最終更新日:2024年8月22日
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司会:
それでは、ただいまより、8月の市長定例会見を始めさせていただきます。
久元市長、よろしくお願いいたします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。今日、お伝え申し上げたい案件は2件です。間もなく年度の後半に入っていきますが、1つは高校生世代に対する支援の拡大です。2番目は農村歌舞伎を次世代に継承していくということです。
まず、高校生世代への支援です。少しおさらいになりますが、当初予算の発表から少し時間がたっておりますので、繰返しになるわけですけれども、大阪府の高校授業料の無償化、これは神戸市ではなくて、阪神間の高校生世代、これから高校生になるような世代に対して影響があるというふうに考えてきました。これは当初予算に使ったときの資料と同じですが、これが兵庫県の支援措置です。国の支援に対して黄色のところが兵庫県の助成です。
大阪府は、既にあった制度に加えて独自支援を大幅に拡充することにしています。これは3か年かけて全ての高校生に行き渡ったんですが、特に910万以上の所得層については、神戸市を含む兵庫県は全部自己負担でありますけれども、大阪府の場合には、これは全額大阪府が負担をする。最大63万まで大阪府が負担をするということです。大阪府の場合にはこれが63万で、3年間ですから、180万から190万近くになります。子供、高校生2人いれば、倍ということになるわけです。兵庫県はこれを全額負担しなければいけないということで、これは非常に大きな差であるということで、兵庫県に対しては、これに対して何らかの対応を取ってくれるにお願いをしてきたわけです。しかし、今、兵庫県の対応は無理だということだったので、神戸市としては、後ほど御説明いたします通学定期を無償にするという対応をする。神戸市としてはここまでやるので、兵庫県に対しては何とか対応をお願いしてきたわけです。
先般開かれました兵庫県と県内の市町の市長、町長との懇談会の中で、兵庫県のほうからは、学校関係者も入れた検討の場をつくるということが表明をされまして、これは兵庫県として対応していただけるという感触を得ているわけです。できるだけ早く、兵庫県においてこの検討の場をつくって、そしてこの大阪府の対応に対して、兵庫県として、あるいは関係の市町、そして学校と連携をしながら、どういう対応をしていただけるのかしっかり検討をお願いをしたい。検討がなされて、実効ある措置が展開されることを期待しているところです。これが外部関係です。
そういう理由で、次のページですけれども、この9月から市内高校への通学区域を無料化するということにいたします。8月までは、既にある支援措置、この5か月間は市内の高校などに通う方、市外の高校に通う方を含めて、6万円を超える額の2分の1を助成するということにしていくということです。9月からは、これは全額で、市内の高校に通う方については全額神戸市が負担をいたします。市外については従来どおりということで、9月からこれがスタートをすることになるわけです。
9月からスタートをするということにいたしましたのは、やはり準備が要るということで、神戸市としては、できるだけ事務負担が生じない、手間暇がかからないような受付方法を、庁内であれば、こども家庭局と企画調整局が相談をしながら、この構築をしてきました。電子申請のシステムを構築いたしまして、この受付を来年の1月から行い、保護者の方から申請をしていただくことになります。対象となる定期券は今年度です。今年の4月から来年の3月までということで、遡って対象にするということになるところです。この申請に当たりましては、e-KOBEで申込みをしていただくことになります。制度の詳細につきましてはホームページで御覧をいただきたいと思いますけれども、こういう形で周知の徹底を図っていきたいと思っております。
これに加えて、高校生に対しては、同じ通学定期券の無償化が始まる9月に合わせて、市内在住の、あるいは在学の高校生が充実をした市内施設に気軽に足を運べるように、入場料が無料の市立の施設を大幅に拡充したいと考えています。現在、市内の神戸市の施設の中で、市立博物館、神戸ファッション美術館、神戸ゆかりの美術館など、5つの施設が無料ということになっているわけですが、これに加えて、王子動物園、それから神戸布引ハーブ園、相楽園、森林植物園、須磨離宮公園など、青少年科学館のプラネタリウムも含めて、9施設を新たに無料化いたします。こういう形で、今回は高校生を取り上げましたけれども、高校生世代への支援を充実させまして、切れ目のない子育て支援施策の充実を図っていきたいというふうに考えております。
