最終更新日:2024年5月8日
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司会:
それでは、5月1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。
市長、よろしくお願いします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。今日お話を申し上げたい案件は2件、資料お配りしておりますが、その前に、資料お配りしておりませんけれども、タワーマンションと地域社会との関わりのあり方に関する有識者会議を設置し、1回目の会合を開催いたしましたので、その設置の趣旨について少しお話をさせていただければと思います。
タワーマンション、いわゆるタワマンが建設をされますと、地域社会との関わりにおきまして、防災あるいはまちづくりなどの面で、現在あるいは将来にわたって様々な問題が顕在化し、場合によっては深刻化する懸念があるという認識を神戸市は持ってきました。もう6年前になりますが、2018年にタワーマンションに関する研究会を設置いたしまして、その中では、市の中心部に人口が集中をすることによって生じる弊害、あるいは人口が流出する地域において生ずる都市のスポンジ化という問題、あるいはタワマン単体については、修繕積立金の不足の懸念がこの研究会の中では指摘をされました。これを受けまして、神戸市では、市の中心部におけるタワマンの建築規制、また、管理届出制度などのこういう対策を実施してきたところです。
市の中心部における新規のタワマンの建設は、今、ウォーターフロントで行われているもので大体とまっております。今建設中のものは、私が市長になりましたときには、もう既に計画がほぼ決まっておりました。それが今、建ち上がりつつあるというところです。そういう状況の中で、しかし、タワマンが今後、建設をされる。ちょっと規制をしておりますけれども、新たなタワマンが建設される可能性はもちろんあります。
一方で、既に多数のタワマンが今、神戸市には立地をしております。そういうことを考えれば、そのタワマンが立地をするということによって、地域社会に対してどういう外部不経済が生じるか。あるいはその外部不経済に対して行政はどう関わっていったらいいのか。その場合には、どういう種類の行政コストが発生をするのか。その行政コストをどういうふうに調達をするのかと、こういうような論点が出てくるのではないか。こういうことを問題提起させていただきまして、有識者の方々に論議をしていただきたいという趣旨でこの有識者会議を設置することにしたわけです。財政学、都市計画、建築、法律、また防災といったような分野の専門家の方々に入っていただきまして、これから御意見をお伺いしながら、幅広く議論を行っていただきたいと考えております。
1回目の会議では、今後の議論の進め方につきまして、各委員の御意見をお伺いしたところでございます。年内にこの1回目も含めて3回程度開催をいたしまして、最終的に、できれば意見の取りまとめをしていただければと考えております。したがいまして、この議論の対象は、新設されるタワマンだけではなくて、既にあるタワマンも含めて、規制区域の内外を問わず議論をするようにさせていただきたいと考えております。意見が取りまとめられれば、神戸市の今後のタワマンに関する施策の参考にさせていただいて、この施策の方向性を今後見いだしていくというふうに考えております。
それでは、お配りしております資料の最初が、地域貢献相談窓口の運用の開始です。この地域貢献窓口は、これは去年の4月に地域協働局を設置したときに、これはぜひつくりたいというふうに考えておりましたけれども、なかなかうまく成案ができませんでした。改めてこれを設置して、いろいろな相談に応じる体制を整えたいということです。今というか、大分前から起きていることですけれども、人々の間で、神戸市民の間でも、何らかの形で社会の役に立ちたいと思っておられる方が増えております。また、企業の間でも社会貢献ということを相当意識した対応が非常に広がっております。神戸市内で地域貢献団体というくくりで調査をしておりますが、この団体も増えている。また、地域貢献団体の活動に参加する方々も相当増えております。神戸市内にはたくさんの大学、短期大学などがありますが、この23校の中で17校が学生の皆さんに地域貢献活動に参画をしてもらう支援体制を整えておられます。
しかしながら、そういうふうに地域に貢献したい方がたくさん増えている一方で、実際にこの地域貢献に、あるいはその地域貢献活動にはなかなかそれが参加につながっているかというと、必ずしもそうではありません。地域活動に参加したことがないという方を対象にしたネットモニターに対するアンケートですけれども、都合がつかないという方もたくさんおられました。そういう方はもうしようがありません。これはそういう条件がないわけですから、そういう方は参加していただくのは無理です。しかし、都合がつく方でも参加したことがないというのは、きっかけがない。それから活動の内容や参加方法が分からない。こういう方がかなりいらっしゃるということが分かっています。
そういうことを考えれば、地域のためにどんなことができるのかということを思っておられる方が気軽に相談することができるような窓口、市民の皆さんが、自分はこういうような面で経験がある、こういう面に関心がある、特にこういう専門的な知識を生かしたいというふうに思っておられる方がいます。それから、そういう地域貢献を行っている企業や大学や、地域団体、NPOがたくさんあるわけですけれども、こういうような方々、ぜひ自分たちの活動にたくさんの皆さん、参加していただきたいというふうに、こういうような面で参加してほしいというふうに求める情報提供や相談をする。そういうような地域貢献についての相談を受け付ける総合的な窓口をサポートするような、そういう窓口を今回つくることにしたわけです。
