最終更新日:2024年10月31日
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中東諸国に居住または渡航歴のある方、あるいはMERS患者との接触歴のある方からの患者発生が継続的に報告されています。
中東地域へ渡航される際は、感染予防をこころがけてください。
MERSが発生している中東地域でラクダと接触した方は、感染の可能性があるため、検疫所が最大14日間の健康監視(※)を行う場合があります。
(※)健康監視:検疫所に毎日体温等の健康状態を報告します。
中東呼吸器症候群(MERS)は、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症です。
原因となるウイルスはMERSコロナウイルスと呼ばれています。
2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因であるSARSコロナウイルスとは異なる種類のウイルスです。
主な症状は、発熱、咳、息切れ、呼吸困難で、ほとんどの患者が肺炎を起こします。
下痢などの消化器症状を伴う場合もあります。
重症の場合、人工呼吸器や集中治療室での治療を必要とする呼吸不全を起こすことがあります。
高齢者・慢性肺疾患・糖尿病・免疫不全などの基礎疾患がある人で重症化する傾向があります。
潜伏期間は2~14日(平均5日)です。
ヒト以外とヒトとの感染:
動物からヒトへの感染経路は十分には解かっていません。しかし、ラクダがMERSコロナウイルスの主要な保有宿主で、ヒトへのMERS感染の動物感染源となっている可能性があります。
ヒトでのウイルスの遺伝子配列と同じ配列をもつMERSコロナウイルスが、エジプト、オマーン、カタール、サウジアラビア等のいくつかの国のラクダから分離されています。
ヒトからヒトへの感染:
例えば感染者に防護対策をとらずに治療に当たるような患者との濃厚接触がなければ、ウイルスはヒトからヒトへ簡単に感染するとはみられていません。ヒト-ヒト感染する可能性がより高いと思われる、特に感染の予防や制御の対策が十分でない医療施設で、患者が集団発生しています。これまでのところ、持続的な地域社会での感染流行は報告されていません。
このウイルスは、主にサウジアラビアで症例の大多数(>85%)が報告されており、アラビア半島全体に循環しているようです。
中東以外でも報告されている感染者はほとんどが中東で感染し、この地域の外に感染輸出されたと考えられています。
現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はありません。患者の症状に応じた治療(対症療法)になります。
下記1.または2.に該当する場合、神戸市保健所へご相談下さい。
1.発症前14日以内にアラビア半島又はその周辺諸国から帰国した場合(①必須。②から③のいずれかを満たす)
①熱を伴う急性呼吸器症状(軽症の場合を含む)がある。
②発症前14日以内に対象地域で医療機関を受診・訪問したことがある。
③MERSの確定患者又はヒトコブラクダとの接触歴がある。
2.発症前14日以内に帰国した場合(対象地域を問わない)(④必須。⑤から⑧のいずれかを満たす)
④発熱又は急性呼吸器症状(軽症を含む)がある。
⑤MERSが疑われる患者を診察、看護・介護した。
⑥MERSが疑われる患者と同居していた。
⑦MERSが疑われる入院患者と同じ病室・病棟に滞在した。
⑧MERSが疑われる患者の気道分泌液・体液等の汚染物質と接触した。
1.2.のいずれも、他の感染症又は他の病因によることが明らかでないこと
他、MERSについてのご相談は各区役所・支所でも受け付けています。
区役所 | 所在地 | 電話番号(代表) |
---|---|---|
東灘区役所(被害灘保健センター) | 東灘区住吉東町5-2-1 | 078-841-4131 |
灘区役所(灘保健センター) | 灘区桜口町4-2-1 | 078-843-7001 |
中央区役所(中央保健センター) | 中央区東町115番地 | 078-335-7511 |
兵庫区役所(兵庫保健センター) | 兵庫区荒田町1-21-1 | 078-511-2111 |
北区役所(北保健センター) | 北区鈴蘭台西町1-25-1 | 078-593-1111 |
北神区役所(北神保健センター) | 北区藤原台中町1-2-1 | 078-981-5377 |
長田区役所(長田保健センター) | 長田区北町3-4-3 | 078-579-2311 |
須磨区役所(須磨保健センター) | 須磨区大黒町4-1-1 | 078-731-4341 |
北須磨支所(須磨保健センター) | 須磨区中落合2-2-5 | 078-793-1212 |
垂水区役所(垂水保健センター) | 垂水区日向1-5-1 | 078-708-5151 |
西区役所(西保健センター) | 西区糀台5-4-1 | 078-940-9501 |
神戸市保健所保健課 | 中央区加納町6-5-1 | 078-322-6789 |
中東へ旅行する場合は、万一の場合に備えて十分に情報収集をしておきましょう
下記資料をご確認のうえ、必要な対応をお願いします。