2点目が、農村歌舞伎の振興です。農村歌舞伎は、これは西日本の比較的広いところで行われてきたわけですけれども、神戸市は大都市でありながら、この農村歌舞伎が受け継がれてきた、全国的には珍しいエリアです。この農村歌舞伎は、農村の人々が役者や衣装、あるいは舞台まで自分たちでつくり上げまして、収穫を祝う際などに祭礼として演じられた、素人がつくり上げてきた歌舞伎です。
これが江戸時代から始まったとされておりまして、この頃から江戸時代の中期の頃からの農村歌舞伎が演じられる農村舞台の建立が始まりました。明治時代は現在の北区のかなりのエリアで独自の団体がこの農村歌舞伎を上演したことが分かっています。そして、大正時代から昭和時代、県内の上演団体を北区の農村舞台に招いて上演会などが開催をされています。
神戸市は、市内には全国で屈指の農村舞台が存在しています。1980年時点では、県内に316棟、北区には45棟あったわけですが、残念ながらこの間消滅したものもかなり、残念ながらあります。特にこの北区には多数の農村舞台があったわけですけども、現在も存在をしているものが、代表的なものとしては、市営地下鉄北神線の終着駅の谷上駅から歩いて、坂を上がって10分か15分ぐらいのところです。ここにある上谷上の農村舞台。これは県の指定の重要有形文化財ということになっております。
それから、下谷上の農村舞台、これは国の重要有形民俗文化財として、これは箕谷駅と谷上駅から行けるわけですけど、にあります。私ごとで恐縮ですが、卒業いたしました神戸市立山田中学校のちょうど隣にこの下谷上の農村舞台がありまして、私にとりましては大変慣れ親しんだ存在です。山田中学に在学をしていた1967年か68年だったと思うんですが、これは地元の方々によって演じられたのか、外から来られた方なのかははっきりしておりませんけれども、盛大に農村歌舞伎が演じられたのは1回だけやったと記憶をしております。
それから、淡河にある北僧尾の農村舞台、これは日本最古の農村舞台ということ。これは1777年の創立でして、日本最古の農村舞台であるということが分かっています。こういう農村歌舞伎というものが受け継がれてきたわけですが、正直、こういう農村歌舞伎が演じられていると、農村舞台があるということはあまり知られてはいないということと、それから、関係者が高齢化をしてきている。それから、幾つかの団体がこの農村歌舞伎を演じてきたわけですけれども、関係間の連携不足ということが生じてきたので、そういうような課題があったものですから、今年の5月に、神戸市北区農村歌舞伎を育てる会、これは北区役所が言わばコーディネーター役になりまして設立をいたしました。
この北区農村歌舞伎を育てる会は、今ある上演団体、六甲丹生かぶき、神戸すずらん歌舞伎。それから舞台の保存会、これは上谷上、下谷上のそれぞれの農村舞台を保存する会。それから、関係する山田民俗文化保存会、株式会社くさかんむり、そして北区役所というメンバーから構成される育てる会というものが設立をされました。
今年の夏には、様々な子供向けの体験会が行われました。演じる演者を自分で体験をする。それから、小道具を作成する。長唄を歌ってみる。それから、衣装を着てみる。義太夫をやってみる。こういうような様々な体験会、これが7月から8月にかけまして、鈴蘭台のすずらんホール、それから上谷上の農村舞台、それから、江戸時代に建てられました民家である内田家住宅、こういうようなところで行われました。
こういう取組をさらにこの秋に行いたいと考えておりまして、9月、10月の上演会に向けまして、演者の体験会や舞台見学会を実施したいというふうに考えております。こういう演者の体験会は、7月と8月に続きまして、上谷上の農村舞台におきまして、歌舞伎演目のせりふや立ち回りの実際の上演の練習を行っていただきます。舞台見学会も、上谷上の農村舞台の説明なども行っていきたい。それから、10月27日には農村歌舞伎の上演会を行いまして、こういう演者体験をした子供たちが役者の皆さんと一緒に舞台に立って、体験会で実際に練習した役を演じてくれることになっています。こういう取組を、こういう育てる会というものを設立されましたので、関係者がこういう形で連携をして、これまで引き継がれてきた神戸の農村歌舞伎の伝統というものを次の世代に引き継いでいきたいというふうに思っております。