もちろん、市民が活動したり、企業や大学や地域団体NPOが活動を求めているというふうに、大体そういうケースが多いということで、立場が逆の場合もあると思います。非常に熱心に個人で地域活動を行っておられる方が企業のサポートを求めるということももちろんあるだろうと思うわけです。もちろんその企業や大学が自分たちは地域貢献をしたいというふうに思っておられる相談、向こう側に企業や大学や地域団体、NPOが向こうの立場に位置し、個人である市民がこちらの側に立つということももちろんあると。想定されるのはこういう図ですが、こういうふうに要望を受けていきます。
そういう地域貢献の相談窓口を、5月9日ですから、あした設置をいたします。地域貢献に思いを持つ個人や企業、NPO、大学など、そういうような方々からどんな相談でも受け付けることにしたいと考えております。
まず、実際に来ていただいて、相談に乗って、相談に乗る窓口、これは市役所の中の地域協働局の中につくります。電話でも受け付けますし、また、ウェブでは24時間受付というふうにしたいと思っております。相談者の思いに向けて伴走型の支援をぜひしたいというふうに思っているわけですけれども、この伴走型の支援というのは、いろいろな相談を受けて、そういう相談なら何局の何課に行ってください、区役所の何課に行ってください、建設事務所に相談してくださいというところで終わらないということです。相談を受けた内容を、その相談を受けた方が、最終的にその相談者の方が満足していけるところまできちっと寄り添って支援をしたい、相談に最後まで乗って、もちろん最後まで乗って、その提案された、あるいは要望されたとおりにいかないことももちろんあると思いますけれども、極力そういう思いが実現できるような対応をする、それを伴走型の支援というふうに言わせていただいているわけです。
どんな相談なのか、ありとあらゆる相談が考えられると思うんですけれども、例えば今、マルシェの取組が市内の中でも広がっていますけれども、ぜひ魅力的なマルシェで地域を盛り上げたいというふうに思っているというような、例えば商店街の方のグループとか、あるいは河川の清掃活動も、福田川とか山田川とか、都賀川とか、住吉川などでも行われていますけれども、そういうような仲間を増やしたい、あるいはそのための活動資金を求めるという相談もあるかもしれませんね。
あるいは、自分はベトナムで長く仕事をして、ベトナム語もある程度分かる。神戸は大変ベトナム人も増えているので、そういうベトナム人系の、日本語をベトナム語で教えるということをしたいとか、あるいは英語の経験もあるでしょうし、学校で数学を教えたというような経験とか、いろんな御自身の特技や経験を地域のために役立てたいと思っておられる方もいるでしょう。
それから、最近は里山の保全など環境活動が広がっていますが、そういう活動に参加をしたい、あるいはそういう活動を展開しているNPOなどの皆さんが、そういう活動に参加する学生や、市民や、場合によったら留学生の皆さんを募集したいというふうなこと、あるいは地域のイベント、いろいろと行われているだろうけど、なかなか自分のところの会社はそういう地域の皆さんと縁がなかったので、ぜひ誰か、どうか紹介してほしいというような、そういう企業からの取組があるかもしれません。あるいは食材を子ども食堂に提供したい、食材だけではなくて場所を提供したいとか、あるいはお手伝いをしたいとかというふうな申出なんかもそうですよね。
こういうふうな実は相談というのは、市役所の中のいろんな課とか室とか、あるいは区役所に寄せられています、今。ところが、それぞれの課とか室とかは、所掌事務の範囲がありますから、その範囲でしかなかなかお答えができない。いや、うちに相談されても、ここまでですねとかいうふうにどうしてもなってしまう。これは組織が大きければ大きいほど、そういうことになるんですけど、この今度つくる地域貢献相談窓口は所掌事務にかかわらず、そういう思いをとにかく一旦受け止めて、関係するところ、市役所の中の関係するところともしっかり相談をして、あるいは情報もしっかり収集をして、そして関係局とも相談をしながら、相談された方々の思いが形になるように伴走支援をする、こういうような取組を、これは試行錯誤になると思うんですけれども、進める、そういうことであした、この地域貢献窓口を設置いたします。
地域に貢献したいという思いを、市役所が言わばコーディネーター役になって、丁寧につなぎ合わせて、様々なプレーヤーが協働して地域課題の解決に取り組むことができるような神戸にしていただきたい、していきたい、そういう思いを持って、この地域貢献窓口を設置させていただきます。
2番目が、一人暮らしの方の生前の葬儀・納骨契約の手続をサポートするエンディングプラン・サポートと呼ばれる取組をスタートしたいということです。
今、孤立、孤独ということが言われるようになって久しいものがあります。身寄りのない高齢者の方が増えて、様々な問題が生じております。人が人生の終えんを迎えるときに、やはり自分が亡くなったときの葬儀、あるいはお墓をどうするのかということについては、それについて不安を持っておられる方がたくさんいらっしゃるということが分かっております。実際も無縁遺骨を保管しているこの数が、御覧いただいているように増えています。もちろんその前提として、高齢独居世帯も大幅に増えております。
