最終更新日:2021年2月3日
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市長臨時会見の模様をお届けします。
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・緊急事態宣言に伴う新たな経済対策 家賃負担軽減緊急一時金の創設
・質疑応答
司会:
それでは、緊急事態宣言に伴う新たな経済対策に関する臨時会見を行います。
市長、よろしくお願いいたします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。
緊急事態宣言の延長を受けまして、神戸市として独自の経済対策、家賃負担軽減緊急一時金を創設することといたしましたので、その内容を説明申し上げたいと思います。
緊急事態宣言が3月7日まで延長され、神戸市は去年の3月3日に初めて感染者が確認されて以来、コロナとの闘いに全力で取り組んできましたけれども、去年の暮れ頃から感染者が急激に拡大し、現在も高止まりしている状況にあります。
そういう状況の中で、医療提供体制も大変逼迫している状況が、厳しい状況が続いています。そういう中での神戸市を含む兵庫県への緊急事態宣言の発令の延長は必要な措置であったと考えます。この上は、国、兵庫県としっかりと連携し、引き続き感染拡大の防止、感染者に対するしっかりとした治療、ケアに当たっていきたいと考えております。
同時に、今回の緊急事態宣言の延長によりまして、経済は影響を受けることになります。外出の自粛あるいは時短要請に伴いまして、かなり幅広い民間事業者が大きな影響を受けております。そして、この状況がさらに続くことになります。
こういう状況を踏まえまして、議会あるいは経済団体からは、神戸市としても独自の経済対策を取るべきではないか、そういう御意見をいただいてきました。緊急事態宣言の影響を受けて、緊急に神戸市として取るべき独自の措置を検討し、これを取りまとめましたので、その概要を御説明申し上げます。
市独自の施策を考える前提といたしましては、国・県の対応が前提ということになります。そこで、緊急事態宣言に伴う事業者に対する時短要請、そして、国・県の経済支援の対策について、少し振り返ってみたいと思います。
まず、飲食店に対しましては特別措置法に基づく時短要請が行われ、そして、時短に応じていただいた場合に兵庫県、神戸市から6万円の協力金が支給されるということになります。しかしながら、通常の営業時間が5時から20時の飲食店は時短要請の対象になりませんから、協力金の対象にはならないわけです。そして、この時短要請の対象にならない幅広い事業者、あるいは、この時短要請の対象を受けると、当然、飲食店自身は影響を受けるわけですけども、この飲食店と取引関係にある事業者、これは相当広範な事業者になりますけれども、そういうような方々に対しては、この協力金は支給されないということになります。
そこで国では、それ以外の、この取引関係にある事業者、あるいは外出の自粛を呼びかけられていることによって影響を受ける事業者、つまり緊急事態宣言の発令中に売上げが、前の年の同じ月に比べて50%以上減少した事業者に対しては一時金を支給するということにいたしました。これについては、法人については40万円、個人事業者については20万円ということでしたけれども、急遽、昨日、これがそれぞれ60万円と30万円に引き上げられるということになりました。これが大まかな、現在の国の対策のあらましです。
ただ、この協力金と、国の一時金については、やはり課題があると言われておりまして、私もそう思います。1つは、この協力金なんですけれども、これは時短要請に応じた事業者が、そのことだけをもって一律に対象になるわけです。例えば9時まで営業していた事業者が8時まで営業を短縮する、そういう事業者も対象になりますし、もともと遅い時刻から営業を開始して夜中までやっている事業者、これは非常に大きな影響を受けるわけですが、そういう事業者も同じ、一律の協力金が支給をされるということになります。8時までに終わっていた事業者、これは外出の自粛などによりまして相当お客さんは減っているはずですけれども、対象にならないわけです。
