ホーム > 防災 > 日ごろの防災 > 災害に備えて地域でできること > 神戸市の自主防災組織(防災福祉コミュニティ)とは
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阪神・淡路大震災では、震災発生後約14分間で54件の火災が神戸市内で発生したといわれています。また、建物が倒壊するなどによって救助を求める人たちが多数発生しました。
それに対して、当日の神戸市内の各消防署には、合計80隊、292人で警備していました。これらすべての現場に消防や警察などの行政の支援がただちに到着するのは難しく、市民による消火作業や救助作業が、各地で多数行われることになりました。
このような市民の活動は、大変大きな力となりました。
しかし、当時は必要な資機材が十分ではなく、必要な訓練なども十分には行われていませんでした。そういったことからも、次なる災害に備えて、大災害の初動対応を担う市民による自主防災組織の結成、育成が必要不可欠でした。
神戸市では、1985年から「自主防災推進事業」を推進し、概ね小学校単位で神戸市内166地区に「自主防災推進協議会」が結成されていました。この協議会では、防災知識の普及や防災意識の啓発のための活動を主に行い、初期消火や救出・救護、避難誘導等の災害活動の位置付けが弱かったため、阪神・淡路大震災時には組織的に活動ができない地域がありました。
そのため阪神・淡路大震災を経験とし、1995年度から防災福祉コミュニティ事業がモデル事業として開始され、神戸市における自主防災組織「防災福祉コミュニティ」が誕生し、現在市内のすべての地域をカバーしています。
防災福祉コミュニティは、地域で大規模な災害がいつ起きても、その時に地域で暮らしている人たちが助け合えるように、平常時の活動を行います。
以下は、活動の一例をご紹介します。
災害が発生したときに、地域の助け合いに必要な具体的な技術を習得、継承するために、年に1度の地域全体での大規模な訓練(総合訓練)や、適宜、各地区やテーマを決めた訓練(ブロック訓練)を企画し、実施しています。
訓練例:消火訓練、救助訓練、救護訓練、避難訓練、運営本部開設訓練など
防災に関する講演会を開催したり、防災に関するチラシを作成して地域に配布したり、防災知識の普及啓発の取組みを実施しています。
また、まち歩きなどによって危険箇所を把握したり、普段から防災に関心を持ってもらえるような取り組みも行われています。
地域には、災害対応に必要な資機材が配備されています。
いざというときに使えるように、訓練等で定期的に使用方法を確認し、維持管理しています。
新たに必要になった資機材は、助成金等を活用して新たに購入し、充実させることが必要です。
また友愛訪問やふれあい給食会などの福祉的な活動を通じて、普段からご近所同士で顔の見える関係を構築し、いざという時にも助け合うことができるような取り組みが必要です。
地域には、活動に参加していなくても、災害時に声をかければ助け合いに協力してくれる方を一人でも増やせるように、普段から顔の見える関係づくりが必要です。
いざ災害が発生したときには、普段の訓練の成果を発揮し、消火や救助などに動力ポンプや布バケツ、ジャッキやバールなどさまざまな資機材を駆使して、災害の初期対応を行います。