最終更新日:2023年12月14日
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司会:
それでは、ただいまより12月1回目の市長定例会見を始めさせていただきます。
市長、よろしくお願いします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。
今日、私からお話を申し上げたい案件は3件です。バスケットゴールを倍増するプラン、それからUR都市機構との連携、3番目に資源回収ステーションの増設ですね。
最初のバスケットゴールを倍増するというお話ですが、内容に入る前に、倍増する背景につきまして少し、おさらいになるかもしれませんが、お話をさせていただければと思います。ウオーターフロントの再開発の一環といたしまして、新港突堤西地区(第2突堤)に再開発事業の事業者公募いたしましたところ、2021年にこの優先交渉権者がNTT都市開発株式会社を代表企業とする企業体に決定をいたしました。アリーナを建設するという構想が発表されたわけです。これに伴いまして、今年、西宮ストークスが神戸に本拠を移していただいて、神戸ストークスとして活躍をしていただいています。2025年にアリーナが完成をいたしますと、このアリーナを本拠地として活躍をしていただくことになるわけです。
今年の10月28日には連携協定を締結いたしました。連携協定の後、ホームゲームがワールド記念ホールで行われましたが、開幕3連戦で1万2,000人の観客がお越しになったということで、市民の間でバスケットボールに対する熱意、関心が高まっています。このバスケットボールは男女とも競技人口が多い種目です。市内の公立中学校、83校ありますが、バスケットボール部があるのは、2022年度で83校のうち男子が58校、女子が51校、男女ともバスケットボールを楽しんでいるという傾向があります。
これから神戸でバスケットボールを観戦したいというそういう動きが広がっていく中で、やはりバスケットボールを自ら楽しみたいと、子供たちの間でもバスケットボールをやっている子供たちがたくさんいるわけですから、もっと気軽にバスケットボールの練習をしたい。これ、従来からありましたけれども、そういう声に応えていくということは、これはそういう好機ではないかというふうに思います。バスケットボールの裾野を広げていくという面という面でも、意味があるのではないかと思います。この機会を捉えて、市内の公園にあるこのバスケットゴール、これを大体3か年ぐらいで100か所に倍増するという計画を立てました。
このバスケットゴールの、まず区分ですけれども、1つはゴールです。新たに整備する50か所のうち、45か所は手軽にバスケットボールに親しんでいただく、楽しんでいただくゴール単独の整備、これ、45か所で実施をいたします。目標といたしましては、各中学校区に1か所は整備をしたいと思っております。直近では、北区の鳴子公園、灘区の灘丸山公園、ここに1月頃、それから3月頃、それぞれ完成をする予定です。今後、それ以外の候補地につきましては、地元調整を行いながら整備に向けて取り組んでいきます。これがゴールです。
もう1つはコートです。このコートは、3人制のバスケットボール、3x3ができる半面状のコートです。これを既存施設の改修も含めて整備をしたいと考えています。最終的には各区に1か所、このコートを整備したいと思っております。当面は来年、長田区の神楽公園の整備を予定しておりまして、順次候補場所を決めていきたいと考えています。
今申し上げたことを地図に落としますと、2023年度はこの鳴子公園、それから灘区の灘丸山公園、ここにゴールを整備いたします。2024年度は、先ほど申し上げましたこの神楽公園を含めて20か所を整備いたしまして、2025年度から2026年等に約30か所、3か年をかけて100か所にし、倍増をするということです。
バスケットゴールを増やしてほしいというのは、従来から時々、私も道を歩いてて、この公園にバスケットゴールをつくってくれませんかということを市民の方から耳にしたこともありましたけれども、もともとそういう声が子供たちの間でも大人の間でもあったので、今回こういう、神戸ストークスが誕生したと、神戸でこれから活躍をしていただけるというこういう契機にこの倍増をするという、そういう計画をつくることにいたしたという次第です。
2番目が、UR都市機構と連携したまちづくりです。UR都市機構さんとは、神戸市もハーバーランドの整備もお世話になりましたし、古いお付き合いです。このUR機構と連携したまちづくりの中で、市内にたくさんある郊外団地をより活性化をしていくということが神戸のまちづくりにとって大変大事ではないかと考えまして、今回、URさんと一緒にこの郊外団地の活性化に取り組むことにいたします。
神戸の歴史になるわけですけれども、神戸は山が海に迫って、山の麓から海岸沿いに細長く市街地が形成されてきました。でも、当時は本当に、この1960年前後はもう本当に市街地に住宅が密集していて、もう本当に狭い家にたくさんの家族が住んでいるというのが普通の風景で、この改善が求められていたわけです。そこで神戸市は、山を削って海を埋め立てるという、そういう都市開発手法を取って、郊外にこの団地が整備をされていきました。そして、2010年にはかなりの郊外の団地が内陸部に形成をされてきたわけです。いわゆるニュータウンが形成されてきた。しかし、このニュータウンも次第に人口が高齢化をしていく。また、建物も古くなっていくというような課題がありまして、このエリアから、郊外から人口が流出をするという現象も見られてきました。
神戸市の人口は2011年、154万5,000人がピークで減少傾向にあるわけですが、このオールドタウン化しつつあるニュータウンからの人口流出が目立っているわけです。そこで神戸市は、バランスの取れたまちづくりをしていかないといけないのではないかと。都心居住へのニーズというのはあるわけですが、繰り返し申し上げていますように、都心に極端に人口が集中すると、高層タワーマンションが林立するようなまちづくりではなくて、全市的にバランスの取れたまちづくりをする、これが持続可能な大都市経営ではないかというふうに考えておりまして、郊外でもこの拠点駅の駅前をリノベーションして、そしてこの人口の定着、定住人口の増加を目指しているわけです。
そこの中で、このニュータウンの中で大きな役割を果たしているのが、このURの団地です。URの団地は63ありまして、戸数ベースでいきますと、ニュータウンを対象に集計すると2万2,000か所、ニュータウン以外にもURの団地はありまして、3万戸、総戸数で95万4,000戸というふうになっているわけです。95万4,000戸のうち3万戸がURの団地だということで、特にニュータウンの中では、このURの団地というのはかなりのウエートを占めております。
このURさんとの間では、長いお付き合いがあるわけですが、一緒にまちづくりをしていこうということで、連携協定を去年の6月29日に締結をいたしました。1つは都心・三宮の整備の推進ということで、具体的には、もう既に工事が始まっております、JRの三ノ宮駅の再整備に参画をしていただくということ。それから郊外団地の活用というのが、これが大きな柱になっております。
この郊外団地でいうと、これまでも若年・子育て世帯の郊外団地への住み替えということ、親子世帯の近居・同居、これを神戸市は制度として持っていて、これがURの団地にも適用になっています。URさんでは、今の暮らしに合うスタイルにリノベーションを行う取り組みも行っていただいております。こういう形で、このUR団地への若年・子育て世代の移住定住の促進に資する取り組みを両者で行っているわけです。URの賃貸住宅については、この若年・子育て世帯への割引制度も用意をされています。これまでもこういう形で郊外団地の住み替え促進に取り組んできました。
