最終更新日:2023年8月22日
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・新型コロナウイルス感染症
・プロフェッショナル型採用選考の実施
・神戸登山プロジェクト~神戸登山サポート店の展開~
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司会:
それでは、ただいまより8月の市長定例会見を始めさせていただきます。
市長、よろしくお願いいたします。
久元市長:
よろしくお願いいたします。
今日お話を申し上げたい案件は3件です。コロナの状況、それからプロフェッショナル型の採用選考の実施、神戸登山プロジェクトの中の神戸登山サポート店の展開、この3点についてお話を申し上げたいと思います。
定点観測に移行をしてからの状況ですが、6月頃からこの定点観測の数字、右肩上がりでしたが、この7月の後半から横ばいになり、8月7日から13日、直近の状況では、定点観測の状況は、神戸市は全国、兵庫県よりも若干低い水準にはずっと今までもあったわけですが、全国の傾向、兵庫県の傾向と同様に減少をしてきているという状況です。
病床使用率も8月14日が60.5%だったわけですが、これもその後、低下傾向にあるということになっております。感染が急拡大をし続けるという状況は、今、避けられているのではないか。もちろん、この先予断を許さないわけですけれども、第9波に突入をしているということは少なくともないのではないかというふうに思います。
これからXBB対応のワクチン接種、秋冬接種も始まりまして、今、国からの通知に基づきまして関係機関と最終的な調整を行っているところで、このワクチン接種、秋冬接種につきましても、近々にその方針を発表できるのではないかというふうに考えております。
2番目が、プロフェッショナル型の採用選考です。神戸市は新規採用とともに経験者採用を行ってきたわけですが、令和6年4月1日の採用からはこの経験者採用と新規採用を半々にするということで取り組んでおります。その経験者採用の趣旨は社会背景としていろいろあるわけですけれども、1つは、やはり専門的知識を持った人材が欲しいということです。職員の皆さん、それぞれいろいろな経験を仕事の中で積んでいくわけですけれども、やはり専門的知識が必要です。
特に、神戸市のように非常に幅広い仕事をやっている組織体の中では、脈絡なく人事異動をやっていると、いつまでたっても専門的知識が身につかないということになります。ですから、神戸市ではプロパー職員の皆さんを中心に、プロパー職員の皆さんだけではありませんけれども、職員の皆さんにフォローアップ面談というのを行いまして、あなたはこの神戸市の中でどういうキャリアをこれから目指すのか。どういう分野を中心にキャリアを磨いていって仕事をしていきたいのかということを人事当局が直接聞き取って、極力そういう意向に沿うような人事配置を行うというふうにしております。これも専門性を育成するということの1つの取組です。
もう1つは、専門的な知識を持った人材を外部から登用していくということです。例えば、鉄道、バス事業に長年携わってきた専門的な知識を持った人材を交通局長に任命をいたしました。かなり交通局、変わったと思います。これまで労働組合への遠慮などもあって、事業所における十分な管理ができていなかったという状況も、この外部から来ていただいた交通局長によってこれが正されようとしています。遅きに失したというふうに言えるかもしれませんが、これも専門的知識を持った人材が活躍をしていただいて、成果を出していただいているということの証左ではないかというふうに思います。
専門的知識を持った人材については、これまで管理職に任期つきで採用するということを行ってきました。これを、任期を設けない採用、経験者採用に拡大をしたいというふうに考えております。やはり、未来を見据えて果敢にチャレンジ精神を発揮していただくと、そういう趣旨で、対象分野の専門性、即戦力としての活躍可能性、組織に多様性を生み出していく、こういう観点から任期を設けない経験者採用を管理職に拡大をしたいというふうに思っております。課長、係長として活躍できる人材を募集するということです。
専門分野としては、1つはデジタルの分野です。これは神戸市も大変力を入れている分野で、専門的知識を持ったプロパーの職員もかなり育ってきていますし、民間企業から任期付で入ってきていただいた職員、社会人採用として入っていただいた職員も活躍をしていただいておりまして、成果がかなり生まれております。
