最終更新日:2024年2月16日

会見2024年1月19日

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教育長会見の模様をお届けします。

会見資料はこちら(PDF:2,479KB)

教員の長時間勤務の解消と学校・保護者・地域の相互連携

司会:

それでは、ただいまより教育長会見を始めさせていただきます。

教育長、よろしくお願いいたします。

長田教育長:

よろしくお願いいたします。

今日は2点あります。

まず1点目の教員の長時間勤務の解消と学校・保護者・地域の相互連携ということについてです。

お伝えしたいこと、大きく2点あります。

一つは教員の長時間勤務の解消に向けた取り組みとして、教員の現在の勤務状況、あるいは働き方改革の取り組みについてお話をさせていただきます。

2点目は、保護者・地域の理解と相互連携ということで、教員の長時間勤務の解消に向けた保護者・地域の皆様への御協力のお願いについてお話をいたします。

まずは、教員の勤務状況です。

これは中学校における教員の1日の勤務状況を示しております。教員の勤務時間は原則8時15分から5時までと、17時までということですが、日中は御覧のように授業や部活動等で、ほぼ埋まってしまいますので、本来業務である授業準備や成績処理などを例えば、早朝とか、あるいは17時以降の勤務時間外に行わざるを得ないという状況になっています。

続いて、これは1か月あたりの時間外勤務の状況ですが、左のグラフが小学校、右のグラフが中学校の教員、2022年度における時間外勤務の比率、割合を示しています。数年前と比較をいたしまして、一定の改善はしてきておりますが、中学校では約2割の教員が月80時間の、いわゆる「過労死ライン」と呼ばれておりますが、これを超えておりまして、厳しい長時間勤務の状況が続いているというのが現状です。

このように長時間勤務が続きますと、その影響としまして、仕事中にミスが起きやすくなったり、子供たちのちょっとしたサインを見逃すというおそれも生じてきます。また、疲労が蓄積をしまして、過労死や健康面のリスクが高まるということにもつながりかねません。参考までに精神疾患による休職者数、2018年度は68人でしたが、2022年度では105人と4年間で1.5倍に増加しております。

また、このような過酷な勤務というものを敬遠して全国的に今、教員の志願者が減少してきておりまして、今、教員の成り手不足ということが問題となっております。その結果、年度当初から欠員が生じたり、年度途中の産休、育休等の代替となる臨時講師が見つからないといったような状況が生じておりまして、このままではいずれ学校運営が立ち行かなくなるということも危惧をされております。長時間勤務の解消は、まさに喫緊の課題と言えるということでございます。

参考までに教員の採用試験の状況ですけれども、これ左側が全国で、右側が本市の状況です。全国的に受験者数が大きく減少をしてきております。採用者数そのものは正規教員を確保するために増やしているという自治体が多いわけで、その結果、競争率は大きく減少傾向にあります。

本市におきましても基本的には同じような傾向にありますが、2023年、2024年、右端二つを御覧いただきますと、かなりこれまでと比べて積極的な採用に努めておりますので、そういう採用者数を大幅に増加していくということで、競争率は下がっておりまして3.5倍、3.6倍になっておりますが、今年度に行いました2024年度の採用試験におきましても、この受験者数、志願者数は、昨年度とほぼ同数を確保できているという状況にあります。

続いて、働き方改革の取り組みということです。

これまでも様々な取り組みを進めてきました。2019年には「働き方改革推進プラン」を策定しまして、学校で行っておりました事務を事務局に引き上げたり、あるいは適切な休養日等の設定というようなことで、それを定めた部活ガイドラインを策定し、運用を行いました。

2020年には「小中学校における教育活動等について」という方針を策定いたしまして、通知表の記載項目を簡素化をしたり、あるいは夜間電話の音声アナウンス対応への切り替えというようなことにも取り組んできました。

さらには、2022年の1月からは「令和の時代における学校の業務と活動」という取り組みを始めました。これは、これまで当然のものとして取り組んできた学校の業務や活動が今の時代、そもそも本当に必要なのかどうなのか、こういったこと、また必要以上に取り組み過ぎて手間や負担をかけていないか、こういった観点から仕事の仕方や進め方をゼロベースで見つめ直していこうという取り組みです。

あわせて、学校における役職、あるいは職種に応じた業務の標準化というものを図ることで、管理職のマネジメント機能の強化や学校内での業務負担の平準化といったことにも取り組んでいます。

これまでの主な取り組み内容につきましては、第1弾から始めておりますが、学校行事の見直し等に取り組んだ第1弾、そして、授業時間数の適正化等に取り組んだ第2弾に続いて、このたび第3弾として、給食費の徴収・管理業務の事務局への一元化、あるいは高校入試の入試出願事務の見直し等に取り組んでまいります。

また、これにあわせまして、長時間勤務の解消に向けて、一人一人の教員が意識を高めながら、持続的、継続的に取り組んでいくためにスローガンと目標というものを新たに策定をいたします。

スローガンは「見つめ直そう 子供も先生も笑顔で過ごせる学校へ」ということです。若手教員も含めて発言をしやすい、そういう雰囲気をつくって、教員同士が率直に意見を交換しあい、対話を重ねるということによって、業務や活動をさらに見つめ直し、子供も教員も笑顔で過ごせるそういう学校づくりに取り組んでまいります。

そのスローガンの下に目標です。「遅くとも19時までには退勤しましょう」という目標を掲げます。教員自らが意識をして取り組めるように、遅くとも勤務時間が終わる17時から2時間後の19時までに学校から出ると。これは2時間ということは今、月45時間未満ということを目標にしておりますから、1日2時間であれば、その目標が達成できるという目安で、19時までには帰りましょうとこういうことにいたします。