今後の取り組みですけれども、1つはまちの活性化です。これは非常にユニークな取り組みですけれども、このURの団地の空きスペースの中で、最近注目されている陸上養殖の取り組みをしようと。陸上養殖、いろんな魚の種類で行われていますが、URさんの場合には、エビを養殖すると。バナメイエビの養殖をして、これを試験的に展示販売するという取り組みも行われております。
それから、みんなのうえんPARKという兵庫北部の団地での密集市街地解消の取り組みというようなことが行われていますし、それから、まちづくりという観点で、次のページですけれども、神戸電鉄沿線の花山駅、そしてこの花山駅からずっと斜面の上に、花山東団地という団地がありまして、この花山東団地と花山駅との間を、これを一体的に再整備していこうという取り組み。これを神戸市とURさんとの間でやっていこうという取り組みです。
この神戸電鉄の花山駅は、谷上駅で市営地下鉄の北神線と神戸電鉄が連結しているわけで、この市営地下鉄の谷上駅で連結しているこの神戸電鉄沿線の活性化を行っていくために、神戸市はこの神戸電鉄の駅舎の助成、4分の3の助成を行っております。花山駅はその第1号として、既に駅舎の改築が終わりました。花山駅から花山東団地には、これは全国的に見てそれなりにあるんですけれども、比較的珍しい斜行エレベーターというので、斜めにエレベーターが上がっていく、こういう斜行エレベーターというのがありまして、これが花山東団地ができたときには、これは非常に特徴的な移動手段として注目をされておりました。これをURさんのほうで改修をしていただくと。
そして、この花山東団地も、ここは外国人の方が結構住んでおられまして、神戸市内の小中学校で英語などを教えていただいているALT、外国語指導助手の方もかなり住んでおられると。多文化共生の要素があるこの花山東団地で、こういう外国人の方にも参加してもらった他文化交流も行っていこうと。こういう形で、神戸市とURさんが連携して、この花山周辺をモデルに郊外団地の活性化を取り組んでいこうということです。
それからUR団地も、これを、住棟を改修してきれいにしていくと、魅力ある団地にしていくということで、この住棟の改修、具体的にはエントランスの美装化、あるいは外壁の修繕工事、こういうことも、御覧いただいているような垂水区の上高丸、多聞台、それから須磨区の名谷公園前、横尾、こういうところでURの団地の改修を実施していくと、こういうことを進めております。さらに、このURの団地の中で地産地消を進めるという意味からも、市内の農産物の販売、これも進めていきたいと考えております。こういう形でUR都市機構さんと連携をしながら、持続可能なまちづくり、神戸市内全体をバランスの取れた発展をしていくための一助として、オールドタウン対策という視点も交えながら、団地の活性化を行っていきたいと考えております。
3番目が、資源回収ステーションです。これを新たに9か所増設いたします。資源回収ステーションを入れている背景などを、まず最初に動画を御覧いただければと思います。
(動画上映)
SDGsを進めていく上で、資源の有効利用ということ、これは大変重要なテーマです。特にプラスチックの削減、そしてプラスチックのリサイクルが求められています。プラスチックのリサイクルは、残念ながら(プラスチック製品として)リサイクルされているものは全体の25%ぐらいにとどまっていて、6割以上は熱で利用されておるわけですね。これは、廃プラをガスの燃料にしたり、焼却した熱を発電などに利用されている。有効利用はかなり進んでいるわけですけれども、単純焼却されたり埋め立てたりされているものは13%なんですが、このプラスチックをプラスチックとしてリサイクルをすると、廃プラを原料にして再度プラスチック製品として利用するという姿が、リサイクルという観点からは望ましいわけですけれども、これはまだ25%ということにとどまっているわけです。
神戸市では2011年度から分別収集を開始いたしまして、容器包装プラスチックとしてリサイクルをしてきました。このリサイクルをしていく上で望ましいのは、やはり水平リサイクルですね。元の容器として再び利用されるという、そういう水平リサイクルです。この水平リサイクルをしていく上で必要なことは、それぞれの用途に応じてこれを回収して、そして、元の姿でリサイクルされるような仕組みをどうつくっていくのかということです。そのためには、この容器を分別する必要があるということで、そのための資源回収ステーション、これを市内13か所で設置をしております。
資源回収ステーションでどういう品目を回収しているのかというと、食品透明容器です。これを食品透明容器として再生する。食品用トレーを食品用トレーとして回収をする。ペットボトル、ペットボトルのキャップ、あるいは詰め替えパック、プチプチですね。それから乳酸菌飲料容器と。まだ技術が開発中のものもありますが、こういう形で再資源化をしていくための資源回収ステーションというものを設置して、この回収量も、累計ですけれども、かなり増えてきているということです。
この資源回収ステーションについては、既に13か所あるわけですけど、これを9か所増やします。そして、これらを御覧いただきますと、これが実現されるためにはメーカーとの間で連携しなければいけないんですけれども、既に27社と連携をしておりまして、ペットボトル、乳酸菌飲料容器、詰め替えパックの水平リサイクルということを現在進めているわけです。それから、豆腐容器のプラスチックについては自動車部品として再利用するという国のプロジェクトとも連携をいたしまして、来年の1月からあづまのステーション、ふたばのステーションの2拠点で回収を始めるようにしております。この27社との間で、企業と連携して水平リサイクルを目指しているのは、これは全国一の規模ではないかというふうに考えております。
新たに9か所増設をいたします。この、さっきちょっと動画にも出ておりましたけれども、資源回収ステーションのイメージは、とにかく分別するということです。細かく分別をしたものを、企業のほうに回収してもらうという、こういうやり方ですね。これを新たに9か所増設いたします。スケジュールといたしましては、御覧のように、今月の26日には兵庫区のめいしん資源回収ステーションができて、あと、順次、来年の1月、2月、3月ということで、今年度中に9か所の資源回収ステーションが増設されることになるわけです。
資源回収ステーションのもう1つの顔は、資源リサイクルを進めるということだけではなくて、気軽に誰でも、家の中にあるペットボトルとか詰め替え容器とか、いろんなものを持ってくると。プラスチックですから、そんなに重くないので、シニア世代の皆さんも気軽に持ってきてもらえるわけですね。そういう形で、ここでは誰でも気軽に来ていただいて、新たな交流が生まれている。コミュニティーの1つの姿が、新しい形で現れつつあるのではないかというふうに思います。子供たちも気軽に集まって、年配の方とも交流をするという場ですね。古着なんかも回収をしています。ワークショップやイベントなども行われております。左のほうは、これ、たかくらだいの資源回収ステーションですけれども、この壁面にマスキングテープでデザインをして、子供たちがアートを楽しんでいるシーンです。右のほうは、これはふたばの資源回収ステーションですけれども、リユース品を使って工作をするワークショップが行われている。こういうような動きが、市内で資源回収ステーションがどんどん増えて、そして、たくさんのプラスチック容器が回収をされて、新たな交流の機会が生まれていくということを期待したいと思いますし、関係者が協力してそういう動きを広げていくことができればというふうに考えています。
