最終更新日:2024年9月26日
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司会:
それでは、ただいまより、9月2回目の市長定例会見を始めさせていただきます。
市長、よろしくお願いします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。ちょっと寂しいですが、始めさせていただきます。今日申し上げたい案件は2件です。須磨海づり公園がリニューアルオープンをいたします。それから、神戸北野ノスタが11月8日にオープンする。2件の内容につきまして説明させていただきます。
須磨海づり公園ですけれども、少し経緯を申し上げますと、1976年にオープンをいたしまして、大変親しまれていました。しかし、2018年に台風20号によりまして大きな被害を受けて使えなくなったわけです。これを災害復旧したい、この壊れた施設を元に戻せないか、復旧できないかということをいろいろと調査したんですけれども、これはもう難しいので、それよりかは、使えるところは使うけれども、使えないところは撤去して新しい施設をつくると、こういう方向転換をいたしまして、それで民間事業者にサウンディング調査を実施しながら、再整備の検討を進めてきました。そして、2023年にリニューアル工事に着手をいたしまして、この10月に再整備工事が完了いたします。そして11月1日にオープンを予定いたします。
今日は、その施設の内容につきまして申し上げたいと思います。このリニューアルのコンセプトなんですけれども、ここは須磨海岸の魅力を楽しむことができる非常にいい場所なんですね。コンセプトとしては、1つは海を味わう、海を見ながらくつろげるテラスを新たにつくったり、地元の海産物なども飲食し、テイクアウトできるような、そういう魅力のあるスポットにするということが1つ。
もう1つは、これは海づり公園ですから、釣りを楽しむことができるようにするというところで、もともと無秩序に釣りをすると漁業者の方々も大変迷惑をするわけです。ですから、特にここで釣りを楽しんでいただきたいということで、御家族で釣りを楽しんでいただけるように、手すりも高くいたしまして、安全対策も強化をするということにいたします。
もう1つは、撤去いたしました第1釣台、第2釣台というんですけれども、これを海に沈めまして、漁礁にいたします。この魚礁にたくさんの魚が育つ環境をつくって魚を育む、そういうコンセプトも追加いたしました。これがリニューアル後のイメージです。こういうような形になって、全体としては、規模は以前あったものよりも縮小をされます。
まず、海を味わうという最初のコンセプトですけれども、こういうイメージで、海を見ながらくつろげるテラスをつくって、そして地元の海産物などの飲食をする。この近くで取れる、本当にこの辺はおいしい魚が取れるので、それを使った海鮮丼とかシラス丼なども味わっていただけるように、そしてそういうテイクアウトやお土産の販売もいたします。指定管理者による運営を行うわけです。海を味わうということからいうと、新たにこういうパーゴラ広場を設置する。それから、魚と触れ合うことができるようなタッチプール、これも設置いたします。
釣りを楽しむということでは、被災をした釣台の復旧と長寿命化を図る。使えるものは使う、使えないものは撤去して漁礁にするということにしたわけですけれども、これの長寿命化を図ってきて、釣台の手すりも高くするということにいたしました。魚を育むですけれども、この釣台の部材を海中に沈めて漁礁にすることにいたします。これは沈める前にモニタリング調査を行いまして、ここにはかなりの魚がいる。42種類ぐらいの魚がいるということが分かっております。これを沈めまして、魚礁を設置して最初の調査を行ったところ、43種類の魚が確認をされているということで、新たな魚が育む、生まれるエリアになるのではないかというふうに考えております。
須磨の海づり公園の消波ブロックでは、ワカメの藻場も確認されておりまして、このワカメの藻場がこの漁礁にずっと拡大をしていって、そういう藻場が形成できればワカメも育つし、ワカメがいるところには魚もいると、こういう形でこの海づり公園、いろいろな役割を果たすことができるというふうに考えております。そして、須磨エリア全体の活性化、いろんな形で須磨の活性化につなげていきたいというふうに思っております。