記者:
高校生の拡充のことについての御質問になります。今回9施設拡大したということなんですけども、これの選定した背景とかあるのでしょうかというのが1点と、高校生、やっぱり体を動かしたりとかいろいろそういう年頃でもあるので、文化施設だけではなくて例えば体育施設とか、ほかの施設も検討の余地はあるのかとか今後考えたいとか、何か市長としてお考えがあればお話しいただければと思います。
久元市長:
身近にある文化センターとか体育館というのはたくさんありますから、これは高校生だけに特定して、かなりたくさんのそういう施設を高校生を対象に無料化するということについては、ちょっとハードルが高いのではないかというふうに思います。その中で、この14施設は、このそれぞれの施設は市民、場合によっては域外の方に知られた施設でして、いろいろと意見を聞いてみたら高校生にも人気がある施設です。王子動物園は小学生に人気があるし、中学校に行き、また高校に行っても、動物を見るというよりも友達とかカップルで行くということもあるのかもしれませんが、人気がある施設で、総じて屋外の施設、伸び伸びと体が動かせる施設。それからプラネタリウムなんかも結構行ってくれているということです。これも無料にするというような観点から選んだというところです。
記者:
今のところ民間施設との連携とか、例えば補助とか、そういうようなお考えはいかがでしょうか。
久元市長:
それは、これからあり得ると思います。その場合に、高校生だけを対象にするのか高校生以下を対象にするのかということも議論する必要があるというふうに思いますが、今のところは何か特定の計画があるわけではありませんが、やはり民間の皆さんにも子育て支援、高校生の皆さんに対する何らかの貢献みたいなことは議論していきたいというふうに思います。
記者:
引き続き高校世代の支援なんですけど、今回施設の無料化というのは、通学定期券の無料化の後にさらなるインセンティブとして考えられたのか、どの時点で出てきたアイデアなんでしょうか。
久元市長:
当初予算で通学定期の無料化ということはもちろん盛り込んでおきましたし、説明をさせていただきましたが、やはり高校生に対する支援というのが今まで少し中学生以下に比べて手薄だったのではないかという問題意識は数年前からありました。そこで、こども医療費の対象を高校生まで拡大いたしましたし、そして今回、これは大阪の高校の授業料無料化がなかったらやらなかったと思うのですが、そういう背景もあって通学定期の無料化を行い、さらにどんなことができるのだろうかということを庁内でいろいろと検討いたしまして、王子動物園をはじめ9施設の無料化をしたということですから、今年度に入りましてから検討をスタートさせたということです。
記者:
ありがとうございます。ということは、通学定期の無償化で言いますと、多様な高校の環境を維持するという狙いがあったかと思うんですが、こちらのほうはどちらかというと純粋に高校生あるいは高校生の世帯の支援というような意味合いでしょうか。
久元市長:
そうですね。やはり高校を卒業するまで切れ目のない支援を行っていくということを基本に考えてきたわけですが、その中で少し高校生に対する支援というのが手薄だったという問題意識を持っていて、そういう問題意識の下に今回、新年度に入ってこういう無料化の実現をすることにしたということです。
記者:
ありがとうございます。
もう1点、通学定期のことに関しては当初予算から市民に向けて発信してこられて、伝わっている部分もあるかと思うんですが、特に市内在住の方が市外近隣校に通う場合のフォローをどうするかというところも今後議論になってくると思うんですが、それについて、2月議会等で今後の運用状況を見ながらというふうにお答えされていたと思うんですが、その後変わった点とか検討が広がった点等ありますでしょうか。
久元市長:
これは従来の考え方を維持しております。市外の高校に通う方については、前の年度から行ってきた年額14万4,000円、月額1万2,000円を超える額の2分の1を維持したいというふうに思っております。
記者:
今後については、運用状況を見ながらというところはどうでしょうか。
久元市長:
それは、例えば私からの提案箱の中にも、不公平ではないかという意見が、物すごくたくさん寄せられているわけではありませんが、一定の数の意見を頂いているということは事実です。ただ、神戸市は基礎自治体ですので、神戸市の役割というのは、やはり経済的負担を軽減するということとともに、市内の多様な高校の存在、多様な高校の教育環境というものを守るというのが神戸市の責任範囲ではないだろうかということを考えたときに、現時点ではやはり市内の高校に通う高校生と市外の高校に通う高校生との間には差を設けるべきではないかというふうに考えております。
記者:
高校通学定期の無償化についてお伺いします。来年度以降はどうするかというのは、現時点でお考えはありますでしょうか。
久元市長:
これはまた令和7年度予算編成で議論して市会に提案することになりますが、常識的には続けたい。私自身としては、これは続けたいというふうに思っております。
記者:
ありがとうございます。続ける上で、財源的な問題ですとか、何かハードルというのはあるんでしょうか。
久元市長:
これはとにかく、どんな事業をやるにしても財源というのはトータルで用意していかなければなりませんが、それは予算編成の中で考えたいと思います。やはり優先順位の高い、つまり、財源配分を考える上で、子育て支援に対する施策、そして子育て支援に対する施策の中でも優先順位があるわけですが、この高校生の通学定期の無料化という施策は、子供支援施策の中でも優先順位が高い部類に入るのではないかというふうに思います。
記者:
この通学定期の無償化の、もともとその背景にある大阪府の授業料の無償化の話があって、県がこれからその検討を始めるということですけど、市長としてその何らかの対応をお願いしてきたというのは、何か具体的なこんなことをしてほしいみたいな、今、頭の中で、もしありましたら伺いたいです。
久元市長:
まずは、一番最初に、これは前の記者会見でも申し上げたかもしれませんが、兵庫県と神戸市の調整会議の席で坊議長からそのお話が、大阪府の授業料無償化ということを踏まえて、県としてもぜひ何らかの対応をしてほしいということをお願いしましたところ、斎藤知事からは、これは財政的な見地から難しいと。とにかく難しいというお話だったわけです。そこで、神戸市としては、基礎自治体としてはここまでやるので、基礎自治体としてはここまでやるんだから、これは神戸に限らず阪神間の地域にとっては共通した問題なので、県としてしっかりやってほしいということをお願いして、この前のさっき申し上げた会議の中で検討の場をつくるということを斎藤知事はおっしゃっていただいたので、これは前進したというふうに思っております。
そこの中で、どういうことが検討なされるのかというのは県としての対応を見守りたいという立場ですが、またその検討状況に応じて神戸市としての意見を申し上げていきたい。現時点では、せっかくつくっていただくわけですから、県としての対応を見守り、県としての検討状況を踏まえて、神戸市としての意見を申し上げるということはあるのではないかというふうに思います。
記者:
農村歌舞伎舞台についてお伺いいたします。私も北区出身で非常に身近なところに農村歌舞伎舞台がございましたので、建物とかはよく分かっているところではあるんですけど、ただ、実際に見たことはなくて、先ほど市長、中学生の頃に御覧になられたことがあるということだったと思うので、まだ覚えていらっしゃれば、どんなものだったかとか、インパクトなり、もし覚えていらっしゃればお答えいただけたらと思います。
久元市長:
実際に近くで見たということはありません。遠巻きにかなりの人が集まっておられて見たというかすかな記憶で、もう数十年も前の話ですから、何となくぼんやりとした記憶があります。ただ、市長になりましてから、間もない時期だったかと思いますが、下谷上の農村舞台で、先ほどのすずらん歌舞伎の皆さんが上演した歌舞伎を見たことがありますが、これは(演者が)小学生、中学生だったかと思いますけれども、大変完成度が高い舞台でした。それは非常に光景とともによく覚えています。
記者:
分かりました。あと、育てる会が立ち上がったということで、会が立ち上がって以降、この体験会とかができるようになってきたという認識なんですけど、それで大丈夫でしょうかね。
久元市長:
それで大丈夫ですね。
職員:
演者体験会のほうは、これまでも上演団体で年数回実施されて、少人数の御参加はあったんですけれども、衣装ですとか長唄ですとか義太夫ですとか、それほどのメニューを増やしての体験会は今年初めて実施させていただきました。
記者:
分かりました。これからも続けていかれる、秋の予定をされていますけれども、それ以降もできれば続けていきたいというような感じでしょうかね。分かりました。ありがとうございます。
