記者資料提供(2024年5月7日)
建築住宅局建築指導部安全対策課
適切な管理が行われていない空き家及び空き地は、防災、防犯、衛生、景観等の地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼします。このことを踏まえ、市では「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下、「法」という)及び「神戸市空家空地対策の推進に関する条例」(以下、「条例」という)に基づき、2016年度から、適切に管理されていない空き家・空き地に対する改善依頼や指導等に取組んでいます。
このたび、2023年度の取組み状況等をまとめましたので公表します。
1 2023年度の改善指導等の取組み
適切な管理が行われず改善を要する空き家・空き地のうち、所有者等が判明したものについては、自主的な改善を依頼しています。
※改善されない場合は、周辺への悪影響の程度に応じて法・条例に基づく指導、勧告、命令、公表を行い、改善を求めています。また、代執行による解体除却や応急的危険回避措置を市で実施する場合があります。
<特定空家空地等に対する措置の流れ>
件数は、空家等(老朽危険家屋を含む)・空地等の合計
2 2023年度の主な改善事例
(1)所有者等による自主的改善
法・条例に基づく改善指導により改善した事例
(2)市による改善
生命、身体又は財産に著しい危険が切迫し放置できないため、市が所有者等に代わり解体除却を実施(代執行)した事例
(3)老朽空家等解体補助
生活環境への悪影響を未然に防ぐとともに、健全で快適なまちづくりを推進するため、活用見込みが乏しく腐朽・破損のある空き家等を対象に、解体費用の補助を行いました。
解体補助実績戸数(件数)…832戸(572件)
2019年度からの累計…3,260戸(2,201件)
3 2023年度末時点で適切に管理されていない空き家・空き地に関する対応状況
〇空家空地の改善件数等(累計)(2016年度~2023年度)
4 今後の取り組み
〇弁護士を含む空き家対策特命チームによる財産管理制度の積極的活用
法改正により、市長が財産管理人の選任等を申し立てることが可能と明記されました。建築住宅局に弁護士を含む9名の特命チームを新設し、専門的な法知識に基づき、この財産管理制度(※)などを活用していきます。特命チームでは、所有者の病気等や相続人全員の相続放棄などの理由により改善が見られない「危険空き家」や、所有者が不明・不在で状態が改善される見込みがない「所有者不明空き家」を対象とし、財産管理制度を集中的に活用することにより危険空き家・所有者不明空き家の早期改善を推進します。(2024年4月1日新設)
(※)財産管理制度…土地建物の管理が不適当な場合や、所有者の所在や相続人が不明な場合に、裁判所が選任した財産管理人が当事者に代わって財産の保存や処分を行う制度