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定例会見 2024年6月27日

最終更新日:2024年6月27日

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会見資料はこちら

技術系職員の人材確保・育成について ~職員技術研修所の開設~

司会:

 それでは、定刻になりましたので、6月2回目の市長定例会見を始めさせていただきます。

 市長、よろしくお願いいたします。

久元市長:

 よろしくお願いいたします。今日、私からお話を申し上げたい案件は2件です。

 技術系職員の人材確保・育成について、職員技術研修所の開設についてお話を申し上げたいということが1点。2点目は、前回もお話ししましたけれども、ファッション産業都市宣言25周年を記念したタイムカプセルメッセージの公表を行いたいと考えております。

 まず、1点目です。時々報じられておりますが、地方自治体で技術系の職員が不足をしている状況が目立っているというところですね。神戸市では、技術系職員が物すごく不足をして、欠員が生じているということはなってはおりませんけれども、やっぱし従来に比べて技術系職員の志願者の減少が見られるということで、この技術系職員にとって、自ら成長を実感できるような職場環境をつくっていく、魅力のある職場環境をつくっていくということはもちろんですけれども、そういう取組が必要ではないかというふうに考えてきました。

 技術系職員は、最初に入るときの試験区分で言いますと、神戸市では土木職、建築職、造園職、設備職などが該当いたします。このうち一番数が多い土木職の技術系の職員の例で言いますと、この15年間ですね。15年間の職員数の推移を見ますと770人から730人、これは行財政改革を進めてきたこともありまして減少しております。一方で、女性職員は11人から69人ということで約6倍になっておりまして、女性職員にとって働きやすい環境をつくっていくということが大事です。同時に、69人ということについては評価が分かれるところでしょうけれども、やはりまだまだ女性職員の数、割合は低いのではないか。もっと女性職員に活躍してもらうような、そういう職場づくりが必要ですというふうに思います。あと、年齢構成で言いますと、39歳以下が26%から46%ということで増えておりまして、団塊の世代の職員がかなり退職をした後、若手の職員が増えてきているということが分かります。

 これまで進めてきたのが快適な職場環境です。これまでのアンケート調査などでも、技術系職員の働く場所の職場環境というのは、必ずしも十分なものではなかったというふうに考えてきました。特に女性職員がまだまだ数は少ないながら増えてきているわけですけれども、女性職員にとりまして、増えてきているという状況に対し十分な対応ができてはこなかったのではないかというふうに考えられてきました。アンケート調査の結果や、また、かなり問題があるということが分かってきましたので、弁護士の方3人に実際職場を回ってもらいまして点検をしてもらうと、やはりまだまだ改善すべきところがあるという指摘もいただきました。

 そこで、特に技術系職員が多い建設事務所、この建設事務所は道路や公園の管理、また、災害対応といった面で非常に重要な役割を果たしています。建設事務所では、現場での仕事が多い。作業服に着替えて仕事を行っているわけですけれども、災害時には泊まり込みで仕事をしなければならないというような職場です。女性職員も増えておりますので、更衣室、休憩室の改修、それから、女性専用のユニットシャワー室の整備、こういうハード面の対応を行うとともに、業務や日頃の悩みを解消していく、また、長期的なキャリアプランをどうつくっていくのかというような観点から、意見交換会なども実施をする。

 若手の女性職員と、それから、女性の管理職、幹部の皆さんとの意見交換を行うというようなことを行う。また、DXを積極的に入れていく必要があるということで、業務にタブレットを導入しております。現場で写真を撮影いたしまして、通報管理システムに直接手入力することが可能になりましたし、紙の図面や地図を持参することなく工事監督を行ったり、直接市民や事業者の皆さんへの対応ができるようになります。こういうふうに、現場で働く技術系職員の環境づくりを推進してきたところであります。