記者:
明日なんですけれども、市長会のほうから兵庫県知事に対する要望書を提出されると思うんですけれども、それには今回の文書に関する公益通報の対応を問題視する意見も入っているということなんですけれども、市長はこの問題についてどういうふうにお考えになられてらっしゃいますか。
久元市長:
公益通報については、これはまさに兵庫県の行政の公正性、あるいは兵庫県の、今回の場合で言えば、公益通報に当たるか当たらないかという議論を呼んでいる、亡くなられた職員の方からの申入れというか、私自身はこれは兵庫県の問題であって、そのことの可否というのは、まず百条委員会で取り上げられるべき問題ではないかというふうに思います。
記者:
分かりました。ありがとうございます。
また、報道でも出ていると思うんですけども、この文書に関する百条委員会が進んでいて、職員に対するアンケートもあって、それの中で、知事が物品を要求するような、そういった文言を発していたというようなことがあったということなんですけれども、こういった、おねだり疑惑と言われたりとか、物品を受け取ったりという、こういう行為についてはどういうふうに思いますか。
久元市長:
これは、百条委員会がアンケートを取っている、兵庫県の人事当局などを通じてアンケートを取られていることなので、報道では承知をしておりますが、その真偽、あるいは事実関係などについては百条委員会で明らかにされることだというふうに思いますから、そのことについて、まだ百条委員会で議論がなされる前に部外者がこれについてあれこれ申し上げるということは適切ではないというふうに思います。
記者:
ありがとうございます。
また、市長もいろんなところに、市内など、出張に行かれたりとかあると思うんですけれども、その視察先とかで何か贈答品とかって渡されたりすることってあるんですか。
久元市長:
あります。贈答品と言っていいかどうか分かりませんが、私の場合は、イチゴとかイチジクとか、あと、旬菜とか、そういうものが、多いというわけではありませんが、例えば農家に行ったときに、ぜひうちで取れたイチゴをちょっと試食してくださいということがあります。私が能登半島に出張しているときも、これは農家の方々だと思いますが、取れたナシとイチジクを届けていただきました。まだ食べていませんけれども、そういうのを頂きました。
記者:
そういった受け取ったものというのは、一緒に行かれた職員さんなどが分けたりとかするんですか。
久元市長:
あとは秘書課のほうで。ただ、私も頂くことがあります。ぜひ市長に食べてほしいというお話があったときに、やっぱり私も食べてみたいと思いますので、食べることがあります。
記者:
例えば召し上がったときって、何か味とかをPRとかされるんですか。
久元市長:
いや、そんなにはしません。
記者:
あくまで頂いたという。
久元市長:
頂いたという。
記者:
なるほど。分かりました。そういう生産地の方とかから何かもらうときって、市長という立場を利用して、何か物品を下さいと要求することはありますか。
久元市長:
ありません。
記者:
それはさすがにということですよね。
久元市長:
さすがにというか、ありません。
記者:
物品の贈答品とか、何か旬菜とかがお渡しされるときに、何か基準ってあるんですか。この金額以上のものは受け取れないとか。
久元市長:
分かりませんよね。その農家によって、「このイチゴ幾らですか」と普通は聞きませんよね。失礼に当たると思います。
記者:
分かりました。今回、百条委員会がまだまだ進んでいって、兵庫県政が停滞するとも言われていますけれども、神戸市さんは高校生の通学無償化とか新しい政策をされていますけれども、兵庫県の県政の停滞についてどういうふうに思われていますでしょうか。
久元市長:
やはり混乱をしている。それから、前も申し上げましたけど、異常な事象が続いて混乱している、結果として県政が停滞しているということは、これは否めないことだというふうに思います。ですから、だからこそ、兵庫県市長会が臨時に開催をされて、明日と聞いておりますけれども、兵庫県の県政の混乱と停滞の収束に向けて最善の努力をしていただきたいという申入れがなされる。私の気持ちもそこに含まれております。
記者:
神戸市の市会議員の村野誠一議員が、神戸市のコンプライアンス条例に基づく、いわゆる不当要求として記録されていたことが分かりました。調べると、公職者による不当要求の認定、コンプライアンス条例の認定というのは過去にない、制度が開始してからなかったというふうに聞き及んでおります。この現職の公職者の方が不当要求と認定されたことについて、市長、何か所感があれば伺いたいんですけれども。