実はこれは、このこと自身を議論するということではなかったわけですけれども、2022年から2023年にかけて、神戸市立墓園のあり方を検討する有識者会議というものを立ち上げました。これは神戸市が管理している墓園、お墓の在り方について、家族のありよう、あるいは個人の死生観が変わってきているということに伴って、それからどういうふうに変わっているのかということをまず議論し、それを踏まえながら運営の在り方を検討したい、そういう趣旨でこの有識者会議を立ち上げたわけです。
お墓のことが主たるメインだったわけですけれども、その有識者会議の中では、まさに亡くなられても、子供さんや親族がいないと。そういうことから、自分の意思に基づく葬儀を上げてもらうことができないような方、あるいは希望する納骨などができないというような方が増えていると。これはやはり個人の尊厳が守られていないということにつながるのではないかという、そういう指摘をいただきました。
そこで今回、これから御説明いたしますけれども、家族や御自身の承継者の有無や経済状況などにかかわらず、尊厳を持って葬られる機会が確保できるような、そういう取組ができないか、そのために神戸市でも市民が生前に葬儀や納骨の契約を結ぶことができるようにして、そういう契約の締結を市が支援をする取組ということを始めたいということです。これがエンディングプラン・サポート事業です。
これは葬儀など、人生の終末期に関する手続を市が支援するという、そういう意味で、エンディングプラン・サポート事業という名称にいたしました。
この契約は、市民、個々の市民の方と葬斎事業者との間で行われるものですけれども、まず、相談は市が受け付けます。もちろん、市が介在することなく契約される方はそれでいいわけですけども、そういう方がなかなかいらっしゃらない場合ということですよね。そういう方に対しては、市が相談窓口をつくって、相談員、市が任用する相談員が対応をいたします。一方で、神戸市は葬祭事業者との間で協定を締結いたしまして、この事業に関する体制を確保いたします。この協定を締結する協力事業者は、神戸市の規格葬儀の指定事業者、16社あるわけですが、この16社の中から神戸市が御意向を確認いたしまして、選定をし、協定を締結するということになります。
ちなみに、この神戸市の規格葬儀の指定事業者というのは、これは1956年から制度がスタートした非常に長い歴史を有する制度で、先ほど申し上げましたように、現時点で16社を指定しております。3年に一度、更新手続がありまして、常用雇用者の確保や税の滞納がないということを確認した上で指定をしているということです。現在、この16社の規格葬儀組合、これは13社で構成されている葬儀組合との間で協議を進めておりまして、何社か、この組合からは、協力をしたいというお申出はいただいております。協定は5月中に締結をする予定です。
相談窓口は6月3日に開設をしたいと思っておりまして、頼れる身寄りのいらっしゃらない高齢者の方で、所得制限を年収230万円以下ということで設定をするということでスタートしたいと考えています。平日の9時から17時まで、神戸市の健康局斎園管理課の中に相談窓口を設置いたします。対面で相談員が相談に乗るということです。
この相談は、どういうような葬祭事業者が行って、どういうような葬儀や納骨の手続きになるのかということの相談に乗るわけですけれども、併せて延命治療の意思なども、御相談に応じて確認を、これはリビングウィルというふうに言われているもので、延命治療などの生前の意思なども御希望に応じて確認をいたしまして、その御意向を、神戸市が医療機関などに情報提供を行うということもいたします。
この契約後は、神戸市は定期的に訪問や電話などで生活状況を確認したり、あるいは、葬祭事業者に対しては、この契約者が預託金などを預けるということを想定されるわけですが、その保管状況などの確認も行います。お亡くなりになった場合には、契約どおりの葬儀や納骨が行われたかどうかということを神戸市が確認いたします。専用ダイヤルも設置をいたしますので、これから専用ダイヤルも設置をいたしますので、電話などで気軽に相談をしていただけたらというふうに思っています。
このエンディングサポート事業は、これは神奈川県の横須賀市が最初にこれをスタートいたしまして、現在12市がこの事業を既にスタートしています。兵庫県内では高砂市がこれを行っておりまして、神戸市が初めてというわけではありません。実は、この横須賀市さんの事業というのはかなり知られているところでして、このエンディングサポート事業は、横須賀市さんの名前をそのままいただくことにいたしました。横須賀市さんの、もちろん了解も、喜んでお使いくださいという了解もいただいております。
人生の終えんということを、人によっては考える人、考えない人もいると思いますけれども、やはり独り暮らしで身寄りのない方が増えているという、こういう社会の実態というものを、神戸市はやはり真正面からこれと向き合って、そして、希望される方には神戸市もこれに関わる形で寄り添った対応をしていきたいと、そういう思いからこの事業をスタートすることといたしました。
私からは以上です。
記者:
冒頭の発言の、タワーマンションの有識者会議についてお伺いします。今回、このタイミングで有識者会議を立ち上げたというのは、時期的な何か理由というのはあるんでしょうか。
久元市長:
もともと、神戸市もこの都市計画上の規制ということについては、神戸市内では様々な意見が存在をするとは思うんですけれども、議会で条例を可決していただいて、施行されてしばらく時間がたって、安定的に運用されていると思いますけれども、しかし、一方、神戸市の外では、マンション、タワマンの建設というのは続いている一方で、それと、少数ながら、タワマンの規制ということは必要ではないかという、そういう考え方を取る自治体も出てきているということを考えれば、改めて神戸市内におけるタワマンのあり方ということを、この前回の研究会の後の有識者の間での知見などもいただきながら、既に存在しているタワマン、あるいはこれから建設されるであろうタワマンに対する向き合い方ということを議論する時期に来たのではないかと。その1つの要因は、第1回の会議のときにも紹介がありましたけれども、国土交通省の検討状況ですね。国土交通省もこの問題についてはやはり対応を検討するということを聞いておりますから、この間の様々な動きを考えたときに、やはり有識者の意見をしっかりお聞きをして議論していったほうがいいのではないかというふうに考えたというところです。
記者:
ありがとうございます。差し支えない範囲で構わないんですけども、第1回の会議の内容をお伺いしてもよろしいでしょうか。
久元市長:
これは、タワマンについては様々な議論があるところで、意見が分かれている面もあります。ですから、本来私自身は様々な委員会、有識者会議というのは原則公開しているんですけども、この有識者会議について非公開にしたのは、やはり意見が分かれている、対立をしている分野なので、やはり有識者の方々に御迷惑をかけることがないように、かつ率直に意見交換ができるようにしたいということなので、どんな意見が出されたのかということの詳細は、そういう趣旨で控えさせていただきたいと思うんですけれども、例えば、議論されたのは、先ほど申し上げましたけれども、国における検討状況の報告、これは実際にそういう検討会に入っていただいている方からの報告がありましたし、あと、災害時の備蓄というのが、やはりタワマンの場合には、通常のマンション以上に考えなければいけないのではないかというような意見もございます。今後、2回目、3回目の議論でしっかり、率直に意見が出されることを期待したいと思います。
記者:
発表内容のエンディングプラン・サポート事業についてお願いします。同様の事業というのは民間でもやっているところもあると思うんですけども、これを市がやる意義ですとか、あと狙いの部分について、改めて教えてください。
久元市長:
民間で行われている事業はもちろんあると思うんですけれども、やはりそういうような事業の存在を知らない方もたくさんいらっしゃいますし、やはり所得が低い方については、民間事業について、利用できるのかどうかという部分について不安を抱く方もいらっしゃるでしょうし、この問題については、やはりマーケットに任せるだけでは不十分なのではないかという問題意識からです。そういう問題意識で取り扱うということにいたしました。
繰り返しになりますが、民間のサービスを使われる方はそれで全然、もちろん使っていただければいいわけですけれども、それだけでは収入の状況とか、あるいは情報に対するアクセスの限界などから見て、マーケットだけに委ねるのではなくて、自治体もこれに関わるほうが、今の社会の実態ということから見たときには適切ではないというふうに考えています。
記者:
ありがとうございます。
今回、対象、所得制限を設けた上で、おおむね65歳以上とされています。この中で、頼れる身寄りがないというのは、定義としてはどのように判断されるんでしょうか。
久元市長:
そういう定義を設けているわけですけれども、もともと頼れる方がいらっしゃったら、そもそも御自分自身で解決されるでしょうから、我々が関わるのはこういう方を対象にしているということで、厳密に、相談を受けたときに「いや、あなたは頼れる身寄りがいらっしゃるじゃないですか」とか言って、根掘り葉掘り聞くようなことはいたしません。一応、事業の趣旨として、こういう方を対象としているということで、そんなに厳密に定義するつもりもありません。
記者:
利用されたい方がいらっしゃれば、基本的には利用できるということでしょうか。
久元市長:
そうです。
記者:
ありがとうございます。
基本的に葬儀のプラン、納骨のプランを決めるということだと思うんですけども、よく聞くのが、成年後見人制度とかとリンクしていないことによって、病院から葬儀屋さんに連絡が行かないとか、あとは死亡届を出せる人がいないという課題があると思うんですけども、今回、中身としては、葬儀、納骨の部分に絞った理由というのは何かあるんでしょうか。
久元市長:
まず、身寄りのない高齢者の方が抱えている問題というのは、今おっしゃったように、たくさんあると思うんですよ。医療機関においても実際に入院している患者さんが亡くなって、その対応に非常に困るというケースはあると思いますし、それからマンションでも、普通に友達もいて、活発に活動されている方が急に亡くなって、しかし亡くなってみたら、友達はいる、マンションの中でも知り合いはいるけれども、相続人がいないというケースも出てきていますね。こういう身寄りがない独り暮らしの方に関する問題というのは、幅広く存在をしていると思います。
神戸市は、そういう問題について、これから行政がどう関わっていくのかということを検討したいというふうに思っておりますが、まず、先ほども申し上げましたように、墓園の在り方に関する有識者会議でも指摘をされたこの面についてスタートさせたいということです。