もう1つは土木・まちづくりの分野です。都市基盤の整備、三宮やウォーターフロント、また駅前のリニューアルなど様々な、新たな観点に立ったまちづくりを行っていますが、さらにこの都市空間のリデザインでありますとか、また土木領域への新しいテクノロジーの導入、こういうような観点から、ぜひそういう分野でこれまで活躍をしてきた、そういう外部人材、民間で活躍をしてきた人材に、課長、係長として任期の定めなく活躍をしてほしい。そういう形での採用選考を行うということです。募集人員は若干名です。
受験資格ですけれども、この課長、係長とも60歳未満、それからそれぞれの専攻分野、デジタルならデジタル、まちづくりならまちづくりという分野で5年以上の経験がある、そして、課長の場合にはマネジメント経験が5年以上ある、こういう受験資格を設けます。
ジョブ型雇用という言い方をしていないのは、ジョブ型雇用と似たような発想なんですけれども、ジョブ型雇用というのはポストが一つだけ決まっていて、原則としてはそこから異動しないということなんですが、神戸市の場合には、先ほど申し上げたような分野で異動をしていただくということもあり得る。そういうことで、ジョブ型雇用という言葉を使っていませんが、趣旨としては似通っております。最初はスタッフ職として配置をいたしますが、選考分野を中心に今後人事異動をしていただくということもあり得ると考えております。
8月29日から募集を開始いたしまして、約1か月間転職サイトから申込みを受け付けています。10月から11月に書類選考を行い、そして、2次、3次は、これは面接を行いまして、内定を行い、来年の4月に採用をするという形で進めていきたいと考えております。
それから、3番目ですね。神戸登山プロジェクトです。これはこれまでも何回か説明をしてきました。この神戸登山プロジェクトの中で、今回、このプロジェクトの具体策として神戸登山サポート店という制度を開始したいと思っております。
神戸の特徴は、まちから気軽に山に登ることができるということですね。ですから、まちの中に、この登山客の皆さんが立ち寄っていただけるようなお店がたくさんあります。そういう中で、登山客を快くお迎えをして、必要な登山客のニーズに応えてくれるようなサポート店を募集するということにいたしました。登山前後にこの麓の神戸の街を満喫していただくということも狙いにしております。
神戸サポート店はこういうロゴ、ステッカーを作ったわけですけれども、特にニーズが高いのはトイレの利用ですね。トイレを貸してもらえる。それから、大きな荷物を持ち込む。大きな荷物を持ち込んで店に入ると嫌がられることもあったんですが、そういう大きな荷物も持ち込んでも気持ちよく迎えていただくと。そういうことを、この2つをやっていただけるお店ということですね。あとはそれぞれのお店の考え方でテイクアウトとか登山やまちの情報とか、この周辺散策時に荷物を預かってもらう。こういうようなこともオプションで行っていただくということを考えております。
まず、第1弾はこの摩耶山麓、王子公園・灘エリアでスタートするということで、8月23日、あしたから11店舗でスタートしたいというふうに考えております。23日、今日ですか。あしたですね。あしたからスタートをしたいというふうに考えております。
11店舗はこの王子公園と山麓エリアで、飲食店が多いんですけれども、飲食店といいましても、ぎょうざのお店とか洋風のお店とか、あとは居酒屋のようなお店もあります。漬物店、お好み焼き屋もありますね。コーヒー店もあります。こういう飲食店が多いんですけれども、それ以外に銭湯も入っている。こういう11店舗でスタートをしたいというふうに思っております。
この登山サポート店のホームページのスタートをいたしまして、どういうお店があるのか、どんなサービスが受けられるのか、そして、そのお店の紹介も含めてこのホームページで紹介したいと思っております。そして、11店舗からスタートするわけですけれども、ぜひこれをさらに増やしたいというふうに考えておりまして、当面は20店から30店舗ぐらいを目標に、新たな募集も行う。このホームページから申し込んでいただけるようにいたします。
あわせて、このホームページでは、山の中でのニーズが高いのがトイレですね。公共トイレ、この公共トイレもこの中で検索できるように、これが一つのマップの例ですけれども、六甲山の周辺、六甲山からのハイキング道に、登山道にあるこのトイレをこういう形でマップで表示ができるようにいたします。
こういう形で神戸登山プロジェクト、これからも、これ以外の具体策も今、検討中ですが、こういう形で神戸登山プロジェクト、着実にしっかりとスピード感を持って進めていきたいというふうに考えております。
私からは以上です。
記者:
コロナの件で伺いたいんですけれども、先ほど急拡大は避けられていて、第9波に突入しているということはないのではないかという見解ありましたけれども、先月、日本医師会のほうからは、何か一応第9波になっていると判断するのが妥当ではないかみたいな見解も、その時期においては示されていたんですけれども、神戸においては、今のところはそこまで行っていないのではないかという見解でよろしいでしょうか。
久元市長:
市役所の関係者の皆さんとも議論をしていますが、私は第9波に突入しているという状況ではないというふうに考えています。
記者:
ありがとうございます。あと、その下がった時期というのが若干お盆とかぶりそうな気もする。ぎりぎりかぶらないくらいかなという気もするんですけど、あんまりそういった影響ではなく、感染自体が抑えられているという認識と捉えてもよろしいのでしょうか。
久元市長:
定点観測でお盆の時期に休んでいた医療機関もありますから、そこの影響が若干あろうかとは思いますが、しかし、この全国的な傾向、7月、感染がずっと拡大していたのが横ばいになって抑えられて、減少傾向に入っていますから、今後の動向を慎重に見る必要がありますが、少なくとも拡大をしているという状況ではないのではないかというふうに思います。
記者:
分かりました。すみません。あと1点だけ、この登山プロジェクトのサポート店の目的としては、大きく登山の利便性を高めるということと、あと、地元の経済の活性化みたいな、大きく2点というふうに捉えてもよろしいでしょうか。
久元市長:
地元の経済の活性化とまでは、若干いい影響はあるかもしれませんが、やっぱり登山客のニーズを満たすと。神戸では山に登りやすい。麓からも簡単に、難しいルートもありますが、登ることができると。そして、登山客のニーズとして高いトイレと、それから、大きな荷物を持ってお店に入ることができる、そういうようなニーズに応えるというのが大きな目的です。付随的に神戸のまちを楽しんでもらいたいという願いもあります。
記者:
すみません、まず1点目、コロナに関してなんですが、市長御説明の中でXBB対応ワクチンのことに言及されていたかと思うんですが、これは最終調整中とおっしゃいましたけれども、接種開始時期について最終調整しているという理解でよろしかったですか。
久元市長:
そうです。ワクチン接種に使うワクチンの種類、これがまだ国からは確定していません。それがいつ供給されるのかということも確定していないので、国からの明確な連絡を待って、関係機関、特に医師会などとの調整を現在行っているところです。
記者:
ちょっと国からの連絡次第だとは思うんですが、早ければ9月中ぐらいとかには接種可能なんでしょうか。
職員:
また調整が済み次第、またお知らせをさせていただきたいと思いますので、もうしばらくお待ちいただけたらと思います。
記者:
ありがとうございます。また、あとプロフェッショナル採用に関してもお尋ねがあります。今回、まずデジタル分野及び土木・まちづくりという分野で採用選考を進めたいということなんですが、まずこの3つの、大きく2つですね、2つの分野で選考、採用したいという狙いを伺いたいと思います。例えばですけれども、現状で何か組織運営上、この分野での課題とかがあってのことなのか、どういうお考えなのかをお願いします。
久元市長:
デジタル分野は、神戸市はかなり自治体としては、これまでも先導的な施策を打ち出してきましたし、コロナを通じた感染者の把握とか、ワクチン接種の状況把握とか、市民への周知広報もかなり新たな取組を行って、それらをほかの自治体でも採用していただいたというふうに思っておりますから、自治体として遅れているということはないと思います。
ただ、この分野は日進月歩の世界です。ChatGPTが急速に普及をするとか、それ以外の生成AIもどんどん普及していくということで、ここはやはり専門人材をしっかり集めるということと、それから、プロパー職員の皆さんにも最新の知識を持ってもらう。そして、外部人材とプロパーの人材がチームを組んで、よい実績を上げていくということが求められている分野なので、やはりこれまでも民間企業経験者が、例えばデジタル戦略部などにもかなりいますけれども、直接、課長、係長として任期定めなくですね、任期定めなく、基本的には、もちろん神戸市から転職するということは何ら妨げられないわけですが、定年までしっかり任期なく働いていただけるような人材を配置するということが必要ではないかというふうに考えたところです。