久元市長:
実は、今日の神戸新聞を見て初めて知りましたので、今日の報道ですから、実際にコンプライアンス条例に基づいてどういうふうに対応したのかということは、これはできるだけ早く確認をしたいというふうに思います。
記者:
ちょっと報道の中でも触れているんですけれども、当該市会議員の方は、今回の不当要求の認定に関して、いわゆる条例における記録、これが当局側の一方的な主観で記録されているであったり、本人の、いわゆる当事者の知らぬ間に自分の要求とか要望が記録され、それが情報公開で公開されるということに対する不満、いわゆるコンプライアンス制度の不備とか現状について問題視する指摘もしておりました。これについて、現状の制度についての問題点を言っているわけですが、市長、何か受け止めとかお考えがあれば伺いたいんですけれども。
久元市長:
今日の報道を見たばかりですので、私も詳しくまだ報告は受けておりません。ただ、もちろん、このコンプライアンス条例、神戸市政の透明化の推進及び公正な職務執行の確保に関する条例は私も承知をしております。これに基づいて、これは、この条例では、こういう不当要求行為と考えられるような要求があったときには、基本的には各部局の長が対応するということになっておりまして、その規定の在り方についてどうなのかということについては、どういうような主張をされているのかということを確認して対応する必要があるというふうに思いますが、私自身は、この条例を読む限り、常識的な内容になっているのではないかというふうに思います。
記者:
今回の事案に限らず、いわゆる現代行政における議会と行政当局の関係性というのは、各地で問題が出ているケースというのはあると思うんです。いわゆる議員から職員に対するハラスメントであったり、行政内部のそういうケースもあると思うんですが、やっぱり立場の違いで、議員のほうが優位的な立場にあるという構造がどうしてもあると思うんですけれども、例えば市長として、このような事案が起きたことによって、やっぱり議会側に何らかの対応とかを求めるというお考えとかは現状はあるんでしょうか。
久元市長:
議会と長との関係、あるいは議会と長をはじめとする執行機関との関係というのは、これは基本的には緊張感を持ちながら信頼関係を構築していくということが大事だというふうに思います。と同時に、議会を構成する個の議員各位と職員との間の関係というのも、これも常識的で合理的なものでなければいけないということが基本だと思いますね。そういう観点から言えば、いわゆる議員個人から職員に対するパワハラ的言動ということが、これは近隣市も含めて全国で問題になっているということがあるということは承知をしておりました。ただ、神戸市の市会議員各位と職員との間では、私自身はそういうことはないのではないかというふうに思っておりましたので、今回、今日の神戸新聞の記事は少し驚いています。
いずれにしても、条例に基づいて、今日記事になっている議員との間でどういうやり取りがあって、それを不当要求行為として記録をしているというふうに報告を受けておりますので、その事実関係についてまず確認をさせていただきたいというふうに思っています。その後どういうふうに対応するのかということについては、検討をした上で対応するということになろうかと思います。
記者:
市長は先日、能登半島のほうに出張で行かれたということなんですけど、被災地の視察と伺っていますけど、どういう狙いで、どういった視察の内容だったか教えてください。
久元市長:
能登半島地震被災地域に対しては、神戸市としても(阪神・淡路大震災の)被災自治体として全力で支援をする、息の長い支援をするという方針を決定しておりまして、短期派遣を含め職員の派遣、それ以外にも様々な支援をしておりました。
実際に間もなく8か月になるわけですが、現地の状況ということがどういうふうになっているのかということを実際自分の目で見てみたいということ、それから、この4月から短期派遣から長期派遣に切り替えましたけれども、神戸市が職員を派遣している珠洲市、そして穴水に派遣されている職員が、どんな業務に就いて仕事をしているのか、もっと言うならば、元気に仕事をしているのかどうかということを確認したい、大きく言ってそういう2つの狙いで、おととい、珠洲市と穴水町に行きました。
記者:
実際に被災地に行かれるのはたしか初めてだったかと思います。