また、運用に当たりましては、例えば、18時半とか、19時にチャイムを鳴らすというようなことも呼びかけていきたいと思っています。

次に、保護者や地域の方々の理解と相互連携ということについてです。

共働き世帯が増え、そして、少子・超高齢化が進むなど、学校だけではなく、家庭や地域を取り巻く社会環境が大きく変化をしてきております。その中で保護者、地域にお住まいの方々に、改めて今、申し上げましたような学校の状況等について御理解をいただき、お互いに連携をして子供たちの学びや成長を支えていくと、こういうことが大切であると考えています。

本市におきましては、学校づくりの指針というものを定めています。神戸が目指すこれからの学校の姿を「人がつながり ともに創る みんなの学校」ということといたしまして、地域社会全体で子供たちを育んでいくということを学校づくりの目標に掲げています。地域とともにつくる学校の実現に向けまして、2022年度には全ての小学校、中学校、義務教育学校に学校運営協議会を設置しておりまして、コミュニティスクールの推進ということを進めております。この協議会を中心に、相互の密接な連携につなげていきたいと考えています。

その前提といたしまして、改めてこの学校と教員の役割ということについてですが、学校というものは本来、集団での学習活動や体験活動を通じまして、子供たちに基礎的な学力を定着させるということとともに、自律心や社会性、協調性などを育む場です。その中で教員は子供たちに寄り添い、健やかに成長できるように導く役割を担っています。

しかしながら、近年、本来であれば、家庭や地域で対応し、解決をしていただくような相談や要望までもが、学校に寄せられる傾向が年々、強くなってきております。過度な要望や長時間に及ぶ苦情が増えるなど、学校業務が肥大化をし、本来、果たすべき役割に支障が生じてきておりまして、それが教員の長時間勤務の一因にもなっているということです。

これは一部の例ということですが、例えば、どのような相談、要望が来ているかと、寄せられているかということですけども、例えば、家で子供が夜中までゲームをしているので、学校のほうで指導をしてほしいといったこと。また音楽会のピアノ伴奏、これ誰がピアノを弾くかという選考を学校でするわけですが、その選考場面を録画をして見せてほしいとこういったお話。それから近所の小学生が家の前でボール遊びをしているので、学校から注意をしてほしい。生徒の登下校のマナーが悪いので、教員が毎日、通学路に立って、指導をしてほしいといったような相談や要望などが実際に学校に多く寄せられております。また、教育委員会にも要望が寄せられているという状況です。こういったことをお断りをするということ、そういう場合も含めて、このような相談一つ一つに対応するには、かなりの時間、労力を要するということになってしまいます。

そこで申し上げましたような学校の本来の役割や教員の長時間勤務の状況を踏まえまして、改めて保護者の皆様にお願いをしたいことは、学校では子供たちが学校生活を過ごす中で、守るべき決まりやマナーについて、これは当然、指導をいたしますが、学校外での生活に起因するような問題につきましては、学校として対応することは困難、こういうことを御理解をいただきたいということです。内容に応じましては、警察や医療機関等の関係機関、専門機関に御相談をいただきたいということです。子供たちが基本的な生活習慣を身につけることができるように、御家庭での教育をお願いをしたいということであります。

それから、地域の皆様にお願いをしたいことです。

先ほども申し上げましたように、学校だけでは子供たちの成長や学びを支えていくということはできませんので、引き続き、今後も地域の皆様のお力をぜひともお貸しをいただきたいということ、それから、登下校時の見守りにつきましては、現在も多くの地域の皆様方の力に支えられておりまして、これにつきましては、大変ありがたく思っております。引き続き、子供たちを温かく見守って、支えていただきたいということをお願いをしたいと思っています。

それに加えまして、地域の皆様方には、先ほどの保護者のお願いと同様なことになりますが、子供たちの学校外での生活に起因する問題について、学校として対応することは困難でございますので、御理解をいただきたいということ、そして、よりよい学校運営のためには、地域の皆様の御理解や御協力が必要ですので、学校運営協議会等を通じた取り組みへの御参画をお願いしたいということです。

学校と地域が、これまで以上に情報共有や意見交換を図りながら、教育課題に対応して、十分に連携をし、子供たちの成長や学びを支えていきましょうということをお願いをしてまいります。

こういったことにつきましては、保護者の皆様方には「教育委員会だより」これは四半期に1回、全ての保護者に配布をしておりますものですけど、こういう便りや、今、連絡ツールで「すぐーる」というものがありますので、そういった「すぐーる」での発信をさせていただきます。

そして、地域の皆様には、地域団体の会合、定例会等の場において、直接、教育委員会から御説明の上で、お願いをして回りたいというふうに思っています。

今後も学校では、業務改革と意識改革に継続的に取り組んでまいります。保護者や地域の皆様にも御理解、御協力をいただきながら、教員の長時間勤務の解消を図って、そして学校、保護者、地域の皆さんとともに、十分に連携をしながら、子供たちの学びや成長を支えていくことができるように取り組みを強化していきたいというふうに考えております。それが1点目の長時間勤務の解消に関することです。

これからの市立高等学校について

続いて、2点目のこれからの市立高等学校についてです。

まず、市立高等学校を取り巻く状況です。

これは少子化の状況ということで、御承知のとおり現在、全国的に少子化が進行をしております。本市におきましても同様でありまして、この折れ線グラフが示しておりますように、市内の15歳人口、徐々に、徐々に減少をしていく傾向にありまして、2023年4月時点の0歳児をそのまま15年後、15歳人口というふうに仮定をした場合、8,646人となりまして、これ今より約34%、2038年度には減少するという見込みとなります。