最後にもう1つ動画を見ていただいて、説明を終わらせていただきます。
(動画上映)
久元市長:
私からの説明は以上です。
記者:
バスケットゴールの倍増プランについてお伺いしたいんですけども、オリンピックの男子の出場も決まったりとか、かなりバスケ人気が高まって、子供たちに喜ばれるんじゃないかなと思うんですが、一方で、近年バスケットボールの苦情というか、騒音問題で、ドリブルの音がうるさいとかで、撤去するような事例も各地であるみたいなんですけども、そういったものも含めて、新たな50か所ということですけども、選定とかも含めて、住民との理解なども結構進んでいるような状況なんでしょうか。
久元市長:
おっしゃるとおり、おっしゃるとおりというのは、そこが課題です。増やしていく上で。本当はもっと大々的に増やしていければいいんですけれども、やっぱりバスケットのボールの音がうるさい、音ですね、やっぱりね。そこは、神戸市は公園がたくさんあって、1人当たりの公園面積は指定都市の中でトップですよね。いろんな種類の公園があるんです。周りの住宅で囲われたところでやるのは、もちろんそこは難しいんですけど、例えば山裾の公園、あるいは斜面を有効に使った公園などは、住宅との間での距離はかなりあるところがありますね。さっき御覧いただいた灘丸山公園ですね。灘丸山公園なんかは、これは本当に眺望がいい、見晴らしがいい公園で、相当広い公園ですから、ここなんかはそういうおそれというのは多分ほとんどないだろうと思います。ほかのところも、住宅が近いところもありますから、そこは丁寧に説明をして、理解を求めていきたいというふうに思います。
記者:
同じくバスケゴールの件ですけど、神戸には既にヴィッセル神戸、サッカーでプロのチームがあって、あと、ラグビーも神戸製鋼があります。それで、そうした中でバスケ、新たに神戸ストークスが来るということで、バスケゴールを増やして、このスポーツ、バスケというスポーツに対して、どのように発展してほしいというふうに市長が思われるか、お聞かせください。
久元市長:
やっぱり神戸ストークス、今、神戸ストークスは、あれ、B2西地区というんですね。B2西地区で、4位ですか。
職員:
4位です。
久元市長:
4位なんですよね。4位を、やっぱりさらに順位を上げてもらって、活躍してほしいということが1つですね。それから、2025年の4月に神戸アリーナができまして、そこに本拠が移ることになりますから、さらにたくさんの観客の皆さんに来ていただきたい。神戸市民の皆さんだけではなくて、周辺地域からもこのアリーナに来ていただいて、バスケットの観戦を楽しんでいただくということは、いろいろな意味で神戸のスポーツを振興させるという意味でも、まちのにぎわいをさらに生み出し、交流人口を増やしていくという意味でも大変重要です。
それと、やっぱり見るだけではなくて、特に子供たちには、成長期に何かスポーツをやってほしいと。自分に合ったスポーツというものを楽しんでほしいと。自分に合ったスポーツの種目を選ぶ際に、いろんな多様なメニューがあったほうがいいし、ただ単にメニューがあるだけではなくて、その種目を練習することができる環境というのが、やっぱり実際に自分が選んだ種目を身につける、続けていくという意味で大事なので、今回バスケットという可能性が大きく広がり、そして多くの子供たちがバスケット練習する環境というのをつくっていき、多くの子供たちがバスケットにも親しんでもらう。それが将来、思い描く姿ではないかなと思います。
記者:
先ほどの御回答とちょっとかぶる部分もあるんですけど、バスケを楽しめるという設備という点では行政サービスになると思うんですけど、その結果、たくさんつくったことで神戸ストークスに親しむ子供たちが増えて盛り上がれば経済効果があるし、スポーツを楽しむという意味では文化振興とか健康への寄与があると思うんですけど、そういった最終的な狙いみたいなものをもう少しお伺いできればと思います。
久元市長:
繰り返しになると思うんですけど、神戸ストークスは再来年アリーナができて、そこが本拠地となり、たくさんの観客の皆さんに来ていただくということは神戸の地域の活性化につながるし、来街者の増加にもつながるし、非常にいいことだと思うんですよね。同時に、観戦するだけではなくて、観戦をすることが契機となってバスケットに親しんでくれる子供たちが増えるということは、これはスポーツを、いろんな種目の選択の機会が広がることになるし、練習環境もそろえられることになれば、これを楽しむ子供たちも増えるだろうと。
やっぱり子供たちの、小中学生の体力が日本全国の平均でもずっと低下し続けているわけですよね。これはやはり非常にゆゆしき問題だと思うんですよね。神戸の子供たちもそうです。スマホにかじりついている傾向が残念ながら見られるので、やっぱり発育段階のときは自分に合ったスポーツに親しんでもらって、体を動かして、外の空気を伸び伸びと吸い込んで体を動かして、体を鍛えてほしいなというふうに思います。
記者:
ありがとうございます。
ちょっと細かいところなんですけど、先ほどいろんな種類の公園があるというふうにおっしゃっていたんですけど、今回整備する場所というのは、いわゆるスポーツ公園みたいな大きいものもあるし、街の中にある小さい公園もあると思うんですけど、そういう境は関係なく整備ということか、それとも街の中にある身近なところをイメージされるのか。
久元市長:
今、ゴールとコートと両方ある公園が7か所ある。かなり広い公園はゴールとコートと両方あるわけです。これが7か所ですね。広い公園についてはコートも整備できる。ゴールは比較的小規模な公園でも整備できますが、そこは先ほど御指摘いただいたように、小さい公園は周りに住宅があることが多いですから、そこは住宅からやっぱりある程度離れた公園、どちらかというと山麓部にあるような公園ですよね。斜面を利用した公園というのは結構神戸市内にあって、そういうところは比較的住宅との距離があるので、そういうところが適地ではないかと思います。市街地の中にめったやたらつくるというのはなかなか難しいと思います。
記者:
ありがとうございます。
団地のほうもお伺いしたいんですけど、花山駅の整備、改修というところで触れられていて、駅の整備は神戸市さんの予算で補助されてということであったと思うんですけど、斜行エレベーターも改修とあるんですけど、これは主体はどっちが。
久元市長:
これはURさんです。
記者:
URさんが。神戸市からお金を出すわけでは。
久元市長:
ではありません。
記者:
そうなんですね。分かりました。
多文化交流とかにぎわい創出、イベントというのはもう始められているのか、何から始まるのでしょうか。
職員:
今、こういった背景の中で、一緒に進めていこうというところで協議を進めているというところでございます。
記者:
もうちょっと具体的に、イベント、にぎわい、多文化交流ということなんですけど、どういうものが想定されるのかお伺いできればと思います。
職員:
URさん、他都市でもこういった多文化交流の取り組みをされておりますので、そういった他都市の事例なんかも参考に、ALTの先生と地域の方の交流ですとか、そういう語学的な観点で御協力いただきながら交流を深めていくというようなことを想定しております。
記者:
もう1点だけ、すみません。ALTの先生が多いのはなぜなんですか、ここに。