 同時に、この技術系職員の士気を上げ、そして、神戸市を選んでいただくということの対応をするためには、やはり成長が実感できるような職場づくりということが非常に大事ではないか。技術系職員の知識、あるいはこのスキル、あるいは活用できるテクノロジーの習得、こういうことが非常に大事ではないかというふうに考えていまして、1つはOJTですよね。先輩職員からの技術の伝承を、これは仕事を行う中で行っていくという対応。それから、OFF-JTですね。これは職場を離れて講義による基礎研修を受けたり、実践的な専門研修を継続するというこのOFF-JT。もう1つは、ご自身で自己啓発をしていただく。資格を取得する支援、あるいは講座を受講する支援、助成、こういうようなことが必要で取組を行ってきたところです。

 他の自治体に比べて決して遜色のない対応を行ってきたと思いますが、やはり庁外でいろいろと議論をした結果、もう1段踏み込んだこの対応が必要ではないだろうか、踏み込んだ対応という意味は、職員自身の皆さんのスキルを高めて成長できるように、成長が実感できるような環境をつくっていくという上で、もう一歩踏み込んだ対応が必要ではないかということで、今回オープンさせることにいたしましたのが職員技術研修所です。7月5日にオープンをいたしまして、研修を開始いたします。

 この研修所の特徴は、技術系職員を対象とした、技術系職員に特化した研修所ということです。そして、従来の研修所は座学が中心ですね。専門家の講師のお話を聞く、あるいは職員同士で講師を交えてディスカッションするということでしたが、この職員技術研修所には、実際に様々な実地での研修を取り入れたプログラムができるような施設として整備をいたします。研修フィールドをつくって、そこで実地の研修をすることができる、受けることができるようにするということです。

 この研修所の中には展示室を設置いたしまして、過去の神戸市の大規模プロジェクト、神戸市は様々な大規模プロジェクトを行ってきましたけれども、これをパネル展示する、あるいは地上からは見えない地下部の擁壁など、構造物の模型展示を行う。その仕組みとか構成を理解してもらうということと、維持管理とか工事の全体像を理解できるようにするということですね。もう1つは、研修フィールドを併設する。屋外に実地研修フィールドをつくって、ここで実際に維持管理や工法などの、あるいは調査・測量などの実地の研修を受けることができるようにするということです。

 場所は神戸市の西区の資源リサイクルセンターの中につくります。これは、以前は環境未来館だったわけですけれども、環境未来館の展示物をクリーンセンターの中に移設をして、クリーンセンターを見学していただくときに併せて、環境未来センターにあった展示をご覧いただくということにしましたので、ここが空いていたということもあって、ここに開設をするということといたしました。場所はテクノ・ロジスティックパークに併設をしたブロックの一画になりまして、神戸電鉄粟生線の木津駅から歩いて5分ぐらいの場所です。

 この職員技術研修所では、座学等と実地を組み合わせた研修をいたします。例えばこの左の写真では、ICT研修、ICT施工の基礎とか施工事例を学ぶ。そして、その研修を踏まえて隣の屋外の研修フィールド、ここで実際に研修を受けることができるようにするという、そういうことができるようになります。新しいテクノロジーをどんどん導入をし、職員の皆さんが習得をしていくということが必要です。

 これはごく一例ですけれども、AIを用いたトンネル点検での画像診断技術、それを身につける。それから、真ん中の写真はドローンの操縦技能の習得ですね。このドローンを活用して施設の管理や被害状況の調査に活用しようということで、このドローンの実際の研修は実施フィールド、研修フィールドでも行うことができます。それから、ロボットを活用した草刈り作業ですね。これは研修フィールドでは実施はできませんが、職員技術研修所の周囲には、これは農地もかなりたくさんありますので、農家の皆さんの協力が得られれば、農地で農作物を栽培していないときに、そういう場所でこういう研修ができる可能性もあります。こういう形で職員が働きやすく、成長できる環境づくりを行って、技術系職員の獲得、そして能力の向上、士気の高揚ということを図っていきたいと思っております。

