都市と農村での循環型社会

最終更新日:2024年1月20日

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都市と農村の交流

全国的に、郊外住宅地のオールドタウン化や、農村集落の人口減少・高齢化が進む中、神戸市ではニュータウンと隣接して広がる農村・里山地域の地理的特性を活かし、これらの交流を図る新たな魅力づくりを進めています。
例えば、ニュータウンと農村地域を結ぶ既存の路線バスで、農村地域からは新鮮な野菜を、ニュータウンからは商業施設の商品を相互に運ぶ「貨客混載」が始まりました。また、里山地域には、歴史ある神社や仏閣、そして全国でもトップクラスとなる800棟もの茅葺き民家が残されており、周辺で暮らす住民や訪れる方々の魅力にもつながっています。
都心に近接する里山・農村暮らしができるのは、神戸ならではのメリットです。こういった暮らしを推進するため、様々な支援を行っています。働きながらでも研修を受けて小規模な農業をスタートできる「神戸ネクストファーマー制度」により新規就農者を増やし、里山エリアの既存建築物を活用したカフェやレストランが開設しやすいように規制を緩和しました。
都市と農村の交流を進め、神戸の郊外における新たなライフスタイルの魅力を高めることで、農村・里山地域を含めた持続可能なまちづくりを行っていきます。

08_雄岡山・雌岡山
 

こうべ再生リンの活用

農作物の成長に欠かせない栄養素は、「窒素」「リン」「カリウム」の3種類で、肥料の三大要素ともいわれています。しかしながら、日本ではこれら肥料の原料をほぼ全量輸入に頼っています。
神戸市では、肥料の原料となる「リン」を下水から取り出すことに成功し、これを「こうべ再生リン」と呼び、肥料として利用する取り組みを進めています。これを使って、キャベツやブロッコリー、スイートコーンといった神戸の野菜ブランド「こうべ旬菜」や、市内の学校給食にも使われているお米「きぬむすめ」の栽培などに利用されています。
私たちの食べたものに含まれる「リン」が、廃棄物にならずに市内の農家のみなさんに肥料として利用され、再び私たちの食卓に届けられる、そのような資源循環のまちを「こうべ再生リン」を通して実現していきます。


09_こうべ再生リン
 

森林エリアの木材を活用

神戸市は港町でありながら、森林エリアが市全体の約4割を占めています。森林を守り育てていくには、森林を適切に伐採し、若返らせていくことが大切です。
また、伐採により発生する木材の活用まで含んだサイクルも重要です。
そこで、神戸市では、森林の整備と伐採された神戸市産木材の活用までを一つのサイクルとして捉え、森林整備、木材の流通・加工や活用などに関わる様々なプレーヤーが繋がる「こうべ森と木のプラットフォーム」を立ち上げています。
木材の需給のマッチング、神戸市産材の普及、森林所有者への支援、人材育成などに取り組み、森林整備と木材活用の資源循環の実現を目指します。

10_六甲山最高峰トイレ