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2023年度(7~9月)神戸市民病院機構における医療事故

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記者資料提供(2024年2月2日)
健康局地域医療課

神戸市民病院機構における医療事故の公表に関する指針に該当する事案(医療側に過失が認められるレベルA以上の事案等)は以下のとおりです。

1.事象レベル別件数(2023年7月~9月)

レベル 件数 態様
A 2 予期しなかった、もしくは予期していたものを上回る濃厚な処置や治療の必要性が生じた場合
B 0 予期しなかった、もしくは予期していたものを上回る永続的な障害や後遺症が残り、有意な機能障害を伴う場合
C 0 事故が死因となる場合(原疾患の自然経過によるものを除く)

2.公表事案①

(1)レベル:A
(2)発生年月:2023年8月
(3)発生場所:神戸市立医療センター西市民病院
(4)発生状況と経緯:
・化膿性脊椎炎(注1)の疑いで抗生剤加療中の患者(80代女性)。心不全の既往症があり、ワーファリン(注2)を内服。
・入院中に呼吸苦の訴えがあり検査の結果、肺胞出血を起こしていたことが判明。
(5)対応・処置:
・採血検査の結果、血液の固まりにくさを示す数値に顕著な上昇が認められたため、ワーファリンの投与を中止し、出血を抑制する処置を施行。
(6)今後の対策:
・ワーファリン等の抗凝固薬内服患者の治療中は血液の状態が適切にコントロールできているかを細かくモニタリングする。

(注1)脊椎が細菌に感染。主に腰痛が起こり、進行すると手足のしびれや感覚の障害が発生する。
(注2)血液を固まりにくくし、血栓の発生を防ぐ薬。

3.公表事案②

(1)レベル:A
(2)発生年月:2023年9月
(3)発生場所:神戸市立西神戸医療センター
(4)発生状況と経緯:
・卵巣腫瘍の手術後、麻酔投与中の患者(30代女性)。両下肢のむくみが顕著であったため、弾性包帯を着用し間欠的圧迫法(注3)を実施。
・患者から下肢の痺れ・疼痛の訴えがあったが、麻酔によるものと考え下肢の運動を促す等の対応を行い、包帯の巻き直しは行わなかった。
・下肢に圧痕・発赤・疼痛が確認されたため、包帯の巻き直しを実施。翌日の診察で腓骨神経・脛骨神経障害と診断。
(5)対応・処置:
・神経障害治療薬の処方とリハビリを実施。
(6)今後の対策:
・各勤務帯での状況の観察と包帯の巻き直し(1日2回)を徹底する。
・弾性包帯使用時の神経障害について、全看護職員に再度注意喚起の実施。

(注3)フットポンプで間隔を置いて繰り返し空気を出し入れし、血栓の発生を防ぐ

参考:公表に関する指針

公表に当たっては患者さん及びご家族が特定・識別されないよう、個人情報の保護に最大限の配慮を行いつつ、事案の内容について一定の範囲で公表を行っています。
神戸市民病院機構における医療事故の公表に関する指針は、神戸市民病院機構のホームページをご覧ください。
<公表に関する指針>
URL:http://www.kcho.jp/media/pdf/disclosure/anzen/300701shishin.pdf