最終更新日:2024年10月17日

会見2023年7月13日

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教育長会見の模様をお届けします。

  • 不登校支援の充実に向けた基本方針の策定
  • 学校・教育 「お困りごとポスト」の設置


会見資料(PDF:1,799KB)

不登校支援の充実に向けた基本方針の策定

司会:

それでは、長田教育長の会見を始めさせていただきます。

教育長、よろしくお願いいたします。

長田教育長:

教育長、長田です。よろしくお願いいたします。

本日は2点ございます。

まず1点目は、不登校支援の充実に向けた基本方針についてです。

初めに、本市の不登校児童生徒の状況です。こちらのグラフは、左は小学校、そして右が中学校の平成29年度から令和3年度までの不登校児童生徒数の推移を示しております。

青色の棒グラフが神戸市。そして、グレーの折れ線グラフ、これが全国の状況となっています。全国的な傾向、増加傾向と同様に本市におきましても、不登校児童生徒数は年々増加をしてきております。

その要因、あるいは背景といたしましては教育機会確保法の理念。これは学校外での多様な学びの場を提供して確保して、学校復帰が目的ではなく社会的自立が目的であると、こういう理念が浸透してきたこと、あるいは新型コロナウイルスの影響と、こういったことがあるのではないかというふうに考えられます。

そこで、本市における不登校児童生徒に対する支援の現状と課題を検証するということともに、今後の不登校対策の総合的かつ具体的な支援のあり方について、有識者等の意見を聞いて、そして具体的な政策の検討を行うということを目的といたしまして、今後の不登校支援のあり方に関する検討委員会、これを昨年度設置しまして、今年1月に意見がまとめられました。

さらには、この3月に文部科学省から示されております、「COCOLOプラン」。これは誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策というプランも踏まえまして、本市として、この度、不登校支援の充実に向けた基本方針の策定をいたします。

まず不登校支援についての基本的な考え方です。登校のみを目標とするのではなく、全ての児童生徒に多様な学びの場を確保し、児童生徒の意思を尊重しつつ支援をするということといたしまして、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立できるということを目指してまいります。

これまでの不登校対策というものは、学校復帰が大前提であるというふうにされておりましたが、先ほど申し上げましたように平成28年に公布・施行されました、教育機会確保法におきましては、学校に登校することのみを目標にするのではなく、個々の状況に応じて多様な教育機会を提供するということで、児童生徒が主体的に自分の生き方を選択できることを目指すということと定めております。

支援の方向性としましては、やはり大前提となるのが「行きたくなる学校づくり」ということです。不登校の背景あるいは要因というのは、1人1人異なりますので児童生徒や保護者が必要な支援を受けられるように、まずは、「行きたくなる学校づくり」という大前提のもとで3つの柱、「早期の兆候把握と早期支援」それから「不登校児童生徒への支援の充実」、そして「保護者サポート・民間施設等との連携推進」。この3つの柱で進めてまいります。

まず何よりも、学校が行きたくなる場所あるということが重要ですので、全ての児童生徒が安心して学校に通えるように、分かりやすい授業づくりを進めて個別最適な学びを実現していくということとともに、いじめ等の問題行動に対する毅然とした対応、また校則等の見直しなど学校活動への児童生徒の主体的な参画など、魅力ある学校づくりというものを推進をいたします。

また、信頼関係や良好な人間関係を構築できるように、自分の思いや考え方の伝え方、あるいは相手の思いや考えを理解する姿勢を学ぶ人間関係づくりということに取り組むとともに、学校行事や学級活動等を通じて、自己有用感、自己肯定感を感じられるように、1人1人の活躍の場が与えられ、そしてお互いに認め合い、励まし合えるような居場所づくり、絆づくりを進めてまいります。

支援の柱の1つ目が、先ほど申し上げたように「早期の兆候把握と早期支援」ということです。児童生徒の心身の状態の変化や登校しづらくなっている状況というものを早期に把握をしまして、担任を初めチーム学校として児童生徒、保護者の思いに寄り添って速やかに組織的に支援を行ってまいります。

