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教育長会見の模様をお届けします。
・はじめて教壇に立つ教員を対象とした「採用前研修」の実施
・小・中学校 卒業式等の日程の見直し
会見資料(PDF:651KB)
司会:
それでは、採用前研修の実施及び令和5年の式典につきまして、教育長会見を始めさせていただきます。
長田教育長、よろしくお願いします。
長田教育長:
どうぞ、よろしくお願いいたします。
今日は2点ございます。
まず、1点目が、採用前研修の実施についてです。
神戸市教育委員会といたしまして、初めて教壇に立つ教員のための採用前の研修を実施をいたしまして、人材育成にこれまで以上に力を入れていきたいというふうに考えています。
まず、実施に至った背景ということですが、本市におきましても全国的な教員不足の影響というものを受けておりまして、今年度は特に厳しい状況となっております。今後も安定的な学校教育を実現をしていくためにも、より積極的な採用あるいは人材確保ということが必要ではないかというふうに考えまして、令和5年度の教員の採用者数、今年度の試験ですね。これを大幅に増加をしまして、昨年度と比べて205人の増ということとして人材を確保をいたしました。
また、この採用数が増加することに伴いまして、初めて教壇に立つ教員、いわゆる新規の学卒者も増加をしておりまして149名ということで、前年度比76名の増ということになっております。
新規採用者を対象とした研修、これを初任者研修というふうに呼んでおりますが、これにつきましては、採用されてからの4月から1年間を通じて、これまで実施をしてきております。小学校教諭の場合、採用直後の基礎研修1日のほか、5月以降、学級経営やICTの活用、またいじめ防止等を内容としました校外研修というものを合計15日間。また、校内研修といたしまして指導教員による授業研修を1年で120時間、校務に関する実務研修を30時間実施をしまして、資質の向上、能力の向上ということに努めております。
一方で、臨時的任用教員といわれる常勤講師に対しましても、校外研修を行っているほか、配属校でのOJT、さらには教育委員会事務局の指導教員による定期的な訪問指導を行うなど、この常勤講師の勤務状況を把握をしながら育成を行っております。
これまでの採用前の研修ということにつきましては、大体1月の休日の半日に集合型で神戸の教育なり教師としての心構え、あるいは先輩教員とのディスカッション、こういったことなどを研修を行ってきておりました。令和2年度、3年度はコロナ禍ということもあって、同じような内容をオンデマンドの配信という格好で行ってきております。これを今年度から大幅に拡充をしたいと考えております。
今申し上げましたように、新規採用者の研修につきましては、採用後1年間通じて様々に研修なりOJTを行って人材育成を図ってきておりますが、やはり教員にとりましては1学期開始後すぐに授業を行うということで、特に初めて教壇に立つ教員にとりましては十分な準備ができないまま、不安をもったままで教壇に立っている。こういうことが以前から課題となっておりました。
そこで、この課題を解消するために今年の2月から3月、採用前に学級づくり、授業づくり、こういったことの実践的な指導力を学んで安心して1学期がスタートできるように、採用前の研修ということを本格的に実施をすることといたしました。
今年度から行います研修の内容についてですが、まず2月1日から3月17日の平日午後に行います。場所は、ハーバーランドにあります神戸市総合教育センターです。対象者は、初めて教壇に立つ新規採用の教諭が約150名及び常勤講師が約110名ということです。なお、新規学卒者の中には、当然大学の授業があったり、また遠方に住んでおられるなど研修に参加できないという方もいるというふうに思いますので、その場合は後日、研修内容を録画したものをオンデマンドで配信する予定にしております。各校種の受講回数は小学校15回、中学校・高等学校9回、特別支援学校5回ということです。
次に、研修内容についてですが、まずは学級づくりのための研修というものを行います。これは児童生徒との接し方や関係づくり、学級として助け合える集団づくり、そして学級目標の立て方など学級づくりのポイントというものを学びます。実際に、受講者がこの役割を演じるロールプレイでありますとかグループワーク、また先輩教員とのディスカッションなども織り込んで、そういったことを通じて学ぶことといたします。学級づくりの研修は、全校種2回ということです。
