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最終更新日:2024年9月9日
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むし歯予防の有効性、安全性の観点から、CDC(米国疾病予防センター)やWHO(世界保健機構)をはじめ様々な関係機関により、科学的根拠に基づくフッ化物応用が推奨されています。
小学校におけるフッ化物利用について、これまでモデル事業で実施してきた学校内でのフッ化物洗口とフッ化物塗布事業に加えて、2024年度新たに家庭へのフッ化物洗口液の配布事業を行っています。
毎日の歯みがきだけではむし歯は防げません。むし歯予防には「フッ化物洗口(フッ素うがい)」がとても効果的です。週に1回1分間、フッ化物洗口液でブクブクうがいを続けることで、歯のエナメル質を強くし、最大80%むし歯予防ができます。永久歯は4歳頃から12歳頃まで順に生えますが、生えてすぐの歯はとても弱いです。一度むし歯になった歯は、治療後も元の完全な状態には戻りません。この時期にフッ化物洗口を継続することで歯を保護し、修復力を高め、強い永久歯を育むことができます。
永久歯のむし歯は4~15歳の時期に多発しますが、永久歯の生え始めは歯の表面のエナメル質が非常に弱いのでこの時期にフッ化物によって強い歯を作ることが、大人になっても大変有効です。
「オラブリス®洗口液0.2%」(以下、フッ化物洗口液)10mlにより、毎週1回、1分間うがいを行います。
まずは水で1分間のブクブクうがいを練習します。(まちがって飲み込まないようにおへそを見る感じで下をむいてうがいします)。確実に吐き出しができるようになってからフッ化物洗口を行います。
できるだけ多くの方に参加していただきたいと考えていますが、内容をご理解いただいた上で、申込書により『希望する』児童のみ実施します。
なお、途中からでも申し込みや取りやめはできますので、その旨、小学校までお申し出てください。
フッ化物洗口は、毎週継続的に行うことにより、むし歯予防効果がでてきますが、忘れてしまったなどで、数回洗口が出来なくても問題はありません。
歯周病予防のために歯みがきが重要なのはいうまでもありません。生活習慣として子どものころから身につけることが重要です。特にお子さんが自分でちゃんとみがけるようになるまでは仕上げみがきも必要です。
フッ化物洗口は、むし歯予防の効果を高めるために行うもので、フッ化物洗口を行えば歯みがきはいらない、というものではありません。
歯科医院で購入できるフッ化物洗口剤を用いて、家庭でもフッ化物洗口をすることができます。学校歯科医またはかかりつけ歯科医にご相談ください。
また、薬局・薬店(ドラッグストア等)およびインターネットで購入できる洗口剤もあります。
商品名:エフコート(サンスター)、クリニカフッ素メディカルコート(ライオン)、モンダミンフッ素コート(アース製薬)
申込書により家庭で洗口を行っている旨を学校に伝え、今後、学校からの配布かこれまでどおりの方法どちらかで洗口を行うか選択をしてください。なお、学校からの配布で実施すれば費用はかかりません。
フッ素そのものは、私たちが日頃飲んだり食べたりしているものにも含まれている自然の物質です。フッ化物は、世界中の人々がむし歯予防のために利用しており、約60カ国では水道水にフッ化物を添加しています。日本では約157万人(2021年3月時点)の子どもたちが保育所(園)・幼稚園・学校でフッ化物洗口を行っています。神戸市では保健所での1歳6か月児健診や3歳児健診ではフッ化物塗布が行われており、保育所(園)・幼稚園・認定こども園に通う4・5歳児ではフッ化物洗口を行っており、フッ化物配合歯磨き剤も一般的です。
フッ化物を過剰に摂りすぎると慢性中毒(斑状歯や骨硬化症)や急性中毒(吐き気、嘔吐など)が起こると言われていますが、フッ化物洗口で使うフッ化物の量については、全く問題がありません。
また、名前が似ている「PFAS(有機フッ素化合物)」は人工的な化学物質で消火剤や撥水剤などに使われていますが、フッ化物洗口で使われるフッ素「NaF(フッ化ナトリウム)」とは全く別のものです。
1回分のフッ素洗口液はたとえ誤って全部飲み込んでしまった場合でも、全く心配のないように調合されています。量的にいえば、体重20kgの児童が毎週1回法でフッ化物洗口を実施している場合、1度に11人分以上のフッ化物洗口液を飲み込まない限り急性中毒の心配はありません。
フッ化物洗口は低年齢から長期間継続して実施することによって高いむし歯予防効果が発揮されますが、フッ化物塗布やフッ化物配合歯みがき剤を併用することによって、さらに高い効果を得られる可能性があります。また、両方を併用してもフッ化物を摂り過ぎることはなく、安全性の面でも心配ありません。
現在のところ、「オラブリス®」でアレルギーを起こしたという報告はありませんが、今までに薬でアレルギーを起こしたことがある児童の保護者は、学校までお知らせの上、主治医にご相談ください。
直射日光の当たらない冷暗所(1~30℃)で保管ください。室温が高い場合は、冷蔵庫の保管が望ましいです。