記者:
タワマンの件で伺いたいんですけれども、既に条例をつくって、タワマンの立地規制についてはやられております。それから、管理状況についても公開するという制度をやっておられます。新たに、それにさらに加えて、当然、今から有識者の先生方が議論されるんでしょうけれども、市長のイメージされている、こういったところがまだ手はつけられていないというか、こういったところについて何か考えてほしいというようなイメージ、それから要するに今、現状、既にあるタワマンに対してどうするかという話になると思うんですけれども、その場合、タワマンの住民だけ、住んでいる方だけに何らかの負担をかけるなり、何かそういう、どういったイメージのことを考えておられるのか、もし今、現状で言えるラインのことを教えてください。
久元市長:
今の段階ではありません。まず、ここの有識者会議で議論してほしいのは、タワマンが存在をする、タワマンに多数の方がお住まいになっているということに伴って、地域社会に外部不経済と呼ばれているような事象が生じているのかどうか、もしも生じているとするならば、それはどういうような種類、態様のものなのかということですね。それに伴って、もしもそういう外部不経済が生じているとするならば、行政がそれに対して対応する必要があるのか。外部不経済ですから、マーケットに委ねることができない事象ですけれども、そういう場合には行政が対応する必要性がかなり高いというのが一般論としては言えるだろうと思いますが、どういうような行政コストが発生するのかということが先にあって、そこからどういう具体的な施策というものが必要になるのかという順序を踏んで議論したいということですから、イメージというのは先に、こういう施策のイメージが出てくるものではありません。順序を踏んで議論をしたいということです。
記者:
もう1点ですけれども、そうなると、その実態がどうなっているかという、有識者の先生方からはこういう状況になるのでというようなことになると思うんですけれども、それに伴って何か市独自に新たに現状、タワマンの周辺でどういうことが起こっているかとか、そういうのを調査されたりとかというような案があるんでしょうか。それとも、有識者の方の既に手持ちの情報というか、知見で判断するということなんでしょうか。
久元市長:
そこは有識者会議で、市としてもこういうような調査をしてほしいというような意見があれば、対応できるものは対応したいと思いますが、タワマンについて持っている情報というのは市としても限られるわけなので、そういう調査とか情報収集の手法などについては、なかなか制約というものもあるのではないかという気がいたします。ですから、新たな調査や聞き取りなどを否定するものではありませんが、そこにはかなり限界というものもあるだろうと思います。いずれにしても、今回入っていただいた有識者の方は、タワマンに相当長く関わってこられた方々なので、直近で起きている様々な事象についてもよく御存じですから、そこでよくお話をお聞きしたいというふうに思います。
記者:
すみません、追加で。タワマンの有識者会議についてなんですけども、先ほど、どういう行政コストが発生するのか、さらに、それをどう負担していくのか、順序を踏んで考えていくというお言葉ありましたけども、今回の有識者会議、残り2回だと思うんですけど、どこまで議論をして、どこまで結論づけるかというのは、想定はありますか。
久元市長:
ありません。
記者:
残り2回で、いけるところまでいくということでしょうか。
久元市長:
そうです。いずれにしても、プロの方がそろっておられるわけですから、しっかり議論をしていただいて、繰り返しませんけれども、このタワマンで議論していただく内容については、先ほどもかなりはっきり申し上げたところですから、そういうことについて議論していただいて、一定の取りまとめを行っていただければありがたいと思っております。
記者:
最終的にはどういうふうに行政が負担して、行政しかり、どういったところがコストを負担していくかというところまで、今回の、残り2回で結論づけていくということでよろしいでしょうか。
久元市長:
そういう方向を目指したいと思います。
記者:
地域貢献窓口について伺います。市長御説明のとおり、相談者の声を形にすることがこの中心的なミッションだと思うんですが、何か数値目標とかは考えていらっしゃいますでしょうか。
久元市長:
数値目標はなかなか設定しがたいと思いますね。まず、最初の相談はぽつぽつとしたものになるだろうと思います。ただ、今、ばらばらにしているものも、各局のほうから、それぞれの課とか室とかは、地域貢献相談窓口に相談していただいたら、もっと前向きな答えが、あるいはもっと具体的なアドバイスを受けられるかもしれませんよというようなことも、各課、室や区役所などから、あるいは建設事務所などから伝えてくれることになると思うので、最初は、ひょっとしたら閑古鳥が鳴くかもしれませんが、そういうふうに徐々に増えていって、ぜひここを、この地域貢献相談窓口を開設したことによって、地域貢献活動が、大きく広がっていくということを、少し時間がかかるかもしれませんが、ぜひ期待をしているところです。
記者:
ありがとうございます。
御説明の中で、様々な、そういう、力を持った人が神戸で活躍できるようになればというふうな趣旨で御説明いただいたんですけども、あと、狙いとして、こういう窓口を設置してやる狙いとしては、やっぱり、もっと神戸に根づいてほしいというか、そういうシビックプライドみたいなものを醸成したいという思いもやっぱりあるんでしょうか。