そして、特に力を入れるということにしておりますのが、授業づくりに関する研修です。これは授業目標の示し方、それから授業展開の方法、グループ活動の取り入れ方など、まさに授業づくりのポイントといったものを学びます。実際の授業を想定した演習、すなわち模擬授業というものを受講者が行いまして、それに対して指導教員が指導なり助言を行うというようなことです。例えば小学校では、新規採用者が担任するのは大体2年生、3年生、4年生あたりが一番多いわけですが、2年、3年、4年生の単元を使用した模擬授業を行います。こういった実践的な授業研修を小学校13回、中学校・高等学校7回、特別支援学校3回を予定をしております。4月に初めて教壇に立つ教員にも採用前にしっかりと学級づくり、授業づくりの実践的な研修を受けてもらうということで、児童生徒も1学期から安心して学べるような環境をしっかりと整えていきたいというふうに考えています。
採用前研修に関する説明は、以上です。次に、2点目ですが、小中学校の卒業式等の日程の見直しについてです。
このたび小中学校の卒業式の日程等を変更することといたしました。今回の変更なり見直しに至った背景・経緯ということについてですが、1つには児童生徒の心身の休養と負担感への考慮、2つ目は家庭や地域等の学校外での体験や活動を通した成長機会の確保、3つ目は新年度・新学期に向けた入念な引き継ぎ・準備ということです。こういったことを踏まえて、小中学校の卒業式あるいは終業式等の日程を見直すことといたしました。
まず1点目は、小学校の卒業式についてです。
これまでの3月24日から23日に1日前倒しをいたします。令和5年度から試行実施をいたしますが、令和5年度は曜日の関係で令和6年3月22日金曜日に行うこととします。卒業式を1日でも早く実施をするということで、小学校6年生が中学校入学に向けて入学準備と自覚や意識を持つことができる期間を少しでも確保したいと考えています。
続いて2つ目は、中学校の卒業式についてです。令和4年度は今年度3月10日に公立高校の入試が実施をされますので、これも今年度は試行実施ということになりますが、土日を挟んだ14日の火曜日に卒業式を実施する予定です。これを令和5年度も継続をいたしまして、先日、兵庫県の公立高等学校の入試が、来年度3月12日と発表をされておりますので、その2日後の3月14日に来年度も予定をしております。これはやはり高校入試後の落ち着いた環境で卒業式を実施してほしいと、こういう生徒や保護者のお声がありまして、その思いに応えようとするものでございます。
その他の日程等ということについては、2点あります。
1点目は、2学期の終業式です。これは令和5年度から、来年度から2学期の終業式をこれまでの12月25日から24日に1日前倒しをしたいと考えています。小中学校では、8月下旬に3日間、夏季授業日というものを設定しておりまして、2学期の授業日数が増加をしておりますので、冬休みの日数を少し増やすことで児童生徒の負担軽減を図って、生活を充実する期間を設けていただきたいというような趣旨もございます。
2点目は令和6年度の実施に向けてということになりますが、少しこれからの検討事項ということになります。内容は夏季休業日と春季休業日、夏休みと春休みについてですが、これの見直しを来年度中に検討をいたします。夏季休業日、夏休みにつきましては、先ほど申し上げましたとおり8月末に3日間実施をしております夏季授業日、このあり方を含めて見直しを検討をいたします。
冒頭申し上げましたように、今回はこの見直しなり背景、それから経緯というものを十分に踏まえて、来年度にかけて検討をしていきたいと考えています。
私からの説明は以上です。記者:
1点目の採用前研修の方でまず伺いたいんですけれども、今までどうだったのかというところで少し御説明いただいたんですが、1月中に数日間ぐらい座学を中心にやっていたということなんでしょうか。
長田教育長:
1月中にです。大体1月に1日です。しかも午後、半日。コロナ禍までは集合型で集まってもらって、いわゆる基礎的な学びですね、神戸の教育はこういうものだとか、あるいは教員としての心構えとか、教師という者は大体こういう動き、活動というか役割をする者だとか、こういったことを先輩教員とのディスカッションを含めてやっておりました。令和2年度、3年度はコロナ禍のもとでなかなか集合型で集まることは難しかったということで、オンデマンドの研修を同じような内容で行っておりました。
