最終更新日:2024年9月17日
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喫煙に起因する年間死亡数は、世界では能動喫煙で約500万人、受動喫煙で約60万人と報告されています。日本人の年間死亡者は、能動喫煙で約13万人、受動喫煙で約1万5千人(肺がん、虚血性心疾患、および脳卒中による死亡)と推計されています。
たばこの煙には200種類以上の有害物質が含まれ、そのうち約70種類に発がん性があるとされており、様々ながんや心筋梗塞等の循環器疾患、ぜんそく、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの病気を引き起こすことが明らかになっています。(厚生労働省 喫煙と健康喫煙の健康影響に関する検討会報告書平成28年8月より)
血管を収縮させ、血液の流れを悪くします。強い依存性があり、なかなかたばこをやめられなくなります。
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たばこの煙に含まれる有害物質は、主に肺から吸収されますが、口腔や気道、胃、腸管からも吸収され、血液にのって全身に運ばれるため、全身の臓器に影響を与えます。
そのため、たばこの煙が直接触れる部位である、肺がん、口腔・咽頭、喉頭、鼻腔・副鼻腔だけでなく、食道、胃、肝、膵、膀胱、および子宮頸部がんなど、たばこの煙が直接触れない部位のがんのリスクも高まります。
たばこには、血液中の悪玉コレステロールであるLDL-コレステロールを増やし、善玉コレステロールであるHDL-コレステロールを減らす作用や、血圧を上昇させる作用などがあります。これらの相互作用により動脈硬化が進み、狭心症や心筋梗塞などの心疾患、脳出血や脳梗塞などの脳血管疾患などのリスクが高まるといわれています。
たばこを吸わない人でも、他人のたばこの煙を吸い込む(受動喫煙)事により、健康にも悪影響があります。
受動喫煙は以下のページをご覧ください。
受動喫煙の防止
図1.喫煙の人体への影響
たばこの葉を燃やして「煙」を吸うのではなく、加熱して発生する「蒸気」を吸い込むタイプ。
タバコの葉が原料なのでニコチン等が含まれ、蒸気(エアロゾル)に健康影響を与える有害物質が含まれています。
たばこの葉を使わず、カートリッジ内の液体(リキッド)を電子的に加熱し、その「蒸気」を吸い込むタイプ。電子たばこによっては、健康に影響を及ぼす可能性のあるホルムアルデヒド、アセトアルデヒドといった発がん性物質などを発生するものがあると報告されています。
禁煙は何歳になっても遅過ぎることはありません。
《禁煙の効果》
・禁煙後24時間:心臓発作のリスクの低下
・禁煙後1ヵ月から9か月後:
せきや喘鳴などの呼吸器症状が改善
また免疫機能が回復し、かぜやインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなる
・禁煙2-4年後:虚血性心疾患や脳梗塞のリスクが約3分の1に減少
・禁煙して10-15年:様々な病気にかかる危険が非喫煙者のレベルまで近づく
たばこには、「ニコチン」という依存性の物質がふくまれています。時間が経つとタバコが吸いたい気持ちになるのは、このニコチンが切れてくるためです。
「たばこが身体に悪いことはわかっている。やめたいとは思うが今はまだやめられない。」、「たばこのない生活を送ると思うと、『そこまでして健康でいなきゃいけないのか?』と、なんとなくむなしい気がする」と考えてしまうのが喫煙者の心理であり、ニコチン依存症という病気の症状です。
長年の喫煙習慣により重度のニコチン依存症に陥っていると、自分の意志だけで禁煙するのは難しい場合もあります。そのような場合は、ニコチンガムやニコチンパッチなどの「禁煙補助剤」を利用するのも1つの方法です。
また、医師による禁煙指導を受けて禁煙に取り組みたい場合には、「禁煙外来」のある医療機関を受診しましょう。禁煙治療の費用は、ニコチン依存症と診断されるなどの一定の条件を満たす場合には、保険診療で受診することができ、治療費の負担が軽くなります。
禁煙を生涯成功させる人の多くは、何度かの失敗を繰り返しています。禁煙は、何度も失敗しながら何が悪かったのかを学び、上手にできるようになっていくものです。「今後一生禁煙しよう!」と気負わず、失敗を恐れず「とりあえずやってみる」という気持ちで禁煙してみましょう。
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