市内には全日制高校が公立、私立合わせて、全部で50校あります。現在、県立が19校、市立が5校、私立が26校です。生徒数につきましては、全体のおおよそ13.5%に当たる4,951人が市立の全日制高校に通っています。

これは位置図ですが、市立高校として全日制5校、定時制3校の合計8校を設置しております。その中で全日制高校は東灘区に六甲アイランド高校、それから中央区に科学技術高校と葺合高校、兵庫区に神港橘高校、それから須磨区に須磨翔風高校があります。

市立の全日制高等学校5校は、学校ごとに学科というものを設置していまして、六甲アイランド高校は多様な教科を選択して学べる普通科単位制、科学技術高校は四つの専門制を持つ工業系の学科、葺合高校は普通科に加えて国際科、そして神港橘高校は商業の専門学科であるみらい商学科、須磨翔風高校は幅広い科目を選択できる総合学科単位制というものを設置しています。いずれの高校も1学級40人規模ということで、学校によって学級数は異なっておりますけど、大体、1学年7学級から9学級、規模のそこそこ大きな高校ということになります。

次に、これまでの市立高校の再編の経過というか、取り組みについてです。

今日の少子化や国際化、あるいは情報化といったことを見据えた取り組みを結構、早めから取り組んでまいりました。学科や課程に応じた魅力ある教育活動を展開し、次代を担う人材を育成をするということを目的として、1994年当時は13校、全日制が9校で、定時制は4校、合わせて13校ありましたが、そこから現在の8校に再編、統合を進めてまいりました。図の一番左側、一番左端にあります1998年の六甲アイランド高校の開校を皮切りにしまして、最近では2016年に神港橘高校、これを神港高校と兵庫商業高校を再編統合して開校をしております。

これはそれぞれの高等学校の特色ですが、六甲アイランド高校では普通科単位制を採用をしておりまして、約130科目の選択科目を開講するなど多様な学びの機会を提供しております。また、国のスーパーサイエンスハイスクールの指定校ということで、先進的な理数教育を進めています。

葺合高校におきましては、国際科を中心に海外の姉妹校との国際交流を行っています。また、市立高校8校をネットワーク化しまして、探求的な学びをする、学びを推進する事業、これは独自事業ですが「KOBE ALネットワーク事業」これの拠点校となっていまして、高校生国際会議を開会するなど海外の高校生と連携した探究活動も行っています。

須磨翔風高校では、総合学科単位制を採用して、生徒が幅広い選択科目の中から、自身の興味や関心、また将来の進路に沿った科目を選択できる、そういうシステムとなっています。

次、それから、職業高校として2校、科学技術高校と神港橘高校ですが、科学技術高校は工業の専門学科を設置しておりまして、地元企業や大学、高専と連携した専門的なキャリアプログラムや実験、体験的学習を進めています。

それから、神港橘高校では、簿記や情報処理こういったビジネスで生かせるスキル向上だけではなくって、地元企業と連携をして、インターンシップなどの課題解決型学習や実践的な学習の機会を設けています。これが今の市立高校のそれぞれの5校の特色についてです。

そういったことを前提に置きながら、一方では国においての、この高等学校の今後のあり方の課題、これまでも議論が行われてきています。普通科に在籍をする生徒が大体この4分の3、74%を占めていますが、この高校の普通科の「普通」という名称から、やはりこの画一的かつ何か一斉的な印象を持たれているということが言われています。

また、一方で、この学年が進むにつれて、いわゆる文系と理系に分かれることが多いわけですが、そうなりますと特定の教科について、十分に学習できない傾向があるということも課題とされてきました。

こういったことを受けまして、国におきましては、普通科に関する制度改正を2022年度に行いまして、教科を横断した学びや地域課題に関する学びを行うような学科を普通科として設けることができると、可能となるというような普通科改革を進めているところです。

本市におきましても、これから市立全日制高等学校のあり方について検討していくに当たりましての、これが検討の視点ということです。国際都市としての歴史、役割、あるいは少子化、グローバル化などの、この社会状況を背景にしまして、これらに対応していくために、「国際」をキーワードとした特色ある教育、あるいは文理融合の探究学習、また防災教育などの神戸ならではの教育、こういったことが上げられようかというふうに思います。

こういった教育を通じて多様性への深い理解、また発想力を生かして世界で活躍する人材の育成、あるいは他者と協働して課題を解決して、地域に貢献できる人材の育成、あるいはチャレンジ精神を持って新たな価値を創造できる人材の育成、こういった人材を育成することによって、これからの市立高等学校の特色化、魅力化を図っていくと、こういったことが、これからのあり方を考えるに当たっての検討の視点であるというふうに考えています。

そういったことで、これから市立高等学校が育成すべき人材、あるいは、そのために必要な教育のあり方、内容など、これからのあり方につきまして、幅広い分野から御意見をいただいて、市立高等学校の未来像について議論を深めるために、このたび有識者会議を設置することといたしました。

この有識者会議では、教育学や国際教育、また理数教育、あるいは防災教育等の学識経験者のほかに、地元企業で人材育成や地域連携に関わっておられる方、あるいは保護者代表など幅広い分野の専門家に御参画いただく予定としております。

1月29日に第1回の会議を開催しまして、来年度の前半にかけて四、五回行う予定としております。この有識者会議でいただいた御意見を踏まえまして、これからの市立高等学校のあり方に関する方針案を策定していきたいというふうに考えております。

私からの説明は以上です。

質疑応答

記者:

すいません、1点前半の長時間勤務の改革についてのところなんですけども、ちょっと不勉強で恐縮ですが、保護者の皆さんに周知する連絡ツール、すいません、「すぐーる」がどういったものか、少し説明していただけますか。

職員:

保護者が利用できるアプリのようになっていまして、そこに教育委員会事務局から発出する保護者向けの資料を閲覧できるというような機能になっているもので、基本的には保護者の皆様全てが、そこに登録されているというようなツールになっております。

長田教育長:

これは結構、喜んでいただいておりまして、保護者の方から。特にコロナ禍のときなどは、頻繁に連絡をする必要がありましたので、「すぐーる」でやりますと、一斉にできますので。今までは、それがない時代は、入りましたのは三、四年前、コロナ禍と一緒ぐらいですね。それまでは、紙であったり、学校からの連絡であったりしましたけど、今、学校を欠席する場合の連絡も「すぐーる」でしていくとなっています。

記者:

もう1点ちょっと関連で、「教育委員会だより」でも周知されるということですが、これは何月に発行とかも決まっているんでしょうか。

長田教育長:

四半期ごとですから、1月、いや。

職員:

「教育委員会だより」ですけれども、四半期ごとでは、なくてですね。

長田教育長:

 ごめんなさい。私が間違えました。失礼しました。

職員:

1年に、二月に1回。計6回発行してございまして、次がこの1月の下旬に発行する予定にしてございます。

記者:

そこに盛り込まれるということですかね。

職員:

そのとおりです。

記者:

分かりました。ありがとうございます。

記者:

17ページのところに学校に対する過度な要望や長時間に及ぶ苦情が増加しているっていう記述があるんですけど、これ増加しているっていう、何か数字的な変化とかっていうのって、あったりするんでしょうか。

長田教育長:

数字は今、説明できる数字は持っていますか。

特段、持ってない。

恐らくデータ的なものは、把握はできていないですか。

これは、どちらかというと学校現場からのいろんなケースごとの相談とか、要望を聞いている中での、こちら側の、教育委員会側の受け止めということになろうかと思いますけど、やはり、とにかく度を過ぎた、度を超えたような要望とか、あるいは非常に長時間、例えば、4時間、5時間になるような日が、夜7時ぐらいに学校にお見えになって、12時、0時を越えるとか、そういうケースも数件聞いておりますので、増えているということは、間違いはないと思いますけど。すいません、それを客観的に証明するというデータということではないと思います。

記者:

おっしゃるとおり学校業務の線引きっていうのは非常に重要な課題だとは思っているんですけれども、これ非常にお答えしづらい質問だと思うんですけど、これ最近こういった苦情が増加している背景として、何か教育長お考えの背景とかってあったりしますか。

長田教育長:

非常に難しいですし、言いづらいところはありますが、やっぱり一つは、核家族化が進んだ。そして、地域によって違うでしょうけれども、やはりある地域によっては、その地域の力というものが、やはり少し昔よりはなくなってきている。そういった複合的な要因というのがあると思いますけど、今までであれば、そういう学校外の生活に関する問題、相談事いうのは地域で解決をしたり、あるいは当然、家庭で、特におじいちゃん、おばあちゃんが近くにおれば、そういった祖父母の力も借りて子供の教育ができていたということだろうと思いますけども、やはり今はそういったところが、誰がということではないのかも分かりませんが、相対的に希薄化をして、持って行き場のないものが、子供のことであれば、とにかく学校へという風潮が強くなってきているのではないか。これは恐らく神戸だけではなくて、大まかな傾向としては全国的にも同じではないかというふうに思っています。

記者:

あと、保護者の方に対する要望の文章を後ろのほうに添付していただいているんですけれども、こういった保護者の方に対する直接的な要望みたいなものっていうのは、過去に市として例はあるんでしょうか。

長田教育長:

今回のような要望、苦情に関することのお願いというのは、「教育委員会だより」に1回載せたことは、さらっと載せたことはありますね。たしか、お願いというようなことで載せたことはありますが、こういう本格的な格好で、保護者の方にお願いをしたことはありません。ましてや、先ほどの「すぐーる」でお願いしようというのは初めてのこと。

ただ、働き方改革への理解ということでは、何回も何回もお願いはしてきております。例えば、時間外の先ほどいいました電話のアナウンス機能とか、そういったこととか取り組みに対する御理解のお願いは、当然してきております。

記者:

あと、この保護者の方に配る中で、例えば、全国的な教員の成り手不足のフレーズですとか、深刻な課題で立ち行かなくなることが危惧されますと、かなり強い言葉で表現されているなという印象を受けたんですけれども、改めて教育長の、この教員不足に対する問題意識のところを、ちょっと重なる部分は多々あると思うんですけど、伺っていいですか。

長田教育長:

そうですね、やはりこの過酷な勤務ということが、非常に今、報道等も含めて、今の若い学生さんは、非常に詳しく知っておられるんではないか。特によく聞きますが、教育系の大学でも教員を志望しない方がやっぱり一定数おられて、かなり増えてきているというような話も聞きます。

そういう意味で、もちろん処遇という問題もあるのかも分かりませんが、やはりやりがいですね。仕事のやりがい、そういったものよりも、とにかく過酷な勤務を敬遠するということがイメージとして、かなり定着といいますか、刷り込まれてしまっているんではないか。そういうところが非常に危惧をしているところですので、私たちも教員のやりがいということについては、これから私たちなりに発信をしていかないといけないと思いますけれども、こういったことで、いかに成り手を増やしていくか、志願者を増やしていくかということにつきましては、やはりこの学校を取り巻く状況、学校にとにかく業務が肥大化していると、これを少しでもスリムというか、本来の形に戻していくと、こういうことをしなければ、教員の成り手不足というのは、根本的に解消しないのではないかということを考えていることで、こういう呼びかけをさせていただきたいということです。

記者:

分かりました。ありがとうございます。

記者:

教員のこの長時間労働、全国的な問題になっているかと思うんですけども、現場としてできることを、一つ一つ今、丁寧に積み上げられている段階かと思うんですけども、中長期的に見ると、やっぱり制度的な問題というか、大きく教員の働き方そのものを制度的に変えてくことも考えてく時期に今は来ているのかなという気もするんですけども、教育長のお考えとしては、国に対して、やっぱりこういうところを変えてほしいっていうのが、たくさんあるかもしれないんですけども、ポイントを絞ればどんなところがありますでしょうか。

長田教育長:

先日、盛山文部科学大臣も神戸にお見えになられて、そのときに私も市長と同席をさせていただいて、この話をさせていただきました。

この話というのは、保護者や地域に今の現状を御説明した上で、今日、申し上げたようなことを呼びかけていきますと、御理解、御協力を呼びかけていきますということです。私から申し上げたのは、国におかれても、ぜひ国民に対して、そういうお願いをしていただければありがたいということを申し上げました。

やはり神戸市としては、教育委員会としては、当然呼びかけていきますが、やはりさっきも申し上げたように、学校の業務が肥大化をしてきているので、それを減らさないといけない。もちろん学校で子供に教え、教えるというか、学習指導要領も肥大化をしてきています。それは恐らく国のほうでも一定認識はされているはずです。それをある程度、整理をしていただく必要があると思っていますけども。やはり国、文科省が示しておられるような本来、学校がやるべきこと、これは学校以外の誰か、教員以外の誰かでもできることとか、もちろん分類はしていただいていますけども、そもそも学校に持ってくるものを減らしていく。その中でICT化も含めて、特にこの教員が一番嫌がっているのは事務、事務的なもの、事務処理的なもの、こういったことは教育委員会に引き上げるなり、あるいはICT化を進めるなりして、できるだけ負担を軽減していく。当然、教員の意識改革もそういった見直し、見つめ直しをする中で進めていく。

それについては本市におきましても、今やっております「令和の時代の学校の業務と活動」ということで、第1弾、第2弾、第3弾と進めておりますので、それはそれで学校としてもやっていきます。

ただ、やはり地域の方々、保護者の方々にも、そのあたりを十分に御理解をいただかないと根本的な長時間労働の解消ということには至らない、いうふうに思っておりますので、私が今日、申し上げたかったのは、そういったこと、トータル的な話ということでございます。

記者:

あと、この苦情とか、いろんなクレームとかもあると思うんですけども、大きく分けるとある程度、先生方の立場からすると、学校の業務では多分ないんだけども、不満とか、不安は分かるなっていうケースと、明らかにちょっと度を超えたクレームといいますか、そういうのもやっぱりあると思うんですね。そういうケースは、ものすごく多分、労力もかかるし、時間も取られると思うんですけども、例えば、これなかなか、ちょっと教員の世界は難しいのかもしれませんけど、一般企業とかでしたら、例えば、明らかなクレームとかそういう、それを受け付ける部署をつくったりとか、外部委託をするとか。市役所でも、例えば今、代表番号を作って、とりあえずそこで前さばきをしていただいて、その担当部署につなぐものだけを選んだ上で、つなぐというふうにされているかと思うんですけども、なかなかそういうシステマティックなやり方っていうのは、やっぱりちょっとなじまないというお考えでしょうか。

長田教育長:

そうですね、それをやってしまいますと学校が本来、まずはやっぱり一時的にそういう御相談を保護者の方から受け付けるということを奪ってしまうというようなことにもなりますから、学校と保護者や地域との先ほどの連携とか、そういうことからいうと、私はその姿、形というのは適切ではないんではないかと思っています。

ただ、もちろんそれで放置しておくということではなくって、実は今「お困りごとポスト」ということで、教育委員会に保護者や児童生徒から直接、学校になかなか相談しにくいこと、あるいは学校に相談してもうまく解決ができないような、対応してもらえないこと、お困り事は持ってきてくださいというシステムを昨年、設けております。これはメールでも結構ですし、お手紙でもいいということで、「お困りごとポスト」でも結構、今かなりの件数を頂戴しておりまして、それに丁寧に対応をしておりますので、やはり専門の部署を設けるというよりも、そういう複線的なルートを設けて対応していく。

でも、普段の、日々の困り事、悩み事、あるいは相談事を学校のほうでしっかり受け止めて、それには丁寧に対応していく。それがやはり寄り添った対応であり、子供を自立、あるいは主体的な大人に導いていくということにつながるんではないかという、そういう気がしております。

記者:

あと1点だけ、すいません、この問題に関連して、やはり教員不足の問題、特に臨時教員が、確保が難しいっていうのも、これも全国的な課題かと思うんですけども、この教員不足について、やはりこの長時間労働が、やはり今の、特に若い方からすると敬遠されてるとお話がありましたけど、それが一番やっぱり大きな原因と見てらっしゃいますでしょうか。

長田教育長:

そうですね。やはりそうだと思います。特にそれと長時間労働、時間だけの問題だけではなくって、やはり大体この、先ほども紹介しましたような、この休職者が増えているという中身を分析していますと、やはり保護者対応に、かなり気を遣っているといいますか、重荷に感じているというケースも多いようですので、そういう意味でやはり時間と中身の問題、両方ではないかなと思います。

