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2023年度神戸市文化賞等受賞者

最終更新日:2023年11月10日

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令和5年度の各賞受賞者は、下記のとおり決定しました。

2023年度受賞者(五十音順、敬称略)

神戸市文化賞

河口 龍夫(かわぐち たつお)芸術・美術(現代美術)

神戸市出身。1960年代より第一線で活躍、戦後日本の現代美術を代表する作家として知られる。世界を「見えないもの」と「見えるもの」との関係で成立する総体であると捉え、その作品化をテーマとする。金属・化石・植物の種子などを素材に、生命や時間、エネルギーといった非物質的な事象を可視化する作品を多数発表。1970年(昭和45年)「東京ビエンナーレ1970人間と物質」展、1988年(昭和63年)「大地の魔術師たち」展(仏・ポンピドゥーセンター)など、国内外の歴史的な展覧会への参加だけでなく、国内の地方芸術祭にも精力的に作品を出展してきた。兵庫県内では2007年(平成19年)に兵庫県立美術館で個展を開催。また、神戸市内では1975年(昭和50年)に東遊園地に「未来へのモニュメント・子供の手形」を、1981年(昭和56年)にフラワーロード西側の「花と彫刻の道」に黒御影石で制作された「虹の石」を設置展示するなど、神戸の文化芸術の振興に大きく貢献している。

柳楽 剛(なぎら あつし)芸術・工芸美術(染織)

国内を代表する染色(蝋染め)作家。1973年(昭和48年)から兵庫県工芸美術作家協会の公募展・会員展に毎年欠かさず出品するなど、長年にわたり各地の展覧会に精力的に参加。招待出品の多さと数々の受賞歴がその実力を証明している。2005年(平成17年)には米国・ボストン「Massachusettu College Of Art」で開催された「Rozome Master Of Japan」に出品、他に韓国や中国など、活動は兵庫県内にとどまらず、海外にも及ぶ。個展も多数開催。兵庫県工芸美術作家協会では現在理事として運営に携わる。教育の面では兵庫女子短期大学(現在の兵庫大学短期大学部)、大阪芸術大学の講師をはじめ県内外の大学等で講師や各展の審査員も務めるなど後進の育成にも注力し、技法のテキストなども多数手がけている。蝋染めの堰出(せきだし)技法の大家として、神戸の芸術文化の振興に大いに貢献している。

松本 薫平(まつもと くんぺい)芸術・音楽(声楽:テノール)

神戸が誇るテノール歌手。幅広いレパートリーと確かな歌唱力、豊かな演技力、表現力を備える。東京藝術大学を卒業後イタリアに留学し研鑽を積み、イタリア各地で多数の演奏会に出演。帰国後、1999年(平成11年)に関西二期会35周年記念オペラ「ラ・ボエーム」のロドルフォ役でデビュー。その後数々の公演で主演を務めるほか、ベートーヴェン「交響曲第9番」などでソリストとしても活躍している。神戸では、神戸文化ホールでのリサイタル開催のほか、神戸音楽家協会主催演奏会、神戸市演奏協会公演「魔笛」、オペラde 神戸 公演「カルメン」、「蝶々夫人」、「椿姫」など、数々の演奏会、オペラに出演。温和な人柄で知られ、後進の指導にも熱心に取り組む地元音楽界のリーダーとして、神戸の音楽文化の発展に大きく貢献している。

神戸市文化奨励賞

青山 大介(あおやま だいすけ)芸術・美術(鳥瞰図)

神戸港の開港にはじまり、阪神淡路大震災などを経て変化する神戸の街の変遷を、鳥瞰図という大きな視点で記録する活動を続ける。描画手法は自ら考案、空撮写真と現地の地上で撮影した数千枚に及ぶ写真を用い、実際の寸法(原寸)に基づいた正確な比率で計算して制作。非常に緻密で絵画作品としての価値も有する。2011年(平成23年)「みなと神戸バーズアイマップ2008」を完成させたのを皮切りに、2013年(平成25年)には「港町神戸鳥瞰図2008」を発行。この作品の改訂版は神戸市の津波避難情報板に採用され、市内3か所で設置。2016年(平成28年)には初めて歴史を遡り150年前を描いた「港町神戸鳥瞰図1868」を作成。2022年(令和4年)、幕末の兵庫津「古の港都兵庫津鳥瞰図」を発表。活動は大阪・函館・姫路などの他都市にも拡大中。神戸が生んだ鳥瞰図絵師として、益々の活躍が期待されている。