職員:
URさんのほうに、いわゆるALTの先生から住みたいというようなご相談があった際に、花山を含めて、いろいろな団地のほうを紹介しているというふうに聞いております。
記者:
もし、じゃ、この花山駅でのコミュニティーづくりの取り組みが成功すれば、ほかのURさんの団地とかでも同じように、エリアごとにやっていくような構想というのは。
久元市長:
全部一気にというのはなかなか難しいかもしれませんが、これがうまくいけば、さっき申し上げましたようにURの団地、神戸に結構ありますからね。そういうところでもぜひ取り組んでいただきたいと思います。
記者:
まず、バスケの関係で細々した点を伺いたいんですけど、ゴールを増やす計画について、市内の公園に約45か所を整備ということですけれども、1つの公園に複数のゴールが立つということもあり得るんでしょうか。
職員:
今、現に複数のゴールがある公園もございます。基本的には1つと考えておりますが、面積が大きい公園の場合は複数の可能性もあるかとは思います。
記者:
分かりました。
その中で、住宅に近いところではなくて、なるべく山あいとかということですけれども、やっぱりバスケをするに当たっては、なるべくフラットなところにゴールを立てるというのがバスケを楽しむというか、技術をスキルアップする上では重要かと思いますけど、そういった場所を選定しながらというのをイメージされているということでいいですか。
久元市長:
私も幾つか公園を見に行ったことがありますが、斜面につくられた公園でもフラットな場所というのは必ずあるわけです、一定のフラット。そこで子供たちが遊具を使って遊んだり。ただ、もう遊具が大分老朽化していて、あんまり子供が来なくなっている。そういうところは、もう古い遊具は撤去してゴールをつくったら、近くの中学生が今度は来るというような、公園のリニューアルをするという面もあります。
記者:
じゃ、そういう老朽化した遊具を撤去しながら、スペースを確保して、ゴールを設置するというイメージということですね。
久元市長:
そうです。
記者:
分かりました。
各中学校区に1か所ということですけれども、神戸市立中学校のということですか。
久元市長:
神戸市立の中学校の校区に1つということです。
記者:
分かりました。
高さなんですけれども、中学校区ということを想定しているので、中学生に合った305センチの高さというのを想定しているんですかね。
職員:
中学生をイメージしておりますので、ちょっと今、規格の高さの寸法は手元に資料がないんですが、中学生向け(一般用寸法)と考えていただければいいのかなというふうに思っております。
記者:
小学生の場合、260センチというのが規格としてあると思うんですけれども、小学生向けのゴールじゃなくて、基本的に中学生が練習できるような高さということですか。
職員:
公園によって、小学生の利用が多い公園と、中学生の利用が多い公園と、住宅地に近いとか離れているとか、いろんな立地条件があるかと思いますので、その辺は地域の皆さんのニーズとかを踏まえて、中学生を主体にするのか、小学生を主体にするか、地域の皆さんと話合いをしながら計画、つくる場所を決めていきたいなと思っていますので。基本的に部活をやっているのは中学生かなと。ただ、小学生の可能性もあるかなというふうに思っております。
記者:
分かりました。小学生でもやっぱりミニバスとかをやっていらっしゃる子もいると思うので、私もバスケをやっていたので、そういう小学生向けもあってもいいのかなという、あくまでも意見です。
あと、そのコートなんですけれども、半面コートの下の地面のところなんですけど、このイメージ図だと、少し転んでもけがをしにくいような規格のものになっていると思うんですけど、どういうものを想定してコートを整備しようと?
職員:
恐らくスポーツの整備の基準というのがございます。一般的にコンクリートに色を塗って、線を引いてという、御覧のとおりのケースであります。場所によって青い場合もありますし、色についても幾つかのパターンはあるかと思いますので、まずはスポーツ施設の整備基準がございますので、それにのっとって整備をして、色とか周りのしつらえに関しては、いろんな声を聞いて決めていきたいなというふうに思っております。
記者:
色は何でもいいと思うんですけども、下、コンクリートで進めるんですか。
職員:
そうですね、コンクリートが一般的でございます。例えばアスファルトとか土舗装とかいうケースはほとんど、こういうコート整備のときはあまり見かけないのかなというふうには思ってはおります。
記者:
取りあえず分かりました。
あと、URの郊外の団地の件でなんですけれども、常々人口流出というのが神戸でも課題になっていて、市長も郊外の活性化ということはおっしゃっているかと思うんですけれども、そもそも論で恐縮なんですけど、やっぱりその高齢化とか若年層の流出というところで人口減が強くなっているということですけど、若年層の方が、郊外に住んでいたけれども、そこで流出してしまう、要は引っ越しして転出してしまうというのは、何か理由とかがあるんですか。もし何かそういった、どうしてという理由が分かれば教えていただけますか。
久元市長:
いや、神戸から流出しているから神戸の人口が減っているというわけではありません。これ、何回も説明しているところですけれども、去年は社会増です、若干は。神戸の人口が減っている大きな原因は自然減で、神戸から多くの人間が流出しているから神戸の人口が減っているということはありません、それは。
記者:
自然減に関しては御高齢になられた方がお亡くなりになられてということですよね。ここに若年世代の流出というふうに書かれているので、ちょっと誤解してしまった……。
久元市長:
それは神戸からの流出ではなくて、オールドタウンからの流出が目立つということですから、そこを食い止めるためには郊外の団地を活性化するということが必要だということです。
確かに、神戸全体から見た人口減の要因は、人口の流出ではなくて自然減であるということですが、エリア的に見れば、人口が減っている要因というのは様々です。オールドタウンについては、おっしゃるように、ここから若年世代が流出をしているという現象は、場所によって違いますけれども、見られます。ですから、これをどうやったら、いかに抑制するのかということについてはいろんなアプローチがありますが、かなり大量に住宅団地を抱えているURさんと連携をして郊外団地の活性化を図っていくということが、やはりこのエリアから、オールドタウン化しつつあるニュータウンからの若年層の流出を少しでも食い止めるという、そういう意図を持っているということです。
記者:
分かりました。
市内の農産物の販売をする主体というのは、これは神戸市がどこかに委託をしてというふうな、どういうイメージになるんでしょうか。
職員:
取り組みとしましては、URさんの団地の中で、神戸市の中で農家を営まれている方に、そういった場所で農産物の販売をしていただくという、そういうような流れを想定しております。
記者:
まず、URさんとの連携の部分でお伺いなんですけれども、今日、新たな取り組みというのが団地、花山駅の件とかを含めて3件出ていると思うんですけれども、これ、今日発表していただいたということで、何か近々タイミングがあるものですとか、時期的なところは何かございましたでしょうか。
職員:
時期で申しますと、花山駅の斜行エレベーターの改修というのが今まさしく工事に向けての準備をしているというところですので、ある程度近いうちに工事に着工するかなというところでございます。それ以外の件につきましても、協議を進めて、できるだけ速やかにいろいろと取り組みを進めてまいりたいと思っているというところです。