それと、これは協力をしたということだけが要件になりますから、どれだけ売上げが減ったかというようなことは関係ないわけです。店の規模も関係がありません。非常に小さなお店で売上げが少額のお店も、比較的店舗の規模が大きいところ、ここは相当な売上げの減少につながっていると思われますけれども、そういうところも同じように、一律に6万円の対象になるということです。
それと、先ほども申し上げましたけれども、取引先が対象にならないというようなことですね、卸売りなど、飲食店の取引先も大変状況が厳しい、それから事業規模に応じた支援をすべきではないか、あるいは時短要請対象外の事業者ですね、飲食店以外の劇場とか映画館とか、様々なイベントを行っているような事業者、そういうような方々はそもそも協力金の対象にはならないわけです。そういう方々も、事実上営業の短縮、8時までの短縮を求められているわけです。
つまり、事実上、幅広い事業者が影響を受けているけれども、この協力金の対象というのは限られているということと、それから受けた影響の大きさにかかわらず支給額が一律になっているということが、これが問題です。
そういうことで、国はそのことを意識して一時金を創設すると。これは、詳細はまだ説明を受けておりませんが、金額が急に変わるというような状況ですから、まだ具体的な説明を受けておりませんが、いずれにしてもそういう問題意識の下に国は一時金を創設するということにしています。この対象はかなり広いです。飲食店と直接・間接の取引先、それから外出・移動の自粛により直接的な影響を受けた事業者、そういうような事業者が、対象となる月の売上げが前の年に比べて50%以上減少をしていると。その事業者に対して国は中堅・中小法人は60万円以内、個人事業主は30万円以内という一時金を支給するということになっています。
しかしながら、これは幅広い業種を対象にしているけれども、実際にビジネスを展開している、商売を展開している方から見れば、固定経費、家賃などの固定経費はそんなに変わらないわけだとするならば、営業が50%以上落ちているにもかかわらず、この金額では十分ではないのではないかというような指摘も受けているわけです。
そこで、そういうような声を背景にいたしまして、神戸市としては次のような一時金を支給することといたします。家賃負担軽減緊急一時金という名称にいたしました。この対象は、国の一時金の対象と同じにいたします。国の一時金の対象は本当、広いですから、これを対象とすると。このことによって、手続が簡素化されます。国の一時金の支給の対象を受けるということと同一にすることによって、神戸市の一時金の支給を受けるための対象は、基本的には同じになるので、その認定の手続は簡素化されることになります。
その際、売上げの減少は50%以上なんですけれども、この協力金、感染拡大防止協力金の受給を受ける飲食事業者の場合は、この売上げと、それから兵庫県と神戸市から支給される協力金の合計額、これをメルクマールにいたしまして、これが前年比50%以上減少している場合に、今回、創設をする家賃負担軽減緊急一時金の対象にするということにいたします。そのことによって、店の規模によりましてはこの県・市の飲食店に対する協力金によって相当売上げがカバーされるところもあるわけで、そういうところは、今回創設する神戸市の家賃負担軽減緊急一時金の対象にはしないということです。本当に今回の緊急自治宣言の影響を受けている、売上げが多く減っているところを神戸市の独自の協力金の対象といたします。
そして、対象物件は、典型的には飲食店が入っているような建物、店舗だけではなくて事務所、工場、作業所、倉庫、こういうところも幅広く対象になりまして、店舗や事務所、工場、作業所、倉庫などを借りている、建物としてこういうような用途に使っている事業者が支払う家賃、その一月分の2分の1を対象といたしまして、最大50万円を一時金として支給するということにいたします。この予算は、おおむね14億円程度ということになりまして、今、2月議会に提出する補正予算を編成していますけれども、この補正予算の中に所要の14億円を盛り込みたいというふうに考えております。