2つ目が、新たに神戸ノスタが11月8日にオープンをいたします。少しこの歴史を振り返れば、ここはもともと小学校だったわけです。1908年に北野尋常小学校が開校いたしまして、そしてこの東校舎と言われる現在のこの建物が竣工いたしました。これから説明いたします神戸北野ノスタの建物は、この1931年に建てられた東校舎が保存されているということです。その後、都会から人口が郊外に流出していったということもあって、児童数が減少すると。それで神戸諏訪山小学校と統合することとなって、この北野小学校は1996年3月に閉校をいたしました。その後、この小学校の跡地とこの建物を使った北野工房のまちというのが1998年4月に事業をスタートしたわけですけれども、昨年の12月28日で契約期間が満了となって、新たな活用が求められていたわけです。
新たに事業者を公募いたしまして、そして運営者、GLION GROUPさんに決まりました。そして、GLION GROUPさんでいろいろとコンセプトや、あるいはこの施設の名称、また、整備内容などを考えていただいて、神戸北野ノスタという名称にいたしました。
旧北野小学校の正門、それから館内の階段、天井のアーチ、ステンドグラスというものはそのまま大切に保存をいたしまして、旧小学校の趣を残したリニューアル工事が行われてきたわけです。
開業日は11月8日を予定しておりますが、11月1日、2日とプレオープンイベントを行うことにしています。神戸市民の皆さん300名を無料招待するということにしております。
フロアの概要ですけれども、3階がレンタルスペース、ここはもともと小学校の講堂であったものを活用いたしました広いレンタルスペースで、最大250名の方に利用していただけます。地元の北野地区の皆さんも利用していただくことを想定しております。2階はレストランで、国産牛や神戸ビーフを楽しめる食材を使ったオリジナルメニューを提供いたします。1階はスイーツカフェなどですね。
この神戸北野ノスタで楽しめる神戸ブランドは、スイーツ、パン、コーヒー、日本酒、神戸ビーフ、地元の野菜など、神戸の食の魅力を凝縮した複合施設となっております。
神戸市としては、この大切な地域資源である旧北野小学校が、民間事業者の皆さんのノウハウによりまして魅力的な施設となることで、地域の皆さんや神戸市民にとっても日常的に利用できる憩いの場となり、また、市外からの観光客の皆さん、来街者の皆さん、また、おとといは大韓航空の神戸空港就航を発表させていただきましたけれども、インバウンドのお客さんにも来ていただいて楽しめる施設にしていくと。神戸の食文化や神戸ブランドを堪能していただけるような場となることを期待したいと思っております。
私からは以上です。
記者:
海づり公園についてお伺いしたいんですけども、今回、リニューアルオープンするということなんですが、非常に今、魚の文化であったりとか魚と触れ合う機会というのは非常に減っているかなと思います。市長としては、特に子供たちに接してもらう機会というのを多分、多くあったらいいなとお思いだと思いますけども、どのようにお考えでしょうか。
久元市長:
子供たちが家の中に閉じ籠もって、スマホとかゲームに集中するのではなくて、できるだけ神戸では神戸の自然に親しんでもらう、海に親しんでもらう、山に親しんでもらうということが非常に大事で、子供の居場所、特に外遊びの場所をつくっていこうということで、フォーラムもつくって提言をいただきました。
まさにこの海で海を楽しむという、一番誰もができるのが釣りなんですよね。子供たちにぜひ釣りに親しんでもらいたい、家族連れで釣りを楽しんでいただきたいというような場所にしたいというふうに思っていまして、やはり安全が非常に大事ですから、さっきも御説明いたしましたように、手すりを高くして海に転落をしないようにするというような対応をしてございます。たくさんの子供たちに釣りを楽しんでほしいなというふうに思っております。
私も子供のときに、山の中の池でフナを釣ったりしましたけれども、同時に、須磨や垂水、舞子の海岸に行きまして、あんまり釣れませんでしたけれども投げ釣りをしたりして楽しんだことは大変懐かしい思い出になっておりまして、そういう神戸を海の楽しみ方が子供たちにずっと引き継がれていってほしいなというふうに思っています。
記者:
今、神戸は非常に海と広く接していると思うんですけども、今回この須磨であったりとかもともとある平磯であったりとか、あと、神戸だったら神戸空港の親水護岸とか、いろいろまだ釣りができるポイントがあると思うんですけども、市長おっしゃったように安全面の問題というところもあって、釣り禁止エリアになっているというところが結構多いと思うんですね。我々の放送局も結構釣り番組を多くやっているもので、視聴者から、何であそこは釣れなくなったんだとか、釣れるようにできないのかという実は結構お声もいただいていたりしております。
今後、例えば一度話題にも出たことあると思うんですけど、六甲アイランドであったりとか、アジュール舞子であったりとか、神戸市内でまだまだ釣りが楽しめる可能性のあるところっていろいろあると思うんですけども、こういうものを再整備とか検討する条件であったりとか、何かそういうお考えってもしおありだったら教えてください。
久元市長:
まず、危険なところで釣りはしてほしくない。防波堤での釣りというのはどうしてできなくなったのかという声があることは承知しておりますが、やっぱり危ないんですね。やはり安全な場所で釣りをしていただくためには、今回の取組もそうですけれども、ここ以外にも新たにそういう安全に釣りができるエリアを増やしていくということは重要な方向性かなと思っておりまして、六甲アイランドで今、整備を進めておりますが、それ以外にもどういうところがあるのか検討していきたいというふうに思います。
これはまだこれからの検討課題ですけれども、ポートアイランドでも釣りができるような場所が今後整備をすれば、そういう釣りのエリアになる可能性がある場所もありますから、これから検討を進めるというふうに思います。
記者:
海づり公園について、最後、須磨エリア全体の活性化につなげたいということで、須磨シーワールドとか周辺施設、どこでしたっけ、隣の山上遊園地とかそういう施設ありますけど、そういったところとの一体となった盛り上がりというイメージなのかなと推察したんですが、そのあたりをもうちょっとおっしゃっていただきたいと思います。
久元市長:
1つはこの須磨エリアを考えるときには、須磨シーワールドもオープンをしたと。そして、この海づり公園ですよね。海づり公園は、ここは車で行くというよりも、電車で降りて行っていただくのがいいと思うんですが、その北側は須磨浦公園になっているわけですね。それから一ノ谷プラザも、長年これが放置されていて、実はこの一ノ谷プラザのリニューアルもしたことがあるんですけど、うまくいかなかったんですよ。ちょっと庁内の調整がうまくいかなかったんですけど。今、再度、これは本庁のほうで、一ノ谷プラザとその周辺を一体的にリニューアルするということを今、計画を進めておりまして、そういうふうにして、非常に魅力あるエリアですから、一体的に整備をしていくという考え方で、これからさらに次の計画を考えていきたいというふうに思います。
記者:
一体的にということで、回遊性というか、複数利用して回遊してもらうというところが考えられるんですけど、私もこの間一ノ谷プラザ、ちょっと取材で行かせてもらったんですけど、割とJRからも山陽からも遠いイメージがあって、その辺の交通手段というか、移動のイメージが大事かなと思うんですけど、そのあたりのイメージとかってあるんでしょうか。
久元市長:
遠いからといって、車で移動するとかというのではなくて、やっぱりこれからの余暇の楽しみ方というのが、ゆったりと歩いてもらうということが大事ではないかなというふうに思っておりまして、そのためには歩いて楽しい整備ということをしてもらう必要がありますよね。例えば一ノ谷プラザも、あそこだけ見ていたら何となく古い建物が、あれ、再整備するんですよ。しかし、あそこからかなり急な細い道があって、ずっとそれを上がっていくと、旧安徳帝の遺構のようなものがあって、あそこからの眺めというのは大変すばらしくて、それを見ながら坂道を下りていくというのは、これは大変楽しいひとときだと思うんですよね。下りていったら下に一の谷プラザがあって、これを再整備して、そして須磨浦公園を楽しんで、海づり公園に行ってもらうと。いろんな楽しみ方をしていただけるような再整備のありようというのをこれから検討したいと思います。
記者:
ありがとうございます。ちなみに、何か入込み客数の目標とかってあったりするんでしょうか。
久元市長:
この須磨の海づり公園は年間5万6,000人ぐらいを、これは運営事業者のほうでの見込みですけれども、想定をしております。