久元市長:
ありますね。やはり神戸に住み、あるいは神戸に住んでいただかなくても、神戸に勤めておられる方、神戸で学んでおられる方、あるいは神戸を拠点に様々な地域活動や企業活動をされている方はたくさんいらっしゃいますから、そういう方も含めて、そういう方々の、地域社会のために役に立ちたいという思いが形になるまちだと、そういう都市なんだということは、神戸市民であること、あるいは神戸で活動していることに対する自信とか誇りにもつながっていくだろうと思いますし、このことは今おっしゃったシビックプライドの醸成にも、長い目で見れば結びついていくのではないか、そういう方向性をたどっていくこと、ぜひ期待をしたいと思います。
記者:
関連して、最後1つなんですけど、最初のほうの、4ページ目ですかね、資料である、この地域貢献団体等の推移が増えているという御説明をいただいたんですが、何で増えているか、御説明いただけるなら伺いたいんですけど、何か理由とか、分かっていることはあるんでしょうか。
久元市長:
これはやはり地域活動に対する関心が高まってきているということだと思いますね。特に、これは断定的に言うつもりはないんです、あくまでも例示としてお聞き取りいただきたいと思うんですけども、やはりSDGs、持続可能性ということを考えたときに、自然との共生ということが非常に大事になってきて、里山に関する保全活動なども広がっています。竹林の利用なども、例えばメンマを作るとか、そういう活動も広がっていますし、循環型社会ということから見たときに、食品ロスの取組、非常に進んでいっています。それから子供に対する学習支援も、市役所の職員の中でも頑張っている職員もいますし、様々に広がっています。こども食堂や、あるいはふれあい給食のような活動、これは自治会や婦人会、そのほかNPOの皆さんもたくさん参加するようになっている。全体的な社会貢献への関心が広がっているというと、今申し上げたような分野についての、これはただ単なる関心だけではなくて、実際に活動をされる方が非常に大きくなっているということは事実だと思いますから、そういうような傾向がトータルとしての数字の増加に結びついているのではないかというふうに想像する面もあります。そういうふうに感じています。
記者:
エンディングプラン・サポートの件で幾つかお尋ねしたいのですが、今回、有識者会議であった御提言を受けて、こういうサポートの支援を開始するということですけれども、市民の、身寄りのない御高齢の方から、これまで区役所とか市役所のほうに、ちょっと、自分が亡くなったときに、どこに埋葬するすればいいのかみたいな御相談とかがあったりという例はあったんでしょうか。
久元市長:
組織が非常に大きいですから、そういう情報が健康局のほうに集約されてはいないと。聞こうと思ったけど、恐らくそうなのかもしれない。多分、集約する仕組みにはなっていないと思うんですけれども、ないことはない思うんです。ないことはないと思いますけど、そういう相談を受けても、役所の窓口でそれに対して多分答えられないと思いますから、そういう情報はほかの部局には上がってこないだろうと思いますから、正直、よく分からないというのが実態です。想像ですけれども、そういう相談は恐らく、あることはあるだろうと思いますけれども、事柄の性格上、役所に相談がしづらいという面もあったと思いますから、あったとしても極めて件数は限られるのではないかなと。これは私の想像ですので、お許しいただければ、そう感じております。
記者:
承知しました。今のお言葉で、やはり役所になかなか相談しづらいという面があったかもしれないですけど、こういう、このサポート制度というのが開始されることで、市民の方も、役所に相談していいんだというような、少しその、相談できる安心感というのが生まれるのかなと思うんですけれども、そのあたりはどのように感じておられますか。
久元市長:
そう期待をしています。安心感が生まれると断言はできませんが、真正面からこういう相談窓口をつくるわけですから、ここに行けば相談に乗ってくれるというのは分かるわけですよね。今まで役所の相談窓口というのは、一般的な相談窓口というのはなくて、必ず、例えば生活支援とか、それぞれ看板がかかっているわけです。そういうところに相談に行っても、いや、うちに言われても困りますという答えが多分返ってくるだろうということは分かりますから、なかなか相談しづらかった。相談したい方がおられたとしても、なかなかこの窓口で相談しても相手にしてもらえないだろうというふうな気もしますから、今回、明確にこの相談窓口をつくることによって、安心して相談に乗っていただけると思います。
記者:
分かりました。今回、行政がその橋渡し的な役割として、市民の方と葬祭事業者を結ぶということになると思うんですけど、すいません、ちょっとさっきおっしゃっていたかもしれないんですけど、葬祭事業者のうち、前向きに検討してくれる方、5月中に締結をされるということですけれども、どれぐらいの事業者の方が今回の制度に参加してもらえそうな見込みでしょうか。
久元市長:
いや、まだこれから相談をして、5月中には結論が出るようにいたします。
記者:
分かりました。最後に1点、対象者、先ほど厳密には定義してないと言いますけど、所得要件で年収230万円以下ということで、この230万円というのはどういう根拠というか、どういうボーダーで設置されたのでしょうか。
久元市長:
大体230万円以下の方が7割ぐらいおられるということと、それから、横須賀市と同程度の230万円ということですね。ただ、この230万円にこだわるつもりはなくて、これでとにかくスタートしてこれを引き上げていく、場合によったら12市のうち2市は所得制限がありませんから、所得制限をなくすというのは将来的な方向としてはあるだろうというふうに思っています。
記者:
分かりました。7割というのは独り暮らしの高齢者のうち7割ということですか。
久元市長:
そうです。
記者:
こちらのエンディングプラン・サポート事業の件なんですけども、現状、相談できることというのは葬儀、納骨のことだけで、例えば生前整理とか、そういった内容についての相談というのは受け付けは可能なんでしょうか。
久元市長:
いや、対象外ですね。これは先ほども申し上げましたけれども、いろんな課題が今存在していることは理解をしております。これはエンディングプランを1つのスタートとして、そういう身寄りのない高齢者の方、独り暮らしの高齢者の方へのサポートというものをどうしたらいいのかということは、今庁内で検討を開始したところで、これはパッケージとして用意をするのがいいのか、あるいはできるものからやっていくのがいいのかということも、実は今庁内で検討を始めたところです。生前整理の問題もそれに含まれると思います。
記者:
分かりました。
先ほどの話にもありましたけども、所得制限の件、現状としましては年収230万円以下に所得制限をされているということですが、その制限がしっかりと制限されているというわけではなくて、希望する方は相談を受け付けるという形での認識でよろしいですか。
久元市長:
そうです。相談を受け付けて、対象は取りあえず230万円というルールをつくりましたから、そういう方を対象にしますけれども、相談は幅広く受け付けたいと思っております。
記者:
応募の対象としては、所得制限以下というイメージということですか。
久元市長:
恐らく電話でまず予約を取っていただくことになるわけで、電話で相談を受け付けしたときは当然「230万円以下の方のサービスですよ」ということを申し上げますから、そういう方がおられることになっております。
記者:
冒頭のタワマンにまた戻らせていただくんですが、有識者会議の中で修繕積立金であるとか災害時の話も先ほど例に挙げていらっしゃいましたけども、それは前回の1回前の有識者会議のときも議題に上がって報告書としてまとまっていた内容でもあるかなと思っていて、新たな知見であったりとか、印象に特に残った部分がもしあれば伺えればと思います。
久元市長:
先ほど申し上げました理由で議論の内容をつまびらかに紹介させていただくことはちょっと控えさせていただきたいと思うんですけれども、例えば、今回は災害の専門家に入ってもらっています。前回の研究会にはそういう分野の人はいなかったわけですけれども、その後、前回の研究会のときには東日本大震災の経験ももちろん分かっていたわけですけれども、その後の地震は全国の各地で相次いでいますし、能登半島では非常に激甚な地震が起きました。能登半島のような地震が大都市部、特にタワマンが林立しているところで起きた場合には、タワマン自身が免震構造で倒壊する危険性が極めて少ない、ゼロに近いと言われていますけれども、しかし、上層階の揺れというのが非常に大きくなりますから、中では相当な被害が生じることがございます。現実に東日本大震災のときも東京圏では部分的にそういう状況がありました。それから、エレベーターが長期間停止することもありました。電気、ガス、水道が長期間止まったときにどう対応する必要があるのか、そういう問題が今出てきています。
それに対する対応というのは、外部不経済と言っていいかどうか分かりませんが、やはり行政コストとしてそれを認識するというのも1つの方法だろうと思いますね。そういう災害時への対応ということも含めた議論というのも、これから行われるのではないかと思います。
記者:
ありがとうございます。
今、委員の方々、先生方への言及もありましたけども、皆さんは神戸市の今の規制の条例についての評価というか、そこはいかがでしたでしょうか。
久元市長:
個々に御意見はお伺いしておりませんけれども、神戸市のタワマン規制の条例自体の内容について否定的な御意見の方はいらっしゃいませんでした。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
あとちょっと最後1点、そのメンバーの中に不動産関連の民間の方々は今回入っていないと思うんですけども、そこ、もし意図というか、今後また何かそういうのを考えていくのか、御意見があれば教えてください。
久元市長:
以前、ある新聞でタワマンについての規制をする、あるいは規制すべきではないという対談というか、よくありますよね、新聞で。賛成派、反対派。私は参加させてもらったんですけども、タワマンの規制に反対、タワマンを供給する側の論者というのは見つからなかった、見つけるのに非常に苦労していたという話を聞いたことがありまして、そういうことから言うと、別に探さなかったということは事実ですけど、探さなかったというのはそういう理由もあります。
記者:
水道料金の改定についてお伺いしたいんですけど、今年の10月から料金を値上げされるということで、広報紙とかではいろいろ説明をされていたんですけど、改めて市長のお言葉で値上げの理由と、あと、水道料金の収支の状況とか見通しを教えてください。
久元市長:
諸物価が高騰している中で水道料金も値上げになるということについては、大変心苦しく思っております。議会で理解をいただきまして、原案どおり議決をしていただいたところに安堵しているところです。
