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神戸医療産業都市　医療関連企業の進出－MiRXES Japan 株式会社－

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記者資料提供（2024年5月31日）
企画調整局医療産業都市部

趣旨

このたび、シンガポールのバイオテクノロジー企業である「MiRXES Japan 株式会社」が、リキッドバイオプシー（注1）のマルチオミックス解析技術（注2）を活用した事業を展開するための拠点を神戸・ポートアイランドに設置することになりましたので、お知らせいたします。同社は特許技術であるID3EAL^TMによりデザインしたプライマー（注3）を用いて、微量なマイクロRNA（注4）のプロファイリング解析を可能にしました。この高精度なマイクロRNA解析の商品・サービスや、次世代シーケンス解析（注5）の受託サービス、血中のマイクロRNAによる肺がん・胃がんのリスクスクリーニング検査サービスを行っています。

（注1）リキッドバイオプシー：

血液や唾液など生体から採取することが可能な液性の検体。さまざまな生体物質（核酸、タンパク質、脂質など）を含み、バイオマーカーとして利用することで健康状態を解析する手段として注目されている。

（注2）マルチオミックス解析：

特定の生体物質（mRNAやタンパク質など）を網羅的に解析するオミックス解析を複数行い、統合的な解析を行う技術。MiRXESでは、基盤技術であるmiRNAのプロファイリングとNGSによる細胞外DNAの修飾、特定のタンパク質量を解析することでリキッドバイオプシーに特化したバイオマーカーの探索と商品化の実装を行なっている。

（注3）プライマー：

個々のマイクロRNAの存在量を測定するqPCR解析に利用するオリゴヌクレオチド。逆転写酵素およびDNAポリメラーゼが鋳型となる核酸の配列をもとに伸長反応を行うために必須なコンポーネントであり、配列の設計により標的の核酸の逆転写および増幅反応を特異的に行うことができる。他社の商品ではユニバーサル（すべてのマイクロRNAに対して共通）なプライマーを利用しているため、標的以外のRNAも誤って検出する可能性がある。一方で、MiRXESのID3EAL^TMでは、ゲノム上に1000種以上存在する個々のマイクロRNAにすべてに対して、成熟したマイクロRNAを特異的に認識できるステムループ構造を有したRTプライマーと、このRTプライマーの配列をカバーしたPCR反応用の2つのプライマーの計3種を独自のアルゴリズムで設計し、用いることで高い特異性、感度、再現性の解析を実現している。

（注4）マイクロRNA：

21-25塩基と非常に短い一本鎖RNAで、mRNAなどに作用することで遺伝子発現を抑制することで、細胞分化や発生、疾患などさまざまな生命現象に関与する。近年では、細胞外に能動的に放出されることで、細胞外小胞の取り込みなどで別の細胞内で機能する細胞間コミュニケーションを担う分子としての例も報告されている。

（注5）次世代シーケンス解析：

ゲノム配列を高速で解読する解析。