記者:
それは座学が中心であって、新しく導入される研修では模擬授業とか、先生たちが体験型といいますか、そういうのを中心にやっていくということですね。
あと、2つ目の日程変更の方なんですけども、その他の日程のところ、(1)の2学期の終業式の前倒しは、2学期の期間が以前より長くなってたので短くするっていう趣旨ですか。
長田教育長:
2学期の終業式は、逆にこの冬休みの期間を1日長くするということです。それはなぜかというと、2学期が今おっしゃったように始業式が9月1日ですが、実質8月の下旬から3日間、夏季授業日をやっておりますので、そういうことを踏まえると少し長くなっていたので、2学期の終業式自体を少し前倒しをしようと、こういうことです。
記者:
(1)と(2)は関連してる。
長田教育長:
関連は少ししております。それも含めて今度は夏季休業日のあり方、今申し上げた夏季授業日も含めて少しそこについても見直しを加えていこうと。ただ、それは少し検討期間がありますので、1年遅れるということになります。
記者:
2学期を1日縮めるというのは、冬休みを少し増やして何を充実してもらうようにとおっしゃってましたか。
長田教育長:
これはやはり冬休み、夏休み、春休みというのは、家庭・地域に戻ってといいますか、家庭・地域の中でいろんな体験なり活動をしていただきたいわけです。もちろん心身の休養という側面もありますけれども、そういう中でやはり人間性、社会性を養っていただく期間にしてほしいと、こういう意味です。
記者:
(2)の方の春休みと夏休みの見直しというのは、それもやはり休み期間を充実させようみたいな方向で検討するんですか。
長田教育長:
そうですね。休みを広げるということは、授業する日にちとの関係も出てまいります。少しお話しますと、授業については国が定めております標準授業数という時間数があります。神戸の場合は、実は国が定める標準時数よりかなり余裕をもって授業を組んでおりますので、最近ではコロナ禍もあっていろんな行事等についても簡素化を図るなり、あるいは準備期間、準備時間につきましても少し見直しをしておりますので、今まで神戸市が組んできておりました授業時数そのものが少し余裕が出てきております。そういうことで、授業の時数がどういうふうに組めるかということも十分精査をする必要がありますが、それを精査しながら今ありました春休み、冬休みそれから夏休みも加えて、そういう長期休業日についても少し生活の充実が図れるように、また十分ゆっくり休んで英気を養ってもらえるようにといいますか、そういう意味でもう少し休業期間というものについても考えていきたいということです。
記者:
採用前研修の方で数点伺うんですけど、まず実施の背景として初めて教壇に立つ方の準備不足とか、不安があるということだったんですけど、これは実際に今、神戸市教育委員会で働かれている若手の先生方に何かアンケートをとってそういう声があったとか、そういうことでしょうか。
長田教育長:
具体的なアンケートをとったことはありません。ただ、やはり今までの、そこに教員籍の者2人おりますけど、誰に聞いても最初はやはり授業をするということ、もちろん経験がない中でやっていく。やりながら教えてもらうというようなところもあったと思います。そういう声は以前から多くの方から聞いておりました。
また改めて今回、先ほど申し上げた対象者の方に御案内をしたところ、やはり参加したいという方が8割から9割近い。ほとんどの方がやはり恐らく不安に思っておられるんだと思います。参加をしたいということですので、これは非常に意味のある、意義のあることではないかというふうに思っています。
記者:
あと、この採用前研修のような研修を他都市の事例で何か、兵庫県の教育委員会でもいいですけど、されている自治体というのはあるんでしょうか。
長田教育長:
このたび少し他の自治体の状況も調べましたけど、ここまで本格的に日数を取って、しかもこの授業づくり、学級づくりの実践的な研修を行っている自治体は今までのところ聞いたところではありません。やはり数日間、採用前に一定期間を取って研修は行っているという自治体は数は多くありませんが幾つかはありましたけど、やはりなかなかここまでの期間は確保できていないというふうに思っています。
記者:
採用前研修についてなんですけれども、この研修期間及び内容のところで、2月1日から3月17日ってありますけれども、これはこの期間の中でそれぞれ小学校、中学校が計13回とか日程を組むという、この期間内にそれぞれ違う回数をするということなんですね。