先ほども過度な要望とかいうお話がありましたけれども、例えば、いじめ事案への対応ですとか、あるいは教員が不適切な指導をしたとか、こういう場合は当然、学校も責任を持って、しっかりと対応しなければいけませんけれども、その中でもやはり過度な要望、度を超えた対応というものについては、やはり毅然とした対応をする必要があるというふうにも思います。それは不十分な、どっかで打ち切るということではなくって、やっぱり常識的な範囲で、今日はこの時間で終わりましょうと、また持ち越して明日、翌日、あるいはお約束した日を設けて、きちんと対応をするということをすればいいわけですから、とことん、そういう何か人間の尊厳を無視したようなそういう行いに対しては、毅然とした対応をするべきではないかと思っておりますが、なかなかこれ実は学校教員は、そういったことをやりにくいと思っているのか、したくないと思っているのか非常に、いわゆる保護者の方々を大切にします。大切にすることはいいんですけれども、そこまで至った事案については、私は必要以上にそういった対応をする必要はないということを申し上げていますが、なかなか、ぴしっと切るということは、やりにくいような面もあるように聞いています。

記者:

ありがとうございました。

記者:

教育長、重複して、本当に何度もすみません。コメントとしていただきたいんですけども、今回、第3弾の取り組みが教員であったりとか、子供たちにとって、どういうものにつながれば、どういう教育につながればいいか、改めてコメントとしていただけますでしょうか。

長田教育長:

第3弾の取り組みは、これ今までも1弾、2弾とやってきておりまして、かなりいろんなメニューをやってきております。

第3弾は、今回の一つ、主なやつだけを上げておりますが、これ以外にもたくさんありますが、一つ目の給食費の徴収・管理業務を事務局へ、いわゆる給食費を公会計化するということで、公会計化をして今まで現場で、今も口座振替でやっておりますけれども、例えば、この督促とか、催促、そういったこと現場でやっておりましたけども、それを全部、事務局のほうに引き上げる。給食については、できるだけ、この学校現場での、そういったお金にかかるような負担がないようにしていこうということです。それは非常に効果が大きいと聞いております。

それから、入試出願事務の見直しにつきましては、高校入試につきまして、これは県立高校と市立高校、同じ関係でやっておりますので、ちょっと今日の段階では詳しくは言えませんけれども、例えば、入試に当たってのお金の支払いとか、あるいは願書を出す、そういったシステム化といったようなことで保護者や生徒、あるいは学校側の負担を軽くしていくということで、学校側の事務の見直しということについては、かなり効果があるんではないかというふうに思っています。これは非常に両方とも現場からのニーズといいますか、要望が強かったもの2点です。こういったことを中心にやっていきたいと思います。

これはぶつ切りにやっているのではなくって、毎年、毎年、1弾、2弾、3弾とこうやっておりますので、これをそれぞれの学校で、教員の間で対話を重ねながら、取り組みをより効果的なものにしていくというふうにやっておりますから、こういったことは継続的にこれからも続けていきたいと。そういう中で教員の意識改革ということについても、図られるんではないかというふうに思っています。

記者:

そういった教員の意識改革というのが、子供たちにとっても大きな影響を与えるかと思うんですけども子供たちにとって、どういう効果があるとお考えでしょうか。

長田教育長:

やはりこういったことで業務改善がなされていきますと、当然、時間的なゆとりが出てきます。先ほども学校の役割、教員の役割、申し上げましたけど、やはり教員として大切なことは、このスローガンにもありましたけど、要は「子供も先生も笑顔で過ごせる学校」ですから、子供はやはり先生の姿を見ていますよね。顔色もそうです。いきいきと働いているかどうか。これは子供に与える影響は、非常に大きいです。そういう意味で、やはりゆとりをつくる。そして、それを、もちろんワークライフバランスで自分自身の生活を豊かにしてもらわないといけませんけれども、一方では、これまで業務をしていた、それが負担軽減されることで、子供に向き合う時間が当然できるわけです。子供に寄り添って、向き合う、その中で子供と対話をしながら、子供をよりよい方向に導いていく、そういうのが目指すべき究極的な目標だということだと思いますので、そういう意味では、非常に効果は大きいというふうに思っています。

記者:

ありがとうございました。

記者:

休職者が1.5倍に増えているっていう要因は、先ほどお話しいただいた保護者対応に、かなり気を遣っているっていうのが大きな要因ということでよろしいんでしょうか。ほかに何か考えられる要因は、ありますでしょうか。

長田教育長:

保護者対応も大きな要因なんですけど、それだけではなくって、やはり最近、若手教員が増えております。当然、教員の採用者数も非常に大幅に増やしましたので、若手教員が増えている。これ分析してみますと、20代では女性の率が高いです。逆に50代ぐらいになりますと男性の率が高い。ですから一概にそういう年齢層、あるいは男女の別で、一概にどうだということはありますけど、やっぱり若手にとっては、なかなか保護者対応で非常に負担を強いられる。苦労することが多いということは言えようかと思います。

それ以外にも当然、小学校と中学校で校種によっても、やはり状況が違います。やはり小学校は担任制となっておりますから、非常にこの若手教員、経験のない教員にとっては負担が大きい。中学校は教科制ですので、自分の担当する教科を授業する、指導するということですけれども、そういった校種によっても違いますが、特にやはり気になるのは小学校の担任。

そういうこともあって、今年度からチーム担任制ということをモデル的に始めております。これは一人がずっと、例えば、1年1組を、今1年生はやってないですね、5年、6年ですね。小学校の高学年、あるいは中学校でやっていますけど、例えば、6年1組をずっと担任するというのではなくって、例えば、3クラスありましたら、4人ぐらいの教員でその3クラスを1週間ごとに交代する、あるいは定期的に交代をしていくと、そういうようなことで、できるだけ多くの目で子供たちを見ていく。そして、教員間で情報の共有を図っていく。それが一人一人の教員の、この業務の平準化にもつながりますし、負担という意味での軽減にもつながると。

昨年の4月から始めて、今年は小学校2校、中学校2校でモデル的にやっておりますが、また年度末にもアンケートを取る予定にしておりますけど、昨年末の段階では、児童生徒や保護者からも評判がいいというふうに聞いておりますので、来年度は少し拡大ができたらいいなというふうに思っています。

