデル校としておりますけれども、実際に希望を募った場合、これを超える数の手が挙がっておりますので、やる気のある学校は数校あるというふうに見ております。
記者:
このモデル校は、まだ現時点では決まってないということですか。
長田教育長:
ほぼほぼ、大体内々定くらいの段階には来ておりますけど、決まりましたら、また正式に発表させていただきたいと思います。
記者:
チーム担任制についてお伺いします。
先ほど、ルールとかを一定決めていくというようなお話ありましたけれども、それは各学校でというよりは、教育委員会で共有する、ルール化する方針なんでしょうか。
長田教育長:
これやはりですね、教育委員会も入って各学校も入って、その中で、やはりそれぞれの考え方を述べた上で、そして一定のルールを作るということが必要だろうと思いますので、学校独自で決めても駄目ですし、教育委員会でルールを決めて、これで行きましょうということでも恐らくうまくはいかないというふうに思っていますので、お互いに意識を共有した上で、その上で一定のルールを決めるという、そういう過程が必要かなと思っています。
記者:
それは来年度様子を見て、実際に拡大するときには教育委員会も踏まえてルール化をしてから拡大すると。
長田教育長:
もちろん、例えば令和5年モデル校の実施を始める前にも意思疎通を図って、こういう格好で、じゃあチームのその体制を作っていきましょうというのは、教育委員会も入り学校も入って一緒に決めていくと、こういう流れになるかと思います。
記者:
あと、モデル校は先ほどのお話だと、希望する学校がするようなイメージなんでしょうか。
長田教育長:
実は、このモデル実施校を決めるに当たって、希望はありませんかということを学校の方に尋ねておりますが、小学校2校、中学校2校以上の数の学校が参加したいというか、やりたいという希望を挙げておりますが、その中で小2、中2というのを選びたいというふうに思っています。
記者:
基本的には希望する学校で。
あと、小学校とか中学校で、成績というか通知表を書くときに、担任の先生が書いたりとかもしてたと思うんですけども、評価の方法とかは、今の時点でどう考えているのでしょうか。
長田教育長:
その辺りもね、確かに大事なところでして、そこも一定決めないといけないと思っています。先ほどのあの一定のルールという中にですね、評価は当然1人がやるんじゃなくて、多分共有をした上でやることになると思います。どういうやり方をして、誰が書くのかということも決める必要があると思います。
記者:
あと、小学校だったらクラス対抗の行事とか、そういうのもあると思うんですけども、そういうときとかは、ローテーションでしているので、先生が音頭を取るようなことがなくなるようなイメージなんでしょうか。
長田教育長:
いや、ローテーションでしますけど、例えばその行事のときは、誰かがそこの今日は担任ですよということは多分決めるんでしょうね。その教員が音頭を取るということになるんじゃないかと思いますし、また別のやり方でいうと、逆にいうと、その行事の中でも分担をしながらやるというやり方もあるかも分かりません。1人に決めないで。その分担をしていくというやり方があるかも分かりません。そこはちょっとまたこれからの話し合いの中で決めていくことになろうかと思います。
記者:
あと、こういうローテーションをするというのは、現場の教員からも、こういうのがいいというような要望とかもあったんでしょうか。
長田教育長:
今回のこのチーム担任制、学年担任制の導入に当たりましては、教員から手が挙がったというよりは、学校長、校長の中で、うちの学校でこれを取り入れたいという、そういう前向きな積極的な姿勢があったというふうに聞いています。
記者:
一応現場からそういう要望もあって、それを受け入れたようなことですね。
長田教育長:
そういうことです。
記者:
あと、置き勉というか負担軽減の方なんですけれども、置き勉に代わる新しいキャッチフレーズは、どういうふうに児童に募って、どういうふうに吸い上げるようなイメージなんでしょうか。
長田教育長:
そうですね。これもこれから決めていきますけども、やはり全ての学年に渡ってというのは難しいと思いますので、例えば高学年、低学年はなかなか難しいかも分かりませんから、高学年の児童を対象にするだとか、あるいはアンケートにおいても、できるだけ、この1人1台の端末を活用してやるとか、そういう非常に効率的な方法、効果的な方法を考えたいと思っています。
記者:
1個だけ戻ってすみませんが、チーム担任制の方で、変化に気づくという話がありましたけれども、いじめとか、そういうことも早く気づくとか、そういうことも想定しているんでしょうか。