久元市長:
初めてです。
記者:
7か月以上たっての印象といいますか、いかがでしょうか。
久元市長:
大変、率直に言って復旧が遅れているという印象を持ちました。実際に被災した地域を複数箇所回ったのは珠洲市でしたけれども、とにかく解体が大変遅れていると。建物が潰れて車がぺしゃんこになっているという、そういう光景もまだ何か所かありましたし、実際聞いてみたら、公費解体が終わったのは16%という話ですから、29年前の神戸の地震のときはたしか6か月時点で概ね(8割以上)解体は完了したと承知をしておりますので、率直に言って遅れている。そういう中で、泉谷市長を先頭に職員の皆さん、本当に全力で復旧、それから、これから復興に行こうとするステージの中で、本当に大変御苦労が多いと思いますけれども、取り組んでおられる姿に大変感銘を受けました。
記者:
ありがとうございました。
最後に1点、先日、防災会議でも出ていたんですけど、能登半島地震を受けて、神戸市の災害対応を総点検していらっしゃるということなんですけど、今回視察されたこととかも含めて、改めて職員の方にどういったところを点検してもらいたいかと、期待するところを教えてください。
久元市長:
やはり、実際、能登半島被災地域と神戸市では置かれている状況がかなり違います、条件が。条件が違いますが、しかし、地震への対応については、あるいは津波への対応については共通した面がありまして、特に地域防災計画に記載をしている備蓄の点検、それから飲料水とか生活用水をどう確保するのかという供給体制、それから神戸でいうと防潮鉄扉、水門、これを遠隔操作ができるようになっていますから、これがスムーズにできるかどうかということ、職員参集や応急実施体制、それから市民への広報、こういうようなことについて既に点検をスタートしております。これをしっかりやっていくということですが。
あとは、これは今回見たからということではなくて、能登半島の被災地域には、我々があまり知らなかった、あるいは使ってこなかった資機材や機器というものが使われていることが分かりまして、その中でも特にトイレカーについては、これはやはり神戸市も用意したほうがいいのではないかという観点から導入の検討なども行っていきたいというふうに思っております。
記者:
南海トラフ地震の臨時情報のことで御質問なんですけれども、今回、このお盆のときに日向灘のほうで地震がありまして、国のほうが臨時情報を初めて巨大地震注意という形で出されたと思うんですけれども、行政としての初めての対応だったと思うんですが、何か市長の所感として、やはりすごい意味のある取組だとか、もうちょっと情報の伝達に課題があったとか、何か具体的な所感があれば伺いたいんですけれども。
久元市長:
実際に南海トラフ地震の臨時情報が出されたのが8月8日の17時でしたが、その後、18時に防災連絡会議を招集したのを皮切りに、これは情報提供させていただいているかと思いますが、20時30分には市の災害警戒本部、あるいは各区の災害警戒本部を設置いたしまして、そして約400名態勢で24時間対応を取るということにいたしました。
こういう対応を行って、そして先ほど申し上げたような点検などもスタートさせ、今も点検などを行っておりますが、神戸市としてのこれまでの南海トラフ地震への対応ということについて、何か今回の臨時情報で見直さなければいけなかったことがあったということはなかったというふうに思っております。現行の体制で現行の対応をしっかりやっていくということではないかというふうに思います。
記者:
何か、すみません、僕も報道で見た限りですけど、意外と一般の方が臨時情報というのを、特に批判的な声とかあまりないみたいなんですが、久元市長、特にこういう対応、臨時情報のような対応というのは今後どんどん必要だというか、今のところ見直すべきところがあるとか、そういう印象はないですか。
久元市長:
これは、今回は臨時情報が出されて、市民からの問合せは、大体1週間ぐらいで各区役所に10件ぐらいの問合せがあったぐらいで、市民からも何か神戸市の対応について特段問題点を指摘するという声はなかったというふうに承知をしております。私自身も、先ほど申し上げたように、必要な対応ができたというふうに思います。
この臨時情報についての可否ということは、これは正直、やはり地震の専門家の知見や意見を踏まえて国のほうでしっかり考えていただくのではないかというふうに思いました。自治体として何か地震情報の在り方、可否について何か申し上げるべき事柄というのは特にありません。