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ノロウイルス感染症に注意しましょう

最終更新日:2024年10月7日

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ノロウイルスはヒトに感染して下痢や嘔吐等の胃腸炎症状を引き起こす病原体の一つです。特効薬やワクチンがないため、予防に努めることが重要です。正しい知識でしっかり予防しましょう。
【耳より情報】感染性胃腸炎(ノロウイルスなど)が増加しています!(PDF:810KB)

感染源

ノロウイルスは非常に小さい(直径30nmほど)ウイルスで、ヒトの腸内のみで増殖し、他の食中毒菌のように食品中で増えることはありません。ヒトのふん便に含まれるノロウイルスが下水から海に流出し、二枚貝に取り込まれ、その体内で濃縮されます。また、ノロウイルスは、以下に示す様々な感染経路が知られています。

  • ノロウイルス感染者のふん便や吐物及びそれらを処理した人の手などを介しての二次汚染
  • 体内にノロウイルスを取り込んだ二枚貝を、生や加熱不足の状態で食べての感染
  • ノロウイルスに感染した調理従事者によって汚染された食品を食べての感染
  • 家庭や共同生活施設内など、人と接触する機会が多い場所での飛沫感染など

高齢者施設などの、集団生活の場で感染が拡がることが多く、抵抗力の弱い高齢者や小児などが感染すると重症化することがあります。


ノロウイルスの電子顕微鏡写真

症状

潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛であり、発熱は軽度です。通常、これらの症状が1~2日続いた後、治癒し、後遺症もありません。また、感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状の場合もあります。
健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。
症状が軽快しても、通常では1週間、長ければ1か月程度、便にウイルスが排出されるといわれますので、その間も二次感染の防止に注意が必要です。

治療法

現在、このウイルスに効果のある治療薬はありません。このため、通常、対症療法が行われます。特に、体力の弱い乳幼児、高齢者は、脱水症状を起こしたり、体力を消耗したりしないように、水分と栄養の補給を充分に行いましょう。脱水症状がひどい場合には、病院で点滴を行うなどの治療が必要になります。
止しゃ薬(いわゆる下痢止め薬)は、病気の回復を遅らせることがあるので使用しないことが望ましいでしょう。

感染予防と対策

加熱

一般にウイルスは熱に弱く、加熱処理はウイルスの活性を失わせる(失活化といいます。)有効な手段です。ノロウイルスの汚染のおそれのある二枚貝などの食品の場合は、中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が望まれます。

手洗い

手洗いは、手指に付着しているノロウイルスを減らす最も有効な方法です。調理を行う前(特に飲食業を行っている場合は食事を提供する前も)、食事の前、トイレに行った後、下痢等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後(手袋をして直接触れないようにしていても)には必ず行いましょう。石けん自体にはノロウイルスを直接失活化する効果はありませんが、手の脂肪等の汚れを落とすことにより、ウイルスを手指から剥がれやすくする効果があります。
消毒用エタノールによる手指消毒は、石けんと流水を用いた手洗いの代用にはなりませんが、すぐに石けんによる手洗いが出来ないような場合、あくまで一般的な感染症対策の観点から手洗いの補助として用いてください。

消毒

調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、次亜塩素酸ナトリウム等で浸すように拭くことでウイルスを失活化できます。
まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は次亜塩素酸ナトリウム等の浸漬や、熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。

※アルコール消毒は効果的ではありません。

ふん便や吐物の処理

ふん便や吐ぶつ中には、大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。

  1. 患者のふん便や吐物を処理する時は、使い捨てのガウン(エプロン)と手袋とマスクを着用しましょう。
  2. 処理中は窓を開けて、十分に換気しましょう。
  3. 汚物の上にペーパータオルをかぶせましょう。その上から0.1%次亜塩素酸ナトリウムを静かにかけ、吐物全体を浸します。
  4. 汚物をペーパータオル等で静かにふき取りましょう。汚物中のウイルスが飛び散らないように注意しましょう。
  5. 汚物が付着した床等は、0.1%次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭き取り、その後水拭きをします。
  6. おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄する。この際、廃棄物が十分に浸る量の0.1%次亜塩素酸ナトリウムを入れることが望ましい。
  7. ノロウイルスは、乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐物やふん便は乾燥しないうちに速やかに処理することが、感染防止に重要です。

施設向け

食器類の取り扱い

施設の厨房等多人数の食事の調理、配食等をする部署へ感染者の使用した食器類や吐ぶつが付着した食器類を下膳する場合、注意が必要です。食器等は、厨房に戻す前、食後すぐに次亜塩素酸ナトリウム液等に十分浸し、消毒します。
また、食器等の下洗いや嘔吐後にうがいをした場所等も次亜塩素酸ナトリウム等で消毒後、洗剤を使って掃除をするようにしてください。

環境の消毒

ノロウイルスは感染力が強く、環境(ドアノブ、カーテン、リネン類、日用品など)からもウイルスが検出されます。次亜塩素酸ナトリウム等の使用が有効です。ただし、次亜塩素酸ナトリウムは金属腐食性がありますので、消毒後の薬剤の拭き取りを十分にするよう注意してください。

相談窓口

最寄りの保健センターや協力医療機関・嘱託医等にご相談下さい。保育園、学校や高齢者の施設等で発生したときは、適切な対症療法を行うとともに、感染経路を調べ、感染の拡大を防ぐことが重要ですので、速やかにご相談下さい。
保健センターへの相談は、感染症神戸モデルをご活用ください。

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お問い合わせ先

健康局保健所保健課