長田教育長:
そうです。この期間内で枠を作って、それを受けていただく。うまく都合がつかない方は、オンデマンドで見ていただく。こういう形にしたいと思っています。
記者:
あと、参加したい方が8割、9割というのは、これはアンケートっていうことなんですか。
長田教育長:
今回対象となる260名に既に案内を送っておりますが、そして手を挙げられたというか、参加したいという申し込みというか意向を示されたのが大部分の方だったということです。
記者:
これは参加自由なんですか。
長田教育長:
基本的には参加していただきたいと思ってますが、ただやはりまだ卒業されておられませんから、大学の授業等もあると思います。また、神戸にお住まいじゃなくて、遠方に現在お住いの方はなかなかそれは難しかろうということだと思います。一応この総合教育センターでやる研修に実地に参加をしていただく方には、わずかですが報酬を払って参加をしていただきたい。身分的にいうと、その日につきましては、参加する日については神戸市の臨時的な教員になるという前提で行いたいと思ってます。
記者:
遠方に住んでる方とか、交通費を出したりとかもするんですか。
長田教育長:
交通費込みでお支払いをしようと思ってます。なかなか交通費の通勤届も出していただいてるわけではありませんので、遠方もあれば近距離の方もおられると思いますので、それは交通費を含んだ報酬ということにさせていただきたいと思っています。
記者:
じゃあ、これ全部必ずしも受けないと採用できないというわけではない。
長田教育長:
義務付けではありませんが、私どもとしますと実地の研修に参加できなくてもオンデマンドでは視聴していただいて、見ていただいて、そして学んでいただきたいということを呼びかけたいと思っています。
記者:
オンデマンドだったら、受講したかどうかという部分が分からないかと思うんですけど、レポートを提出させたりとか、何かそういう。
長田教育長:
レポートまでは考えておりませんけども、やっぱりオンデマンドの研修を受けていただいて、例えば質問事項とか相談事項とかがあると思いますから、そういうものは受付をするということを考えています。
記者:
あと、コロナ禍のときのオンデマンドの件なんですけれども、同じ内容を配信をしていて、それも全員が視聴をしたかどうかとか確認とかするわけじゃなくて、原則視聴してくださいねっていう。
長田教育長:
そこまでは確認はしておりません。令和元年度までと同じような内容のオンデマンドの研修を昨年度、一昨年度とやったということです。
記者:
以前からずっと不安な声があったというお話だったんですけど、なぜこの時期に大規模に変わることにされたんですか。何かきっかけというか。
長田教育長:
このきっかけは一番今日の冒頭にお話しましたように、新規の採用者、一気に今回大幅に増やしておりますので、欠員問題がかなり叫ばれておりますので、私どもの方でも去年に比べて205人の採用増ということにしましたし、当然その中で新規の学卒者の割合が以前に比べて非常に増えておりますから、そういうことでやはりこれだけ大幅に教壇に立ったことがない教員を採用するとなると、一定の事前の研修ということがやはり必要ではないかということを考えるに至ったということです。
記者:
今後ももちろん継続して、これをやっていくという方針なんですか。
長田教育長:
今年のこの研修を受講いただいた方の感想とかもお伺いしながら、これは継続的にやっていくと、そういう必要があろうかと思います。これは正規の教員だけではなくて、常勤講師、いわゆる臨時的任用教員と言われる常勤講師についても、やはりそういった人材育成のための研修というのは必要だろうというふうに思っています。
記者:
2点確認させてください。
まず、初めて教壇に立つ教員のところで(新規学卒者)というふうに書かれておりますけれども、これは全員初めて教壇に立たれる方というのは、今年の新規学卒者とイコールで考えていいんですか。
長田教育長:
ほぼほぼイコールですけど、一部そうじゃない、恐らく新規ではない、既に卒業された中で今まで教壇に立ったことない方もわずかですけどいます。
記者:
あとは、意義の部分をもう一度確認させていただきたいんですけれども、実践的な指導力を養うことでよりメリットみたいなものをまたもう一度教えていただけたらなと思うんですけど、教員に対してもそうですし、指導されるお子さんたちに対してもという部分でどんなところがあるかなともう一度教えていただきたい。