さらに、今回の家賃負担軽減緊急一時金のポイントですけれども、今回の時短営業によって売上げが減少した中小事業者に一時金を支給することによりまして、幅広い業種において、そして経営が厳しい事業者、飲食店だけではなくて飲食店を含む幅広い事業者を支援するということです。そして、飲食店については、この協力金は先ほど申し上げたような問題点がありますから、少しでも神戸市独自の施策を実施することによりまして、この協力金は受給してもなお売上高が半分以上減少した、本当の意味で経営が厳しい飲食店についてさらなる支援を行うということです。そして、この家賃負担軽減緊急一時金によりまして、事業者の規模に応じた支援をするということです。家賃は、当然のことながら展開している事業の大きさによってスペースが狭い、広いが大体決まっていきます。つまり、事業者の規模に応じた支援が家賃相当額を補助することによって可能になるということです。
こういう形で、大急ぎで神戸市独自の、単独の一時金の制度をつくることといたしました。これによって、本当に今、大変厳しい状況に置かれている事業者が100%苦境を脱するということではない、これはなかなか難しいと思いますけれども、何とかこういう国の制度、県・市の制度、そして神戸市の独自の制度を上手に活用する、それ以外の制度も上手にうまく活用することによって、そして神戸市内の民間事業者の皆さんには、何とか延長された緊急事態宣言を乗り切っていって、そしてビジネスを続けていただきたいというふうに念願しております。
私からは、とりあえず以上です。
記者:
緊急事態宣言の延長に伴う措置ということですけども、例えば緊急事態宣言、この期限というのは一応、当面は3月7日をめどとする。例えば、その途中で要請の解除みたいな事態になった場合はどうするのかという、今後。
久元市長:
これは一月分の家賃です。ですから、1月あるいは2月の家賃に着目して、その一月分の家賃の2分の1を助成するという考え方です。
記者:
1月、2月だけを取りあえず手当てするということで、この14億円なんですが、例えばどれぐらいのお店が申し込んでくるかという試算というか、シミュレーションみたいなのはあるんでしょうか。
久元市長:
これは本当に粗々なんですが、前回、家賃助成をしたときに、大体平均の家賃の半額が13万円程度でした。そして、これが、今のところ、本当にこれは見込みですけれども、6,000事業者、9,000件ぐらいが個々の物件として対象になるのではないかというふうに考えておりまして、この13万円の9,000件と必要なシステムの設計などの事務費、これが14億円ということです。
13万円というのは、前回神戸市が単独で行った家賃助成のときに申請を受けた家賃の平均が26万円なので、今回2分の1助成ということで13万円として、取りあえず粗々の積算根拠にしているということです。
記者:
ありがとうございます。
記者:
少しお伺いしたいのですが、神戸市独自と書かれているんですけれども、不勉強な質問であれなんですけれども、全国のほかの自治体で類似の施策を取られていたりとかする例は、あったりするんでしょうか。
久元市長:
ほかの自治体も今、大車輪で検討していると思うので、あるいはする、しないという判断はありますが、私どもが今把握しているところでは、仙台市さんが、やはり50%以上の売り上げ減少を対象とした中小事業者に対して、事業継続の支援金の支給をするというような制度を用意されようとしているようです。法人が最大20万円、個人事業主が最大10万円と承知をしております。
それから、熊本市さんは家賃支援を同じようにするんですが、熊本市さんの場合にはちょっと神戸市と違っておりまして、県の時短協力要請を受ける事業者に対して、それを対象として賃料の2分の1を支給するということのようですから、時短要請を受けている方に対して追加補助をするという考え方のようです。
記者:
ありがとうございます。
あともう1点、すいません、少し重複になるかもしれないんですけれども、時期的にはいつ頃から、どんな手続を経たら正式に始められるようになるかというところ。
久元市長:
時期はまだ未定です。というのは、国の一時金の対象となる事業者に対して、今回の家賃負担軽減緊急一時金を支給するということですから、一時金の対象として交付決定を受けるということが前提になりますから、国から交付決定を受けて、そしてそれを受ければ直ちに神戸市に申請をしていただけるようにするということですから、実際にこれが動き出すのは少し先のことになると思います。