土木・まちづくりについても、そういう趣旨で任期の定めのない課長、係長を採用するわけですが、特にここの分野は、神戸はここ数年、かなりのスピード感でまちづくり、都市基盤の整備、それから公共交通などでの取組も進めてきました。やはりこういう分野でも、民間での経験を持った人材に入ってきていただいて、新しい提案や新しいテクノロジーを注入していただくということも、行政水準、行政施策のレベルを向上する、させる上で意味があるのではないかというふうに考えた次第です。
記者:
今後は、今回デジタル、土木・まちづくりを挙げていただきましたが、他分野でもプロフェッショナル採用というのを検討していくことになるんでしょうか。
久元市長:
今のところすぐに、ほかにどんな分野があるのかというのは念頭にはありませんが、今後、他の分野でもあり得るだろうというふうに思います。
記者:
また、あと、ちょっとこのプロフェッショナル採用に関連してなんですが、市長、やっぱり外部人材の登用というのにこれまで力を入れてこられたと思うんですけれども、神戸市の職員の方で、やっぱりかなり外部人材の割合というのは、例えば政令市とかと比較しても、かなり多い部類にはなってくるんでしょうか。
久元市長:
比較をしたことはありませんが、少なくとも数が多いかどうかは別にして、積極的に採用しているほうではないかというふうに思います。
記者:
2番目のプロフェッショナル型採用について教えてください。これ、昨年の12月に発表されたものの詳細が決まったということだと思うんですけども、待遇面含めて、かなり中途の人材獲得というところは、いろいろ民間含めて難しいところだと思うんですが、神戸市で働く、ここに入るというところ、待遇面を含めて、強みとする部分というのは、どういったところになるのか教えてください。
久元市長:
待遇は、それぞれ年齢などを勘案して、神戸市の職員の給料表に当てはめて号俸の格付をする、その際に前歴換算なども行うという形で給与を決定いたしますが、基本的にはそれはプロパー職員と均衡が取れた待遇、給与ということになりますから、民間の中で人材獲得競争が激しくなっている中で、際立って好待遇であるとは言えないと思うんですね。ですから地方自治体は、そういう待遇面で競い合ってよい人材を獲得するということは、これは神戸市に限らず、限界があります。地方公務員の給与は、官民比較を行って、人事委員会勧告に基づいて決定しますから、それはそういう限界があります。そういう中で、どこが神戸市の優位性なのかというのはなかなか難しいですけれども、やはり神戸市がパイオニア的な政策を打ち出して、そういう先駆的な分野に参画できる、そこで思う存分働けるということを理解していただけるということが重要だというふうに思います。
前も申し上げたかもしれませんが、例えば任期付の係長で、かなり名の知れた情報通信系の企業から神戸市に転職をして、相当給料が下がった。しかし、神戸市に来てよかったと。手前みそになるかもしれませんが、そういうふうに言ってくれた職員もいました。同じような話は聞いたことがあります。やっぱりパイオニア的な施策を展開し、思う存分仕事ができるという、そういう職場環境をつくっていく。ただ単にそういうイメージを持ってもらうということだけではなくて、実質的にそういう職場環境をつくって、そのことを口コミやネットでの情報などを通じて多くの方に知っていただくということが、優れた外部人材を獲得していくということにつながっていくのではないかというふうに思います。
記者:
先ほどの質問とちょっとかぶってしまうところもあるんですが、何か今ある課題を解決するために、例えばデジタルを採用したいというのももちろんあるんでしょうけども、さらに先駆的に新しいことを始めたいから常に新しい人を採っておきたい、そういうイメージになってくるんでしょうか。
久元市長:
新しい政策分野というのは、今すぐにこれということはありませんが、少なくとも、先ほどまちづくり・土木分野の話をしましたけれど、この分野もやっぱりデジタルも含めて、新たなテクノロジーを導入していくということが求められる分野で、日進月歩ですよね。
前回、異常高温、要するに極めて高い気温がもうずっと続いていく、超高温常態化ということを考えたときには、思い切った発想と新しいテクノロジーで街全体をどう冷やしていくのかということを、これはやっぱり大都市自治体として考えていかなければいけない。これはプロパー職員の皆さん、今いる職員の皆さんにも相当いろんなアイデアが、中では議論してくれているようですけれども、やっぱり民間経験のある人にそういう分野で新しい提言をしてもらうということも非常に魅力的ですね。
