最終更新日:2024年11月20日
ここから本文です。
石綿(アスベスト)は、熱や摩擦に強く、丈夫で変化しにくいという特性をもち、1955年頃から多くの建材製品で使用されてきました。
現在では、肺がんや中皮腫を発症する発がん性が問題となり、アスベストを使用した新たな石綿製品の製造・使用等は禁止されています。
建築物などの老朽化に伴い、アスベストの除去を伴う解体や改修工事が増加しています。
その際、適切な措置が行われず、アスベストが飛散し、人が吸入してしまうおそれがあることから、法律や条例で届出義務や作業の基準を設けるなどの規制を行っています。
建築物の解体、改修工事のときは、事前に建築物などにアスベストが使用されていないかを調査する必要があります。
具体的には、書面調査や現地での目視調査によりアスベストの使用の有無を確認します。この調査でアスベストの有無が分からなかった場合は、分析調査を行うか、アスベストが含有しているものとみなしてアスベストが含有している場合と同様の飛散防止対策を行います。
これらのアスベスト事前調査は工事の元請業者などが実施しますが、工事を発注される方は、事前調査に協力する義務があります。(設計図書の提供、適切な費用負担など)
工事の適正な実施のためには、発注者が適切な工事業者を選ぶことが大切です。そのためのポイントは以下のとおりです。もし、工事業者などが以下のポイントに対応できなかった場合、法律に違反している可能性がありますので、神戸市環境局環境保全課まで連絡してください。
事前調査やアスベストを除去する作業を行うには費用がかかります。見積もりの段階で、その費用が計上されているか確認したうえで工事発注を行ってください。
事前調査を行うためには資格(建築物石綿含有建材調査者など)が必要です(工作物および設置の工事に着手した年月日が2006年9月以降の建築物を除く)。資格を有することを示す証明書の掲示を求めるなどにより、資格の有無を確認してください。
事前調査の結果は、工事の着工前に必ず元請業者に報告書の提出を求め、その内容を確認し、説明を受けるようにしてください。
事前調査によりアスベストがある場合、工事の着工前に種々の届出を行う必要があります(労働基準監督署に提出する計画届、神戸市に提出する特定粉じん排出作業届・特定工作物解体等工事実施届など)。確実に届出が行われたことを確認するため、各届出の写し(控え)を確認するようにしてください。
解体・改修工事の終了後、アスベストの飛散防止のための措置が適切にとられたかどうか確認するため、作業の実施状況の記録(写真を含む)の提出を依頼してください。その記録の内容を確認し、保管するようにしてください。
神戸市では、建物を所有される方が、解体工事に必要な金額の資産、見積りを取得しやすい環境を構築するため、AIによるシミュレーターを運用しています。
シミュレーターは過去の解体費用の実績データに基づき、解体工事の一般的な費用が算出できます。アスベストの除去費用は含まれておりませんが、適切な解体費用の額の目安とするために活用してください。
事前調査により解体・改修する建物にアスベストが含まれていることが分かったときは、工事の着工前に必要な届出の提出、工事中はアスベストの飛散防止対策を行う必要があります。工事を発注される方は、元請業者が作業を適切に行えるよう、工期の設定、工事費の負担、施工方法などに配慮してください。
吹付石綿
(鉄骨の柱や梁に施工)
石綿含有の保温材
(配管エルボ部に使用)
石綿含有の断熱材
(煙突の内側に使用)
石綿含有の耐火被覆材
(鉄骨を被覆して保護)
出典:目で見るアスベスト第2版2008年3月国土交通省
近隣の解体・改修工事でアスベストの飛散が心配な場合は、工事現場に設置されている掲示板の内容を確認してください。この掲示板には、アスベストの事前調査の結果や除去作業の内容などが記載されています。
なお、掲示の内容がよく分からない、現場に掲示板が設置されていないなど、お困りのことがありましたら、環境保全課まで連絡してください。
事前調査結果・作業内容の掲示例(PDF:152KB)
所有する老朽化した家屋を解体する場合や多数の方が利用する建築物を改修する場合、解体費用やアスベストの除去等に必要な費用の一部を補助する制度があります。