ファッション産業都市宣言25周年記念 タイムカプセルメッセージの公表

 2番目が、ファッション産業都市宣言25周年を記念して募集をしたタイムカプセルメッセージ、これを公表いたします。

 このタイムカプセルというのはどんなものだったのかということですが、1998年、ファッション都市宣言25周年を記念いたしまして、広くメッセージを募集いたしました。そして、このファッション都市宣言から50年にこれを公表すると、そういうタイムカプセルを募集したわけです。50周年、つまり去年ですね。2023年に公表をするということにしておりました。約2,000件がタイムカプセルとして寄せられました。これについては、私は特に報告は受けていなかったわけですけれども、報道で知りましたが、これは、個人情報をめぐる状況がこの25年の間に大きく変わったので、これは公表できないと、そのままお返しをしますということで、お返しをするということを広報したということでした。実際にこの返却の申出があったのが2組4名だったと聞いております。

 やはりこれは、26年前にファッション都市宣言を契機として、25年後の自分自身、ご自身に託した夢であるとか、そのときは、自分の今の夢が実現できているだろうかというような、そういう思いだったり、あるいは、25年後の神戸というものがこういう都市になってほしいという願いが込められていたと思うんですが、それを全くもう、それを一切公表せずにそのままお返しをするということは、やっぱりそういうような思いに対して応えるということになっていないのではないかというふうに感じまして、経済観光局のほうでいろいろと検討をしていただきました。

 実際に寄せられたメッセージはこのような、これは実物です。その一部ですけれども、今申し上げましたような様々な思いがここに記されております。私も、メッセージ全部は読んではいませんけれども、少し拝見をさせていただきました。これについては、これもそのごく一部ですけれども、左のメッセージでポートタワーが記されております。くしくもというか、今年の4月26日にポートタワーがリニューアルオープンをしたわけですけれども、この26年前の市民の皆さんの中には、ポートタワーへの思いというのがあったことが分かります。

 それから、後は、元気に生き生き暮らしている私というのをイメージした、そういうメッセージですね。そして、1998年、震災から、今は1999年の2月21日ということで、この震災から3年余り、4年ですね、4年たった、そのときの思いが記されております。これについては、今日から神戸市のホームページ、経済観光局のページに、これを全て公表することといたします。もちろん個人情報は全て伏せた状態ですけれども、これを公表するということにいたしました。同時に、このメッセージの返却をしたいと考えておりまして、eメールで受け付け、来庁していただく、あるいは、郵送で受け取っていただけます。受取期限につきましては、今年の9月30日まで延長することといたします。この期限を過ぎて受取り希望がなかったメッセージにつきましても、9月30日から1年間は保管をするということにいたします。

 なかなかメッセージを送られた方全てに、今日お話しを申し上げる内容が届くというのは難しいかもしれませんが、お心当たりのある方は、ホームページに記載の受取り希望用紙に記入をしていただきまして、記載のeメールアドレスに送っていただきたいというふうに考えております。

 私からは2件、以上です。

質疑応答(発表項目)

記者:

 細かいこともあるんですけれども、まず、技術研修所のほうで、この施設を利用できる技術職員の全体の数というのを、まず教えていただければと思います。

久元市長:

 対象とする技術系の職員さん。

職員:

 この研修所は技術職員を対象としておりますけども、主に土木系、それから造園の方を中心として、まずは研修をスタートしたいと思いまして、それぞれの職種の方の係長級以下の方を対象といたしまして、おおむね500名程度というふうに考えてございます。

 以上です。

記者:

 ありがとうございます。
 研修なんですけども、これは主に先輩職員の方が技術を伝えていくということなのか、それとも何か外部の講師の方とかも、今後含めて、何か研修とかをされるということなんでしょうか。

久元市長:

 両方ですね。その分野に詳しい技術職員、たくさんおりますから、内部の職員、それから大学の研究者の方、それから、こういう技術系の職員が必要とする様々な知識とか経験については、様々な団体があります。そういう団体の方とか、あるいは、場合によったら民間の会社の方に話をいただくこともあろうかと思いますし、そういうことで、意見交換とか、活発なディスカッションがこの研修所でできればありがたいなというふうに思います。

記者:

 ありがとうございます。

 この研修というのは、大体何かプログラムが、週何曜日の何日にこういうのをやりますとか、何か決まるものなのか、あとは、研修を受ける方というのは希望者になってくるのか、あと、最後に、研修を開催する時間帯というのは、いわゆる業務時間中になるのか、それとも仕事の後だったり土日とかだったり、どういった、今、形で考えられていらっしゃるんでしょう。