記者:
須磨の海づり公園のほうについてお伺いします。魚を育むということで、漁礁の設置が予定されているかと思うんですけども、これは、狙いとしては研究とかなのか、あるいは生態系への影響とか、この狙いについてお伺いしていいですか。
久元市長:
狙いは、やっぱり神戸の海で魚が育ってほしい、魚が次々に生まれて、そして大きくなって、そしてその一部は私たちの食卓にも上るように。食べられない魚もいっぱいありますけれども。豊かな海の象徴というのが、たくさんの種類の魚が生息しているということですよね。ごく少数の種類の魚ではなくて、瀬戸内の魚の魅力というのは、魚種が大変多い、たくさんあるところです。そういうたくさんの魚が、こういうワカメなどの藻場が形成されて、漁礁を、要らなくなった部材を沈めて漁礁をつくり、そこにこういうふうに魚が育つ、魚が生まれ育つ環境ができる。これは生物多様性の維持にもつながるし、そして、要らなくなったものが使われて、そこから命が生まれるというのは、これは循環型社会、あるいはSDGsの考え方にも沿っていると思いますし、そういう意味があるのではないかというふうに思います。
同時に、もちろんここで、神戸には生態系の専門家とか、あるいは魚の専門家の方もいらっしゃいますから、ここでいろんな観察をしていただくということもあり得るのではないという風に思います。
記者:
ありがとうございます。それぞれ2施設が11月からオープンするということで、それぞれいらっしゃる市民の方だったりとか観光客の方ですとか、それぞれにメッセージがあればお願いします。
久元市長:
そうですね、やはり神戸はいろいろな魅力があるまちなんですね。山があり、海があり、そして趣がある市街地、町並みがあると。北野はそういう、すぐ近くには異人館もたくさんありますし、魅力があるスポットで、それで、先人から維持されてきたこの北野小学校の建物を使って、新たな魅力がここから発信されるということ、それから、海の魅力を味わっていただけるための海づり公園。この2つは直接は連関していませんが、それ以外のいろんな取組が相乗効果を発することによって、神戸の魅力というのがさらに一層全体として高まっていくのではないかなと。そして、そういう魅力を効果的に発信することによって、たくさんの来街者につなげていくということができるというふうに思っています。
記者:
海づり公園なんですが、こちら、運営会社が、山陽電車さんがリーダーをされているという、代表企業ということで、山上遊園であるとか、あるいは須磨の活性化についての連携協定にも熱心に取り組まれているということで、それを踏まえた上で改めて、改めて須磨区全体の活性化についての、このきっかけとしての海づり公園ということで、御期待など、一言頂戴できればと思います。よろしくお願いします。
久元市長:
山陽電車さんが今回の海づり公園の指定管理者に入っていただいた。これは厳正に審査をしてそうしたわけですけれども、おっしゃいますように、山陽電車の皆さんは、私も社長と一緒に山上遊園に行ったこともありますけれども、大変このエリアをよく御存じ、知り尽くしておられるわけですから、そういうノウハウを今回の海づり公園にも提供していただけるのではないかというふうに期待しております。
また、さっきも申し上げましたように、沿線全体の活性化というのは、またこれから新しく取り組むことができると思うので、積極的にいろんな意見とか提言を出してもらえるというふうに思います。
記者:
兵庫県の斎藤知事の進退について、正式表明は午後3時からということなんですけれども、ほぼ全報道各社が失職して出直し選挙ということの意向を報じている状況でして、このタイミングになって申し訳ないんですけども、改めてこの決断をどう受け止めるか、所感をお伺いできればと思います。受け止めを、もしあればお願いします。
久元市長:
3時から記者会見があるというふうに聞いておりますので、それをお聞きした上で申し上げるべきかとも思うんですけれども、もう既にほとんどの報道が不信任決議を受けて失職を選択される。その後行われる知事選挙に、いわゆる出直し選挙ということでしょうか、出馬される意向を表明されているということで、ほぼどの報道機関からの報道でもそのようですから、それを前提にいたしますと、やはり当然のことながら、知事がどのように御自身の言葉でおっしゃるのかということを注視していきたいと思います。