特に、進学時あるいは進級時には環境が変わりますので、環境の変化に伴って登校しづらくなる児童生徒が増加傾向にあります。そういうことから1人1人の状況を、より注意深く観察をして必要な支援を行います。

具体的な支援策といたしましては、児童生徒の心身の状態変化の把握ということに取り組みます。昨今よく言われておりますが、1人1台の学習用パソコンを活用した健康観察、心身の状態の把握ということによって、児童生徒が発信をする小さな兆候、SOSの把握に努めてまいります。これは今年度中に実施をする予定としております。

次に、支援の柱の2つ目ですが、「不登校児童生徒への支援の充実」ということです。学びたいと思ったときに安心して学べる多様な学びの場を確保する。ICTを活用した相談の機会やつながりの場を提供する。それによって児童生徒の個々のニーズに応じた支援の充実を図ってまいります。

具体的な支援策としましては、まず1つ目は校内サポートルームの整備。自分の学級自分のクラスに入りづらい児童生徒が、校内において安心して過ごすことができる教室以外の居場所づくりを進めてまいります。

教室への復帰のみを目的とせず、児童生徒が落ち着いた場所で自分のペースで学習なり生活ができる、そういう環境をつくります。これにつきましては、現在、整備を進めているところです。

次に、不登校特例校の設置です。これは自校への登校が難しい生徒を対象にした学校であります、不登校特例校、この特例校を2025年度までに開校をいたします。独自の教育課程を編成しまして、1人1人の意欲や個性を伸ばす授業や体験活動を行うとともに、社会的自立に向けたコミュニケーション能力を育成して、個々の学習状況に応じた学びを支援いたします。

続いて、オンライン相談窓口の設置です。登校しづらく学校内外を問わず専門機関等の相談窓口や支援につながっていない児童生徒を対象に、スクールカウンセラーによるオンライン相談を開始いたします。児童生徒は、学習用パソコンから接続して相談を行うということとなります。開設時期は、今年の8月を予定しておりまして、大体、週2回、午後に実施をする予定です。

続いて、ICTを活用したつながりと学習の支援についてです。対面による支援が難しい児童生徒を対象にオンライン上でコミュニケーションができる仮想空間を提供して、他者とのつながりの場と居場所というものを設けます。また、動画などのオンライン教材を提供するなどICTを活用した学習支援を行います。開設時期は、今年9月を予定しております。

支援の3つ目の柱ですが、「保護者サポート・民間施設等との連携推進」です。保護者が悩みを抱えて孤立することなく、適切な情報や支援を得られるように分かりやすく相談しやすい総合窓口を設置いたします。民間施設等の取り組みについても情報提供をいたします。

また、フリースクールやNPO等と緊密な連携を図りまして、協調して不登校児童生徒への支援を行います。具体的な支援策といたしましては、1つは、不登校支援相談センターの設置です。これは保護者が、どこへ相談すればよいか分からず、1人で抱え込むことがないように不登校に関するワンストップの窓口、総合相談窓口とし不登校支援相談センターを設置いたします。各種施設や居場所などに関する情報提供も含めまして、保護者に寄り添って適切な支援を行っていきます。開設時期は、今年9月を予定しております。

また、不登校児童生徒の保護者が気軽に集い、そして悩みの共有や情報交換ができるような交流スペースというものも設置をすることとしております。

以上となりますが、やはり不登校支援にあたりましては、登校のみを目標とするのではなく、今申し上げましたような様々なアプローチが必要であります。そのためにも、多様な学びの場を確保して、児童生徒の意思を十分に尊重しつつ児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて考えて、社会的に自立できるということを目指して支援の充実に努めてまいります。

学校・教育 「お困りごとポスト」の設置

続きまして、2点目の学校・教育 「お困りごとポスト」の設置についてです。

現在、児童生徒・保護者が学校生活等で困っていること、悩んでいることなどにつきましては基本的に学校で相談をいただいております。また、それ以外に、教育委員会に対する御意見、御要望ということで電話やホームページからの問い合わせ、それから「わたしから神戸市への提案」という制度などを通じまして、大体、昨年度で言いますと年間で約800件、月平均で教育委員会に対して6、70件ほどの御意見や御要望をいただいております。