これはいろんな分野について、例えば農政にしても、もちろん外部の知恵を借りるということも必要ですよね。例えば耕作放棄地の把握というのは、これは神戸市が政策として進めてきたアーバンイノベーション神戸のスタートアップの企業のアプリを使って耕作放棄地を把握するということをやっていまして、そういう外部の企業の新しいテクノロジーを活用するということが必要なのと、同時にやはり内製化というふうに思いますけど、組織の中でそういうテクノロジーが提案され、そして生み出され、共有されるという取組、これを両方進めていく必要があるというふうに思っております。
記者:
登山プロジェクトの件で、サポート店の話ではなくなってしまうんですけど、新神戸駅にトレコが開設されてからちょうど1か月ぐらいなのかなと思いまして、トレコの開設によって何か効果というのが出てきた部分があるのか、例えば登山客が前よりも増加傾向にあるとか、そういった効果があるのかというところをお聞きしたいのと、もう1つは今、オーバーツーリズムで、例えば富士山だとごみのポイ捨てとかが増加している中で、観光客が増えたけど、一方でそういった何かしらの課題とか弊害が生まれているとか、そういった部分で聞こえていることというのはありますでしょうか。
久元市長:
まず、トレコについては7月22日にオープンをいたしまして、7月23日から31日までで、1週間ぐらいかな、約400人の方に利用をいただいているということで、やっぱり布引の滝に登る、あるいは摩耶山に登るという人気スポットなので、そこでの道の案内とか、そういう紹介とか、あとは、手荷物の預かりサービスなどを利用していただいていると。まだ、これオープンして今日でちょうど一月ですから、まだ、今のところこれが登山客の増加につながったということは言えないと思います。もう少し長い目で、その効果を見る必要があると思いますが、やはり神戸はいろんな観光地としての顔、魅力があるわけですが、登山というのが神戸観光の1つのポイントになっているということは、このトレコの開設によって知られるようになった。知名度を上げる上で役割を果たしているというふうに思います。
それから、オーバーツーリズムについては、少なくとも京都とか、あるいは海外ではバルセロナが有名ですけれども、とてもそういうような状況ではないと思います。まだ、インバウンドの方にも、皆さんにも来ていただきたいというのが神戸の状況です。しかし、ただ来てください、来てくださいと申し上げるわけではなくて、やはり観光客が増えることに伴って必要な対応、例えばさっきの登山サポート店もそういう面があるわけです。登山客が増えればトイレの需要というのが増えますし、公共トイレを無制限に増設していくわけにはいかないですから、これをサポートしてくれる店を増やす、それから山の中のトイレの情報がすぐ分かるようにする、これも登山客が増える、観光客が増える部分に対する対応、こういう地道な対応をしっかり行っていくと。オーバーツーリズムにはなっていないけれども、そういうような、増えることに伴う対応というのはしっかりやっていかなければいけないだろうと思います。
記者:
昨日、兵庫県のほうで県立大学の無償化に関する詳細案が発表されました。まず、これについて久元市長の受け止め、所感をお聞かせいただけたらと思います。
久元市長:
やはり兵庫県として、学生ファーストという表現が使われていると思いますけれども、兵庫県内で学んでいる学生の皆さん、あるいはその世帯をサポートしたい、そういう考え方で実施をされたのではないかというふうに思います。そうすると、神戸市の公立大学、神戸市外国語大学、それから神戸市看護大学があるのですが、これについて無償化するということは、現時点では考えてはおりません。
記者:
ある種大学の、こういう授業料の無償化というのが、そういう人材育成であったり、あと人口対策という側面もあるのかなと思うんですが、今の時点で、例えば神戸市立の公立大学について、市長としてはそういう無償化を考えていない、その理由はなぜなんでしょうか。
久元市長:
1つは、これは兵庫県の政策についてのコメントではなくて、神戸市がそういうような政策を取ることの可否についての考え方ですが、神戸市の外大、看護大に通う学生の、あるいはその学生の世帯の所得水準には当然ばらつきがあるはずです。同時に、それ以外の大学に通う学生の皆さん、あるいはその世帯についての所得についてもばらつきがあるはずです。そう考えたときに、公立大学、神戸市立の公立大学の授業料、入学金を、所得水準に関わらず無償にするということが、それ以外の大学に通うたくさんの学生がいる中で、それが公費の使い方として公正で適切なのかということについては議論が要るだろうと思います。ですからこのことについては、やはり今後の市の議会での議論なども踏まえまして、令和6年度の予算編成の中で検討していきたいと思います。