記者:
ありがとうございます。
あと、資源回収ステーションのほうで2点ほど伺いたいんですけれども、企業との連携というのは全国一の数、規模でやってらっしゃるということなんですが、この回収ステーションの数というのも、今回増やすということも踏まえて、全国的にも多いということになるんでしょうか。
久元市長:
ほかの都市がどういうふうにやっているのかというのはなかなか分からないんですけれども、こういうふうに資源回収ステーションという、細かく品目を設けて、それで誰でも気軽にプラスチックなど、あるいは古着とかリユースされるようなものを持ってくる、そういう取り組みというのは全国的にも少ないのではないかなと思います。
記者:
ありがとうございます。
そうすると、リサイクルって結構、例えばスーパーのほうにトレーを持っていったりですとか、そういう民間でやっているというエリアも多くあると思うんですけれども、そこを自治体が率先してやるというところにはどういったお考えがありますでしょうか。
久元市長:
1つは、もちろんリサイクルというのは非常に重要なテーマで、それぞれの立場から様々な方々が取り組んでいただく。もちろん企業もたくさん取り組んでいらっしゃっておりますし、スーパーとか、神戸ではコープこうべさんが非常に熱心に取り組んでいたり、いろんな方々が取り組んでいただいているということだと思うんですけど、自治体がやる意味は、神戸市の広い地域で、いろいろなところで同じスタイルで実施することができるということが1つは特徴として言えると思います。
もう1つは、この資源回収ステーションは、学識経験者の方とか企業の方とか随分議論してスタートさせたんですけれども、もう1つの目的は、やはり新たな形でのコミュニティーの1つの拠点になるのではないかということです。単身世帯が増えて、シニア世代、高齢世帯が外出する機会がなかなかないわけですが、家の中にいろんなものがたまってくると、それをもったいないと思われる高齢者の方もたくさんいらっしゃいますから、気軽に、歩いて行ける距離に資源回収ステーションをたくさんつくれば、それだけリサイクルの種類や量も増えることになるし、シニア世代の方が家に閉じ籠もらずに、1日に1回は軽いプラスチックの容器などを持って資源回収ステーションに行って、できたら、ほかの人たちとも交流をしたり会話をしたり、楽しい時間を過ごすことができれば、いろいろな意味でいいのではないか。そういう大きく言うと2つの目的で、これを全市的に進めよう。
自治体がやる意味は、そういう全市的に進めるということと、リサイクル資源の有効活用だけではなくて、地域のコミュニティーあるいは人と人とのつながりをつくっていこうということは、自治体がやる意味ではないかなと感じています。
記者:
ありがとうございます。
あと、全市で同じようなスタイルでたくさんつくれるというのは、例えば企業さんとかだと、どうしても、スーパーとか、もちろん利益が取れるというか、お客さんが来るところにつくるとかというのがあると思うんですけど、市がやることで、ある程度どのエリアにも、ある程度の距離に1か所あるみたいにできるとか、そういう理解でよろしいですか。
久元市長:
そうです。最終的にはもっともっと増やすことができればと思っています。なかなか課題はありますが、今は地域福祉センターとか神戸市の施設ですよね。ふたば学舎なんかは古い小学校の校舎を多面的に利用しているんですけれども、そこの一角を使っている。コミスタこうべなども生涯学習の施設なんですけど、そこの一角を使っている。それから地域福祉センターもたくさんありますが、これからは例えば空き家なども有効活用してつくっていければ。まだ例はありませんけれども、それもトライしてみたいと思います。
記者:
2点目のまちづくりについてお伺いしたいんですが、市長、これまでもまちの回遊性であるとかナイトタイムエコノミー、昨日もおっしゃっていましたけども、いろいろと市全体であるとか市を超えたようなまちづくりというのを考えていらっしゃると思うんですが、市長の目指すまちとしてのビジョンに対して、今の現状のまちというのは何合目ぐらいにあるというふうに、まず現状。
久元市長:
何合目?
記者:
山で例えるというか、どういったふうに現状認識されているかお伺いしたいなと思いました。
久元市長:
難しいですけど、5合目までは行ってないかもしれませんね。まだまだ登り続けないといけないと思います。それはやはり、目指すべき姿というのはかなり明確に示してきたと思うんですけれども、都心やウオーターフロントも形は現わしてきましたけれども、全体の姿がきちっと出てくるにはまだ時間がかかりますね。それから人口が流出しているエリア、これは様々です。この人口が流出しているエリアについての対応というのは、あらゆることをやっていかなければいけない。試行錯誤も続きますね。今回の郊外団地の再生も、今までなかなかURさんと一緒にやれてなかったんですけど、これもスタートさせました。それ以外にも、オールドタウン対策というのはやらなければいけないことがたくさんありますし、駅前リノベーションも大分姿が現れてきた駅もありますけれども、本来もっと駅前リノベーションしないといけないけれどもまだ手がついてないところもありますから、私は、目指すべきゴールからいうと大体半分ぐらいのところにまで来たのでは、半分ぐらいのところまでしか来ていないのではないかなと思います。
突然の御質問ですので、ちょっと感触的なお答えになることをお許しいただきたいと思いますが、そんな思いを持っています。
記者:
ありがとうございます。すみません、突然でした。
今回の新たな取り組みで3つ書かれて、それこそURの団地として魅力あるものに高めていこうというところだと思うんですけども、これでどういった層に向けて訴求していきたいかという部分を伺えたらと思います。
久元市長:
まず、住んでおられる方がおられます。これは様々です。シニア世代の皆さんもいらっしゃいますね。シニア世代の皆さんは長くこのURの団地にお住まいなんですけど、今よりも雰囲気がよくなったな、明るくなったな、周りとも交流ができたなと住んでおられる方に思っていただくということが大事です。これはあらゆる世代について言えることです。やはり、住んでてよかったなと思うのは交流ではないかなと思うんですよね。例えば高層タワーマンションなんかは、マンションの中での交流というのはほとんどないと言われている。あるところもありますけど、それは極めて限られた事例で、高層タワーマンションはほとんど表札もかかってないし、隣とのお付き合いもない。そうではない、新たな交流による活性化というモデルを例えばこの花山東団地で提示することができて、それがほかのUR団地にも広がり、市営住宅でも。市営住宅もいろんな取り組みをしていますが、やっぱり残念ながら指定管理者任せになっているところがあって、そこをむしろ、このURの郊外団地の取り組みが非常にうまくいくのであれば、私たちもそれを取り入れて、市営住宅でもこれを進めていくとかというようなことで、こういう広がりを持ってこの活性化の取り組みを進めていければと思います。
記者:
シニア世代を含めて今住んでいる方であるとか、先ほども若年層の流出と書いてあって、人口流入に関しても、外国人の流入というのも社会増に関しては結構大きなポジションを占めているかと思うんですけど、そういったところに対しても訴求していくようなイメージもあるでしょうか。
久元市長:
失礼しました。言い忘れましたけれども、こういう魅力ある取り組みができれば、ぜひここに。花山って何となく遠いイメージがあるんですけど、北神急行を買収して市営地下鉄西神・北神線になって、運賃も谷上まで550円から280円になって、神戸電鉄と乗り継ぐと、神戸電鉄はちょっと運賃が高いんですけれども、非常に短時間で三宮まで行けます。花山から三宮まで、乗換え時間を含めなかったら30分ぐらいで行けると思うんですよね。意外と便利なんですよ。便利で、しかも、こんな斜行エレベーターで、私も乗りましたけど、なかなかわくわくします。毎日乗っていたらそうは思わないかもしれないけど、こういうのに乗って、毎日。多分ここに住んでいて面白いから、ALTの皆さんなんかがいっぱい住んでいるんでしょうね。そういう魅力をどんどん発信すれば、おっしゃるように、若い世代の外国人の皆さんもここに住みたいなと。ここに住んで、いろんな交流活動にも参加してもらうようにすれば、花山東団地も元気になる。そんな動きがずっと広がっていけば、すぐ活性化につながると思います。
記者:
資源回収ステーションなんですけれども、高齢者の方の外出する機会につながればということなんですが、実際にこんなことがよかったとかそういうお声がもし届いていたら具体的に教えていただきたいのと、今年度新たに9か所開設ということなんですけれども、これから増やされていくということは、来年度もどれぐらい増やしていこうというような、何か数として、もう想定はされているんでしょうか。
久元市長:
当面は何か所ぐらいでしたっけ。
職員:
年10か所ぐらいずつのペースです。
久元市長:
もう一声、何とかなりませんか。取りあえず10か所ぐらい。私としては、もうちょっと増やしていきたい。空き家の活用も含めてね。
それから、実際にさっきのこういう写真を御覧いただいたら、私もこれ、見に行ったんですよ。何回か行ってますけど、本当にシニアの皆さんが楽しそうに古着を、「私、これ似合う?」とか「市長さん、どう思いますか。似合いますか」とか、楽しそうにやっておられます。それで、実際にシニアの方も1人でプラごみというか、容器を抱えて来られるような姿も何回か見かけました。定量的にどれぐらいかというのはなかなか分からないですけど、確実にそういう動きが広がっていると思います。
記者:
ありがとうございました。
職員:
よろしいですか、補足でございます。
実はアンケートを取っておりまして、ふたば学舎、ふたばの資源回収ステーションでいきますと、外出する機会が増えたという方が大体3分の1ぐらい、36%ぐらい。それから人と話す機会が増えたというのが5割ぐらいの方が、そういう機会が増えたということで、非常にここが、そういう御高齢の方にとっても人と接する機会が増えたということで、そういう御意見はかなりいただいております。
久元市長:
いい話聞きましたよ。そんなええところやったらね、10か所と言わずに、もっとね、そのアンケートの結果見たら、ますますそう思いますよ。よろしくお願いします。
記者:
URとのまちづくりの件で、改めて。オールドタウンから若年層は流出しているけど、市全体では社会減はしてないということなんですけど、具体的に若年層は今どういったところに移られているのかというのが1つと、社会減してないんだったら、神戸市内には滞在しているので、それならいいんじゃないかという見方もあるかと思うんですが、オールドタウンから人が減る、若年層とかが流出することと、それで、その人たちが市内の違うところに行くことの問題点とか、現時点での課題というのは、何でそれを問題視すべきなのかということを教えていただきたいです。
久元市長:
去年、圧倒的に自然減が原因で人口が減っているわけですが、社会増もそんなに多くはなかったと思います。数千人単位だったと思いますね。その社会増の大きな要因というのが、やはり外国人の方が増えているということですね。外国人の方が増えているということが別に悪いわけではないわけで、外国人の方が増えれば、それへの対応というのをしっかり行っていかなければなりませんが、やはり外国人以外の方も、日本人の若年層も、もっと神戸にとどまってもらう、あるいは神戸に入ってきてもらうということが必要です。一人一人がライフステージに応じて、例えば進学とか転勤とか結婚によって住所を移すというのは、これは一人一人の判断ですよね。しかし、ボリュームとしてどうかということを考えたときに、若年層の流入というもの、つまり社会増というものを日本人、外国人問わず、できるだけ増やしていく必要があるだろうと。外国人が増えることは悪いわけではないんですが、外国人が増えれば外国人への対応、外国人に住みやすいまちという、特別の対応というのはやはり必要になってくる。そこはやらなければいけません。やはり若年層がもっと増える。外に出ないで神戸にとどまってもらう。これは進学するとき、それから就職するときに神戸にとどまってもらう、そういう政策展開というのをしっかりやっていかなければいけないということと、それから、外から神戸に来ていただくということを進めないといけない。
この前、スタートアップの皆さんと意見交換したときに、札幌出身で、神戸でスタートアップして、もう、ずっと神戸におりたいというお話を聞いたんですけど、どうしたら神戸で仕事をし続けたいかという、その理由も少し、そう考えておられる理由なんかも話を聞きましたけど、そういうように、外から神戸に来られた方が神戸を選ぶ理由というのは何なのかということ。あるいは足りないものが何なのかということを丁寧に、そういうことをお聞きしながら、いろんな、雇用だとか子育てだとか住環境だとか、街のたたずまいだとか、そういうことを改善していく、政策を展開していくということが重要だと思います。あと、どんなところに転出しているのかというのは、正確に言うと転出超過になっているのかというのは、これは全市的にどうなのか、区ごとにどうなのかというのは分かるようになっていますが、もし不正確であればちょっと教えてほしいんですけど、やっぱり転出が多いのは東京、それから大阪ですね。それから郊外の幾つかの都市です。最近では明石とか西宮とか尼崎に転出する例が目立っております。これはそれぞれ、転出先の理由によって、例えば尼崎であれば、大阪、尼崎が多いということは、やはり大阪で働いて、職住近接にしたいという、こういう要請というのは強まっているということだと思います。西宮もそういう傾向がありますね。明石はやはり便利で、かつ地価が安い、住宅価格も神戸よりかなり安いということが大きな要因ではないかと思います。東京に流出しているというのは、これは全国の指定都市の中でほぼ共通した現象で、これは指定都市市長会でも時々話題になりますが、東京に若年層を供給している供給元は、数からいうと指定都市なんですよ。大阪からも名古屋からも福岡から神戸からも、かなりの若年層が東京に流出している。これは一自治体だけでなかなか解決できない。なぜ東京一極集中がこんなに進んでいるのかという、これはやっぱり我が国全体の問題なので、国として、この東京一極集中という問題をね。何となく、地方というか、小さな都市から東京に人口が集まっているように見えるけれども、実際は地方の大都市が供給元になっているということですね、これではやはりいけないと。やはり日本中に、東京だけが栄えて、ほかのところが疲弊するのではなくて、それぞれのブロックで、関西であれば大阪、神戸、京都、堺ですね。そういうような大都市が、やはりもっともっとしっかり役割を果たして、人や物、情報を集めることができるような、そういう制度や、あるいは政策というものが必要ではないかという、こういう主張を指定都市市長会ではしているということです。
記者:
ありがとうございます。