久元市長:

 基本的には業務時間内です。ただ、これは初めてのケースで、実際に技術系職員の皆さんが勤務している場所からは少し離れていますから、ここでみっちり研修をしていただくというところからスタートするということは難しいと思いますけど、最初の研修プログラムは、今年度は限られたものになるかなというふうに思います。それを見ながら来年度、どういうふうに拡充するのかということを考えていこうと思っております。

記者:

 なるほど。実際に研修を受けられる職員の方の要望とか、そういうのも、意見を集約しながら進めていくという認識でいいんでしょうか。

久元市長:

 そうです。

記者:

 あと、すみません。最後、細かいのが、基本的な情報として、この施設の規模感、何か、延床面積とか何階建てとか、そういうので、施設内に会議室がどれくらい入っているとか、細かいことがもし今分かればで、もし分からなかったら当日の、5日ですかね。とかでも大丈夫なんですが。

職員:

 細かい平米数とかは、ちょっと今、データを持ち合わせてございませんけども、研修室としましては、最大150名程度を収容できる研修室となっております。それから、屋外フィールド、いろいろな実証をやるところにつきましては、15メートル掛ける30メートル程度、これぐらいの広さの実証フィールドを考えてございます。

記者:

 引き続き技術研修所のことを伺いたいんですけれども、この技術研修所を使う研修の、職員の方のキャリアの中の位置づけみたいなことをお聞きしたいんですけれども、全然別な例ですが、例えば警察だと警察学校に一定の期間、例えば何か月間入ったりとか、そういうような形の研修をやったりしますけれども、この今回の研修所というのは、そういう一定期間行くというよりも、スポットで研修しに行くというものなのかということと、あと、研修することが職員の方の昇進とか、研修を受けたことが昇進とかに関わってくることなのかどうか、それと、その研修の内容なんですけれども、内容じゃないや……。取りあえず、ちょっとまずこの2点、お伺いします。

久元市長:

 この研修が、例えば警察大学校とか、そこで一定期間、例えば半年とか1年とか、そこにずっと、そこに詰めて研修するということは想定しておりませんので、この職員技術研修所が用意をするプログラム。これも、今年度中はそんなに多くのものにはならないと思いますけど、それを希望者の職員が選んで受講をするということになります。

 2番目の質問は何でしたか。

記者:

 研修を受ける、受けない、受けたことが本人の昇進ですとか、そういう人事的なところに関係してくるものかどうかという。

久元市長:

 それは特段関係しませんが、この職員技術研究所だけではなくて、先ほども申し上げましたように、それ以外の資格取得ですとか、あるいは外部の研修を受ける、様々な団体が主催をする研修とか、あるいは場合によったら、数はそんなに多くはありませんが、大学院などで半年なり1年間研修を受けると、そういうふうに、様々な自分自身の能力を高めることが、実際に職務能力の向上を通じて勤務成績に反映されれば、これが人事評価に結びついて昇進につながることはあろうかと思います。この職員技術研修所で研修を受けることが、そのまま昇進につながるものではないということです。

記者:

 ありがとうございます。

 もう1点なんですけれども、自ら成長を実感できる職場環境という関係なんですが、これまでは団塊の世代の方とかがいらっしゃって、OJTでいろいろ直接教えてもらえたと。そういう方が少なくなって、そういう機会が減ったということで、こういう研修所というものを設けたということと、それに加えて、最新技術を学ぶためには、今までのOJTでは難しいことを専門の研修所を設けて学べるようにするという、そういう狙いということでよろしいんでしょうか。

久元市長:

 OJTはすごく大事です。OJTは引き続きやっていきたいと思っておりますが、実際にベテランの職員の数が減っているということは事実ですから、そこはしかし、OBの職員に講師に来てもらって研修してもらうという方法もあるかと思いますから、OJTはOJTとして非常に大事です。

