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最終更新日:2023年9月6日
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空港島周囲の護岸を緩傾斜護岸構造(かんけいしゃごがんこうぞう)と呼ばれる緩やかな石積みとし、水深が浅い場所を幅広く作りました。これを環境創造型護岸と呼んでいます。空港島では、島の外周7.7キロメートルのうち、北側岸壁部分を除く6.7キロメートル部分を環境創造型護岸として整備しています。
水深が浅くなった場所には太陽の光が届き、自然の磯のような生き物の住みかとなります。空港島の環境創造型護岸では、ワカメなどの海藻が生い茂って藻場(もば)が形成され、そこに海の生き物が集まり、今では多様な生き物を確認することができます。このような豊かな生態系が育まれ、自浄作用がおこることで、よりよい環境が創造されています。
また、空港島の北側には、階段式の親水護岸と親水緑地を整備しています。市民の皆さまの憩いの場や親しみやすい開放的な水辺空間として利用されています。
環境創造型護岸構造のイメージ図
藻場とは、海の植物が森林や草原のように生い茂っている場所のことを指し、その見た目から「海の森」とも呼ばれています。
藻場は、魚類や貝類、甲殻類など多くの海の生き物たちの住みかや産卵場所として利用されています。また、海藻類やそこに生息する微小生物は、水中の二酸化炭素、有機物、栄養塩(窒素、リン、ケイ素など)を吸収、分解して、海水の浄化にも大切な役割を果たしています。さらに、藻場は激しい波や潮の流れを和らげたり、小さな生き物が外敵から隠れて身を守る場所としても役立っています。
神戸空港の周りにも藻場ができたことで、豊かな生態系が生まれました。さらに近年、藻場は「ブルーカーボン生態系」としても注目されています。
森林が光合成によって、地球温暖化の原因の一つである二酸化炭素を吸収し、固定する炭素のことを「グリーンカーボン」といいます。一方、海藻類などの海の生態系にも、大気中の二酸化炭素を吸収する機能があることが分かってきました。この海の生態系によって吸収される炭素のことを「ブルーカーボン」といいます。このうち、マングローブ林、湿地・干潟、海草藻場、海藻藻場が主に「ブルーカーボン生態系」と呼ばれています。
大気中の二酸化炭素はブルーカーボン生態系によって吸収された後、その一部が外洋や深海の海底に沈んでいきます。グリーンカーボンは数十年で炭素が分解されるといわれているのに対し、ブルーカーボンでは数千年かけて炭素が分解されるともいわれています。そのため、「ブルーカーボン生態系」は二酸化炭素の排出量削減に役立つのではないかと期待されています。
現在、空港島周辺の藻場は「ブルーカーボン生態系」として認証され、カーボンクレジットが発行されました。これからも、ブルーカーボンはさらなる調査や活用が進んでいくと考えられます。
人工海浜のようす
人工海浜で泳ぐウミガメ
人工海浜の利用時間・注意事項や、空港島内巡回バスの案内は、以下のホームページをご覧ください。