- 全世界で気候変動の影響が顕在化し、異常気象の頻度が高まっています。
- 2020年10月に日本政府は「2050年カーボンニュートラル」を目指すと宣言しました。
- 神戸市では「神戸市の公共建築物における木材利用促進に関する方針」を策定し公共建築物での木材利用促進に取り組んでいます。
カーボンニュートラルの実現に向けて
- カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出を賞味ゼロにすることを言います。つまり、温室効果ガスの「排出量」から、植林・森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味します。
- カーボンニュートラルの実現には「温室効果ガスの排出量を減らして、吸収量を増やすこと」が重要です。
温室効果ガスの「吸収量」を増やすために
- 日本の国土の約3分の2が森林が占めており、その約4割は人工林です。人工林は終戦直後や高度経済成長期に造林されたものが多く、人工林のうち約6割が50年生を超え、本格的な利用期を迎えています。
- 樹木のCO2吸収機能は高齢化と共に低下します。利用期を迎えた樹木を伐採し植林することでCO2吸収能力の維持や向上を図ることができます。
- 木材需要の約4割が建築分野であり、吸収源対策として建築分野での木材利用拡大が必要です。
- 建築資材にて木材を使用する事によって「伐って・植えて・育てる」サイクルが回ります。
森林資源の循環利用(イメージ)
引用:林野庁「令和3年度森林・林業白書」
【国の方針】
- 脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会にて、「脱炭素社会に向けた住宅・建築物における省エネ対策等のあり方・進め方」がとりまとめられ、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取組の進め方の一つに、「Ⅲ.吸収源対策(炭素貯蔵効果の高い木材の利用拡大に向けた住宅・建築物における取組)」が挙げられています。
- その中で、「国や地方自治体が建築する公共建築物において、率先して木造化・木質化に取り組むこと」と記されています。
神戸市の公共建築物への取り組み
- 2010年に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が制定され、神戸市では、2016年3月に「神戸市の公共建築物における木材利用促進に関する方針」を策定しました。
- それに伴い、策定までは木材利用がされなかった公共建築物での木造化・木質化を進めています。
- 上記法律は、2021年10月に「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)」に改正されました。そして、兵庫県でも2023年11月に「兵庫県建築物木材利用促進方針」を策定されています。
- 神戸市でも兵庫県の策定をうけ、新たな方針の策定を進めています。
神戸市の公共建築物における木材利用促進に関する方針
神戸市の公共建築物の整備では、「構造の木造化」、「内装の木質化」または「外装の木質化」を検討し、各施設に適した手法を採用しています。
六甲最高峰トイレ
西区役所
磯上体育館
中央区役所
木造化の事例
木質化(内装)の事例
木質化(外装)の事例
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木材利用施設
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「神戸市の公共建築物における木材利用促進に関する方針」に基づき、兵庫県産の木材(以下、県産材)または神戸市産の木材(以下、神戸市産材)を中心に、公共建築物での木材利用を進めています。
そのうち、兵庫県産木材等国産木材を活かし、整備を行った公共建築物は、その整備費の一部に森林環境譲与税を充当しています。
以下、これまでに森林環境譲与税を充当した工事です。
2022年度
2階建ての木造建築物とし、構造材に兵庫県産木材を使用
ロビーの天井ルーバーやタッチダウンオフィスの天井に兵庫県産材を使用
2021年度
森林植物園内で伐採した樹木(ナラ、コウヨウザン)を製材し、展示の一環とすべく、展示館のフローリングとして敷設
2020年度
屋根板に兵庫県産CLT(直交集成板)を、外壁およびベンチの一部に神戸市産材(六甲山材)を使用
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