ここはスピード感を持ってやらなければいけないということは重々承知をしているわけですが、前回、神戸市として単独で行った家賃助成は家主に対する助成を緊急にやるということにいたしまして、このときはとにかくスピード感を、コロナの影響というのが立ちどころに現れましたからスピード感を持ってやるようにいたしました。
現在は取りあえずのいわゆる運転資金のようなもの、融資についてはかなり充実をしてきておりまして、何とかこの間の運転資金ということについては用意していただけるのではないだろうか。しかし、先のめどが立てられるのかどうかというのが、民間事業者の場合には非常に懸念があると思うんですね。こういうものを神戸市としても用意しますよということで、緊急時にこれも用意がされているということも意識していただいて、念頭に置いていただいて、何とかこの危機を、緊急事態宣言の状況を乗り切っていただきたいということです。
司会:
ほか、御質問ある方、いらっしゃいますでしょうか。どうぞ。
記者:
対象なんですが、1事業者につき1つの店舗になるんでしょうか。幾つか複数の建物が対象になるんでしょうか。
職員:
1事業者に対して複数店舗があっても50万円という上限の中で、複数店舗であれば支給させていただこうと考えております。
記者:
分かりました。
あと、緊急事態宣言が当初は1か月ということでしたが、2か月に延長されました。経済支援はその前から検討されていたかと思うんですが、延長するということで2か月分をするというような検討はされなかったんでしょうか。
久元市長:
取りあえず一月分の家賃を対象としたいと思いますが、今後、これはまだ、とにかく新しい制度をつくったので、一月分ということで補正予算に盛り込みたいと思いますが、今後の状況は少し流動的です。
昨日、菅総理は、3月7日まで要請するけれども、それよりも早く緊急事態宣言の解除もあり得るということをおっしゃっています。私たちは、他方で、市民の皆さんに人出の多いところへの外出自粛を呼びかけて、あとは大人数での会食は絶対に控えていただくとか、強く呼びかけて感染拡大をとにかく食い止めようとしておりますから、そういうような効果も表れて感染が下火になっていくということが、これが緊急事態宣言の解除につながる可能性もあります。それはよく分かりません。ですから、そういう状況を見て、今回の措置をさらに延長するのかどうかということは考えたいと思います。
司会:
ほか、御質問のある方、いらっしゃいますでしょうか。後ろの方、どうぞ。
記者:
今回の対象者なんですけれども、飲食店とそれに関係するような個人事業者・中小企業が支給というような形で出るような感じなんですけれども、基本的に、具体的にこういった事業主を考えているというような、いわゆる範囲というようなところは明確に示されたりするんでしょうか。
久元市長:
範囲は広いです。飲食店の取引だけではなくて、さっきも申し上げましたけれども、国の一時金の対象ですね。国の一時金の対象というのは、ちょっと国の一時金のこれを見ていただくと、外出・移動の自粛によって直接的な影響を受けた事業者ですから、飲食店と関係がない事業者も対象になります。ですから、こういうような事業者を幅広く国が一時金の交付決定をすると。その同じ事業者に対して神戸市として上乗せで家賃補助をするということです。
記者:
ありがとうございます。
あともう1つなんですけれども、昨日の緊急事態宣言の延長を受けて、市長の受け止めをちょっと聞かせていただければと思いまして。
久元市長:
これは先ほども申し上げましたけれども、神戸市としては感染拡大防止に全力で取り組んできましたけれども、残念ながら感染の拡大が続いてきた。今は少し、一時的にかどうか分かりませんが、減少の兆しも見られますが、高止まりをしていると申し上げてもいいと思うんですね。その結果、病床占有率はかなり高いものになっています。医療提供体制は逼迫しているというふうに申し上げていいと思いますから、やはりそういうような状況に今、神戸市はあるということを考えれば、政府の決定は、これは必要なものであったというふうに思います。
記者:
ありがとうございました。
司会:
他に御質問のある方はいらっしゃいますか。ほか、よろしいでしょうか。
では、御質問がないようでしたら、以上をもちまして臨時会見を終了したいと思います。
ありがとうございました。
久元市長:
どうもありがとうございました。
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