その上で申し上げるならば、やはり失職されるという時点で、どうして斎藤知事が全会一致で不信任決議を受ける、そしてそれによって失職するということになったのかということの理由と経緯を御自身の言葉できちんと説明されるということが求められるかと思うんですが、今回、出直し選挙になるならば、やはりそこのところはかなり明確に説明していただきたいというふうに思います。
これまでも説明されたとは承知をしておりますけれども、やはり県民の関心としては、この一連の経緯の中で、どうして西播磨県民局長が作られた文書に関連して、この文書を作られた県民局長御自身と、そこで触れられていた事案に関する職員の方、2人がお亡くなりになられたということは、非常にこれは重い事実だと思うわけで、多くの県民は、どうしてこんなことが起きたのかということを、そこは大きな関心があるかと思いますから、そこをしっかり説明していただくということが大変大事です。また、様々な一連の、懲戒処分や公益通報の問題などについても、いろんな懸念や疑念が提起されてきましたから、そこをしっかり説明していただくと。一言で言うと、どうしてこの異例の展開になったのか、任期中に不信任決議、失職、そして出直し選挙ということになるのかということについての理由と経緯と御自身のお考えをしっかり説明していただくというふうに、大事ではないかと思っています。
そして、選挙になると、これは当然、選挙に臨む御自身の政見などをお話しされることになると思うんですけれども、当然のことながら、現職の知事ですから、やはりこの3年余りの間の兵庫県政運営についてどう総括されるのか、そして今後、その総括を踏まえてどういう政策を展開されようとするのかということが求められるというふうに思います。その際、やはり神戸市もそうですけれども、兵庫県は人口減少が続いています。この人口減少を人口増加に転ずることはできないと思うんですけれども、我が国全体、ほとんどの自治体が直面しているこの人口減少にどう向き合って、どう県政として対応しようとしているのかということが問われると思います。そこをぜひ説明をしていただきというふうに思います。同時に、兵庫県全体を見渡すと、やはり相当疲弊している地域もあると思いますから、地域の活性化策、地域の振興策ということを具体的なビジョン、これまでやってきた施策というのがどういう効果を生み、それを今後どう新しく展開していっていただけるのかということを期待しております。
それから、個別の政策で言うと、県立大学の無償化が、これは知事のリーダーシップで進められてきたわけですけれども、これは県議会でも相当疑問が出されてきました。私は、これは県の施策だということで、これについては特に意見を申し上げてこなかったわけですけれども、神戸市は、公立の大学、神戸市外国語大学と神戸市看護大学は、これは無償化をしませんでした。これは逆に言うと、これは失職を選択されるということで申し上げますが、非常に不適切な政策だと思います。どうして僅か2%弱の大学生のために兵庫県立大学だけを無償化するのか理解できないですね。そして、この兵庫県立大学の無償化によって、ほかの大学が影響を受けます。神戸市にはたくさんの大学があるわけで、今のところは大きな影響は出ていないと思いますけれども、今後、これが影響を受ける可能性がありますね。やはり県知事なんですから、ごく、自分のところの特定の大学のことだけ考えるのではなくて、神戸市の大学も含めて、大学全体をどう考えていくのかということについて、やはり明確な考え方を示していただきたいというふうに思います。私はやめていただきたいというふうに希望をいたします。
それから、もう1つは、やはり県庁の再整備です。これは、神戸市は三宮の再整備を進め、それから、フラワーロードに沿って再整備を進め、ウォーターフロントの再整備も進めています。JR兵庫駅の駅前の再整備も発表いたします。ここが抜け落ちているのが元町なんです。元町がどうして抜け落ちているのかというと、兵庫県の庁舎整備の内容が不透明だからなんです。これはやはりはっきり庁舎の再整備をどうしようとするか、そして、元町の北側の再整備について県としてどう考えているのかということを明確にしていただかないと困ります。