長田教育長:
もちろん想定しております。やはり大人、教員が1人の目でその学級を見るのと、複数の目で見るのとでは、やはり多面的な見方というのが、より多くの人数、大人が見た方がいいというのははっきりしてると思いますので、そういう効果ももちろん期待をしています。
記者:
チーム担任制のところなんですけれども、先ほど、狙い、導入の目的のところ、組織力の強化というお話もありました。その背景をもう少し聞かせていただきたいんですけれども、例えば、いじめの対応を受けて指摘があったとか、残業時間がこれだけかさんでいるとか、何かそういう具体的な数字とか事例があれば、挙げていただきたいんですけれど。
長田教育長:
事例というか、先ほども少し申し上げましたが、やはりこの学校がチーム学校としてまとまっていく、組織力を上げていくと、こういうことが強く求められてきた中で、これまでもいろんなことをやってきたわけですけども、やはり、特にこの小学校の場合、学級担任制ということですから、そういう中で、もちろん学校の中では校内の分掌を決めてるわけですけども、やはり日々のこの横の連携といいますか、そういうところが私はまだまだ不足をしているんではないかというふうに思っていますし、先ほども、このいじめ事案に対する対応の件もありましたけれども、やはりこのチームでやることによって、当然このチームの構成の仕方も、恐らくこのある程度年齢層を、理想はですね、分けて40代、30代、20代、そういった多様なこの年齢の者が1つのチームになって、先輩教員が後輩教員の指導育成をしていく。こういう効果も期待されますので、そういう中でコミュニケーションの活性化、そして情報の共有を図ることによって、できる限り早い段階で、この児童生徒の状況をキャッチをして共有をして、そして支援につなげていく、こういうことがチーム担任制に一番期待できるところではないかと思っていますので、事例といたしましては、もういっぱいあると思います、学校の中に。保護者の方への対応ということについても、支援対応ということについても、やはりチームとしてやっていくというのは、保護者への説明ということについても、非常に効果があるんじゃないかというふうに思っています。
記者:
もう少し具体的に伺いたいんですが、校長先生からの要望もあってという話もありました。何かこういうことに困っていてという理由があるかと思うんですけれども、それはいじめの対応であったりとか、残業時間が増えてるとか、何かそういう問題が起きてて、こう導入しますという、何かその理由を、もう少し詳しく伺いたいんですが。
長田教育長:
率直に申し上げてですね、問題が起きてるということではないとは思います。ただ、その問題が起きているというよりは、やはりこれまで言われていた、そのチーム学校としてのこのまとまりといいますか、組織力、こういったところを考えたときに、校長の側から手が挙がったというのは、やはりもう少し、いわゆるやり方として、その切り口として、チーム学校につなげていくのに、よい手法はないかということをいろいろ考えたときに、これ全国的に初めてという取り組みでは実はありません。富山県の南砺市は、全ての小中学校で取り組んでおられるということを聞いています。そういったことも先進事例も調べて調査をしつつ、ただ政令市の中で教育委員会が音頭を取って学校でやってるというところはありませんので、いずれにしても、そういう新たな切り口を教育委員会も求めていたし、学校現場の方も求めていたと、双方のそういう課題認識というのが一致をしたというところかなというふうにも思います。いずれにしても、なかなかこの組織力を強化しようとか、あるいはチーム学校としてのこの統率というか、まとまりを作っていこうと、口でいうのは簡単ですが、やはり何らかの手段というのがあった方が前に進むということから、こういった手段で取り組みを強めていこうということにしたということです。
記者:
いじめなど、諸々の課題を念頭に置いてのこと、その中にいじめとかも含まれているぐらいの話ですか。
長田教育長:
そうですね。いじめ事案もそうですし、もっと言いますと、例えば、教員による不適切な児童生徒への指導、適切でない指導、こういったことも含まれると思いますし、また最近増えております不登校、登校できない子供たちへの対応ということもそうでしょうし、数え上げれば切りがないぐらい、いろんな教育課題に対する対応として、この手法というのは非常に効果を発揮するんではないかというふうに思っています。
記者:
あと、置き勉の話なんですけれども、考え方を変えるというところで、考え方を変えて、その後何をするのかっていうのは検討されているんでしょうか。
長田教育長:
考え方を変えて何をするというより、考え方を変えて、とにかく学校に、もう置いて帰る物は学校に置いて帰るということですね。そして、特にこの登下校時にやはり児童への、お子さんへの負担になっていると、非常に重量が増えて負担になっているということですから、家庭学習で使う必要のない物は、基本はもう学校に置いて帰ろうと。こういうことを、何か置き勉といいますと少しこう置いて帰ったらいかんのを、無理やり置いてるというようなイメージもないこともないわけですから、そういう意味でどんどん置いて帰りましょうと、こういうことで子供たちにキャッチフレーズも考えてもらって、そして、いわゆる登下校の負担を軽くするのが目的ですので、特に小学校低学年ですね。まだまだ成長段階にある子供たちですから、そういったことを第一に考えてやっていくというのが最終目的ということになります。
記者:
なので、そういうことを担任教諭から児童に伝えるという、そういうことになるんですかね。
長田教育長:
担任から伝えるということもありますし、子供たちには逆にキャッチフレーズを考えることによって、ああ、こういうことでやっていっていいんだなということを理解してもらいながら取り組みを進めていく。こういうことが大事かなと思ってます。
記者:
チーム担任制の方なんですけども、ちょっと細かいんですが、小学校の方は週ごとや月ごとというふうになっていて、中学校は週ごとってあるんですけれど、この違いは何かあるのでしょうか。
長田教育長:
あんまり、そこは深くお考えいただかなくても、たまたま例示として挙げておりますので、学校事情において、小学校でも中学校でも週ごとに変わる学校もあれば、ひょっとしたら月ごと、あるいは2週間ごともかもあるかも分かりません。
記者:
じゃあ、どっちも月ごとに。
長田教育長:
はい。
記者:
あと、これも細かいんですが、学級業務を入れ替わりで行うということなんですけれども、学級業務というのは朝礼とか夕礼とかのほかに、もう2つぐらい例を挙げていただいてもよろしいでしょうか。
長田教育長:
そこに校長、現役教員が来てますので、ぜひ紹介してください。
職員:
給食指導なんかもそれに含まれますし、学級活動、ホームルームの活動ですね、そうふうなところも含まれると思います。清掃活動もそうですし、その辺りのところをローテーションを組んでやっていったりとか、ある場面においては固定する場面もあると思いますけども、そういうふうな対応をしていくというようなところです。
記者:
それ以外の授業のところは、先生が入れ替わったりとかはする、もともとしているということですなんですよね。小学校は。
長田教育長:
小学校は今は担任であれば担任です。中学校は教科担任制ですので、教科によって入れ替わってますが、ただ中学校でも担任というのは決めていますから、そこを担任業務も中学校の方もローテーションしていく。小学校の方は実は、今高学年の方は教科担任制というのを小学校高学年も入れておりますから、取り組んでますので、小学校の5年生、6年生なんかは教科担任制と、この学級担任制を両方併せて取り組んでいくということになります。少しこの辺り理解がなかなか難しいも分かりませんけど。
記者:
小学校の低学年とかは、今までは担任も授業も同じ先生がやっていたのが。
長田教育長:
そうです。その1人の教員が全ての教科を教えるというのが基本です。
記者:
これが導入されると、授業はどうなるんですか。
長田教育長:
授業そのものは、ここにありますように、例えば1年生で2クラスですと、ところが3人の教員でチーム担任制でその学年を持ちますとなったときに、その授業もこの3人でそれぞれ分担を考えながらやりますから、担任業務も授業も考えていくということになります。
記者:
その課題に挙げられてたいくつかに、どう対応するかというのは、そのルールをこれから考えますということですか。
長田教育長:
はい。そういうことですね。この辺りは実は、先行的に取り組んでおられる他の自治体から、さっき申し上げた南砺市なんかにも現地に行っていろいろ詳しくお話を聞いてきておりますので、そういったことは、ある程度学校現場と教育委員会で、さっき申し上げたように、共有をしながら一定のルールを決めてから導入を進めていきたいと思っています。
記者:
もう1点だけ、教員不足の話がずっとあると思うんですけれども、このチーム担任制は、その教員不足にも対応した何かになるんでしょうか。
長田教育長:
数の面での今の世間で言われております教員不足に何か対策となるかというと、それはそうではないとは思います。ただ、いわゆる多忙化対策という観点からいいますと、担任を外れたときに、いろんな仕事をする時間が作れるという、そういう利点がありますから、広い意味でいうと働き方改革につながっていくと、そういう利点はあろうかと思います。
記者:
置き勉の方で質問なんですけれども、キャッチフレーズの募集は、時期は決まってるんでしょうか。
長田教育長:
時期は、いつ頃にしますか。
職員:
決定しているわけではないんですが、来年1月ぐらいを考えているところです。
記者:
あともう1点、細かいんですけれども、週1回以上持ち帰る低学年47.9%とか数字を出してもらってると思うんですけど、この数字は神戸市立小学校の中の47.9%が、低学年ではほとんど持ち帰っているよっていう意味で書いているんですか。
長田教育長:
そういう意味です。小学校ですね。はい。
記者:
全学校分の持ち帰ってる学校っていう数字で。
長田教育長:
そういうことです。
記者:
生徒分のっていうわけではない。
長田教育長:
じゃなくて、学校の中で、週1回持ち帰りをしている学校が、低学年でこのパーセンテージ。
記者:
今後の対応の部分でいうと、今後ちょっと考え方の転換をするというふうに話あったと思うんですけれども、考え方の転換を各学校に通知というか、これからはこういうふうにしてねっていう何か通達を送るっていうことですか。
長田教育長:
送ります。もちろん、考え方を変えていきましょうということで、そういう通達といいますか、一緒に考えていこうということですけれども、送った上で、子供たちにアンケートを募集すると、そういう流れになろうかと思います。
記者:
具体的に何か、最終的には子供たちのリュックの中、どういうふうになってたらいいなみたいな想定とかあったりしますか。
長田教育長:
それは、今のね、この先ほど申し上げた4,500gなんていうのを聞きますと、ちょっといくら何でも多過ぎるだろうと。教科書もかなり昔よりは重くなっています。大きさも、それから太さもですね。分厚くなってますし、その上に端末、パソコンが入っているということですから、なかなかできるだけすっきりしてもらって、もちろん夏場は毎日水筒とかも入りますしね、いろんなものが入るわけですから、できるだけ身軽で安全に登下校してもらいたいと思いますし、またランドセルもそれなりの重量がありますので、ただこれランドセルそのものも、必ずランドセルでなければいけないというふうに決めてるわけではありません。ただ保護者の方々も誤解をされてる面があるのかも分かりませんが、学校側も悪いんですけど、入学時の案内のときに、類似としてランドセルっていう書き方をしてますから、ランドセルじゃなくてリュックでもいいよというふうに、これは学校から保護者の方に案内するときの説明の仕方、記載の仕方を改めていこうと思ってますけれども、そういう意味で、そのランドセルなりリュックも含めた重量を少しでも軽くしていく。こういう方向で私たちは考えていきたいと思います。
記者:
チーム担任制でお聞きしたいんですけど、まず担任2人でやっているところ3人になるといったら、単純にその教員の数を多くしないと駄目かなと思うんですけども、教員の数を多くするというイメージなんでしょうか。
長田教育長:
いえ、これはですね、このために教員をプラスアルファで配置するということは考えていません。ただ、いま学校にはですね、加配教員ということで、本来のその児童生徒数に応じた教員の数、プラスの加配をつけておりますから、そういった教員も含めて、トータルの中で、学校の中で、このチーム構成を考えていただくということで取り組んでいきます。
記者:
対応する教員の数には変化がないということですね。
政令市の中でも一部の学校が取り組んでいるって書いてあるんですけど、これはどこになるんでしょうか。政令市で。
長田教育長:
政令市で、教育委員会でということではなくて、学校の方で独自に取り組みをしている政令市があるという、そういうニュアンスですね。ちょっと自治体の名前が分かれば。
職員:
ちょっとここでぱっと具体的なところを申し上げるのは、自治体の都合もあるかもしれませんので、後ほど答えさせていただいてもよろしいですか。
記者:
モデル校で、これ全学年をするっていうことなんでしょうか。全ての学年を。
長田教育長:
基本的に、それも今からですか。全ての学年をやるかどうか、モデル校によって。
職員:
モデル校によって様々になると思います。学校の事情によると思いますので、どの学年で実施するかということは、これから各学校で考えるところになると思います。