それで、より神戸への転入とかを考えると、例えば市街地に住みたいみたいなニーズも多いのかなと思うんですが、今回のこういう展開だと、割と郊外のオールドタウンをリニューアルして、そこに人が入るようにというあれだと思うんですけど、実際そういう、オールドタウンに転入するとか転入したいというニーズがあるのかどうか。もっと本当は、ニーズはもっと市街地とかじゃないのかなというところが気になったのですが。
久元市長:
それはもう、完全に人の移動というか、まちづくりをマーケットに委ねると、御社は多分そういうお立場ではないのではないかと思いますが、新自由主義的考え方ではなくて、やはり行政が適切にこれに関与して、それぞれの自治体、地域、あるいは圏域としてどういう姿が望ましいのか、あるいは持続可能なのかですよね。目の前の人口増加だけ考えれば、都心居住をもっと後押しすれば目先の人口は増えるかもしれないけれども、それが本当に長い目でいいのかということの議論は必要だろうと思いますし、神戸市のまちづくりの基本は非常に明確で、都心の在り方というのは、これは高層タワーマンションを林立させるのではなくて、商業・業務機能を集積させたい。神戸の玄関口でグルメを楽しみ、ショッピングを楽しみ、アートシーンを楽しむことができるようなまちでありたい。これは、必ずしもマーケットの要求するところとは少し距離があるかもしれないけれども、それが、やはり神戸市民の選択なのではないだろうかということを私たちは考えているということです。
記者:
先ほど資源回収センターのお話のところで、高齢者がなかなか外出する機会がなくて、そういった高齢世帯の交流を生み出すきっかけになるんじゃないかというお話があったかと思うんですけど、若者世代同士の交流とか、何かそういった可能性も考えていらっしゃるのか、もしくは若者同士の交流のために、何かほかにアイデアがあったりされるのか、市長のお考えをお聞かせください。
久元市長:
この資源回収ステーションは別にシニア世代をメインに考えているのではなくて、若い世代ももちろん、全世代の方に来ていただければありがたいなと思っています。若い世代の交流の機会というのは、これは別に資源回収ステーションということではなく、もっと、入りはしませんが、若い世代の交流の機会というのは、それぞれ、例えば大学生や高専や専門学校に通っている方々をどうするのかとか、あるいは企業と学生の皆さんとの交流をどういうふうにつくっていくのかとか、神戸にたくさんおられる留学生の皆さん同士の交流とか、留学生の皆さんとほかの大学の学生の皆さんとの交流とか、いろんな多元的アプローチというのがあり得るし、そういうような可能性というのを広げていく政策展開というのがやっぱり必要だろうと思います。
記者:
先ほど、若い方が大阪であったりとか東京であったりとか、そういったところに行くというのを考えている方も結構多いというところの中で、神戸の中でそういう若者同士の交流みたいなところを考えるというところには意義を感じていらっしゃるということですか。
久元市長:
それはもちろんそうです。
記者:
同じ資源回収ステーションについてなんですけども、ちょっと、過去の政策、勉強不足なところもあって、既に発表されているのかもしれないんですけど、最終的な目標といいますか、例えば全市でどれぐらいの箇所数とか、イメージとしては、例えば小学校区に1つとか、何か、市長の考えておられる目標とする姿のようなものがありましたら、お願いします。
久元市長:
一応、環境局は100か所程度を目標としたいというふうに書かれているんですけど、私としてはもっともっと増やしてほしいなと。特に空き家の活用というのも含めて考えていきたいというふうに思っています。これは別に環境局だけではなくて、ほかの局とも連携をして進めていきたいと思っています。
記者:
数字はありかもしれませんけど、市長のイメージとしてはどれぐらいの数を。
久元市長:
300か所ぐらい。
記者:
300か所、3倍ぐらい。
久元市長:
3倍くらいですね、目標ですよ。
記者:
目標ですね。その300か所に、仮になったとして、そのときに、今の活動と同等のものを増やしていくのか、そうじゃなくて、例えばいろんなバリエーションも考えられると思うんですけども、さっき若者のお話とかもありましたけど、どんなバリエーション、空き家の話とかも出ていましたけど、考えておられますか。
久元市長:
やはりこれは、27社と連携して、水平リサイクルですから、同じものを同じものにリサイクルするわけですよね。これが資源回収ステーションの大きな狙いです。ですから、あまりばらばらのやり方を導入するとうまくいかないのではないかというふうに思います。そこは企業の皆さんとの議論が必要ですが、幾つかのパターンはあるほうがいいかもしれないけれども、標準的な、特に資源回収のやり方ですよね。集められたペットボトルとかキャップだとか容器というものをどういうふうに運ぶのかという、運搬するのかですよね、誰が運搬するのか。これは、数がずっと増えれば、やはりその運搬手段というものを見直していかなければいけないかもしれませんし、かかる費用というものも増えるだろうと思いますから、それをどう調達するのかのかという問題も出てきます。いずれにしても、そういう課題があったとしてもこれを克服して、これを300か所に増やしていく、価値のある政策ではないかなというふうに考えております。
記者:
ありがとうございます。
あと、資源回収の方法をある程度統一的に展開するというのは非常によく理解できるんですけど、もう1つの面の交流の場というところですね。これはもちろん土地の特性とかもあると思いますので、いろんなバリエーションが考えられるんじゃないかなと思うんですけど、市長のアイデアといいますか、先ほど空き家のお話もありましたけど、どんなアイデアを今お持ちでしょうか。
久元市長:
それはもう全くばらばらで、子供たちが集まって何か遊んでいるんですけど、コミスタこうべ行ったとき、子供がプチプチを一生懸命潰しているんですよ。私も時々やるんですけど。なので、いろんな楽しみ方を資源回収ステーションでしてもらえればいいのではないかなと思いますが、それは地域によって子育て世代が多いところとか、それからファミリー世代というか、学生がたくさん住んでいるとか、いろんな地域の特性によって、回収の品目とか回収のシステムというのは標準的なものをつくるにしても、そこの資源ステーションの運営というのは地域でやっていただいていますから、その地域の創意工夫というものをそれぞれの地域の特性に応じた形でやっていただくというところは、この運営の面白さにつながるかもしれませんね。
記者:
すみません、長くなって。最後に1点だけ。イメージとしては、今、一般的に自治会活動がなくなってきたりとか、自治会がないところとかもありますけども、いわゆる地縁が薄れているという傾向がある中で、この資源回収ステーションを1つのハブとして、地域のハブとして、地縁をつなぐハブ装置みたいな感じで仕上げて、300か所で仕上げていけたらなというイメージなんでしょうか。
久元市長:
そうですね、地域社会がかなり変わってきていて、伝統的な自治会活動というのがかなり変わってきている、難しくなっているところがあるわけですね。ごみステーション、本来、環境行政としてはごみステーションの管理というのが、要するに、生活ごみをどう処理するのかというのが市政の非常に大事な部門ですけれども、ずっと今、このごみステーションを自治会など地域の方に管理してもらっていたんです。自治会で管理して、パッカー車がごみを収集して、その後片づけを自治会でやってもらっていた。これが回らなくなってきたので、今、パッカー車の職員がこれを片付け、一定の後片づけをしようと。つまり、行政が、今まで地域がやっていたところをカバーするということが必要になってきているわけですね。