それから、もう1つは、大阪府の高校授業料無償化です。これは非常に大きな影響があるというふうに繰り返し申し上げてきました。これは本来県が考えるべき問題です。これについて、斎藤知事は吉村知事と一緒に仕事をされてきたわけですから、どうして何の意見もおっしゃらなかったのか、一体これにどう対応されようとしているのかということをやはり明確にしていただく必要があるのではないかというふうに思います。
取りあえずはそんなところが私の所感です。
記者:
ありがとうございます。踏み込んで政策のこともしっかりおっしゃっていただいて、ありがとうございます。
今のお話を聞くと、割とこのタイミングで、今3つおっしゃいましたけど、これまでの県政を見ていて、今回の問題とは別に、やはり施策に関しても、知事は施策について改革を進めたと今会見でおっしゃっていますけども、施策についても、市長から見ると、やはりその点について、疑問というか、そういう部分が多かったということでしょうか。
記者:
いや、それは改革を進められてきたので、全体的にどうこうと言うつもりはありませんけれども、神戸市としては、これは県政のありようというのは非常に重要です。やはり兵庫県は独立した自治体ですね。独立した県政を県民の信託の下に行われているはずです。そこは、独立した自治体として主体的に県政運営がなされてきたのかということについては、これはひょっとしたら意見が分かれることかもしれないですね。もっとやはり兵庫県民からの信託を受けた知事として、主体的に責任のある県政運営をされてきたのかということは御自身の言葉でしっかり説明していただきたいと思います。
記者:
もう1つ、先ほど県立大のところで、最後、やめていただきたいとおっしゃったのは、その施策をやめていただきたいという。
久元市長:
いや、県立大学の無償化をやめていただきたいということです。
記者:
今回、出直し選に出られるということですけども、地方自治の観点からというと難しいですけど、県議会から全会一致で不信任が可決されて、今、県民あるいは職員の方からもかなり疑問の声が上がっている中で、その中で、改めて4年間の任期を求めて出直し選に出るという判断については、選択肢として適切なのかどうかというところをもしお伺いできれば。
久元市長:
それは御自身が判断されることで、私がとやかく申し上げることではありません。
記者:
分かりました。
もう1つ、今回、不信任決議が出た上で、今後、出直し選ということになりましたけども、約半年間にわたって県政が停滞した中で、ここまで判断が遅れたというか、停滞させたということの責任についてはどう考えておられますか。
久元市長:
いわゆる西播磨県民局長の出された文書について、知事が記者会見をされてからこの混乱が始まり、これが半年に及んできたことは、これは異例のことだったと思います。これはこれまでも申し上げてきたと思うんですが、こういう県政というのは非常に異例のことだし、県政が混乱し、停滞をしているということは事実ですから、この間の経緯というのは、それはいろいろあったと思うんですけれども、知事が最終的にこういう判断をされるということで、あとは県民の審判を仰ぎ、兵庫県政が安定した軌道に回帰していただく、戻っていただくということを期待したいと思います。
記者:
ありがとうございます。
記者:
引き続き斎藤知事の件で恐縮なんですけども、どうしても、今、世間的にも報道的にも斎藤知事の進退についてばかり注目が行っているところで、県民局長のお話の真相究明というところも大切なのかなと思うんですけども、市長として今後の展開で期待されることをもう一度改めていいですか。
久元市長:
期待をすることは、知事は失職を選ばれて知事選挙に出られるわけですから、これまでの3年余りにわたるこの御自身の県政というものを、どう総括をされるのか。そしてその総括の上に、知事としての政策展開というものをどういうふうにしようとされるのかということを、明快に語っていただくということを期待したいと思います。
記者:
先ほどのお話の中で、兵庫県は独立した自治体であって、これまでの斎藤県政が独立した自治体として主体的に県政運営が行われてきたかどうかというと、意見が分かれるという話がありましたけど、久元さん御自身は、これについてはどのような御意見をお持ちですか。
久元市長:
やはり当たり前のことだと思うんですよね。この神戸市政もそうですし、兵庫県政もそうですし、ほかの自治体もそうですけれども、自らの主体的な判断で、それは、住民自治に基づく、住民の代表である議事機関である議会と、直接公選された知事や市長村長が責任を持って、その両者の緊張感のある信頼関係のもとに県政を独立して運営していくということが基本だと思いますから、そういう県政運営を今後は期待したいというふうに思います。
