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最終更新日:2023年2月10日
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神戸港から乗船し、ブラジルへ移住する人々の施設として、昭和3年(1928)に「移民収容所」が建設されました。出国手続きや健康診断のほか、移住地の言語、宗教、地理、風俗、農業事情などの必要な知識を身につけることを目的とした施設です。
第1回芥川賞受賞作『蒼氓』は、この移民収容所を舞台にした小説で、著者の石川達三は集団移民を取材し、収容所の様子、ブラジルを目指した人々の心境や実情を克明に描いています。
施設の名称は、時代とともに「神戸移住教養所」「神戸移住斡旋所」「神戸移住センター」と改称されていきますが、その間約20万人の人々を海外に送り出しました。昭和46年(1971)、移民船による神戸からのブラジル移民が終了し、施設はこれまでの役割を終えます。
平成21年(2009)、建物は整備され、「神戸市立海外移住と文化の交流センター」の名称で生まれ変わります。国内で唯一現残する移住関連建築物は、40年に渡る移民事業の歴史と意義を継承するとともに、ブラジルを中心とする在住外国人の支援や芸術交流の場として今も活動を続けています。