そういうことをやっていく中で、教員の負担感の軽減ということも図られていくというふうに思っています。

記者:

先ほど最初にお話しいただいた20代は女性が多くて、50代が男性が多いというのは、何かそれはどういったことに影響しているというか、どういった。

長田教育長:

今年メンタルヘルス対策につきましては、文科省の研究委託事業ですか、を受けてやっておりますので、まだ全てのことが実施はできていませんけども、休職者の状況を分析した、データ上分析した結果では、今、私が申し上げたようなことになっておりまして、その背景とか原因までは、まだ全て分析はできていないですね。

今後それも含めて、分析をしていく必要があると思っています。

記者:

分かりました。ありがとうございます。

記者:

5ページの小学校と中学校の先生方の残業の時間を見ていたのですが、これやっぱり中学校のほうが長いなっていうのは、これは部活動が影響しているのかなと思うんですけども、地域移行は始まっている段階で、それがなくなると前のページのグラフ見ると2時間ぐらい部活動に費やしていて、1週間、多分、週3回とかの部活動だと大分、削られるのかなと思うんですけども、そこでの負担軽減というのは、どういうふうに考え、やっぱり大きいものなのか。どういうふうにお考えなんでしょうか。

長田教育長:

地域移行になっていくとですね。

記者:

部活動の負担感というか。

長田教育長:

やはりおっしゃったように中学校はこの長時間勤務、これ部活動の影響が非常に大きい、これは間違いないです。もちろん、これまでガイドライン、部活動のガイドラインもつくって、ただ水曜は休む、それから土曜日、日曜日のいずれかは休みということでやってきまして、小学校だけではなくて、中学校もこの5年間ぐらいで一定改善は進んできております。

ただ、やはり抜本的には中学校の場合は、やっぱり部活動をどうするかということが一番の課題だと思います。

本市における現状としましては、今年度は部活動の移行のモデル事業的なもの垂水区で実施をしておりまして、五つの中学校が合同クラブ活動というようなことでやっております。その中に地域の指導者の方にお入りいただいて、指導していただくというようなことを進めています。これを全市的に、ほかの区にもやっていくということになっていくわけですけど、やはり課題は受皿団体、指導も含めて受皿、どなたに担っていただくのか。これまずは、部活動の地域移行は休日だけの話ですけども、土曜か日曜の話ですが、それにしても、そんなにすんなりとはいきません。

それからあとは、保護者負担の問題。今は部活動は、いえば道具代、あるいは遠征したり、交通費は、旅費的なものは負担いただく必要はありますが、それ以外のものは当然、無料、無償なわけですね。ですから、ほかのスポーツクラブとかに通えば当然、結構なお値段がするわけですけど、それはもちろん無料になっておりますから。

ただ、地域移行になりますと当然そこの負担の問題が出てきます。そういったことが課題としてありますけれども、国のほうで方針、方向性を示しておられるように、本市におきましても、まずは土日の地域移行というものを進めていく。

ただ、部活動そのもの、例えば平日の部活動は残るわけですね。休日だけやりましても、平日が残ると。そうなると土日と休日とで位置づけ、土日と平日とで位置づけが異なってきます。平日は、これはもう学校下における部活動、土日は、いわば地域のスポーツ活動なり、文化活動、こういったことになりますから、十分連携をしながら、その期間は連携をして、どう引き継いだり、どういうふうにそれぞれを運営していくのかという課題は当然残ってきます。

その先に平日も含めた全体の地域移行ということになろうかと思いますけど、なかなか一筋縄ではいかないんではないかというふうには思っていますが、やはりこれを解決といいますか、対応していかないと中学校のこの長時間勤務は減っていかない。

ましてや最近、運動部なり文化部も経験がない、顧問になるにしても、経験がないという教員ももう非常に増えてきていますので、できればなかなか顧問は勘弁してほしいというような教員は、かなり増えてきているのはアンケート上も出てきておりますから、そういったことを念頭に置いて地域移行を進めていきたいと思っています。

記者:

あと1点だけ、若手の職員の現場の負担についてだったんですけど、何か我々が今、昔受けてきた教育とは大分がらりと変わっていって、例えば、タブレットだとか、学習指導要領の改訂だとかで、がらりと変わっていると思うんです。そうなったときに若手の人に頼らざるを得ないとか、そういう状況もあるのかなと思って、若手の職員の負担も増えているのかなとも思ったんですが、若手の職員さんだから負担が増えているみたいな現場の声みたいなのってあるもんですかね。

長田教育長:

当然、学校の中で校務分掌というのを決めますから、例えば、生徒指導の担当とかそういったことで、教科担当とかを決めますので、若手教員にしわ寄せがいっているということはないと思います。

ただ、若手のほうが当然、ICTの知識にたけていたり、そうところはありますから、そういう意味で中高年の教員が、逆に若手のスキルをちょっと教えてほしいとか、助けてほしいみたいなことはあるかも分かりません。

ただ、我々が一番この働き方改革なり、長時間勤務の関係で気にしておりますのは、そういう一人とか、ある一定の教員に業務が集中してはいけない。できるだけ標準化、平準化していきましょうということをやっておりますので、こういった職であれば基本的な業務はこうですよ、今までは教頭にもかなり業務が集中していましたけども、それは共同でないといけない業務については、教員で分担していきましょうとか、業務の標準化、平準化というのを進めておりますので、若手教員につきましても、そういったことで負担が集中しないようにしないと、先ほどの病気休職者、精神疾患も含めて、そういったメンタルヘルス対策にも十分配慮をしていかないといけないというふうに思っています。

記者:

ありがとうございます。

記者:

市立高校のこれからのあり方の検討という部分で、確認させていただきたいんですが、資料では主に全日制の高校の今の状況とか、特色を説明していただいていると思うんですけれども、有識者会議で中心的に検討していくのも、この全日制5校についてという理解でよろしいでしょうか。

長田教育長:

そうですね、定時制高校も3校ありますけど、これは既に5年ぐらい前ですか、一応、有識者の方々に御意見もいただいていますので、もちろん定時制高校の在り方の、ついての検討はしていかなければいけないと思っていますが、今回はあくまで全日制高校5校、しかもその中では、特に普通科の改革というか、普通科をどうするかということに一番力を入れていきたいというふうに思っています。

記者:

今、普通科があるのが六甲アイランド校と葺合校の2校になるかと思うんですけれども。

長田教育長:

そうですね。

記者:

これまでに再編して、委託してきた経緯っていうのも御説明いただいていますが、この会議では、いわゆる再編、統合みたいな部分っていうのは、検討されるんでしょうか。

長田教育長:

再編、統合をかなり他に先んじてやってきておりますが、当然、先ほど一番、最初のお示ししましたように、子供の数が3分の1ぐらいになるわけですね。したがいまして、こういったことを踏まえた検討は当然していただく必要があると思っています。

ただ、今の私どもの市立高校の現状を見ますと、非常にこれまで努力を重ねてきたことによって、志望者はかなり多いんです。倍率は非常に、この県下のほかの公立高校の中でも、非常にありがたいことに高倍率となっております。

そういう意味で、まずは学校の統廃合ということではなくって、一定のこの少子化に対応していくために、クラス数の削減、スリム化はしていかないといけないと思いますが、まずは今の普通科を中心に高等学校をどうしていくのかということがメインになろうかと思います。

ただ、お示ししたように3分の1ぐらいに生徒数が減ると、2040年頃のことも見据えた議論も、やはり一定は必要だろうと。このあたりまでいきますと、やはり当然、学校の統廃合ということは当然、考えなければいけないと思います。これは市立高校だけではなく、公立高校全体にいえることだと思いますけど、そういうことで当然こういうデータも示した上で、まずは当面どういう対策をしていくのか。そして、将来的には、将来といっても、もう15年後、20年後の話ですから、どういう絵姿を描いていくのかということの御意見はいただきたいと思っています。

記者:

ありがとうございました。

記者:

教育長にちょっと御見解をお伺いしたいことが1点ありまして、教員の長時間労働をやっぱり考える上で、給特法の存在っていうのは、もう前提として欠かせないと思うんですが、今その給特法の改正に向けて文科省が、来春にその調整額を現行の4%から引き上げるっていう議論を進めていると思うんですけども、一方で、もう現役の教員の方は、もうやはり定額働かせ放題って揶揄されている、もうその給特法自体をもう廃止すべきだっていう声が上がっているっていうのもあります。

教育長には、廃止させるのか、存続させるのかっていうところだったり、改正するのであれば、どういった部分を改正させるべきなのかっていう御所見をお伺いできればと思います。

長田教育長:

なかなか言いにくい面もありますけれども、報道でされているようなことしか私も詳細は存じ上げておりません。ただ、国のほうでようやく、この給特法の、あるいは処遇の議論が進んできたというのは、非常に喜ばしいことだと思っています。当然、そこだけを見ますと、仮に4%が10%に上がるのであれば、それはそれで喜ばしいことだと思っています。

ただ、給特法のそもそもの廃止という御意見もあるということも承知をしておりますが、当然そういった御意見はあろうかと思いますけども、片一方で廃止をして、いわゆる学校でこの教員の労働管理といいますか、そういったことをどんなふうにできていくのか、できるのか。また、それがどういった結果になっていくのか、効果になるのか、あるいは、どうなのかといったことは、少し私はよくそのあたりのことは分かりませんけれども、十分に考えていく必要があるのではないかという気も一方ではいたします。

当然、超過勤務扱いで、それが超過勤務手当につながるということになれば、教員の働き方としても根本から、全く変わってくるわけですので、その場合には、やはり管理職を筆頭に、その労務管理的な人事管理も含めて、いろんな影響といいますか、やらなければいけないこと、あるいは影響が出てくると思いますので、そういったことも十分踏まえた上で、どうあるべきかの議論をもう少し全体的といいますか、いろんなところで議論をした上で、よりよい方向に改正をしていっていただきたいというふうな気がいたします。

記者:

廃止されたときの、じゃあ教員の働き方っていうか、じゃあ給与形態がどうなるのかっていうところの、やっぱりイメージがなかなかしづらい部分があるのかなっていうのが、今の御発言の真意なのかなと思ったんですけれども、ただ部活動にしても、地域移行するとかっていうような対策は練られていますけど、これまでそれが自主的活動っていうふうに言われていて、教員の努力が自主的な活動っていうふうにとどめられているっていうのは、何かもう少し働き方を評価すべきなのかなとは思っているんですけれども、その点どのようにお考えでしょうか。

長田教育長:

いや、私はそこについては同じです。非常にそういう意味では、今の位置づけが非常に宙ぶらりんというか、中途半端といいますか、もう少しそこは明確にしたほうがいいんじゃないかと思います。

やはり教員は、そういう意味では、本当に自らを犠牲にして、ある意味ボランティア、ボランティアではないんですが、ただ要は時間外労働としては位置づけられていない中で、よくやってくれていると思いますけれども、やっぱりそのあたりは教員以外の、学校以外のほかの社会では考えられないような仕組み、システムだということは、これは残念ながらそういうことだと思いますので、そこはやはりもう少し、現場を預かる我々とすると線引きをしっかりとやってもらいたいというのは本音のところではあります。

記者:

ありがとうございます。

 

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