最終更新日:2021年11月17日
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神戸港は2017年1月に開港150年を迎えたことを記念して、神戸港の自然や歴史などに由来する意匠の紋章を作りました。
神戸港紋章を広く周知し、多くの方に親しみを持っていたいただくため、市民・事業者が使用するための要綱を定めています。
神戸開港150年を記念して、神戸港の紋章が完成しました。
英国・スコットランドの公的機関である紋章局(The Court of the Lord Lyon)に所属する紋章アーティスト、デイヴィッド・アラン氏よって、紋章学に基づき制作された、正式な西洋式紋章です。
ヨーロッパにおける紋章の起源は11世紀の初頭と言われており、港における紋章は、初入港の船舶に授与する入港記念盾などのモチーフに使用されており、港のシンボルとして、親しまれています。
神戸港の紋章には、神戸ゆかりの図案がちりばめられています。
本来の「紋章」である中心の盾(Shield)には、神戸市章、江戸時代から明治時代にかけての海運の要であった「北前船」、そして、左右に港のシンボルである錨を配しています。二つの錨は、それぞれ、朝と夜を意味し、眠らない港、神戸港を表しています。
盾の周りには、市の花である「あじさい」、市の木である「さざんか」が取り囲んでいます。
盾の上の石積みの冠は「城壁冠」と呼ばれ、町や港の紋章であることを示しています。
盾は、船の冠を戴いた伝説上の動物「Sea Horse(海馬)」によって支えられており、それぞれが持つ旗には、
ポートタワーと神戸海洋博物館の骨組みを表すフレッティーと呼ばれる網目模様、そして、神戸のイメージを
色とチェックで表した「神戸タータン」があしらわれています。
一番下にある巻物の文字は、「モットー」と呼ばれ、150年間、神戸港が持ち続けてきた気風、「進取の精神」が英語にて刻まれています。
この紋章は、ヴェラム(羊皮紙)に、前述のデイヴィッド・アラン氏が自ら、手描きをしたもので、神戸港紋章の正真正銘のオリジナルとなります。
紋章の下には、ブレイゾンと呼ばれる「紋章記述」が示されています。
もともと、紋章は金属の甲冑で身を固めた騎士が、個人を見分ける手段として、戦場に携行する盾にそれぞれのシンボルを描いたことが始まりとされ、写真のない時代に、それぞれの紋章の図柄を表現するために発達したものです。
紋章は、ドイツからフランスを経由して英国で発達したため、記述には、多くのフランス語の表現が残っています。