長田教育長:
やはり初めて教壇に立ちますと、特に小学校は担任をするということになると、小学校の場合は中学校と違って1人で全ての教科を教えるということになりますから、そういう意味で非常に授業準備というのも大変ですし、そして年度の初めから授業を作っていく、学級を作っていく。これについては、やはりかなりノウハウとかも必要だと思います。それを初めて教壇に立った教員については、非常に心配しながらも、走りながらさっきも申し上げたように先輩教員にいろいろ教えていただいたり、あるいは指導教員からの指導もあったりしながらやっているというのが現状ですので、これは神戸に限ったことではなくて、全国的に同じです。これは制度の問題です。いわゆる警察とか消防職員でありますと、消防学校とか警察学校に入って一定期間研修を受けるわけですが、教員にはそういう制度にはなっておりません。ある意味、理想を申し上げれば、教員も一定期間何かそういう学校に入って研修を受けるというのが本来必要ではないかと思いますが、残念ながらそういう制度になっておりませんので、それを新年度始まってから今までは大体やっていたわけですけど、やはり本当に授業づくり、学級づくりのポイントというようなことについては、採用される前に少し勉強してもらって、そして実践に生かしていただく。こういうことが非常に効果的ではないか。ひいては、これが子供たちに対する学びの環境という意味で、非常に効果があるんではないかというふうに考えたということです。
記者:
1点だけお伺いしたいんですけども、さっき言われてた意義のところで、教員になる方は教育実習とかで一定期間、学校に行って教えたりとかカリキュラム考えたりとか、そういう期間はあると思うんですけども、これとの違いとしてはやっぱり自分が行く神戸市の学校で実践的にやるというところが違ってくるんですか。
長田教育長:
そうですね。教員実習と言いましても期間が限られている。しかも、やはり立場、責任が全然違いますから、実際に神戸市の教員に採用されて子供たちに授業で指導、教えていくという立場になると、やっぱり実習とは全く違うということだと思いますので。
どうですか。教員籍で経験された方。実習と実践との違いといったら。
職員:
教育実習は、大学の単位を取る中での一環ではありますので、そこで学ぶべきことも当然たくさんあるんですけども、やはり今4月から採用になるという目の前に来て自分がやらなければいけないという立場になったときに切迫感というか、やらなければいけない、どうしようという不安もたくさんあるかと思うんです。そういうふうな声を私たちKECの方には少し何件か聞いたりもしておりますので、そういう意味でこの時期に研修をもつことは、非常にやっぱり採用される先生にとってはすごく自信になるし、いいのじゃないかなというふうに思っています。
記者:
教員の採用数が大幅に増えたということなんですけども、教員のトータルの数としても増えてるんですか。それとも辞めたりしてトータル数は変わらないんでしょうか。
長田教育長:
トータル数はさほど変わっていないと思います。これは子供の数の減少もありますけど、片一方では最近では特別支援学級の児童生徒なんかも増えておりますので、そうなると当然配置数が増になったり、増減両方ありますけれども、大きく言うとさほど変わっていない。もちろん片一方では、小学校の35人学級の段階的な実施ということも今やっておりますので、総数が変わったということではないです。
ただ、今まで臨時的任用教員もかなりの数おりました。今、大体職員数が教諭、いわゆる正規教員が6,600人ほど、臨時的任用教員が1,400人ほどで合わせて8,100人ほどなんですが、そういう中でいうと少し正規教員の率を増やしていこうと思っています。これは臨時教員の率を下げるということです。これについては少し、これは結果論ですが、これまである程度、臨時的任用教員の常勤講師で確保できてきたということなんですけど、やはり全国的な欠員問題、厳しい状況を受けて、本市におきましても、なかなか臨時的任用教員で確保するということは、徐々に徐々に難しくなってきておりますので、そういう意味で本来あるべき姿の正規教員を確保するということを基本的な方針としてやっていきたいというふうに思っています。
記者:
今の数字というのは、6,600というのは新規採用を入れた数字でしょうか。
長田教育長:
これはまだ来年度の数字ではなくて、今現在の数字と思っていただいたら。
記者:
来年度の予測は分からないですか。
長田教育長:
そこまでは、まだ来年度ははじけていないです。
記者:
あと研修で模擬授業というのをされるということなんですが、これは子供たちを実際に前にしてやれるという意味なんでしょうか。
長田教育長:
いえ、模擬授業は子供たちを実際に前にするんではなくて、横で指導教員が見ておられるし、実際に受講したグループ何人かで分けて実際の模擬的な授業でやりますので、子供らを前にやるということではないです。
記者:
入学式と卒業式の件ですけども、中学校の卒業式が入試前にやっていた。これはいつ頃から、どういう理由でこういうことになってたんでしょうか。
長田教育長:
これは、ずっと以前からです。恐らく当たり前のようにそういうふうにやってきたんだと思います。やはり高校の入試までに、いわゆる勉強をしっかり終えておかなければいけない。当然ですけど。そういう中で勉強を終えたからには卒業式をすると、こういう発想できたんだと思いますが、私も昨年あたりから保護者の方あるいは生徒のお声をお聞きをして、おっしゃるようにやはり入試の前に非常に落ち着かない状態のときに卒業式をやるのはいかがなものかということで、やはり入試が終わって、そして少し落ち着いて、そういう状態で思い出に残る卒業式をやるべきではないかと、そういうふうに考えたということです。他の自治体を見ましても、まちまちです。入試の前に卒業式をやっておられるところと後でやってるところと両方ありますけれども、やっぱりこのあたりは実際の子供本位、子供ファーストの考え方でいくと、せっかくの卒業式は落ち着いた環境のもとでやらせていただきたいというふうに考えるに至ったということです。
記者:
少なくともどのぐらい前から入試前にやってるかというのは。
長田教育長:
どのぐらい前から。ずっと遡らないと、二、三十年、もっとでしょうね。資料残る範囲では、ないですね。入試前がずっと続いてきたということですね。
記者:
落ち着いてる時期に卒業式を実施してほしいという声というのは、突然あったわけではなく、その前からずっとあったんでしょうか。
長田教育長:
特に昨年度あたりからです。これは日程の関係で、昨年度は高校入試の前日に卒業式をやってるんです。それまでは2日前にやってたんですが、さすがに前日にやると、翌日が入試なのに何でこんな時期にというお声が非常にたくさんありました。それはおっしゃるとおりだと思います。前日にやらざるを得なかったのはいろいろ事情があって、2日前にできなかったんです。特別支援学校の入試とかが重なって、スケジュールのカレンダーの関係でできなかったということで、やっぱり前日にやるとそういう声が非常に多く出てきたということで、やっぱりこれはいかんなということで、これは入試の後にした方が、やはり皆さんに喜んでいただけるんではないかというふうに考えました。
記者:
入試の2日後ということで、例えば合否が分かってたりして落ちた生徒がいるんじゃないですか。
長田教育長:
逆に2日後にしたのは、合否が分かっていない段階でやるということです。
記者:
2学期等の見直しをされると、3日間の夏季授業日のあり方を見直すと。見直すというのは、これはどういう見直し方をされるということを想定されていますか。
長田教育長:
先ほども申し上げましたように、8月終わりの夏季授業日を設定したのは、要は標準授業時数が増えた。数年前に増えたわけです。その関係で授業日数の確保という意味で、夏休みであった8月下旬の3日間を夏季授業日ということで設定をして授業日数を確保したということでこの数年間やってきたわけですけども、さっき申し上げたように、少し授業時数そのものも落ち着いたといいますか、余裕をもってきたということもありますので、この夏季授業日がそもそも必要なのかどうか。あるいは逆に、2学期の始業式そのものを今9月1日にやっておりますが、他の自治体では2学期の始業式を8月下旬にやってるところもあります。8月下旬から2学期を実際に、2学期そのものは一応8月1日からが2学期ですよね。ただ、始業式そのものは9月1日。この始業式を少し前倒しをするのがいいのか。いろんな考え方がありますので、今どういうことにしようというふうに決めたわけではありませんが、ただ夏季休業日、休業期間そのものが非常に暑い時期でもありますから、7月下旬からの夏季休業期間も含めて、夏季授業日も含めて1年かけて検討していきたいということです。