もう1つは、神戸市には大学がたくさんあります。神戸市内には17の大学があり、4つの短期大学があると、21の大学、短大がある。大学都市であるわけです。この大学都市である神戸において、仮に神戸市の公立大学を無償化するということになれば、大阪が既に公立大学を無償化するという方針を出しております。兵庫県がそういう方針を昨日出されました。神戸市もそういう方針を出したとすると、阪神間の公立大学が全て授業料を無償化すると、このことが神戸市内の大学にどういう影響を与えるのか。入学者、受験者の動向に、つまり、その大学に入学する入学者の動向にどういう影響を与えるのかということはしっかり慎重に検討しなければいけないだろうと思います。そういうことも含めて考えた上で慎重に検討をして、議会の議論をしっかり踏まえた上で、令和6年度の予算編成の中で方向性を見いだしていきたいというふうに思います。
記者:
令和6年度の予算編成という言葉を使っていただいていますけれども、仮に議会の中で、やっぱり神戸市もそういう思い切って無償化の対応をすべきではないかという声が強まれば、そういう令和6年度の予算でも対応はあり得るということなんですかね。
久元市長:
先ほど申し上げましたような論点については議会でも説明をしたいというふうに思いますし、その上で、初めから予断を持って議会でこんな意見が出るだろうということを想定するのではなくて、神戸市としての考え方、つまり、現時点においては課題や論点の所在ということにとどまるわけですけれども、そういうこともお示しをした上で議会で議論をしていただき、ただ、これは何か議案を提案するというわけじゃありませんから、議会のほうでどういう議論が行われるのかということを見て、そういうような、とにかく議会での議論というのは大変大事ですから、そういうような議論も踏まえて予算編成に、年内、これから入っていくわけですけれども、考えていきたいというふうに思います。
記者:
すみません、あと1つだけお尋ねなんですけど、ちょっと話は替わるんですが、三田市民病院との再編統合に関することなんですけれども、三田市の新市長が8月8日に就任したかと思うんですが、その後、病院の在り方に関する協議というのは何か進展なりがあるんでしょうか。
久元市長:
ありません。三田市から何か意思の表示があったとか、意見の表明がなされたとか、何か感触が示されたとか、そういうことは全くありません。
記者:
すみません、以前も伺ったかもしれないんですが、あくまで神戸市としては、三田市側の対応を見守るというか、出方をうかがうという、そういう状況でございますか。
久元市長:
そういうことですけれども、市長が就任されたわけですから、やはり早く三田市としての考え方を示していただきたいと思いますね。
記者:
前回の定例会見のときもお話があったんですけど、神戸市西区の男児が死亡した事件で、検証委員会の初会合が来月2日に開催されると、この前発表があったんですけど、一方で、捜査当局のほうが鑑定留置に入りまして、その期限が来年2月までと結構長丁場で、前回の会見のとき、市長は、起訴されるかどうかというところが1つポイントとおっしゃっていたんですけど、来年2月まで鑑定留置ということで、今後見通しはどうなるんでしょうか。
久元市長:
我々としては、市役所の中でどういう対応をしたのかということは分かっていますし、その家族の、被疑者ということになるかもしれませんが、あるいはそれ以外の関係者のプライバシーに属する情報以外の情報については取材やこの場でもお話をしてきたところなので、さらにこの検証を行う上で警察からの情報というのは必要なのではないかと考えて、そして、それを待った上で検証を始めることが適切ではないかと思っていました。今おっしゃいましたように鑑定留置がかなり長引くということですから、警察からの情報がほとんど得られない、新たな情報が得られないということを前提とした検証を行う、そういう考え方で検証委員会での検証をスタートさせるということになると思います。
記者:
分かりました。そうなると、じゃ、取りあえず、鑑定留置の状況とか、一度、関係なく、やれる範囲で進めて、また鑑定留置が終わった後の見合いとか、そういう話になるんですか。
久元市長:
まず、神戸市としての対応を外部の方にも入ってもらって検証するということですから、この検証の進め方自体も、神戸市の考え方ありきではなくて、経験豊かな委員の方にも入っていただいていますから、どういう方法で検証を進めるのかということを第1回目に議論をしていただいて、その上で検証を進めていきたいというふうに思います。ですから、今の段階でこの検証委員会の結論をいつ頃出すのかということはまだ分かりません。未定です。