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最終更新日:2024年10月28日
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神戸市経理適正化外部検証委員会から神戸市長あてに提出されました報告書を、下記PDFファイルのとおり掲載しています。
「神戸市経理適正化外部検証委員会報告書」(PDF:972KB)
環境局において、物品調達事務に携わる職員が、消耗品の架空発注等の法令違反の公金支出を繰り返し、数千万円にもおよぶ多額の損害を市に与えるという不祥事が発生した。市は、この不祥事を受け、全庁的な実態把握を行なうため、物品調達に関する経理事務について緊急内部調査を実施した。その結果、過去6年間で、市の168の所属において、合計約2億1千万円の不適正な経理処理が行われていたことが確認された。
不適正な経理処理は市民の信頼を裏切るものであり、二度と不適正な経理処理を発生させないために職員で構成する市内部の検討委員会での議論を踏まえ、2010年6月に市として「事故の再発防止策」を策定した。
「事故の再発防止策」では、環境局での私的流用の不祥事の発生要因として、
などと分析し、これに基づき、新様式の「物品購入等発注書」を策定し、口頭での発注を禁止し、内部での事前決議を得た「物品購入等発注書」の写しを調達の相手方である事業者に送付することをルール化した。また、従来の市標準様式の支出関係書類を廃止し、事業者の任意様式の見積書及び納品書を徴集することとした(新たな事務処理として2010年7月から実施)。
当委員会は、市における不適正な経理処理の再発防止策の実施状況を確認し、効果の検証、実効性の高い再発防止策の策定や経理事務の適正化を推進するため設置され、委員として5名が市長から委嘱を受けた。
《第1回委員会》開催日時:2010年11月12日(金曜)9時30分~11時50分
《第2回委員会》開催日時:2010年12月27日(月曜)9時30分~11時35分
《第3回委員会》開催日時:2011年1月17日(月曜)10時00分~11時30分
《第4回委員会》開催日時:2011年2月14日(月曜)13時00分~15時00分
《第5回委員会》開催日時:2011年3月23日(水曜)9時30分~11時30分他
一部の職場や職員、そして、事業者には、未だ新たな事務処理の意義及びその内容が正確に理解されておらず、その結果、新たな事務処理の運用が適切になされず、新たな事務処理が有効に機能していない部分があるものと認められる。
当委員会は、新たな事務処理は、基本的には不適正な経理処理の再発を防止する仕組みとして有効なものであり、新たな事務処理の仕組みがルールに則して運用されている限り、不適正な経理処理の防止に効果があるものと考えられる。ところで、再発防止策は、その策定自体が目的ではなく、有効に機能させるためには、制度設計どおりに運用することが必須である。しかしながら、一部の職場や職員、そして、事業者には、未だ新たな事務処理の意義及びその内容が正確に理解されておらず、その結果、新たな事務処理の運用が適切になされず、新たな事務処理が有効に機能していない部分があるものと認められた。具体的には以下のような課題を指摘できる。
不適正な経理処理を根絶するためにまず重要なことは、再発防止策を組織として推進していくことである。
また、推進にあたって組織のトップである市長の姿勢は、組織風土や組織内のリスク感覚、コンプライアンス意識、内部統制の仕組みなど再発防止のほぼ全ての面に影響を及ぼす最も重要な要素である。
したがって、市長の強いリーダーシップのもとで、市の全組織、全職員が一丸となって、再発防止策の推進体制を構築するとともに、会計事務検査や支出命令の審査を担当する会計室、内部監察を担当する行財政局監察室、その他の監査、監察機能を有する機関が連携し、相互の密接な情報共有のもとに再発防止策を強力に実行していくとともに、財務に関する監査等を実施する監査委員による重層的なチェック機能を有効に活用すべきである。
不適正な経理処理を根絶するために次に重要なことは、職員が再発防止策の意義を理解し、遵守するという強い意識を持つことである。
ところが、一部の職場や職員には、未だ新たな事務処理の意義及びその内容が正確に理解されておらず、その結果、新たな事務処理の運用が適正になされず、新たな事務処理が有効に機能していない部分があるものと認められた。
この背景には、多少のルール違反は許されるという悪しき組織風土の存在、職員の公金に対する間違った意識、新たな事務処理の位置付けへの認識のなさ、形式や表面だけを取り繕うといった仕事の手法などの課題が山積している。職員が再発防止策の意義を正確に理解し、遵守するという強い意識を持つためには、問題の背景となっているこれらの課題を解決し、職員の意識や仕事の仕方を改革することが不可欠である。
長年に渡って蓄積した課題を抜本的に改めていくことは容易なことではないが、職員一人ひとりが真剣に向き合い、その克服に取り組むべきである。
不適正な経理処理を根絶するためにさらに重要な点は、新たな事務処理を効果的な再発防止策とするために、改善すべきところは改善して、これを支える仕組みを構築することである。
不適正な経理処理の再発を防止する仕組みとして、新たな事務処理は有効であるが、様々な課題もある。新たな事務処理をより効果的な再発防止策とするためには、これらの課題を改善することが不可欠である。
不適正な経理処理を根絶するために最後に重要なことは、再発防止策の内容や実施状況について、市民への説明責任を果たすことである。
市の調達事務の財源は市民が納めた税金である。その使用に関して不適正な経理処理が発生したことから策定された再発防止策については、他の事項にもまして、市から積極的に市民への説明責任を果たすことが要請される。再発防止策の実施に透明性を持たせ、市民の監視という機会を与えることは、不適正な経理処理を根絶するための有力な制度的担保となる。
神戸市経理適正化外部検証委員会報告書《概要版》第5(2.および3.)(PDF:133KB)
2011年3月23日(水曜)開催
2011年2月14日(月曜)開催
2011年2月14日(月曜)開催
2011年1月17日(月曜)開催
2011年1月17日(月曜)開催
2010年12月27日(月曜)開催
2010年12月27日(月曜)開催
2010年11月12日(金曜)開催
2010年11月12日(金曜)開催