ホーム > 文化・スポーツ > 文化財・民俗芸能 > 神戸の土木遺産と歴史 > 神戸市内の土木遺産の紹介 > 奥平野浄水場(旧)急速ろ過場(おくひらのじょうすいじょう(きゅう)きゅうそくろかじょう)
最終更新日:2022年8月25日
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「京都の蹴上浄水場に次ぐ日本で最初期の急速ろ過施設。」
大正6年
急速ろ過施設
烏原貯水池、布引貯水池、布引湧水
河合浩蔵、神戸市水道局
奥平野浄水場は、奥平野村の東端千鳥ヶ滝を中にはさむ区域で濾水池、配水池、量水池、集合井等を備える。23万5000人に対する給水能力をもたせるのが当面の計画であり、さらに将来33万人まで拡張の余地があるように準備された。
水源を布引谷と烏原谷とにとり、市街地低区全般に対する給水の基地として整備された。その後浄水場は増強され、大正になって急速ろ過場と浄水池を整備し設備を整えてきた。
奥平野浄水場(旧)急速ろ過場は、京都の蹴上浄水場に次ぐ日本で最初期の急速ろ過施設である。建屋は煉瓦造のタイル張で、屋根は天然スレート葺となっている。
半円アーチの窓が連続する2階部分は、大正中期らしいデザインであり、両脇を固める半円ドーム付の円塔は、神戸の異人館を思わせる、いかにも西洋的なデザインである。日本建築学会によって、特に保存すべき重要な近代建築物としてリストアップされている。
設計は、神戸地方裁判所などの設計を手がけた建築家・河合浩蔵である。
「神戸市建築文化賞 建築再生賞」受賞
「1996年 BELCA賞」ベストリフォーム・ビルディング部門受賞
1998年 国登録有形文化財に登録
「神戸市景観形成重要建築物」として指定