まちと共に生きてきた木や花は人々の心をなごめ、目を楽しませ、明日への勇気をくれます。四季のうつろいを教えてくれ、折々の色と表情で区民をねぎらってくれるけなげな木や花々です。まちを飾る花を求めて、まだ、歴史の生き証人としての木を探して歩くのも楽しみです。
うこんの桜
八重桜の一種。花の色に特徴があり、薄黄緑色(うこん色)に似ていることから命名されました。王子地域福祉センターから、青谷川沿いの歩道の南北約700mにかけて約60本の桜並木がありますが、これがうこんの桜です。珍しい桜で、区内ではあまり見かけません。花の時期もソメイヨシノなどに比べて遅く、4月下旬頃が見ごろで、花の終わりごろには薄いピンク色に変わって目を二度楽しませてくれます。
神前の大クス
春日神社の境内にある幹回り8m、高さ18mの巨大な楠。樹齢500年とも1,000年ともいわれ、昭和34年(1959年)に市の名木として、また、昭和49年(1974年)に県の天然記念物として指定されました。楠は寿命の長い樹木で、かつて、灘区には高さ20mにも達する国の天然記念物の「高羽の楠」がありましたが、戦災で焼かれ、枯れてしまいました。現在、区内で最も大きな楠がこれで、震災を乗り越えて青々とした葉を茂らせています。
桜のトンネル
摩耶ケーブル駅のすぐ東。南北約400mの坂道に、ソメイヨシノの大木約70本が4月上旬いっせいに花を開き、さながら桜のトンネルのようになることから、こう呼ばれています。灘区を代表する桜の名所の一つ。市バス18系統が桜の下を通っており、バスの中からも十分に楽しめます。淡いピンクのトンネルを通り抜けるだけで心がなごみます。
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