その一方で、やはり地域の皆さんが参加していただくような仕組みというのは必要で、その1つのやり方がこの資源回収ステーションですよね。これによってコミュニティーを活性化する。自治会が中心になってやってもらってもいいし、婦人会の皆さんもこれにかなり関わっていただいていますが、自治会にも婦人会にも加入していない方々も気軽に参加していただけるという、そういう運営方法を取っているので、新たな地域活動への参加の可能性というのをこれは持っているし、現実にそういう動きが起きている。これは非常にコミュニティーの活性化ということでも意味があることだというふうに思います。
記者:
政治資金の問題なんですけれども、今日、兵庫県選出の西村大臣をはじめ閣僚の交代ということで、事実上の更迭というふうにも報じられておりますけれども、まずこの問題、県選出の大臣も関係しているということで、市長のお受け止めをまずお聞かせいただけますでしょうか。
久元市長:
一言で言うと、大変残念ですね。政治資金に関するいろんな問題というのは時々起きるわけです。ただ、割合に、特定の国会議員の方が問題になるというケースが比較的多かったわけです。複数の特定の国会議員の方の政治資金が問題になるということが多かったわけですが、今回は政権与党の中でかなり広がりを持った形で問題が噴出しているというのは、これは大変残念なことなので、やはりこれは政権与党である自由民主党として、全体としてこの問題の原因とか、あるいは実態がどうだったのかということをできるだけ早く国民に示していただいて、現実に政治不信ということが広がっているというふうに言わざるを得ないかと思いますが、早く政治不信の解消につなげていただきたいというふうに思います。
記者:
ありがとうございます。
あと、ちょっとお聞きしづらい部分ではあるんですが、市長御自身としては、例えば御自分の情報公開とか、今回の件を通じてちょっと顧みられたりとか、何かそういったことはございますでしょうか。
久元市長:
私も政治資金パーティーは、コロナでしばらくやっていなかった時期はありましたけれども、この10月に開催をいたしました。私は実際にこの選挙制度、政治資金制度にも自身が関わったこともありますから、適法であることは当然ですが、その運用においても決して問題がないような形で対応してきたつもりです。政治資金パーティーについても、その収入や法律に基づく基準での公開、また経費の内容も、これも政治資金収支報告書の中で毎回明らかにしてきておりまして、今回の自民党の問題を理由に見直す必要はないというふうに考えています。
記者:
ありがとうございます。
あと、この件についてもう1点だけなんですが、兵庫県の齋藤知事が、こういった状況なので来年予定しているパーティーを取りやめるというような報道もありましたけれども、こういった情勢の中で、市長自身も来年の御予定とかを検討されたりとか、そういったことはありましたでしょうか。
久元市長:
今のところ、この前開いたばかりですから、どうするのかはまだ何も決めておりません。ただ、これは知事のパーティーの中止ということについてのコメントではなくて、一般的に申し上げたいと思うんですけれども、こういう形で政治資金ということ、つまり、政治家、公職選挙法や政治資金規正法上は公職の候補者と呼んでおりますが、公職の候補者が資金を獲得するということ自身が、これは悪いことである、あるいは政治資金パーティーを開くこと自身が、これは問題があるというふうに受け止められるとするならば、これは大変残念なことだと思います。
やはり政治活動には資金が必要ですね。この資金を集めること自身は、法律にのっとって行われる限りは適法であり、そしてその収支を明らかにするというのが政治資金規正法などの法律が求めているところで、それにのっとって適正に行うということであれば、これは、政治資金を獲得するというのは政治活動を行っていく上で必要なことであるわけです。その点でいうと、政党については政党交付金がありまして、今、主要政党も大体8割ぐらいが政党交付金、つまり、税金で賄われているはずです。同時に、この政党に入った政党交付金は、これは国会議員の政治活動にも事実上使われる仕組みになっているわけです。
これに対して地方の公職の候補者、つまり、知事や市町村長や議会議員は、税金での政治資金の手当てはありません。つまり、自分自身で政治資金を獲得しなければ政治活動は行えないということです。その手段は寄附と政治資金パーティーです。これができないということになったら、政治資金の獲得はできないことになって、事実上、政治活動ができなくなるということですね。そこのところ、そういうことに、現実に今そういう現象が起きているということは、地方の政治家にとってみると、これは非常に残念な事態だと言わざるを得ないと思います。そういうような現象を引き起こしているという意味でも、今回の派閥に関する一連の問題というのは、繰り返しになりますが、大変残念であると言わざるを得ません。
記者:
自民党安倍派の政治資金パーティーについて1点だけ。西村大臣に特化してお話を聞きたいんですけれども、選挙で応援に来ていることだとか、あと、コロナ禍の経済再生担当大臣として多分関わりもあったと思うんですけれども、西村大臣に対しての所感というか、思いというか、今どういうふうに思っていらっしゃるのかというのをお伺いできますか。
久元市長:
西村康稔前大臣には、いろんな形で神戸市政についても支援をしていただいてきましたし、複数の閣僚も歴任をされましたし、特にコロナの真っ最中には、様々な形でコロナへの、感染症への対応や、また事業者対策ですとかワクチンの供給、あるいは事務処理などについても、直接電話で御相談をしたり、また御助言や御支援をいただいてきました。それだけに、今回こういう形で大臣を辞任されたということは大変残念に感じております。
記者:
度々すみません。別件でのお伺いになるんですけれども、PFASの関係なんですが、今週、以前から市に申入れされている丸尾県議会議員が、また明石川での調査結果ということを踏まえて市のほうに申入れされたと思うんですけれども、これは12月、今月に入ってWHOのほうで、ちょっと発がん性の部分についてだったりとか、従来よりちょっと厳しい基準というか、発がん性の可能性があるものというふうな基準も示されたところかと思うんですが、このWHOの見解の変化というのを踏まえて、改めて市長としてどういうふうに対応されたいかというのは、お考えの変化などございますでしょうか。
久元市長:
これはちょっと専門的な話になりますので、また不足なところがあったら補足をしてもらうことにしますが、今おっしゃったのはWHOの傘下の機関である国際がん研究機関(IARC)のPFAS(PFOS・PFOA)に対する見解です。発がん性分類というのが示されているわけですが、この発がん性分類というのは人に対する発がん性の原因となり得るかどうかの根拠の程度がどれぐらいあるかということを示すというふうにされておりまして、この発がん性の強度、この数値が、発がん性がどの程度あるのかということを示すものではないというふうに考えられているので、この見解でもって神戸市としてこのPFASというものが人体にどれぐらい影響があるのかということの何らかの参考指針を示すものではないというふうに説明を受けております。恐らくそうではないかというふうに思います。
このPFASについては、繰り返し申し上げておりますように、どの程度の量が身体に入れば影響が出るのかという知見がないわけですね。ですから、そのことを前提にして神戸市としては対応していきたいというふうに思っています。