このような児童生徒・保護者の御意見、声というものは制度の見直しや学校園の問題解決のきっかけとなることもありまして、私どももしっかりと耳を傾けて応えていく必要があると思っております。

ただ、これまではどちらかと言いますと、待ちの姿勢でございましたので、お困りごとや悩みごとを抱える、そういう児童生徒・保護者の相談により一層、積極的に応えていく仕組みをつくる必要があると考えまして、相談窓口として、この度、「お困りごとポスト」いうものを設置することといたしました。

これまで、児童生徒・保護者の声がきっかけとなって、制度の見直しにつながったような事例というものを少し御紹介いたしますと、1つは中学校の卒業式についてです。中学校の生徒や保護者の方から、これまでは高校入試の前に卒業式を行っておりましたが、これを高校入試後の落ち着いた時期に実施をしてほしいという声が複数寄せられました。これを受けまして、これまでの卒業式の日程に合理的な理由があるのかどうかなどの観点から教育委員会として検討をいたしました結果、入試後に卒業式を実施しても問題はないというふうに判断をしまして、令和4年度、昨年度から中学校の卒業式の日程を公立高校の入試前から入試後へと変更をしております。

また、児童生徒・保護者からの御要望を受けまして、学校園で起こっている問題について教育委員会で把握をして早期に指導、学校に早期に指導助言等を行って、速やかに対応できたケースいうものも当然ございます。

例えば、部活動の際にも教員の指導に生徒さんが悩んでおられたわけですが、これは学校には直接相談しにくいといったようなケースにつきまして、教育委員会で相談をいただいたことによって、当該校へ状況を確認し指導助言を行うことで改善に向かっていったというようなケースもございます。

今申し上げましたような、児童生徒・保護者の声をしっかりと受け止めて、そして速やかに対応していく、そういう窓口といたしまして、7月14日、明日から学校・教育についての「お困りごとポスト」というものを設置いたします。

児童生徒・保護者の声に積極的に答えていくことで、安心して学校生活を送ることができるようにしていきたいと考えております。

次に、投稿できる内容についてですが、学校生活で困っていることにつきましては、これまでどおり学校で相談に応じるということに変わりはありません。「お困りごとポスト」で意見なり投稿ができる内容といいますのは、例えば、いじめ、不適切な指導などを学校に相談をしにくいようなこと。また教育の制度や方針ということで、そういう全市的な制度・方針についての意見や要望。また、どこに相談すればよいか分からないといったようなことなどです。こういった内容について、「お困りごとポスト」を御利用いただければというふうに思っています。

先ほど挙げました、内容の具体的な投稿例といたしましては、学校に行くのがつらい、あるいは先生の指導が厳しい、友達から嫌なことをされる、制度を変えてほしいといったものなどを投稿することができます。児童生徒と保護者の皆様が利用できるということであります。

「お困りごとポスト」は、神戸市教育委員会のホームページから投稿できるWEB版と各学校に配置をいたします手紙版があります。ホームページの投稿フォームは「神戸市教育委員会 お困りごとポスト」と検索をいたしますと、すぐにアクセスできるようにするほか、教育委員会のホームページのトップページからもアクセスしやすいようにしております。

投稿された内容は、教育委員会に直接届くということになります。また、当然ですがスマホあるいは児童生徒の1人1台の学習用パソコンからアクセスをすることが可能です。

こちらがこのWEB版の「お困りごとポスト」の投稿フォームの画面となっています。名前の入力は任意ということですので、名前を知られたくない場合は匿名での投稿も可能です。

また、学校に意見や要望内容は伝えてほしいけれども名前は伏せてほしいというような場合、こういった場合なども投稿の際に選択をする、選ぶことができるようにしております。