記者:
ありがとうございます。今後期待したいというのは、これまではあまりされていなかったように見えるということでしょうか。
久元市長:
そこは、判断は分かれるかもしれませんが、私は特に、大阪府の高校無償化について、どうして知事は吉村知事に意見を言われなかったのかということが不思議でなりません。それは、かつて吉村知事の部下だったからそうだということであれば、それは大変残念なことです。あと、優勝パレードの問題にしても、非常にこれは歩調を合わせて対応されました。県立大学の無償化も、これも大阪府の公立大学の無償化と歩調を合わせてやっていることですよね。大阪府と連携・協調をする、大阪・関西万博にも協力をするということは大事ですけれども、それは言いなりになるということではないはずなんです。そういうところも、これまでの県政のありようという部分については、私は、若干の疑問は持っております。
記者:
大阪と、かなり影響を受けながらやっていたんじゃないかという見方ですか。
久元市長:
そうです。
記者:
ありがとうございます。これまでも、市長会見で度々県の問題についてお伺いしてきたかと思うんですけども、今日はかなり久元さん御自身の言葉というか、思いというのがかなりお話の中にあったと思います。これは、意見を表明されるタイミングとしては、やはり、知事が進退というか、出直し選に出るという判断を表明したというのが明らかになったことを受けてということでしょうか。
久元市長:
これまでも、例えば兵庫県の市長会の会合に私が出なかったのは、それは知事の進退について議論をするということなので、それは、ほかの自治体のトップが、独立した兵庫県トップの進退について意見を言うのはおかしいので、私は、それは申し上げたことはありません。しかし今回、知事は自らの任期の途中で失職を選択され、しかも出直し知事選挙に出られるわけですから、やはり、そのことを前提として、今後の兵庫県政に対して期待をするということを申し上げたということです。
記者:
すいません、これも仮の話で恐縮なんですけども、知事が再出馬された場合、支援とか協調とか、あるいは距離を置くとか、そのあたりのお考えはありますでしょうか。
久元市長:
これは今後、知事が正式に出馬を表明されて、どのような政見を発表されるのかということにもよると思いますけれども、今のところ、例えば知事が選挙事務所をつくられて、そこに駆けつけるとか、あるいは知事の選挙運動の中で行われる街頭演説などに参上するというつもりはありません。
記者:
今、市長の御意見いろいろお伺いさせていただいたんですけども、ここから多分、斎藤知事が再出馬されて、ほかの候補者も出てくる可能性があるかと思います。今、お考えが大分違うというか、神戸市の方向性と違うような候補者が出てくると思うんですけども、その場合、御自身で兵庫県知事、検討されるとか、そういう可能性というのはあるんでしょうか。改めて、県知事への出馬ということです。
久元市長:
誰がですか。
記者:
市長がです。
久元市長:
ありません。
記者:
じゃあ、出られる方の、それぞれの候補者の主張を御覧になられるということでしょうか。
久元市長:
それは、これからどういうふうに動いていくかということですから、もちろん兵庫県政は神戸市政に大きな影響がありますから、そこは関心を持って見守っていきたいと思います。
記者:
すいません、斎藤知事とは別の質問をさせていただきたいので、お願いします。御質問をさせていただきたいのは、市立幼稚園の再編についての御質問です。
報道にも出ておりましたけども、13園の市立幼稚園を閉園する、あと、神戸市の保育所、認定こども園を今後新設しないという報道も出ておりました。人口減少であったりとか、少子化の中でやむを得ない部分はあると思うんですけども、やっぱり、地域の特別支援教育とかを支えてきた公教育の中核を担う公立幼稚園がなくなっていくというのは影響があるんじゃないかという、市民からの声も多く上がっていると思うんですけども、市長として、市立幼稚園の今後閉園と、特に地域においては幼稚園がかなり、長田区なんかはゼロ園になってしまうんですけども、そのあたりの幼稚園の在り方についてどのようにお考えでしょうか。
久元市長:
これは前もお話ししたかと思うんですけれども、やはり市立幼稚園の評価というのはかなり高くて、私も大分前に幾つかの市立幼稚園に行ったことがありますが、保護者の方からは非常にいい雰囲気を出していただいて、子供たちが楽しい幼稚園の生活を送っているという話があって、すごく市立幼稚園がなくなるということは心配をする、あるいは寂しいという思いをお持ちの方がおられることは理解をいたします。しかし一方で、子供の数が急速に減っていくと、この減少はさらに顕著になってきているわけですから、これは今のままの市立幼稚園の在り方、そして、私立の幼稚園との役割分担を考えながら縮小を図っていくということは必要なことです。ですから、これは教育委員会が権限を持っている話ですけれども、教育委員会が責任を持ってそこは丁寧に関係者の意見を聞いてまとめられると思います。
さらに一旦閉園の計画を発表したわけですけど、その後、様々な意見を聞いていただいて、そして3つの園については閉園の時期というのは柔軟に考えます。からと、道場、大沢、そういうような見直しを図るということと、やはり拠点としての機能を強化するという役割を果たすとか、あるいは3年保育の拡充などを行うというようなことをまとめられた、そういう方針を今月策定されたということですから、私も途中計画も含めて教育委員会から報告を受けています。この方向に沿って円滑に進めていただくということを期待したいと思います。
記者:
公立幼稚園、先ほど市長がおっしゃいましたけども、3年保育を今までやっていなかったりすることも多かったりとか、最近は共働き増加での2号利用の増加とか、いろいろその辺の保護者ニーズとのマッチングが合わなくなってきていたという、多分これが1番多いと思うんですけども、例えば、ほかの県内の市町では市立の保育園との再編であったりとか、認定こども園化をする自治体もあると聞いておりますが、そういう形で保護者ニーズに応えていこうとお考えの自治体もあるんですけども、子育て世代が住みやすいまちにしたいという神戸市の人口政策と関わる部分であると思うんですけども、このように住民ニーズに対して市長としてどのようにお応えしていきたいと思っていますか。
久元市長:
これはやはり住民ニーズについては、おっしゃるように幼稚園とそれから保育所と認定こども園が役割分担を果たすということと連携をするということ。それから、今回は教育委員会は幼稚園と保育所と小学校の接続、連携を一層強化するということですから、そこは幼児教育に対するニーズというのと教育委員会、それから市長部局、こども家庭局がよく相談をしながらまとめられていると思います。私はこの方向で円滑に進めていただきたいと思いますし、同時に幼児教育は非常に重要ですから、新たにおっしゃったような方策というものがどういうものがあり得るのかというのは不断に検討を進めていくということが重要ではないかと思います。
記者:
もう1つだけお願いします。
教育委員会によりますと、公立園が難しい場合は私立の幼稚園でも、例えば市立が担ってきた特別支援教育などを担うことになると聞いております。私立の幼稚園はやっぱり特色ある教育というのが非常に売りだったと思うんですけども、預かり保育であったりとか、特別支援教育となると園の経営であったりとか、職員への負担というのが非常に多くなるのではないかなという声もあるかなと思うんですけども、神戸市としてこういう特別支援のニーズにどのように応えていくのかということでお考えをお伺いできますでしょうか。
久元市長:
特別支援のニーズというのはもう大分高まってきていますから、やはり私立の幼稚園に対してもそういうようなお願いをするということはあり得ると思います。やはりそのためには専門的な知識や経験を持った人材が必要ですし、私立の幼稚園に対してお願いするのであれば、こども家庭局とも連携をしてきちんと相談に乗っていくというような対応が必要ではないかというふうに思います。
記者:
兵庫県の問題のほうに話が戻ってしまうんですけども、先ほど私の質問の中で斎藤県政が大阪の影響を受けていたのではないかという見方なんでしょうかという質問に対して、久元さんは「そうです」と御回答をいただいたんですけども、これは大阪の影響というのはつまりは維新の影響と解釈してもよろしいでしょうか。
久元市長:
いえ、全然そうは思わないです。大阪府政ということです。
記者:
あくまで大阪府政に影響を受けていたということですか。
久元市長:
そうです。