最終更新日:2024年7月26日
ここから本文です。
私たち合唱部は、「心のハーモニー」をモットーに日々活動しており、毎年たくさんのコンクールや演奏会に出演させていただいている。しかし今年は、コロナやインフルエンザによって、思うように活動できないことが多く、何度も悔しい思いを経験してきた。そして、三年生は十月中旬に学校で行われる文化祭をもって卒部となる。なので、灘コーラスフェスティバルは私たちにとってとても思い入れのある舞台だったのだ。
私たちの灘コーの練習は、不安とともに始まった。本番までの日数が少なく、体調不良によってクラブを休む部員も多く、全員で練習できる機会があまりなかったからだ。不安は本番の直前の舞台裏でも頭から離れることはなかった。しかし、ステージに上がった途端そんな思いは消え去った。観客の皆様の拍手が、笑顔が、私の不安を吹き飛ばしてくれたのだ。コロナによって合唱から疎遠になった方も多かったに違いない。それでも合唱に対して愛を持ち続けてくれていたという事実に私は驚き、そして感動した。制限も多く、たくさん辛い時期もあったけれど、それでもここまで頑張ってきて良かったと、観客の皆様の拍手と笑顔が、そう思わせてくれた。
灘コーは、区民の皆様の合唱への愛を改めて感じ、合唱を演奏する側と合唱を聴いてくださる方々の絆を深くする良い機会になったと思う。他の団体の方たちの中でも、今回の灘コーによって音楽に対する気持ちが更に強くなった方がたくさんいることだろう。このような素晴らしい機会を設けてくださった運営の方々には、本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。
私はもう、鷹匠中学校の合唱部として灘コーに出演することはないだろう。しかし、灘コーはずっと開催され続けてほしい。この素晴らしい伝統は受け継いでいくべきだ。来年はきっと、私たちの思いを受け継いだ後輩たちが、灘区民ホールに美しい歌声を響かせてくれるはずだ。そして、そのときは是非、温かい拍手と笑顔でお出迎え願いたい。
(神戸市立鷹匠中学校合唱部部長・立尾美陽)