最終更新日:2024年4月2日
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「須磨浦普賢象(スマウラフゲンゾウ)」という桜は、須磨浦公園内に植えられていた「普賢象」というサトザクラから突然変異で生まれた品種です。
「普賢象」は花の色がピンクですが、「須磨浦普賢象」は花の色が黄色で、咲き終わりの時期になると中心部からピンクに変わるという特徴があります。
一般的な「普賢象」という桜は、花の色がピンクの八重咲きであり、室町時代にはすでに知られていた古い品種のサトザクラで、花の中心部の2本の雌しべが緑色の葉のようになって突き出て少しそりかえる様子を大乗仏教における菩薩の一つである普賢菩薩が乗る象の鼻に見立てた名です。
1990年(平成2年)4月、一本の木にピンクと黄色の花が咲く桜が須磨浦公園で発見されました。
1992年(平成4年)、国立遺伝学研究所の笠原基知治氏が調査したところピンク遺伝子の突然変異による枝変わりと推定されました。その後、公益財団法人「日本花の会」での接木栽培育成や経過観察を経て、2002年(平成14年)に「須磨浦普賢象」という新種として紹介されるようになりました。
それまで黄色の桜は、「ギョイコウ」と「ウコン」の2種類が知られていましたが、花が八重となる最初の黄桜として貴重な品種であると言われています。
1990年(平成2年)に須磨浦公園で発見された原木は老朽により枯死してしまいましたが、その後、市や神戸市公園緑化協会が兵庫県樹木医会の協力を得ながら苗木を調達し、須磨浦公園をはじめ、須磨離宮公園や妙法寺川左岸公園等区内一部の公園、小中学校等に100本程度植栽しており、現存しています。