最終更新日:2023年9月6日
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一般に道路に植えられている樹木のことを街路樹と呼びます。
古くは奈良時代のことを記した文献に道路の樹木に関する記録があり、街路樹は昔から人々の暮らしの中にあったようです。
その後、近世には街道整備に伴って沿道に樹木が植えられていきました。
摂津国の名所を絵画と文章で紹介した「摂津名所図会」(18世紀末)には、神戸では神社の参道にマツやサクラと思われる並木が見られます。
明治に入ると、横浜や東京で計画的に街路樹が植えられるようになり、銀座のシダレヤナギなど、評判になるものもありました。
神戸の旧居留地に街路樹が植えられたのも明治時代です。
一般的に、街路樹には「環境に強く」「姿が美しい」樹木が使われ、イチョウやサクラなどの「高木」以外にも、少し背の低いサザンカやツツジなどの「中木」「低木」があります。
また、樹木には冬に葉を落とす「落葉樹」と一年中葉をつけている「常緑樹」があります。
落葉樹は、春の芽吹きから、夏の緑陰、秋の紅葉、冬の落葉と季節感があります。一方、常緑樹は一年を通じて緑豊かで潤いを与えてくれます。
摂津国の名所を絵画と文章で紹介した「摂津名所図会」(18世紀末)を見ると、街道沿いの樹木はまばらなのに、参道や河川沿いにはマツやサクラの並木が見られます、この頃の神戸では参道が街路樹を楽しめる道だったようです。
明治時代には横浜や東京で計画的に街路樹が植えられ始め、旧居留地ではヨーロッパの近代都市計画技術を基に格子状街路、街路樹、公園、街灯、下水道などが整備されました。
神戸市を緑豊かな都市にすることを目指して、昭和46年にスタートした「グリーンコウベ作戦」によって、公園や街路樹といった市内の緑の量は大幅に増加し、現在はまちに豊かな緑が形成されています。
今後もこのかけがえない緑を大切にし、「緑とともに永遠に生き続ける都市=緑生都市(りょくせいとし)」を目指して、皆様とともに街路樹の育成をすすめたいと願っています。