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副市長から市民のみなさまへ

最終更新日:2024年9月6日

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副市長 黒田 慶子(くろだ けいこ)

森を使って、未来へつなぐ。資源循環の先進都市へ

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【事務分担】

  • SDGs(持続的な発展のための目標)に立脚した政策の企画・立案、実施
  • SDGsの視点を踏まえた市役所改革の推進

神戸の森には千年以上の資源循環の歴史がある

SDGsに関わる政策立案から実施までを担当しています。SDGsといっても幅広いので、まずは長年の研究テーマであった森林の保全と資源循環から手掛けています。

「資源循環」と聞いても、ピンと来ない方が多いかもしれません。近畿地方では、千年以上前から農村集落で共有林(数十〜数百ヘクタール)を管理し、毎年一定面積を伐採して薪や炭にし、木材としても利用してきました。落ち葉は堆肥にしました。20〜30年で共有林の伐採が一巡すると、また最初の場所に木々が育っているというわけです。これが里山林で、ドングリのなる木(コナラやカシなど)が主に育ちます。時には伐りすぎもあったものの、人と森林は持ちつ持たれつやってきました。

しかし1950年代から、プロパンガスや石油を燃料に使う生活になり、化学肥料も普及して、皆が森を見なくなったのです。里山林は、使われずに放置された結果、巨木化し、枯れ木が増え、荒れた森になっていきました。ところが、最近まで「森は守るべき、伐るのはだめ」という意見が強く、適切に伐採して使って育てる昔ながらの資源循環については、なかなか理解されませんでした。一方、人工林は家屋の柱などに使うスギやヒノキを人が植えた場所です。1980年代以降は国内の木を使わずに輸入が増え、人工林の放置も増えました。

研究者としての40年余りで実感したことは、「資源を程よく使うことが、日本の森を守る」のであり、輸入木材への全面依存が続くと、国土保全の点で危ないということです。近年では徐々に賛同者が増えて来ましたが、研究者の立場では自治体を動かすことは難しい状況でした。そんなときに、市長から「副市長として資源循環に取り組んでもらえないか」と打診があり、本当に驚きました。自治体の中からなら日本の森を変えられるかもしれない、そう考えて就任を決心しました。

神戸の森は宝の山:森林を資産としてとらえる

神戸の森林は市域の4割を占めており、北部や西部には農村・里山地帯が広がります。針葉樹人工林は少なく、大半はコナラやカシ類その他の広葉樹です。都会のすぐそばに広大な自然環境があるのは神戸の大きな魅力ですが、長らく放置された森は荒れつつあります。

森林所有者だけでなく広く市民の方々に、里山は樹木(木材・炭)や観光資源などとして多様な価値があることをご理解いただきたく思います。そして、地元の収入を増やすことや、市のブランディングに寄与する使い方を考えています。

里山の樹木は、木材として使うには品質がバラバラで、売れないと言われていましたが、企業による購入が決まり、家具や床材に使えることが証明されました。妥当な価格で売る仕組みを作っており、神戸市産材としての利用を進めています。

また、備長炭という高級炭を市内の樫の木で生産すると、神戸ビーフや農産物と合わせて真の地産地消となるほか、料理の質を高める点がレストランに評価されるでしょう。

木材だけでなく、里山散策と農業体験を含めた観光資源としても将来性があります。こうして森の活用が進んで宝の山に見えてくれば、里山の管理再開も進むはずで、資源循環型社会に一歩近づく、そんな実例を神戸で作っていきます。

失敗も成功も面白い! 何事にも好奇心旺盛に

野生の酵母(イースト)でパンを焼くのが好きです。梅や柑橘などを砂糖水に浸すと、果皮に付いている野生の菌が自然に増えます。1週間ほど発酵を進めてからパンを焼くのですが、美味しいこともまずいこともあり、失敗と成功の面白さを楽しみ、遊んでいます。

また、娘が小学生の頃に、近隣で貝化石を採ってから、ミネラルショーで化石や鉱物を見るのも楽しみになりました。オパールの屑石を買ってサンドペーパーで磨いたり。もう娘も35歳になりましたが、気に入った半貴石を指輪などに仕立てて身につけると、気持ちが明るくなります。

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