 しかし、新しいテクノロジーがどんどん進化している。例えばこのAIを使って、例えば道路の損傷とかの判断をするとか、そういう新しいテクノロジーはむしろ若手職員の方が詳しい面もありますし、同時にこれは、市役所の中だけでこれに対応できるわけではありませんから、そういう分野に詳しい学識経験者や研究者の方の指導を仰ぐということが必要ですね。特に生成AIとかDXの分野については若手職員のほうが進んでいるという面もありますから、そこは、これは職員技術研修所ということから離れるわけですけども、お互いにそういうふうに、世代を超えて得意分野の知識を相互に交換をし合ったり、あるいは教え合ったりするような組織文化の形成をしていくということも大事ではないかと思います。

記者:

 あと、最後なんですけれども、こういった形で自治体独自で技術研修所を持っている自治体というのは、政令市とかも含めてあるんでしょうか。

久元市長:

 職員技術研修所、つまり技術系職員に特化した研修所というのは、幾つかあることはあります。そんなに多くはありません。例えば、兵庫県は公益財政法人として兵庫県まちづくり技術センターがありますが、これはたしか元町のまちの中にあって、県内の市町の技術職員を対象としていると承知をしております。

 ただ、野外にこういう実証フィールドを備えた技術研修所というものは、これは我々が調べられる範囲で言うと、東京都の土木技術支援・人材育成センターだけではないかなと思っておりまして、そういう意味から言うと、神戸市のこの職員技術研修所というのは、そういう座学や意見交換ができる施設と、それから屋外で実証フィールドを持っているということから言えば、東京都以外では初めてではないかと思っております。これは100%自信を持って言えるわけではありません。

記者:

 タイムカプセルのほうについてお伺いしたいです。このタイムカプセルの募集の事業自体は、市だけはなく商工会議所ですとか、いろんな機関が関わっていたというのを承知の上でなんですけども、市の名前が入っている事業で、市民から預かったものの管理ですとか、引継ぎというのがうまくいっていなかったということでもあると思うんですけども、この点についてどうお考えでしょうか。

久元市長:

 うまくいっていなかったとは思わないですけれども、しかし前回も申し上げましたように、個人情報に関する環境が変わったので、何ら対外的に、何の情報発信をすることなく。具体的に言うと、その内容は一切公表せずに、申出がありましたら受取人送料負担でお送りをするという発想は、寂しいものがあったというふうに思います。

記者:

 ありがとうございます。

 管理とか引継ぎはうまくいっていなかったとは思わないというお話ですけれども、本来2023年に公表するとして募集していたものを、本来、2023年度には公表できなかったという部分についてはいかがですか。

久元市長:

 公表できなかったというのではなくて、公表しないという判断をしたんだろうと思うんです。それは、もともとはタイムカプセルを受け取って、25年後の2023年に氏名を含めて公表するという予定だったと思うんです。ところが個人情報の取扱いが変わったので、その当時は、できませんという判断をした。これはだから、何もしないでいたわけではなくて、そういう判断をしたということだと思います。氏名、住所など、個人情報を明らかにできないということは、それは間違っていなかったと思います。ただ、それを伏せた上で、何もしないという対応というのは適当ではなかったというふうに私は感じていたので、今回、経済観光局で改めて検討してもらって、今日、申し上げるような対応を改めて取るということにさせていただいたということです。

記者:

 すみません、今のタイムカプセルの関連でお聞きします。今日からホームページで公表ということなんですが、ホームページという手段を選ばれたのは、最終的にはなぜだというふうに説明したらよろしいでしょうか。

久元市長:

 ホームページ以外の公表手段が思い浮かばなかったということですね、正直な話。それ以外の方法ってどんな方法があったでしょう。例えば冊子にして配るといいましても、どこまで行き渡るかは分かりません。ホームページが一番常識的な方法ではなかったかと思います。

記者:

 あと1つなんですが、市長は、全部はご覧になってないけど、少し目を通しましたとお話ししてたと思うんですけれども、何か所感があれば伺わせてください。

久元市長:

 やはり、25年後の自分がどうなっているのかなとか、今、夢見ている、25年後、こうなってほしいという自分のとおりになっているだろうかという問いかけのパターン、あるいは神戸に託した思い、神戸がこんなまちになってほしいとか、そういうようなものが多かったと思います。これは本当にいろいろです、千差万別ですから、具体的な感想というのはなかなか申し上げにくいところもあるわけですけども、やはり震災から間もない時期に、神戸のまちとの関連について言うならば、神戸がもっともっといいまちになってほしいという、そういう期待とか、あるいは希望のようなものが感じられるものが多かったように思います。

記者:

 タイムカプセルなんですけど、25年たったら、一定数亡くなっている方とかもいらっしゃるんじゃないかと思うんですけども、そういった場合、果たしてそのタイムカプセルに書いたかどうかは分からないけれどもということで、遺族が問合せをして探してもらうということは可能なんでしょうか。

久元市長:

 それはこのホームページを見て、ひょっとしたら、亡くなったお母さんが書いたかもしれないんですということを問い合わせていただければ、そして、おっしゃっていただく情報がかなり信ぴょう性の高いものであれば、お返しをさせていただくということはあると思います。

記者:

 基本的に実名を記入してもらっているんですか。

久元市長:

 そうです。実名を記入してもらっています。

記者:

 紙の裏とかに書いてあるとかなんですかね。

久元市長:はい。

質疑応答(発表項目以外)

記者:

 すみません、神戸ルミナリエのことでお伺いします。先日、組織委員会で、来年で震災30年の節目となるルミナリエが、今年に続いて1月の開催を行うと決まりました。まず、この時期の妥当性について、やっぱり市長は、今回も1月にやるべき、ふさわしいとお考えでしょうか。

久元市長:

 これは、今年のルミナリエが前回以前のものから大きく変えたことはよくご存じだと思いますが、時期を1月にしたと、1月17日の直近の金曜日から10日間ということにしたということと、それから、場所を変更して分散会場を取ったということですね。

 これについては様々なご意見があるとは思うんですけれども、継承していただいた皆様方からは、おおむねこれでよかったのではないかと評価をしていただいておりますし、全体的に見ればうまくいったのではないかという意見が多かったので、今年のやり方を踏襲するということにしたわけです。それは一種の実験であったわけですけれども、その実験がうまくいったので、この方向で開催すると。そうすると、24日から2月2日までの10日間、会場は、東遊園地、旧外国人居留地、メリケンパークで行うという形にしたと、そういうことになりました。

記者:

 今年1月は、ご指摘のように、震災直後、1.17直後の金曜日から始まったんですけれども、次回、1月24日開催となりますと、1.17から1週間後の金曜日の開催になるかと思います。今回と比べてやっぱり1週間、ルミナリエまでの期間が空くことについて、ちょっと鎮魂の趣旨が薄れるんじゃないかと懸念する声もあるんですけれども、その辺についての市長のご見解があれば伺わせてください。

久元市長:

 これは、ルミナリエの組織委員会でしっかり議論して決めていただくと同時に、関係する方々のご意見もしっかり踏まえて対応するということが必要だというふうに思います。ただ、去年より前は12月開催だったわけですから、1月に開催をする、1週間空くことになりますが、少なくとも前々回以前に比べれば、この鎮魂のメッセージというものの色合いは濃くなっているのではないかと思います。

記者:

 最後に、今の関連で、1月17日の開催というのは、やっぱりこれはふさわしくないんじゃないかというふうなお考えでよろしいんでしょうか。

久元市長:

 ここはほとんど関係者の意見が一致しているかと思いますが、1月17日に開催するのは物理的に無理だと。1月17日には東遊園地で1.17のつどいが行われますし、そこはそのためにかなり準備をして会場を設営し、これを撤去しなければいけないという時間も必要ですから、その直後に開催するということはなかなか、1月17日にスタートするというのはやっぱり物理的に無理だと思います。

記者:

 今週、県と市の会議があったと思うんですけれども、兵庫県と神戸市の会議があったかと思います。それに関連してちょっと伺いたいんですが、兵庫県が学校の、かねて神戸市が求めていた、どこかで検討の場をつくるというような表明というか、受け答えがあったかと思うんですが、そこについてどのようにお感じになっているか教えてください。

久元市長:

 神戸市としては、大阪府の府内の高校の授業料が、所得制限なく、事実上、無償になった。これに伴って、神戸市を含む兵庫県内から、高校生あるいは高校生世帯の大阪府内への移転が起こり、神戸市の多様な高校教育環境が損なわれるおそれがあるのではないか、それに対して兵庫県としての対応を考えていただくようにお願いしてきたところになります。齋藤知事のほうからは、そういう神戸市からの要請を踏まえて、できるだけ早く検討会をつくっていただくということが表明されまして、これは神戸市としてはありがたいと思っております。

 この検討会の内容についてはまたお知らせいただけるということですから、どういう検討会になるのかということをこれからよく聞かせていただきたいと思いますし、どういうメンバーになるか分かりませんが、そこの検討会の中で、今回の大阪府の対応の影響をどう考えればいいのか、実はこの影響については様々な見解があります、事実。あまり影響がないという方もいらっしゃいますし、神戸市はかなり心配をしております。まず、そういう影響があるのかないのかと、どう考えればいいのかということと、仮に影響があるとするならばどういう対応を考えることができるのかということを積極的に検討していただくことを期待したいと思いますし、また、そういう方向で検討がなされることをお願いしたいと思います。

記者:

 まさに先日、さらに前の全市が集まるような会議では、資料も作られてご説明された場もあったかと思うんですけれども、今回、そもそもあれの影響というところの検証からその会議は始めていくお考えで、そこで神戸市としてそういったことを求めていくというところはまだこれからということなんでしょうか。

久元市長:

 今回、検討会をつくっていただいたということは非常に大きな前進だと思います。ですから、この検討会の構成メンバーとか検討テーマというのは、神戸市が要請を出した立場ですから、また兵庫県のほうから考え方がお示しいただけると思いますので、それを見た上で、また必要があればご意見は申し上げたいと思いますが、私は、やはり大阪府の対応が影響があるのかないのか、その辺のところを検討していただくことがスタートではないかなと思います。

記者:

 先日、次期の基本構想の案が公表になりまして、今、意見募集中ということなんですが、こちらの案をご覧になっての印象でありますとか、あるいは期待しているところなど、お伺いできればと思います。よろしくお願いいたします。

久元市長:

 素案の段階でも、私もその素案を見ましたし、その素案を基に、関係の、有識者だけではありませんけれども、そういう方々が入って議論していただいて、かなり熱心に、つまり言葉の選択も含めて議論していただいて、私自身は大変いい案になっているのではないだろうか、神戸がこれからどういう方向性を目指すべきなのかということについての方向性を示すものになっているのではないかなと思っています。

記者:

 特に気に入っている部分とその理由みたいなところも、もしお伺いできるようでしたらお願いします。

久元市長:

 やはり神戸が持っている、自然に恵まれた都市であるということと、やはり持続可能性を大切にしたまちづくりをしていこうというようなこと、そして、多くの人々の参画を求めながら、これから神戸のまちづくりをしていこうというようなことが盛り込まれていることは、非常によいことではないかなと思っています。

記者:

 では、ここからいろんな政策に落とし込むということがあるかと思うんですが、それに割とやりやすい文書になっているというふうに思われましたでしょうか。

久元市長:

 やりやすいという表現には賛成はできませんが、基本構想ですから、大きな方向性を示すものですね、指針性を示す、指針性を持つもの、そういう文書だと思いますから、これはこれから議会の議決をいただくことになるので、また議会からもご意見をいただいて、指針性のあるものとしてこれを確定していただきたいと思いますし、これが確定をすればこの基本計画の策定に入っていく。事務的な作業は並行して行うところもあるかもしれませんが、そういう作業に入っていくことになると思います。

記者:

 ということで、指針としてふさわしい内容になっているというふうにお感じになっていらっしゃる……。

久元市長:

 私としては、私がふさわしいかどうかというふうに言うことが適切かどうかは分かりませんが、私自身は、説得力のあるものになっていて、これが議会の議決を経て確定されれば、それが指針性というか、規範性を持つことになりますから、そういう方向で基本計画の策定に取り組んでいくことになると思っております。

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