飯川 雄大(いいかわ たけひろ芸術・美術(現代美術)

神戸を拠点に国内外で活動する現代美術家。見るだけでなく、触ったり、動かしたりすることで偶然を生み出すインスタレーション作品を制作。言葉や映像、ダイナミックな装置を使い、知覚の不確かさや見過ごされてきた存在に気付かせる。子供から大人まで鑑賞者の参加により思いがけない場所で新たな体験が創造される独創的かつ実験的なものである。2022年(令和4年)「同時に起きる、もしくは遅れて気づく」(彫刻の森美術館、神奈川県)や2021年(令和3年)「0人もしくは1人以上の観客に向けて」(千葉市美術館)など、多くの美術館で発表している。神戸では、2016年(平成28年)「六甲ミーツ・アート芸術散歩」で、撮影したくても全貌を捉えることができない「デコレータークラブ—ピンクの猫の小林さん」を発表し、現代社会へのユーモラスな提案が話題となった。近年の精力的な活躍は目覚ましく、神戸の文化芸術を支える人材として、今後のさらなる飛躍が期待されている。

西村 周治(にしむら しゅうじ)芸術・地域活性化(AIR)

神戸芸術工科大学建築学科を卒業後、兵庫区のボロボロの長屋を改装して住み始めたことを機にDIYに目覚める。山際で道路の通行が困難な兵庫区梅元町の空き家群を私財で購入、廃材の活用などで改装し、新たなコミュニティ“梅元の村”(バイソン)を整備。2022年(令和4年)、アーティストインレジデンス(AIR)事業やギャラリー提供などアーティストやクリエイターへの活動支援を開始した。廃屋1軒1軒が住宅+アトリエ・飲食・宿泊といった魅力的な機能を持つ物件に生まれ変わり、ミュージシャン、画家、建築家、革職人、シェフ、写真家、大工職人などの多彩な住人が生活しながら活動している。観光庁の「歴史的資源を活用した観光まちづくり事業」にも採択され、新たな地域活性化策として注目されており、神戸の文化芸術を支える人材として、さらなる活躍が期待されている。

神戸市文化活動功労賞

真殿 靖(まどの やすし芸術・美術(洋画)

日本美術家連盟会員の洋画家。森ノ宮・心斎橋絵画研究所や絵画集団「集画会」ほかの諸団体で培った経験を糧に、個展、集画会展、各種の展覧会に毎年出展するなど、長年精力的に活動。特に会長を務める美術集団「龍美会」については、その活動を50数年に渡り支えるとともに、途中の休会を除き41年間に渡って毎年展覧会を神戸市内で開催、市民が絵画に親しむ機会を提供している。展覧会等を通じて多くの来場者との交流を図り、表現力、創造力、洞察力を共有するとともに、後進の育成・指導にも尽力するなど、長年にわたり神戸の芸術文化の発展に貢献している。

チキンガーリックステーキ 芸術・音楽(アカペラ)

日本初のアカペラグループとして今年12月で33周年を迎える。結成以来常に神戸と全国で複眼的活動を続け、「アカペラ」というジャンルを広めてきた。2002年(平成14年)のメジャーデビュー以来積み重ねてきた楽曲はCDで20枚を超える。地元では、10年連続開催の神戸国際会館でのクリスマスコンサートを始め、神戸まつり、成人お祝いの会等を始めとした数多くの出演のほか、学校公演などのきめ細かな活動を展開。また、様々な大使に任命されイメージソングを制作しており、アカペラを通してPR活動に貢献している。全国では、NHK「みんなのうた」で高い評価を受けるなどテレビで活躍。ラジオメディアでも演奏のみならず、軽妙なトークで神戸の魅力を発信し続けているなど、長年にわたり神戸の音楽文化の振興に貢献している。

お問い合わせ先

文化スポーツ局文化交流課