長田教育長:
ただ、できるだけ多くの学年を対象にしてもらいたいということは私どもは思ってますし、特に高学年はぜひ、教科担任制が入ってくる5・6年生を中心にですね、高学年はぜひ、チーム担任制は取り入れてもらいたいとは思っています。教育委員会としては。
記者:
あと、全市展開を検討されるということなんですが、早ければ、令和6年に全市展開ということはあり得るんでしょうか。
長田教育長:
令和5年度もモデル実施が、小学校2校、中学校2校ですから、いきなり令和6年度で全市展開はなかなか難しいんではないかと。いろんなやってみますと課題も出てこようかと思いますから、それに対する検証・評価をして、それに対する対応策ということも考えたときに、令和6年度は、今の私の思いからしますと、そういう1桁ではなくて、せめて2桁ぐらいの学校を対象にモデル校として指定をして、その次の段階が全校、全市展開ではないかなというふうに思っています。
記者:
あと、置き勉のところで、物理的に置く場所がないっていう声もあったと思いますけど、物理的な置く場所っていうところに関しては、どういう対応を考えているんでしょうか。
長田教育長:
これはですね、行っていただいたら分かりますけど、学校のクラス、相当狭いです。もちろん、決められた1教室面積の中に、子供たちの机と椅子、そして後ろにランドセルを置く場所があったり、こうあるわけですけど、そこをいろいろ工夫しながら各学校で行っているというところですから、新たに何かを作るというのは、これは検討というのは無理だと思いますので、今ある現状の中で、どういった工夫ができるのか。それはもちろん机の引き出し、あるいはさっき申し上げた袋ですね。そういったことも含めて、後ろにも、どれぐらいの物が置けるのか、並行して考えていかないといけないなと思います。
記者:
袋というと、なにか物を入れる袋を机のそばに置くということですか。
長田教育長:
よくこうフックがあって下げれたりしますよね。ああいった袋が小学校の場合は皆ありますから、そこにこう何が入れられるのかですね、ということになろうと思いますね。
記者:
先ほどのお話の中で、高学年はぜひ対象に含めてほしいというふうにチーム担任制のとこでお話ありましたけれども、高学年はぜひ含めたいの、何かお考えがあるんですか。
長田教育長:
それは私の思いからしますと、やはりここ数年、特にいろんな事案、先ほど少し例示させていただきましたけど、いじめ事案あるいは、他の事案もそうですけれども、登校できない子供の問題、それから、これは学校側、教員側の責任ということもあるかも分かりませんが、不適切な、適切でない指導とか、こういったことが、やはり小学校で、これまで以上に低年齢化が進んでいる。特に小学校高学年の事案が、事例が非常に多いと私は思っていますので、ひと昔前は中学校の方が圧倒的に多かったんですけど、今は、最近は小学校が非常に多くなっています。特に高学年がやっぱり、そういった、我々が気をつけない事案が多い。そういう思いから、やはり小学校高学年にはぜひこれを導入したいということを申し上げました。
記者:
あと、置き勉の方でなんですけれども、フレーズを決めて、具体的にテスト期間以外は持ち帰るとか、何かそういう教育委員会で細かな取り決めをするわけではないんですかね。
長田教育長:
今仰ってるような細かい取り決めは、それぞれの学校で何か考えていただいたらいいんだろうと思います。我々としては、家庭学習のために持って帰る学用品を選んで、他は置いていくんですよと、こういうことでいいんですよということを広く周知をしていきたい。そのためにキャッチフレーズを考えたいということです。
記者:
小学生から予習・復習ってあんまりあれかもしれないんですけども、学力の低下とかそういう懸念は特にないでしょうか。
長田教育長:
その辺りはもちろんよく考えた上でやっていかないといけませんけど、やはりパソコン、学習端末の方にもですね、ドリルも入っていますし、いろんなものが入っていますから、それをできるだけ活用しながらやっていく必要があるというふうに思っています。いずれにしても学力の低下になったのでは、これは本末転倒ですので、そういうことのないように十分気をつけないといけないと思っています。
記者:
細かいんですが、今パソコンは週に1回とか、そういう、いつ持ち帰るとか、各学校に委ねられていて、どれぐらい持ち帰るとかは、もう決められてないっていうことでいいでしょうか。
長田教育長:
教育委員会の方からは、できるだけ必要に応じて、できるだけ持ち帰ってくださいということを言っておりますが、その結果、毎日持ち帰っている学校もあります。これは低学年まで持ち帰っているという学校もありますね、確かね、数少ないですけど。ただ基本はですね、今日、表でお示ししたように、高学年は非常に持ち帰りが多いということになっていますので、これ特に、今もまだコロナ禍続いてますが、非常に感染が拡大したときに、なかなかこう感染するのが心配で学校に登校できないという児童生徒が増えます。そういうときには非常に増えますので、そういったときは、逆にある程度頻繁に持ち帰ってないとですね、いつから急に学級閉鎖だとかなる可能性もありますので、できるだけそういった状況も十分念頭に入れて、学校側としては持ち帰る頻度をいろいろ工夫をしているというのが実情だと思います。
記者:
繰り返しの質問になってたら大変恐縮なんですけれども、この複数担任制を政令市の教育委員会が主導して行うというのは全国で初めてということなんですけど、その神戸市さんとして、こう市で率先して、これを導入していこうというふうに決められた理由を教えていただけますか。
長田教育長:
これはですね、実は学年担任制、チーム担任制に限らず、やはり以前から言われておりますのが、神戸市本市におきましては、学校任せにせずに、教育委員会が設置者として、学校の設置者として、指針なりガイドライン、そういうものをもっと示していくべきだと、こういう要請が数年前からあります。それに応える形で、これまでもいろんな場面場面において教育委員会としての方針を示してきました。その一環として、このチーム担任制についても、教育委員会として音頭をとって進めていこうと、こういう流れになっています。
記者:
あと、この複数担任制なんですけど、これを実施するに当たって、例えば保護者からいろんな意見があったんじゃないかと思うんですけど、その辺り、何か反応はあったんでしょうか。
長田教育長:
まだモデル校を発表してませんので、モデル校を決定をいたしますと、当然保護者の方々に十分丁寧に説明をしないといけないと思っています。まだ保護者の方に、今の時点で説明をしているかというと、してはおりませんけれども、モデル校としてやっていく学校においては、これまず保護者の方の理解というものが必要、大前提ですので、そういう意味では丁寧な説明をやっていきたいと思います。
記者:
あと、そもそもなんですけど、これ今回の複数担任制を取り入れる一番の理由というか、もう一度分かりやすく教えていただければ。すいません。
長田教育長:
先ほどから、何回か出ておりますけど、やはりですね、先ほど言った目的の中に3つ挙げておりますが、1番が、やっぱりこの(1)に書いております、6ページですね、複数の教員がそれぞれの視点で児童生徒と関わることによって、やっぱり児童生徒の細かい変化、これをやっぱりキャッチしたい。子供たちがひょっとしたら発しているSOSがあるかも分かりません。少し最近様子がおかしいなとか、今日は元気がないな、こういったことも含めて、そういう細かいことでもいい、変化に気づいていくと、それを教職員で共有していく。それがやはり子供たちの成長にとって大事ではないかというのが一番の目的です。
そういうことをやっていく中で、やはり教員自身も教職員間の中でのコミュニケーションも増えると思いますし、それがひいては先ほども申し上げた、その先輩教員と後輩教員の中での、いわゆる指導技術の継承とか、そしてひいては組織力の向上につなげられたら、そういう思いを一番に持っています。
記者:
あと、すいません。何度も。この新しい制度を導入することで、どんな学校教育の現場を目指していくというか、こういうふうになっていきたいみたいな、こう、あったりしますか。
長田教育長:
実は、神戸市本市におきましては、学校づくりの指針というものを策定をしております。「人がつながり ともに創る みんなの学校」という学校づくりの指針を1年ほど前に、今年度初めに、3月でしたか、ちょっと時期は忘れましたけど、発表しておりまして、そういう学校をみんなでともに目指して創っていきましょうと。そういう中で、やはり今回の取り組みもですね、そういうみんなの学校という意味では、やはり開かれた学校づくり、これが一番であると。そういうことからいいますと、多くの教職員が子供たちに関わる。そして多面的な視点で子供たちを見ていく。そういうことがやはり開かれた学校づくりにもつながると思いますし、ひいては、対外的にもそうですし、いわゆる職場風土、学校の職場風土を見たときに、いわゆる閉鎖的な風土ではなくて、非常にこう風通しのいい職場風土づくりにもつながっていくんじゃないかというふうに考えています。
職員:
先ほどの指針ですけども、2022年5月に策定をしております。