そして、「お困りごとポスト」は手紙版も用意をしております。手紙版の用紙は各学校園に置いてあります。切手は不要ですので、インターネットが利用できないような方々は、手紙版を御利用いただければと思っております。

また今、御説明しました「お困りごとポスト」の設置に加えまして、相談窓口の再編を行います。現在、相談内容によって様々な相談窓口を設けていますが、窓口によっては相談内容が重複をしておりまして、左側の現在にありますように、かえってどこに相談していいか分かりにくいいったような課題もございましたので、先ほど申し上げましたような不登校支援策の1つとしての不登校支援相談センターの新設、こういったことなども相談機関の相談内容の重複を解消する。そして相談方法というか相談手段についても、多様な方法でアクセスができるようにすると、そういうことで相談しやすい窓口になるように再編をいたします。

「お困りごとポスト」の設置を始め、児童生徒・保護者の声に積極的に応え、児童生徒それぞれの状況に応じた、よりよい教育や支援を提供していきたいというふうに思っております。

私からは以上です。

質疑応答

記者:

まず、冒頭に近年、不登校の生徒さんが増加している背景について、1点が教育機会確保法の理念が浸透してきたということ。もう1つが、新型コロナウイルスの浸透というのが2つ背景をして挙げていただきましたけど、それぞれもう少し理念が広まるとどうして増えるのか、コロナの影響でどうして増えるのかっていうところをもう少し御説明いただけますでしょうか。

長田教育長:

これは全国的にも、本市においても増加傾向にあるという中で、きっちりとした分析ができているわけではありません。ただ、先ほど申し上げました、教育機会確保法の理念といいますのは、やはり、これまではとにかく学校、まず学校復帰ということでしたけれども、やはりそれでは駄目で多様な学びの場を提供して、例えば、最近では民間のフリースクールなんかもあります。もちろん以前から私ども教育委員会としても教育人材センターというものも地域の拠点として設置をしておりますけれども、そういう学校以外の場、居場、学びの場がかなりこういろいろ充実をしてきたということ。

それから、やはりこのコロナの影響といいますのは、特に、令和2年の3月、4月と2ヶ月強にわたって、全国一斉休校がありました。こういったことを受けてですね、今までは毎日、学校行くのが当たり前だということが、そういった長期の休校などがあった、あるいは、その後も感染拡大などによって、学級閉鎖や学年閉鎖や休校したというような学校もあります。そういった中でなかなか毎日の生活リズムですね、そういうのが児童生徒にとって取りづらくなったといいますか、そういうことも相まって、社会的な環境変化というのがあるかも分かりませんけれども、全国的に不登校の児童生徒が増えてきていると、こういうふうに私たちは捉えています。

もちろんですね、不登校の要因を毎年調査しますと、1位は大体、小学校、中学校とも「無気力」とか「不安」なんですね。2位は、小学校では「親子の関わり方」、中学校では「友人関係を巡る問題」、そういったことが上位にきておりますが、やはり1人1人の置かれている状況によって、そういった背景・要因も複雑に絡まっているというようなことだと思いますから、なかなか、一概にこれをやれば対応がうまくいくというものでもありませんから、やはり十分に御意向とか置かれている状況をスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも関係してお伺いしながら、最適な方向を見つけるということが一番重要だと思います。

記者:

続けてですけれども、例えば、9ページ目に学習用パソコンを活用した健康観察というのは、施策の1つとして挙げていただいていると思うんですけれども、例えば、これまでの健康観察とか、そういう先生とのやり取りというのもあったと思うんですけれども、こういった学習パソコンですとかICTを活用することで、どんなメリットというか変化というのを期待されているのかという点を教えてください。

長田教育長:

そうですね、これは、さっきもいろんなアプリと言いますか、ものが開発をされてきているようですけども、少し我々もそれを、どれが一番ふさわしいか検討しておりますが、やはりこれまではどうしても、担任であったり現場の個々の教員のアンテナを張って、顔を見ながら日々の状況、特に健康状況、心身の状況を観察するという人に頼る部分が非常に多かったと思います。実は数年前からも、そういうことではなかなか救いきれないと言いますか、把握しきれないようなこともありますからアセスのための少しシートをつくって、それで分析をしていく手法とか、いろんな研究、実際の試行もやったりしております。今、それがどれだけ効果があるのかということも、実証、研究中ですけども、片一方で最近では他の自治体でも、こういったパソコンを活用した健康観察、これは子供、児童生徒に簡単な入力をしてもらって、それを集約も簡単にできますから、それを教員が見て、毎日状況を把握すると、非常に簡易な方法もあるように聞いております。ただ、あまり教員に今度、負担がかかり過ぎても今、働き方改革の取り組んでいるさなかですから、できるだけ教員に負担がかからないようにする。あるいは、児童生徒においても入力をしてもらいますけれども、これも、やはり正直な心の状態というか気持ちが表れるような、しかも簡単に入力できるような、そういうものにする必要があるというふうに思っていますので、そういうことで機械的といいますかICTの非常にいい面を活用して、簡易にそういう状態が把握できる方法の1つの、これが全てではないです、1つの切り口としては有効に機能するのではないかというふうに考えています。

記者:

これまでどおり先生同士が、目配せして、実際に顔の表情とかから読みとりつつ、こういう1つの手段としても増えるというような、選択肢の1つが増えるという認識ですか。

分かりました。

ポストで、投稿した意見というのは教育委員会の方には、どなたが基本的に確認して見られるということになるんでしょう。

長田教育長:

これは教育委員会にきまして、この事業をやっておりますのが総務課ですが、全て監理室。監理室というのは、いわゆる今、私どもの組織風土改革に取り組んでおりますけれども、教育委員会全体のガバナンスの強化を図るために数年前に設けた組織です。この監理室でチェックをして、そして、担当の教育委員会事務局の所管課と連携を図りながら、学校園と対応を必要な場合は学校園とも連携して対応していく。従いまして、やはりガバナンスを担当している監理室が、これを全てチェックをし、差配と言いますか、もちろん御投稿いただいた児童生徒や保護者への返信ということも含めて、しっかりその辺は、グリップをしていきたいと思っております。

記者:

今のポストの件で1件伺いたくて、このひょうごっ子SNS悩み相談とかは、まだ残していくと思うんですけど、先ほどページも見てみたんですけど、違いというか、何でSNS、WEB、手紙、電話とあって、あまりSNS、WEBって違いがよく分かんないんですが、改めて違い、ポスト設置するねらいみたいなもの。

長田教育長:

ひょうごっ子SNS相談というのは、やはり主にLINEでしたね。SNSで受ける方も、いわゆる心のケアの専門家が受けるわけですね。従って、そういう手段・方法と、これ神戸市も含む兵庫県全体として兵庫県の教育委員会がやっているものです。もちろん神戸市も入っております。

こうべっ子悩み相談というのが、対象は特に問いませんけれども、電話で何でも相談いただける。ただ、子供、児童生徒からの相談ということを考えたときに、もちろんいろんな手法がある方がいいわけですけれども、せっかくのこの1人1台の端末が今、貸与しておりますから、そういう中で簡単にWEBで御相談できる、「お困りごとポスト」、今回の投稿フォームを設けて簡単にアクセスできるというものも、より有効に機能するんではないかというふうに考えて、やはりこういう様々なルートをつくることも重要であろうということで今回、こういうやり方を、設置をするということにいたしました。

記者:

先ほど、不登校特例校の件で調べたんですが、兵庫県にはまだない理解でいいんですよね。

今、全国で4月時点で24校あるらしいと、国が300校を目指すという話をしていると思うんですけれども、課題というか、フリースクールと違って多分お金がかからないとか、徐々に増えていくとは思うんですけど、これをつくることの課題とかありますか。

長田教育長:

本市にとっても兵庫県において初めてのケースとなりますが、なかなか文科省、国が言っているように全国300校というのはもちろん、一定の年数がかかると思います。まずは本市としましても、1校目をできるだけ早くつくりたい。そして、やはり課題は、まずは中学校、中学生対象にまずやっていきたいとは思っています。ただ、状況も見ながらということになりますが、恐らく本市は地域も広いですから、そういう意味で言うと1校では、なかなか不十分ではないか、将来的には複数校も睨んだ上で、まず、1校目をやっていく。

これこの不登校特例校、少し細かいお話をしますと、いわゆる本校型というグラウンドもあるような立派な本校型と分教室型というのがあります。やはり、きちんとしたグラウンドも備えた本来の本校型というのが時間もかかりますし、しかも1校目はできれば、利便性の高い立地のいい場所にというふうに思っておりますから、そういう意味では、既にある公共施設なんかをうまく活用して分教室型を設置していく。

やはり、これについてはカリキュラムが一般の普通の学校とは全然違いますから、特例校におきましては、例えば中学校では普通の学校は1,000時間以上の時数、教育課程を設けてあるということですが、特例校は大体750時間程度に低減できるということになりますので、そういう意味でそういったカリキュラムあるいは教員の体制、こういったことが何せ初めてのことですから、全国にある先進校の事例も十分、研究をしておりますので、そういったことを踏まえて、課題を何とかクリアして、できるだけ早く開校していきたいというふうに思っています。

記者:

最後に1点、その規模感というと例えば何人ぐらい受け入れて、どのくらいの先生を採用して、その先生はどこからもってくるのかとか、そういう見通しみたいなものって立っているんでしょうか。

長田教育長:

具体的に、詳しく申し上げられるほど煮詰まっておりませんけれども、やはり、なかなか最初から100人、200人というような定員ですね。生徒さんというのは難しいと思いますから4、50人とか、その程度から始めるということになるんではないかと思います。

教員の体制が少し今、まだ文科省と具体的な詰めをしておりませんので、いずれにしても本市の教員の中で人事異動で配置をする。あるいは少し専門的な人材ということが必要であれば、別途そういう方もお入りいただくようなことも考えていかなければならないかも分かりません。

記者:

まず、細々とした点で確認をしたいんですけれども、最初の冒頭の不登校の関係について、小学校と中学校で平成29年から令和3年までをグラフで示していただいてますけど、実際に実数としては、各年でどれぐらいというのは、今、分かりますでしょうか。

長田教育長:

小学校・中学校ごとの実数、数字分かりますか。

職員:

平成29年度からいきますと小学校が397名、中学校が1,334名の計1,731名。平成30年が小学校が488名、中学校が1,506名の計1,994名です。令和元年が各小学校は650名、中学校が1,740名の2,390名。令和2年度が小学校が843名、中学校が1,891名の計2,734名。最後、令和3年度が小学校が966名、中学校が2,008名の合わせて2,974名。こういった内訳です。

記者:

こういった増加の一途をたどってる中で、今回、基本方針を策定したということですけれども、お話踏まえて、その有識者の方から検討委員会で御意見をいただいた上で文科省のCOCOLOプランというのも併せた上で、こういう神戸市としての基本方針を策定したという理解でよろしいんですかね。

分かりました。その対応の中で、先ほども、学習用パソコンを活用した健康観察について質問にも触れられましたけど、これは神戸市教育委員会として何か独自に何かそういった入力するアプリとかシステムというのを開発したというよりも、何か民間企業と連携して、何かしらのシステムというのを使っていくと。

長田教育長:

既存のものを活用したいと思っています。幾つか出ているようですし、自治体での導入事例もあると聞いていますので、そういったものの中から。

記者:

分かりました。

先ほどの教育長の話の中で、働き方改革という話がありました。あと教員の不足というところも、神戸市のみならず全国的な課題だとは思うんですけれども、その中でこういった不登校児童生徒への対応とか、「お困りごとポスト」、これは教育委員会が主導で行っていく取り組みだと思うんですけれども、そもそも働き方改革とかの課題と、こういう不登校に対する対応、すごく相反すると言ったらあれですけれども、なかなか負担増になってしまうとどうしてもあるのかなと思うんですけど、バランスというのはどのように取っていくのかっていうところが、難しい部分ではあると思いますが。

