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外来生物とは?

最終更新日:2024年11月11日

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もともとその地域にいなかったのに、人間活動の中で他の地域から持ち込まれた生きものを「外来生物」といいます。

外来生物の多くは、子孫を残すことができず定着できない、または、既存の自然に順応し定着しても大きな影響を与えることはありませんが、中には、原産地と神戸の自然条件が似ている、繁殖力が強い、天敵となる生きものがいない等の理由で、どんどん数を増やし、もともと神戸に生息・生育していた生きものに大打撃を与えてしまうものもあります。これらの外来生物は特に「侵略的な外来種」として大きな問題となっています。

遭遇するかも、こんな場面…

  • ペットショップで買ったカメ、大きくなって家では飼えなくなっちゃった。近所の川に放そう…
  • 釣りをするのにちょうどいい池だ。オオクチバスを放してみよう…
  • 綺麗な色のメダカをもらった、近くの川に増やして放そう…

ちょっと待ってください!

逃がす・放す。その行動、他の生きものにやさしくないかも…

生きものたちは、気が遠くなるような時間をかけて「食べる・食べられる」のような関係をはじめ、お互いに複雑な関係を築き、絶妙な生態系のバランスを保って生きています。
そこへ突然、獰猛な生きものや、繁殖力が強い生きものが入ってきたら…
長い時間をかけて築かれてきた生態系のバランスはあっという間に崩れ、もともと住んでいた生きものが一方的に食べられてしまったり、住みかを追われたりして、姿を消してしまう恐れがあります。

外来生物のことをもっと知りたいという方へ

特定外来生物とは

侵略的な外来生物の中でも、生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがある生物の中から指定されます。指定された生物の取り扱いについては、外来生物法により輸入、放出、飼養等、譲渡し等の禁止といった厳しい規制がかかります。

外来生物対策の3原則

  • 入れない
  • 捨てない
  • 拡げない

ため池や川だけでなく、学校や公園のビオトープなどにも外来種が持ち込まれて問題になっています。

金魚、錦鯉、色メダカなど品種改良された魚の放流も好ましくありません。
伝染性の病気が広まった例もあります。
国外原産の生きものでなくても、生きものを安易に放流するのはやめましょう。

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外来生物の例

神戸市内で、身近に見られる外来生物の一部です。

アカミミガメ(条件付特定外来生物)

アカミミ

  • 原産国:米国東南部からメキシコまで
  • 体長:最大背甲長はオス約20cm、メス約28cm
  • 食性:雑食性(魚類、甲殻類、水生昆虫、水草など)

元々はペットとして飼育されていた個体が野外に放たれるなどして、現在では北海道から沖縄まで全都道府県に分布しています。
寿命が2~30年と長く、成長すると攻撃的になるため、飼いきることができず捨てられることが多いと考えられています。
雑食性で何でも食べます。
在来種のカメ類と食物や住みかを競合しますが、アカミミガメの方が繁殖能力が高いため、在来種のカメ類が住みかを追われてしまいます。
子ガメのときは全身が緑色をしているため「ミドリガメ」とも呼ばれます。

アメリカザリガニ(条件付特定外来生物)

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もともと神戸にザリガニはいませんでした。
ウシガエルの餌として導入されたといわれています。
雑食性で水生昆虫などの小動物や水草を食べるので、世界各地で生態系に影響を与えていることが報告されています。
稲の苗を食べたり、畦に穴を開けるなどの農業被害もあります。

アライグマ(特定外来生物)

アライグマの写真
北米原産でペットにするために輸入されましたが、逃げ出したり、捨てられたものが多くいたと思われます。
雑食性で繁殖力が強いために急増しており、農作物の食害を引き起こします。
かわいい見た目に反して攻撃的で、人が噛まれたり引っかかれたりして怪我をするといった事例も報告されています。
餌となる生きものの他、似た生活をしているキツネやタヌキも減少する恐れもあります。

ウシガエル(特定外来生物)

ウシガエル
かつて食用として世界各地に持ち込まれ、定着してしまいました。
大型のカエルで、口に入る大きさであればほとんどの動物(昆虫やザリガニの他、小型の哺乳類や鳥類、爬虫類、魚類まで)を貪欲に食べてしまいます。

ツヤハダゴマダラカミキリ(特定外来生物)

ツヤハダゴマダラカミキリ
近年、全国的に被害が拡大している外来のカミキリムシです。日本固有のカミキリムシであるゴマダラカミキリに非常によく似ていますが、頭の下に白い紋がない点等で区別できます。
神戸市では特にアキニレという樹を好み、食害された樹木は枯死する場合もあります。
詳細は以下を確認してください。
特定外来生物「ツヤハダゴマダラカミキリ」

クビアカツヤカミキリ(特定外来生物)

クビアカツヤカミキリ
近年、全国各地で侵入が確認されている外来昆虫で、特定外来生物に指定されています。
人体には害のない昆虫ですが、幼虫がサクラやモモなどの樹木の内部を食い荒らすことで、その樹木を枯死させ、果樹園での農業被害や、桜並木への被害を発生させます。
詳細は以下を確認してください。
特定外来生物「クビアカツヤカミキリ」

ヒアリ(要緊急対処特定外来生物)

ヒアリ
毒針をもち、人を刺すこともある危険なアリです。
神戸市では、コンテナヤードや港湾地域を定期的に調査するなど、全力を挙げて侵入・定着の防止に努めています。
詳細は以下を確認してください。
特定外来生物「ヒアリ」「アカカミアリ」

アルゼンチンアリ(特定外来生物)

アルゼンチンアリ(環境省提供)
繁殖力が極めて高く、在来のアリを駆逐するなど生態系への影響が危惧されることから、外来生物法に基づく特定外来生物に指定されています。
ヒアリ等とは異なり毒針を持たないことから人体への直接的な健康被害はないものの、集団で建物内に侵入して不快感を与えることがあります。
詳細は以下を確認してください。
特定外来生物「アルゼンチンアリ」

オオクチバス(別名:ブラックバス)(特定外来生物)

オオクチバス
釣りを楽しむために、あちこちの池に放流されました。
自分の半分くらいの大きさの魚まで貪欲に食べてしまいます。
オオクチバスが侵入したあとに、在来魚類が確認できなくなっている例が多くあります。

ブルーギル(特定外来生物)

ブルーギル
雑食性ですが、魚の卵を好んで食べ、他の魚の卵を根こそぎ食べてしまうと言われています。
既に日本各地の湖沼やため池、堀などに侵入・定着し、優占魚種の一つとなっています。

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外来生物展示センターにお越しください!

神戸市では2022年8月に、「感じる・知る・考える」ことで外来生物について深く学ぶことができる施設「外来生物展示センター」をオープンしました。専門家による解説のもと、生きた個体やはく製をご覧いただき、体験型学習ができる施設を目指しています。
外来生物についてもっと知りたい、考えたいという方は、以下のHPより詳細をご確認ください。

見学は毎週土日で予約制となっています。
12月から2月末までは冬季休館期間となります。
※冬季休館期間中も団体見学は随時受付中。

展示センター

生物飼育棟

展示ホール

展示ホール

生物飼育棟

生物飼育棟を見学する様子

オオサンショウウオ

2024年7月1日より新たに特定外来生物に指定されたオオサンショウウオ(交雑種)

お問い合わせ先

環境局自然環境課