水道料金については、1997年に料金改定を行ってから27年間据え置いてきたわけですけれども、今回、引上げをお願いすることにした理由は、1つは神戸市の水道施設が1960年代の後半から約20年間、大量に整備をいたしました。神戸市がどんどん発展をしていった、人口が増えていった時代ですが、この大量に整備された水道施設、特に多くが水道管ですけれども、この管路が更新の時期を迎える、これから大量に更新の時期を迎えるということで、これの更新のペースが、これは管路更新率という、水道管の延長を分母として、実際に更新をしている率ですけれども、これは20の政令指定都市の中で相当低位になりまして、平均を下回っている。つまり、今の水道事業の経営状況ではスムーズに管路更新が進まない、つまり、老朽化対策に対応できないということ、これが非常に大きな理由です。
神戸市の水道施設は、阪神・淡路大震災の経験があって、大容量送水管の建設を翌年からスタートさせて、20年の歳月で完成をさせ、また緊急貯留システム、これも同じ年に完成させたということで、全国的に見ても非常にパイオニア的な事業を行い、大災害、大規模災害に対応できる仕組みにはなっておりますが、隅々まで張り巡らせている水道管ということについて言うならば、老朽化が急速に進み、これへの対応が急がれているのが今の状況です。
それから、経営状況について言いますと、人口減少などによる給水収益が減少しているということで、2025年度には単年度の収支が赤字になると。必要な事業運営の資金の確保ということが難しくなるという、大きく言ってこの2つの理由から、今回、料金改定をお願いし、議会で御承認をいただいたというところでございます。ぜひこの点に御理解をいただいて、料金の引上げに御理解をいただいて、今後の安定した水道事業の経営ということに私どもは邁進をしていきたいというふうに思っております。
記者:
パラ陸上の世界選手権、動画を見まして、神戸として誘致した大会であって、コロナ禍による影響を経て、ようやく開催ということですけども、市として様々仕掛けを打ってきて、盛り上がりでありますとか集客でありますとか、そのあたりの市長としての手応えをお聞かせください。
久元市長:
まちの中で、パラ陸上で話題が持ち切りという状況にはもちろんないと思うんですけれども、しかし、確実に関心は高まっているというふうに思っています。特に子供たちが、3万人の子供たちが観戦をしていただくという、非常にこれは意味のあることですね。街頭キャンペーンなんかも、この前も旧居留地の中で行いましたけれども、たくさんの皆さんが参加をして、子供たちもたくさん来てくれましたね。ボランティアの皆さんもたくさん応募していただいたということで、非常に盛り上がること、たくさんの皆さんに会場に足を運んでいただくということ、それから、パラアスリートの皆さんと市民や子供たちとの間での交流が行われるということを楽しみにしております。100か国以上の国から来られるパラアスリートの皆さんに思う存分力を発揮していただいて、市民や子供たちとの交流をぜひ行っていただきたいというふうに期待しています。
記者:
空き家対策についてお伺いしたいです。昨日、建築住宅局のほうから昨年度の空き家の改善指導の取組結果について公表がありました。件数自体は大きな変動はないかと思うんですけども、今年度、空き家対策特命チームを立ち上げて力を入れているところだと思いますが、受け止めをお伺いしたいです。
久元市長:
まず、空き家の統計について、これは国のほうから発表がありまして、国の発表では、我が国全体の空き家の総数と空き家率、これと兵庫県の数値が出ておりますが、実は神戸市のデータは秋に公表されるということになっているので、神戸市の状況はよく分かりません。
ただ、これに相当する数字は分からないわけですが、神戸市は、空き家対策は、これは一丁目一番地、政策の中でも一丁目一番地ということで、非常に強力な対策を取ってきました。これは建築住宅局から説明があったかと思うんですけれども、毎年、適切に管理されていない空き家・空き地の状況を公表し、どれぐらいのものに改善を依頼して、指導して、改善されたのか、場合によっては代執行というようなものも努力も行っておりますから、こういう取組を強力に行っていきたいというふうに思っています。
基本は、使える空き家は使うということ、活用するということと、空き家は放っておいたら老朽化が進むわけですから、かなり早い段階でこれを再生するということ。できればデザイン性の高い形で再生をするということが、数としては限られるかもしれませんけれども、これは非常に大事だということで、建築家の皆さんとの協働による空き家改修ということも進めてきました。使い勝手が悪い部分については、単年度で全部工事を終わらせないといけなかったのを、これも、初年度は設計をして、次の年度に工事をするというカテゴリーも設けて、使いやすくいたしました。これは幅広く使われておりますし、私もこの前、実際に改修に携わっておられる方々とディスカッションしたところで、相当神戸市では取組が進んでおります。
また、老朽危険家屋についても、これも説明があったかもしれませんが、神戸市では全国の自治体ではトップの毎年1,000戸の解体補助の予算を用意して、832戸でしたかね、解体が行われております。
こういう空き家対策というのは非常に地道な大きな分野ですけれども、建築家の皆さんや、あるいはNPOなどの皆さんの参画を得て、企業でもこの空き家対策に取り組んでいる企業はたくさん増えていますから、ぜひ企業の皆さんの力も借りながら、これを強力に進めていきたいというふうに思っています。