長田教育長:

基本的には相反する、働き方改革と相反するものではないというふうに思っています。と言いますのは、今も不登校児童生徒への対応というのは学校現場でかなり綿密にやっていますし苦労もしております。

例えば家庭訪問して、保護者の方とお話する。あるいは児童生徒と会えればいいですけれども、会えない場合は保護者の方からお話を聞く。そして、フリースクール等に通われる方につきましては、実際にフリースクールの現場に行って様子を見、また、そこについての児童生徒や保護者と面談をして、最終的には校長が判断することになりますが、出席認定をするケースも増えてきております。

そういったことで結構、非常に負担というのが大きいものがありますから、そういう意味で今回、私ども教育委員会として基本方針をつくって、そして、もちろん学校現場の教員向けに、対応において学校によってあるいは教員によって、違いが生じてはいけませんから、少し対応のマニュアルと言いますか、ガイドライン的なものを示すことにしております。

そういったことを有効に学校現場で各教員が活用してもらうことによって、この働き方改革での中の負担増につながらないように、しかも、児童生徒・保護者に寄り添って喜んでいただけるような対応を、これ教育委員会だけでもできませんし、学校現場だけでも無理ですから、十分学校現場と連携をしながらやっていきたいというふうに思っています。

記者:

あともう1点。不登校できる限り少なくするっていう中で居心地のいい、行きたくなる学校づくりというのを言われてたんですけれども、その中で自己有用感、自己肯定感の育成というところもあれば、良好な人間関係の構築というところもあると思うんですけれども、ちょっと話はそれるかもしれないですけれども、今年度から神戸市教育委員会として学年担任制というのをモデル校4校を指定して取り組んでらっしゃるかと思うんですけれども、リンクする部分があるのかなというふうに個人的に思ったんですが。

長田教育長:

そうですね、今年モデルで小学校2校、中学校2校でいわゆる学年担任制、チーム担任制というものを取り組んでおりますが、いわゆる人間関係づくりということで言いますと、もちろん子供同士の人間関係づくりもあれば、教員との人間関係づくり、信頼関係をつくるということもありますから、そういう意味でチーム担任制、学年担任制で教員が分担しながら連携しながら担任を回していくということは、ある意味、人間関係づくりにおいては非常に効果的な取り組みではないか、もちろん今年1年の検証を十分やってからでないと、なかなか、その辺は判断は難しいのがあるかも分かりませんけど、おっしゃるように、そういうところでは今の取り組みというのは、行きたくなる学校づくり、魅力ある学校づくりに資するものにつながるんではないかという気はいたしております。

記者:

分かりました。

その中で、やっぱり児童生徒の中でも自己有用感とか自己肯定感というのが育まれるんであると思うんですけど、その点についてはいかが思われますか。

長田教育長:

そうですね、この辺りは今、特に非常に気になっているところです。特に、このコロナ禍の下で、なかなか学校行事を初めいろんな制約があった中で、やはり学校というのは、もちろん勉強大切ですけれども、学習するだけの場ではありませんから、そういう意味で、いろんな活躍の場、やりがいの場、そういう場があって、1人1人の子供が自己有用感あるいは自己肯定感を高めていくと、こういう取り組みが当然必要なわけですから、少しコロナ禍の制限がなくなって、本来の学校活動ができる状態になっておりますから、そういう中で、やはり居場所、絆ということも含めた様々な行事や活動というものを、展開をしていく、こういうことが重要であるというふうに思っています。

記者:

私も細かいところからで恐縮なんですが、不登校児童生徒数の推移で、不登校の子供が1学級に何人ぐらいいるかというような数字とか出されてますでしょうか。

長田教育長:

割り算をすれば出てくるんでしょうけれども、私もときどき学校現場に行って、クラスを眺めますと、あるクラスでは3人ぐらいのところもあれば、1人、2人で大体そんな感じですよね。少し具体的な数字が必要であれば、もちろんクラス数が出ていますから、割れば1クラス大体、平均、何人かというのは出てくると思います。また後ほど、お伝えをします。

記者:

あと不登校特例校の設置は、2025年度までに開校見込みというのは、2025年4月に開校見込みという理解でよろしいんですか。

長田教育長:

まだ今、なかなかそこは明示できなくて申し訳ないんですけど、これ文科省が認可をもらわないといけない。我々とすれば、少しでも早くつくりたいという思いは当然あるわけです。ですから2025年度までにというのは、おっしゃるように、4月の開校を遅くとも目指してということでは今は考えております。ただ、さっき申し上げたようにカリキュラムとか教員の体制とか、こういうことも含めた上での文科省からの認可ということが必要ですから、もっと言えば、前倒しできるようであれば前倒ししたいとも思っていますけれども、少し初めてのことですので、どれぐらい時間を要するのかというのが、少しつかみかねているところです。

記者:

2025年4月までの開校を目指している。

長田教育長:

目指しているという感じですね。

記者:

「お困りごとポスト」について伺います。「お困りごとポスト」のポストは学校園と書かれているのは、市立幼稚園とかにも置かれるということなんでしょうか。

長田教育長:

市立の幼稚園も対象になります。幼稚園の場合は、お子さんからというのはなかなかないとは思いますが。

記者:

市立の小中学校と幼稚園全てに置かれるということですね。

長田教育長:

高校も置きます。市立高校も8校ありますので市立高校にも置きます。

幼少中高です、市立の。

記者:

名前はどのように決められたとか、思いがありましたら教えていただければ。

長田教育長:

この「お困りごとポスト」の、少し名称を悩んだところではありますけれども、やはり保護者だけではなくて児童生徒からのそういう御意見とか投稿をお待ちするという意味からも、ある程度、年齢層に幅広く受け入れやすいような名前ということで内部で検討して決めさせていただきました。

記者:

先ほど、これまでは、待ちの姿勢だとおっしゃったのが、これはポストの結果を今回、待つことなるかもしれないですけど、より待つ姿勢から、どのようになる期待があるということですか。

長田教育長:

そうですね、これは待ちと言えば待ちかもわかりませんけれども、今までは全市的な制度のもと、例えば「わたしから神戸市への提案」というのは、これ教育委員会だけでなくて、市長部局も含めた制度です。あるいはホームページからの問い合わせなんかも一緒です。そういう意味では、教育委員会独自の制度というものは設けていなかった。それを今回、初めて設けるということになります。特に、この学校や教育に関してのお困りごとなり相談ごとについては、ここに出してくださいよということを今月の教育委員会だより、これは定期的に全ての保護者の方々にお配りをしているんですけれども、そこでも周知を図ることとしております。

そういう意味で、待ちではあるかもわかりませんが、少し我々としても、ぜひとも何かあれば、お問い合わせいただきたいと、出していただきたいということで積極的な姿勢で対応していきたいということでございます。

記者:

不登校特例校について、まだ、設置するという方針を掲げてらっしゃる段階なので、どこまで決まっているかというのは、まだちょっと分からない部分かもしれないですけど、どの辺りに設置をする、市内のどこに設置するとか何か、廃校を活用するとか、どういった箱を用意するとかというのは何かお考えなことあるでしょうか。

長田教育長:

今、少し幾つか候補を洗い出しているところですけれども、既にある施設を活用したいと思っています。新しく建てるということではなくて。

それと、もう1つは先ほど申し上げたようにある程度まず1校目ということになりますから北区からも西区からも東灘区からも通いやすい。そういう意味で言うと、やはり真ん中あたりですね中央区中心に、そういったところで公共交通機関、電車、バスで通いやすいというところでないと、やはり少ししんどいのかなということで、今、言ったような条件を元に洗い出しをして、近いうちにできるだけ早く決めたいと思っています。

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教育委員会事務局総務部総務課